ここ数回、職場のコミュニケーションについて述べてきました。
コミュニケーションをとろうとして簡単にうまくいく相手と、そうでない相手がいることと思います。
そんなとき私たちは「相性がよくないようだ」と言ったりします。また、キャリアを考える上で会社と自分との「相性」について検討することもあるでしょう。
ではこの「相性」とはどんなものなのでしょうか?
今回は「相性」とは何を指すのか、「相性」の壁を乗り越えることはできるのかということについて考えてみます。
がんばっても気の合わない相手
仕事を円滑に進めるために、周囲の人と摩擦を起こさないようがんばっていても、どうもその努力が水の泡になるような相手というのを思い浮かべる方もいらっしゃると思います。
何かというとやり方がぶつかるし、話し合おうとしてもかみ合わないし、それでもせめて挨拶ぐらいしようとして無視されたり・・・自分は嫌われているのか、と考えたくなるような態度をとられてしまう。
こんな場面では、自分と相手は「相性が悪い」と結論付けたくなるでしょう。
特に仕事のかかわりでは、ひとつのことを協力して遂行しなければならず、ストレスの元になることと思います。
人間は誰しも異なった価値観をもっています。
特に仕事では、仮に目的が同じであったとしても、そこに到達するまでのやり方の「優先順位」にはいろいろなパターンがあります。
たとえば、「時間はお金だ(効率重視)」と思っている人と、「時間をかけてこそいい仕事ができる(質重視)」と思っている人では、仕事の進め方はかなり違うでしょう。
現代は情報化社会ですから、IT技術を簡単に使えたり、最新の情報を常に持っている人がいます。こういう人から見たら、自分のやり方に固執して何度も無駄な手間をかけているような人は、質を重視しているようには見えず、単にアナログで他人の時間まで無駄にさせる相手に見えてしまうのです。
また、「結果重視」と「過程重視」でも、やり方は対立しがちです。
当然ながら、どちらが正解ということはありません。
会社にとっては多くの場合、バランスが取れた価値観をもつ人材が望ましいのですが、その価値観が本人の得意分野に直結しており、その成果で評価されていることもあり得ますので、一概に平均した人材がよいということにもならないのですね。
このように「相性」をよく見てみると、優先順位、ひいては仕事への価値観の違いといっていいと思います。
優先順位の近い相手とは、あまり考えなくてもうまく仕事を進めることができます。お互い何を先に、どれだけエネルギーをかけてやるのか、少しの話し合いですぐに了解できますし、相手のやった仕事を見ても納得できることばかりだからです。
対して、優先順位が異なる相手では、度重なる話し合いがまず難航します。ようやく合意したつもりで仕事を始めても、実は一致していないので、「どうしてそんなやり方をするのか」と驚き、モヤモヤとしたものが残ったりします。
ここでストレスをためるよりアサーティブな態度をとるべき、というのが前回のテーマでした。
けれど、表面的な態度としてアサーティブであったとしても、お互い伝わりきらないものもあります。
お互いの優先順位に対する根本的な理解が足りていないということなのです。
つづきます。