日本のゴールデンウィーク中に、米国ではFOMCや雇用統計の発表など、重要な動き・指標の発表が相次ぎました。そのあたりの細かいところは終わった話としてスルーします。

 で、日経平均の日足チャートでは28,500円どころにさしかかった直後に急落するパターンが繰り返されていたので、今回はどうかと思っていたのですが、そのあたりで値固めをして昨年のパターンとの違いを見せ、その後一段高となりました。で、次の節目は昨年の8月高値29,222円どころだったわけですが、51日以降6営業日をかけて価格を維持、そして12日に上放れて高値を付けました。その段階で、いわゆるやれやれの売り、戻り売りをこなしたのだと思います。いい感じですね。


 いよいよ次の節目は2021年の30,700円台ということになりますが、海外の海外投資家向けの投資レポートを見ると、バリュエーションが低いこと、デフレを脱却しつつあることを日本株オーバーウェイトの理由としています。他の運用機関等、全部が全部同じことを書いているわけではないでしょうが、代表的な見方であろうと思います。


当欄で書いている基本的な主張のひとつは、デフレではバリュエーションが上がりにくい、ということです。逆に言えばデフレを脱却すればバリュエーションは上昇するということですので、今の日本の株価を海外投資家が低バリュエーションと評価しているのであれば、それは今後の海外投資家の買い越しにつながるネタの一つであるといえます(実際足元で買い越していますが)。株価上昇でパワーがあるのは、業績回復よりむしろバリュエーションの上昇です。引き続き日本株上昇のいい環境となっていると思います。


 そうした相場全体の上昇を受け、市場が温まってきた、という感じでしょうか、中小型株にも上昇の恩恵が及んできました。私は昨年段階で、コロナ後の景気減速を株価は織り込んだ、とみて景気敏感系の中小型株を買ったわけですが、実はまだ織り込み切っておらず、そこから株価が下落するという目にあってしまいました。実際、前期は業績が思ったより悪化した銘柄もありました。で、先週は保有銘柄の大半で決算発表があったわけですが、主力資金で買っている電算システムは堅調な決算を発表してほぼストップ高となりました。同社は昨年も地味に最高益を更新していたのですが、株価は自分の買い値からは2割ぐらい下がっていました。このように、企業業績は自分の想定通り好調なのに、株価は下がる、ということがよくあります。電算システムあたりは予想PER10倍程度と高くないにもかかわらず、です。PERなんて、何倍なら安いか、というのはほとんど気持ちの問題で(もっとも、株価というのはすべて投資家の気持ちで成り立っている、といえる)、PER10倍なら安いと思っていたものが7倍まで下がれば、株価は3割下がっている、ということです。それでも、一方で増配されていけば、にもかかわらず株価が上昇しなければ最後は配当利回りが高くなってくるので、それが株価を下支えするだろう、と思っています。ということで、電算システムは目標株価は8,000円と自分は思っているので、引き続き継続です。


 その他、サンアスタリスク、メンバーズも決算発表後に大幅高となり、これらはちょっとずつしか持っていませんがやはり買値を下回っていたので、とりあえずはよかったなと思っています。いずれもそんなに評価するほどの業績とも思えないのですが、決算発表を機会に見直し買いが入った、ということだろうと思います。要は、それまでの株価が売られすぎだった、と。


 あとは、長期投資で買ったテックポイントで、金曜日に決算発表がありました。新製品開発等、それなりに進んでいるように思いますので、引き続き期待しています。これは買値から半値以下になっていますが、そもそも買った時に、下がるかもしれないけど上がったら買えなくなるのでとりあえず買っておこう、と思って買ったので半値でも問題ありません。業績自体は買った時の決算と比べて、直近の方がはるかに利益は出ています。バリュエーションも下がっています。が、半導体の開発企業ですので、バリュエーションが低いから大丈夫、とは言えません。ただ、決算で気になるのは、昨年は半導体不足もあり、納入先が製品を作れないので数量の伸びに影響があったように思うのですが、今期はというと、景気減速と半導体の在庫調整で売り上げ伸び悩みを予想、と。この意味がちょっと分かりませんね。散々売れるはずの時に全力で売れず、業界が在庫調整となったら売り上げが伸びない、では、じゃあいつ売上が爆発するんだ?と思うわけです。きちんと数字を詰めて理解すればわかる話だろうとは思いますけれども。


 個人的な話をもう少し書くと、分散投資という点で金の積み立てを続けていますが、これがとても上昇しています。現在保有している株はトータルで評価損となっていますが、金の大幅上昇で軽くカバーしています。もっとも、実際に現金化するなりモノ・サービスを購入するなりするときにその価値が保たれているか、ということが重要なので、言ってみればまさに絵に描いた餅ですね。