<意外に誤解の多い護国神社①〜「英霊」ということば>

4日の日曜日は、第一回護国神社セミナーを開催させていただきました。約2時間私山中の方でお話させていただいたのは、前半1時間が「護国神社の基礎知識」後半1時間が「大阪護國神社の歴史」。

「護国神社の基礎知識」では、護国神社について誤解されていると思われる部分を主に説明しました。その一部をここで簡単にご説明したいと思います。
まずは、「英霊」ということば。
全国の護国神社、靖国神社の御祭神のことを、「英霊」と呼ぶことはご存知の通り。
この英霊ということばは、正式な神道用語、神社用語ではない、ということはあまり知られていません。

・・・って、書いているこの私も、実は8年前まで、このことを知りませんでした。
8年前に私は「全国護国神社巡拝ガイドブック」という全国主要護国神社52社を紹介する本を書きました。
この本は、「全国護國神社會」より監修をいただき、全国主要護国神社の説明文はすべて各護国神社よりチェックをいただいたのでした。

その時、何社かの護国神社の神職の方から指摘を受けたのが
「全ページの原稿の英霊ということばはすべて神霊に書き換えよ!」
でした。

私はその時、たいへん驚きました。
「護国神社の本を書いているのに、英霊を使うなってどういうこと?」

靖国神社、護国神社では、正式には御祭神のことを「神霊(みたま)」とお呼びする、とその時教えていただいたのでした。

御祭神は、ひと柱ひと柱は、「○山○男命(まるやままるおのみこと)」と生前のお名前の下に「のみこと」をつけてお呼びします。
「神霊(みたま)」は、その御祭神の総称なのです。正式な神道用語です。

では「英霊」とは何?

「英霊」は、明治時代から使われていることばですが、いわゆる神道用語、神社用語ではなく、「神霊(みたま)」の敬称であり通称なのです。
戦前の古い靖国神社関係の文書では、「神霊」のことを「合祀者」と呼んでいる場合も多いようです。このことばも神道用語ではありません。

⚫️ 英霊ということばの使い方

「英霊」は、「神霊」の敬称なので、「英霊」に「ご」をつけたり「様」をつけたりするのは、本来は正しい使い方とはいえません。
ただ、「ご英霊」は、最近は一般化してきていますので、特に間違いとも言えなくなっています。
護国神社関係者でも「ご英霊」と呼ぶ方はおられます。

「神霊」が御祭神の総称であるように、「英霊」も御祭神の総称なので、「英霊の方々」「英霊の皆様」「英霊たち」も正しい使い方とはいえません。
「英霊」はただ「英霊」でいいわけです。
AD