では、簡単にそれぞれの自我状態について説明します。
親のPは「権威的な父親(CP)」「養育的な母親(NP)」、子のCは「自由なこども(FC)」「従順なこども(AC)」にそれぞれ分かれており、エゴグラムは5つの自我状態で表現されます。
どの自我も、肯定的な側面・良い面と否定的な側面・悪い面があります。
権威的な父親のCP
CPはビジネスシーンでは、規律を守ったり、けじめをつけるというモラルの部分を高め、あるべき姿を追求していく姿勢の基礎になるものです。この部分が弱いとだらしのない職場であったり、評価があいまいになったり、方向性の定まらない職場になります。
しかし、CPが強くですぎてしまうと、「もっと一生懸命やれよ」「まだまだ甘いよ」「もっと早くできるだろ」など、プレッシャーが高くなりすぎ、いつもぴりぴりして発言や行動がしづらい雰囲気をつくったり、仕事の楽しさややりがいが失われていく面もあります。
養育的な母親のNP
NPは人に対して愛情深く、保護的に接する優しい母親的なことが特徴です。人情に厚く思いやりがあってや世話好き、やさしく接し、元気づけたり、面倒みがいい。
時に、人からみるとおせっかいととられることもあります。部下やメンバーを育成していく中で、過度にNPを発揮しすぎた関わりを続けると、メンバーの自立性や自主性を育むことの阻害要因になる可能性があり、自分が過剰に仕事を背負ってしまうなど、生産性の低下につながります。
合理的な大人のA
Aは事実を調べたり、人の話を聴き、客観的なデータなどに基づき、冷静に考え、判断・意思決定をします。見通しをたて、計画性があり、効率的に行動する部分です。自分の行動を「親の自我状態・P」や「子供の自我状態・C」に切り替えて効果的に人と接する部分でもあります。
マイナスにでると、感情表出がないクールで打算的な人とみられることもあります。また慎重になりすぎる、情報やデータ収集に時間をかけすぎる、物事を複雑に考えすぎる、役割意識が先行しすぎるなど、頭でっかちになってしまい行動にうまくつながらない部分もあります。
自由なこどものFC
FCは、明るく元気がよく、のびのびしています。自由であけっぴろげ。人なつっこく無邪気。天真爛漫、創造的・好奇心があり、行動力がある。そんな、まさにポジティブなエネルギー満ちあふれる部分です。
自分自身はもちろん、周囲に対してもポジティブなエネルギーをもたらします。
反面、喜怒哀楽が激しすぎることがあり、周りの人が振り回される時があります。好き嫌いをハッキリ口にすることや、行動にあらわれるので、ワガママや自己中心的と受け止められることもあります。
従順なこどものAC
ACは、親の要求や期待に添うように順応することによって身に付けた部分で、まわりや他の人にあわせ、従う部分です。ただし内心では我慢をして自分を抑えていることもあり、抑えている部分が「反発」や「反抗」として表にでることもあります。慎重でがまん強く、感情を抑えることができ、協調性が高く、受身的で、行儀よくふるまい、期待に応えようと努力する傾向が強いです。
一方で主体性がなく消極的で、他の人への依存心が強い面や、つらいことも我慢してしまい、イヤなことをイヤと言えずストレスを抱え込みやすい部分があり、反発や反抗心をもったり、現実逃避につながる場合もあります。
この自我状態は、時々の仕事の状況や環境、体調、プライベートの状況によっても変わってきます。周囲に順応しようとしたり、頭を使って問題解決をしようとすると自然と変わります。
そして、逆に考えると、自分の状態と周囲、他者の状態を知ることにより、自分の自我状態をコントロールすることで、相手とうまくやることも可能になります。
人に、自分に都合よく動いてもらうためには、まずは自分が相手のうれしいように動く必要があります。
理解するのも自分から、変わるのも自分からです。
「過去と他人は変えられない」 けれど、 「未来と自分は変えることができる」 のです。
人との相性は、自分次第ということがおわかりいただけたでしょうか。
自分とも他人とも、うまく付き合えるようになるといいですね!
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相性の究極は相互理解
自己理解と他者理解のための方法 1
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10.未来を扱うカウンセリング
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8.相手も自分も大切にする伝え方