こうやって3人で一緒に球蹴りの練習をしていても
「いいよなー。上杉は」
夏休みの強化トレーニングの最終日に、ポツリと高橋が言った。
「“いいよな”って何がよ?」
「“何が”だと?
お前は、オレや三本木とは、ぜんぜん別世界のヤツじゃんよ。
いいか? こうやって3人で一緒に球蹴りの練習をしていても、オレや三本木はごくフツーの大学生、お前は違う。だろ?」
「俺だって普通の大学生だけど…」
「だぁーっ! 言うな、くそっ。腹が立つ。
お前は、将来はJリーガーだろ?
オレらは、どうがんばってもフツーの会社員。
いや、こんだけフケイキじゃ、会社員だってアブねーよ。
それに、この間の合コンだって、お前一人がモテやがって。
合コンなんて嫌だとか言っていたくせによ。ちゃっかり加奈ちゃんとくっついてやがんの。
くそーっ、天は二物も三物も与えやがって。
あ、わかった。お前、あれだろ?
合コンん時、加奈ちゃんにサッカー自慢したべ。」
「してねーよ。それに、いつ俺がJリーグ決まったんだよ。勝手に決めてんじゃねぇよ。
いっぺんにワケのわかんねーことばっかり言ってんじゃねーよ」
「えっ。あなた、加奈ちゃんにサッカー自慢してないの?
あらら。もったいわねぇ。宗佑ちゃん。」
「“あらら”じゃねぇだろ。いい加減なこと言いやがって。
大体なんだよ、オカマ言葉でしゃべってんじゃねぇよ」
高橋はつまり、合コンで加奈と僕が付き合うようになったことと、そしてもうひとつ。僕の将来についてを言っているのだった。
そう、僕は、高校を出る時にJリーグのとあるチームからの誘いを受けていた。
けれど、僕はそれを辞退して、この国立大学を受験したのだった。
“サッカーは大学を出てからでもできるだろう”という両親の考えを尊重して。
親が言うように
サッカーは、大学を出てからでも遅くはない。
きっと、チャンスはいくらでもあるだろう。
その時まで、大学生を楽しめばいいんだ。
当時の僕は、そう信じていた。
夏休みの強化トレーニングの最終日に、ポツリと高橋が言った。
「“いいよな”って何がよ?」
「“何が”だと?
お前は、オレや三本木とは、ぜんぜん別世界のヤツじゃんよ。
いいか? こうやって3人で一緒に球蹴りの練習をしていても、オレや三本木はごくフツーの大学生、お前は違う。だろ?」
「俺だって普通の大学生だけど…」
「だぁーっ! 言うな、くそっ。腹が立つ。
お前は、将来はJリーガーだろ?
オレらは、どうがんばってもフツーの会社員。
いや、こんだけフケイキじゃ、会社員だってアブねーよ。
それに、この間の合コンだって、お前一人がモテやがって。
合コンなんて嫌だとか言っていたくせによ。ちゃっかり加奈ちゃんとくっついてやがんの。
くそーっ、天は二物も三物も与えやがって。
あ、わかった。お前、あれだろ?
合コンん時、加奈ちゃんにサッカー自慢したべ。」
「してねーよ。それに、いつ俺がJリーグ決まったんだよ。勝手に決めてんじゃねぇよ。
いっぺんにワケのわかんねーことばっかり言ってんじゃねーよ」
「えっ。あなた、加奈ちゃんにサッカー自慢してないの?
あらら。もったいわねぇ。宗佑ちゃん。」
「“あらら”じゃねぇだろ。いい加減なこと言いやがって。
大体なんだよ、オカマ言葉でしゃべってんじゃねぇよ」
高橋はつまり、合コンで加奈と僕が付き合うようになったことと、そしてもうひとつ。僕の将来についてを言っているのだった。
そう、僕は、高校を出る時にJリーグのとあるチームからの誘いを受けていた。
けれど、僕はそれを辞退して、この国立大学を受験したのだった。
“サッカーは大学を出てからでもできるだろう”という両親の考えを尊重して。
親が言うように
サッカーは、大学を出てからでも遅くはない。
きっと、チャンスはいくらでもあるだろう。
その時まで、大学生を楽しめばいいんだ。
当時の僕は、そう信じていた。