WEEKLY MAIL 第1325号(令和5年6月18日)発行 NO.2
日経平均があり得ないぐらいの上昇を続けています。といっても、あり得ないほどではありません。過去にも短期間の大幅上昇はありました。ということで、とりあえず、アベノミクス以降のそれっぽいところを拾ってみます。 とはいったものの、ちょっと手元でまともなデータが取れないので、おおよそ、という形で行きたいと思います。 まずはアベノミクスの上昇相場。これは2012年末からですね。どこを起点にするかというのは考えどころではあり、2012年の安値で言えば6月の8,200円台とかもありますが、11月の急騰直前の安値は8,600円どころ。なので、ここはひとまず11月中旬に8,600円、としておきましょう。ここからの波動での高値は、翌年5月23日の15,900円でしょうか。ざっくり丸めると、半年で7,000円上昇。ここは絶対額ではなくて率で見ましょう。となると、8割強の値上がり。 その後急落しますが、続いての短期大幅上昇波動の起点は2014年10月17日の14,500円どころでいいですかね。で、その後の高値はひとまず翌年6月24日の20,900円としましょう。となると、ここはまたまたざっくり言うと約8カ月で4割強、といったところです。 次は2020年10月末の23,000円から、2021年2月16日のざっくり30,500円とします。3か月半で7,500円上昇、3割強の上昇ですね。 うーん、思った以上にバラバラですね。半年で8割、8カ月で4割、3カ月半で3割・・・この3つだけで言うと特にパターン無し。ちなみに今回のここまでの動きは、どうでしょう。起点をどこに置くかが迷えるところではありますが、とりあえず、今年5月11日の29,000円あたりですかね。安値で言うともっと前にもっと安値がありますが、長めのチャートを眺めてみると、急上昇の起点はそのあたりになると思います。チャート的には昨年8月高値を抜いたところからの上昇加速、ということですが、侮って売っていた投資家の買戻しを誘ったんでしょう。という需給面での推測はともかく、要した日柄と上昇率をまるめると、ここまで1カ月ちょっとで1割程度の値上がり、なります。 ・・・こうやって比較すると、足元の上昇相場は派手そうに見えて全然上がっていませんね。過去10年くらい振り返った中での大相場と比較して、ということですから、多少の値上がりでは見劣りするのは当たり前ではありますけれども。 情報部にいるわけではないのであまり細かい理屈は立てていないのですが、そもそもで言うと、コロナ直前、2019年の年末に向けての日本経済はとてもいいところにいて、2020年は相当いけるぞー、という状況でした。が、コロナで全て壊れたわけです。なので、2021年の日経平均25,000~30,000円のポジションは、コロナ前からの景気の流れを織り込んだ水準、という説明はできるだろうと思います(くどいようですが情報部ではないので、詳細には書けませんが。でももし情報部にいたらそういうストーリーで資料を書いていると思います)。しかし、米中関係や、世界的なインフレが日本のデフレ脱却に結果的にいい刺激を与えたことを考えると、コロナ前からのファンダメンタルズのいい流れとは次元の違う好材料が出現していると考えていいと思います。であれば、アベノミクスや、もう少し振り返れば小泉政権時代の株高に匹敵する上昇相場があってもおかしくないように思います。 昨日の日経新聞で、いかにも株高を認めるようなページが何ページかあったのが気になりますが(日経や東洋経済、週刊ダイヤモンド等が株の特集をやると相場が天井をつけるというジンクスはよく当たる。彼らには永遠に、日本経済はだめ、株価はバブル、と言っていてほしい)、中長期波動で言えば、上記過去の例を見るにつけても、先行きに弱気になる必要はないように思います