BS日テレでTV版「マクロスΔ」の再放送が始まってます
毎週木曜日の23:30から二話連続放送 
このブログも放送が始まってからPVがグッと増えたかも……感謝


本ブログともどもよろしくお願い申し上げます
今回は星の子ちゃんの聖書神話属性のお話……

万にひとつもない神話バレ注意報かも


主要キャラクターが複数の神話ポジションを演じるマクロスシリーズ……
ここ数回で星の子ちゃんの3つの神話属性を見てきたけど……
『ニーベルングの指環』の黄金林檎女神フライア
北欧神話の黄金林檎女神イズン
北欧神話の冥界女神ヘル
でもハヤフレ同様、星の子ちゃんだって神話属性は北欧神話だけじゃない……
儚いハヤフレ恋物語のエッセンスとなった二つの聖書物語において……
ハヤテとフレイアが演ずる神話属性は……
旧約聖書「失楽園」アダムとイブ
新約聖書「聖母処女懐胎」ヨセフとマリア
参考過去記事
絶対LIVE!!!!!! ハヤテ・フレイアの「失楽園」
絶対LIVE!!!!!! 林檎と渦巻き銀河 失楽園から処女懐胎へ
絶対LIVE!!!!!! 女神フレイヤ+聖母マリア=林檎娘フレイア だったりして❓
ふたりの子供ポジションにある星の子ちゃんには当然それに合わせた聖書神話属性があったりする……
新約聖書においてヨセフ(ハヤテ)と聖母マリア(フレイア)の間に生まれた子
……もちろんキリスト教教義では…宗派で微妙に違うみたいだけど…
父なる神の聖霊によって処女マリアに宿った子
……ということになるかもだけど……
……その子の名は……
イエス・キリスト
そうなんです

星の子ちゃんの聖書属性ポジションは「救世主イエス・キリスト」
これだけでも星の子ちゃんの重要性が分かろうというもの……
また星の子ちゃんは聖母マリア役フレイアの子供ポジションで登場したというだけでなく、他の場面でも彼女が救世主ポジションにいることが暗示されてたりする……
例えば……
聖母子を描いたキリスト教古典絵画において……聖母子の近くに配置される……
原罪の象徴・禁断の「林檎」
「Virgin and Child under an Apple Tree」Lucas Cranach(1525)
「Virgin and Child」Albrecht Dürer (1498)
赤子が後ろ手に林檎を保持
「Madonna Della Mela」 Donatello MuseiBaldini (1440頃)
絶対LIVE!!!!!!でのヘイムダルの攻撃によりマクロス・ギガシオンに退避したハヤテとフレイア……
ギガシオン艦内においてハヤテがだたひとつ保持していたシワシワになった林檎をウィンダミア奪還と林檎園再建の誓いとともにフレイアに手渡す場面……寿命の違いを意識させられたフレイアが林檎を受け取ったままハヤテの元から走り去った直後のカット……
過去記事でも何度となく引用しているマクロスサーガ上の象徴的な数コマ……
星の産卵地とも言われる渦巻き銀河を背景にした原罪の象徴である林檎
渦巻き銀河を宇宙の子宮に見立てて胎児のように丸まるフレイア
種を宿した林檎はちょうど胎児に繋がる臍の緒の位置に配置された構図
サーガ的解釈なら……
この時点でフレイアは既に赤子を身籠っているはず……
……そして……
その赤子は……禁断の林檎を齧りエデンの園(レイブングラス林檎園)を追放されたアダム(ハヤテ)とイブ(フレイア)が背負った原罪を贖う存在……
救世主イエス・キリスト
……に相当することを暗示しているのかも

もう一つの重要な示し……それは……
天空の渦巻き
最も有名な受胎告知を題材とした古典絵画の一つであるカルロ・クリヴェッリ作「聖エミディウスのいる受胎告知」(1486)
1482年のカソリック教会が認定する「受胎告知日」3月25日にイタリアの都市アスコリ・ピチェーノがローマ教皇より自治権を認められたことを記念して制作されたものらしい……
ちなみに羽のある大天使ガブリエルの隣にいるのがこの都市の守護聖人として尊敬を集めている故人・聖エミディウス司教……なのでこのタイトル……

大天使ガブリエルがマリアにキリストの受胎を告げる重要な場面を描いたとされるこの作品の大きな特徴は絵画左上の空にある激しい渦巻き……さらにはその渦巻きから光が一閃、マリア様に伸びて、聖霊によってマリア様が神の子・救世主キリストを身籠ったことを表現しているのだとか…

「The Annunciation with Saint Emidius」Carlo Crivelli(1486)
実はこの渦巻き……多くの天使たちが高速回転飛行している様子だとか…
拡大してみるとこんな感じ……確かに白い羽が並んでいるような気もする……
あとガブリエルの足下には原罪の林檎がキッチリと配置されてたり……

この天上の渦巻きが受胎告知の証だとすると……
さきほどの渦巻き銀河に林檎と胎児化フレイアを配置したカットなどはまさにフレイアの受胎告知場面なのかも

さらにエンディングロール&テーマ「ルンに花咲く恋もある」が終わった後の最後のシーン……復活したレイブングラス村林檎園でハヤテと戯れる星の子ちゃんのシーン……
ハヤテの「フレイアは歌う」に対する星の子ちゃんの返し……
♪私も歌う♬覚悟するんよ~
……このとき天空に激しい渦巻きが突如出現


一瞬フォールドゲートが開いたのかと思わせるようなカット……
おそらくこれも……
救世主誕生の証となる天空渦巻き……

まだあるかも……補完材料……
星の子ちゃんは人工知能というか……自己保存本能を持った人工生命体シャロン・アップルのコアとなる「星の歌い手」細胞のクローン個体として登場したわけだけど……過去記事「マクロスプラス 冥界下り物語はサーガに欠かせないよね?」でも書いたように……
シャロンの名前はユダヤ教・キリスト教における理想郷シャロンに由来……
しかもその土地に咲く花は「シャロンの花」や「シャロンの薔薇」とも呼ばれて以下のような位置づけに……
キリスト教では救世主イエス・キリストのシンボル
……そして過去記事「シャロン・アップル…人工生命体はそもそもヤバいものかも?」でも書いたように……
星の子ちゃんは人工生命体の自己保存本能に従ってシステムコアから生まれ変わった存在……つまり彼女は……
シャロンの花が実らせた果実・黄金林檎
それそのまま星の子ちゃんが救世主として結実したと言っているようなもの……
ここまで多重の伏線張られたら……星の子ちゃんが聖書神話に於ける救世主イエス・キリストの役割を果たすことは確実かも…
そうすると……星の子ちゃんはイエス・キリストの人生をマクロスサーガ的解釈で踏襲することになるのかも……となると……
イエス・キリストの人生を簡単に振り返ってみると……
教えの確立と布教伝道
奇跡を顕し多くの弟子・信徒を作る
ローマ帝国からの独立を求める信徒たち
ローマ帝国の警戒とユダヤ民衆の不満
愛弟子ユダの裏切り
原罪を背負いゴルゴダの丘にて処刑される
復活して弟子の前に現れる
天上に昇り天国に帰還する
原初の人間アダムとイブ、そして人間全体の原罪を背負って十字架に架けられて死ぬことに……そして約束したとおりに復活して弟子の前に現れた後1日もしくは数日を弟子と共に過ごし、その後、天上に昇り天国に帰還する……四種の福音書によって内容細部は異なるらしいけど……これが新約聖書が語るキリストの人生……
もしもこの道筋が何らかの形で反映されるなら……
星の子ちゃんはマクロス・サーガの中で恐らく……
風に召される宿命
そしてそのあとに……
復活する
これもある意味、「黄泉返り」=「冥界下り」物語だよね……
死者のいくところを……天国地獄の区別せずまとめて冥界と呼ぶならば……
またいつか他の記事で書くかもだけど……渦の回転方向に注目……
左は絶対LIVEのラスト、右はマクロスゼロの「鳥の人」のアルファボンベイ型の血液……マオ・ノームに輸血したもの……が流れだす部分……


「鳥の人」もサラが止めるまで地球人終わらせる気満々だったしね

もしかすると……救世主たる彼女の当面の役割は……
“何かを終わらせる・決着をつける”
……ことにあるのかも……
そしておそらくそれは……
プロトカルチャーの原罪
それが何なのか……またいつか記事書いちゃうかも🍎
女神イズン・女神フライア・女神ヘルに加えて救世主イエス・キリスト……
超が付くような重い神話属性を背負って生まれてきた星の子ちゃん

是非ともその明るい前向きな性格とシャロンゆずりの冷静さと女神フレイヤを彷彿とさせるしたたかさで難局を乗り切ってもらいたいかも

