病室のベッドで目を覚ました、記憶の戻った司は自分が記憶喪失であった事は
全て忘れていた。
不機嫌な声で怒鳴りながら、西田に牧野を呼ぶように伝えた。
不機嫌な声で怒鳴りながら、西田に牧野を呼ぶように伝えた。
「坊ちゃん、牧野様は…」
「なんで、牧野がここに居ないんだよ…俺の女だろうが…。西田すぐに連れて来い…。」
「はぁ…しかし…」
「つべこべ言ってねぇで連れて来い。顔がみたいんだよ。
バイトとか抜かしたら無理やりにでも連れて来い、
おっと忘れんなよ、団子屋の菓子を全部買い取れ。そしたらここに来るだろう。」
おっと忘れんなよ、団子屋の菓子を全部買い取れ。そしたらここに来るだろう。」
「坊ちゃん、牧野様は今はバイトはされてません。
学校の方もお休みでアパートも引っ越してます。」
「お前居場所分かってんだろう?何処からでもいいから攫って来い。」
「しかし…。分かりました。行って参りますが期待はなさらないでください。」
西田が出て行ったドアに向かい
司は一人で考え込んだ・・・・・。
西田が出て行ったドアに向かい
司は一人で考え込んだ・・・・・。
ふん、何を言ってるんだ…牧野が俺を見捨てる訳が無いだろう…。
結婚する予定だったんだ…。
4年後には、俺の…。何か俺は忘れてるのか?刺された筈なのに…。
4年後には、俺の…。何か俺は忘れてるのか?刺された筈なのに…。
傷は塞がってる・・・。刺されてどれ位たったんだ…。
あきらや総二郎なら何か知ってるのか?
頭が痛い…俺はどうしたんだ?何故傍に牧野が居ない…。
頭が痛い…俺はどうしたんだ?何故傍に牧野が居ない…。
「司が倒れて記憶が戻った?今更どうすんだよ…。見舞い行くのか?
でもどうするんだよ、あきら…。」
でもどうするんだよ、あきら…。」
「総二郎、でも司には俺達しか居ないんだから見捨てる訳にもいかないだろう?」
「ああ、そうだったな。仕方ない…猛獣使いも不在だし俺らが頑張るか?」
病院に着いた二人が見たのは不機嫌な司の姿・・・。
「おい、牧野はどうした?類は?もしかして類か?類が牧野を・・・。」
「司落ち着け、説明してやるから…。」
「司は記憶喪失だったんだ、牧野の事も忘れて…
病院で知り合った中島海って子を牧野だと勘違いして
ずっと傍に置いてたんだ、でも桜子…三条桜子にいい加減にしろと右ストレートをくらって
今度は桜子を自分の女と勘違いしたんだ。
ずっと傍に置いてたんだ、でも桜子…三条桜子にいい加減にしろと右ストレートをくらって
今度は桜子を自分の女と勘違いしたんだ。
牧野はそれでもお前に思い出して貰おうとしてたんだが…。
お前が桜子と付き合う様になり体の関係が出来たから身を引いた…。
お前が桜子と付き合う様になり体の関係が出来たから身を引いた…。
今は牧野は類の女だ。司、牧野や類を恨むなよ?
お前と桜子の姿みりゃ、もう諦めるしか牧野には無かった。仕方ない事だ…。」
「ふざけんな、何が桜子だ…あんな女俺が相手するはずが…。」
「思い出したか?お前は桜子と寝た…。
それも何か月もその関係を続けた…。お前の母ちゃんの処に
桜子を連れて行ったの覚えてるか?反対されたみたいだけど…。」
桜子を連れて行ったの覚えてるか?反対されたみたいだけど…。」
「ああ…思い出したよ…。桜子を牧野と勘違いしたんだ。
確かに何度も寝たよ…。でも牧野は俺の女だ。」
「司、それだけじゃない事情が出来たんだ・・・。」
「なんだよ、それだけじゃない事情って?」
「実は16年前牧野の母ちゃんが、牧野と桜子を入れ替えた。
牧野の母ちゃんが三条家で乳母をしてたんだ。
それが、DNA鑑定でわかったんだ。それで今は牧野つくしは居ない
それが、DNA鑑定でわかったんだ。それで今は牧野つくしは居ない
。三条葵と改名して牧野つくしは三条葵として、
三条桜子は牧野桜子として生活してる。牧野は三条家の娘なんだ。」
三条桜子は牧野桜子として生活してる。牧野は三条家の娘なんだ。」
「はぁ?牧野が三条葵?冗談だろう?それで今は類の女・・・。そんな事許せるか…。
俺の記憶が無いからって勝手な事しやがって…。
俺の記憶が無いからって勝手な事しやがって…。
絶対に許さない。牧野だろうが三条だろうがあいつは俺のだ…。絶対に取り返す。」
「でも、お前桜子どうすんだよ…まさかとは思うけど子供でも出来てたら?
避妊してないって言ってたぞ。」
「子供?知るかそんなの…。」
「そういう訳には行かないだろう。道明寺家の血をひく子供だぞ?」
「兎に角類と牧野・・・。いや三条葵をここに連れて来い。話はそれからだ・・・。」
「一応、類には聞いてみるけど…来なくても暴れんなよ。」
類に電話をするあきら…それを見ている司の目は鋭く尖ってる。
「司、類が葵連れて来るってさ…。でも絶対に暴れるなよ。」
「ああ・・・。わかったよ」
類と葵が現れたのは、その2時間後…。
病室に入って来た二人が手を繋いでるのを見た司は…。顔を青ざめた…。
仲良く二人は司に言葉を掛ける…。
仲良く二人は司に言葉を掛ける…。
「司、記憶が戻ったんだって?それで何か用?」
「ああ、全部思い出したよ。牧野は…いやその葵は俺の女だ…。類、手を離せ…。」
「嫌よ…。どうしてあなたに命令されなきゃいけないのよ。」
「だから、お前は…。」
「私は牧野つくしじゃないの…。もう貴方の事も忘れたわ。
あなたは桜子さんの彼氏じゃないの?
何度もそう言ってたじゃない。記憶が無かったなんて子供みたいな言い訳しないで…。
貴方は自分の意思で、桜子を傍に置いたのよ、私も自分の意思で類の傍にいるの…。
邪魔はしないで…。私の好きなのは類だから…。
何度もそう言ってたじゃない。記憶が無かったなんて子供みたいな言い訳しないで…。
貴方は自分の意思で、桜子を傍に置いたのよ、私も自分の意思で類の傍にいるの…。
邪魔はしないで…。私の好きなのは類だから…。
話がそれだけなら、帰るわ。行きましょう類。」
「悪かった、怒ってるんだろう?俺が桜子とそういう関係になって、でも記憶が無かったんだよ。
仕方ないだろう?俺の意思じゃない…。違う…。」
仕方ないだろう?俺の意思じゃない…。違う…。」
「怒る?そんな感情は無い。私は貴方を好きじゃない。大事な人なら忘れる訳が無い。
貴方は忘れただけじゃなく、桜子さんを愛したんでしょう?
貴方は忘れただけじゃなく、桜子さんを愛したんでしょう?
だったらもう私に拘らなくていいじゃない。
私は、私の好きな人を見つけたし…。お互い幸せになりましょうよ。」
私は、私の好きな人を見つけたし…。お互い幸せになりましょうよ。」
「お前が居ないと幸せになれない…頼む俺の処に戻って来い。」
「それは無理。私類が居ないと生きていけないのよ。愛してるの。」
「そんな事言うなよ…。嫉妬でそんな事言ってるんだろう?」
「司、諦め悪いね。あれだけ言ったじゃない…。後悔するなって…。忠告したのに無視して
女と好き放題したのは自分でしょう?」
女と好き放題したのは自分でしょう?」
「だから、それは…。頼む葵を俺に譲ってくれ・・・。類…いいだろう?」
「葵はものじゃない…。」
「そうよ、勝手にそんな事言ってんじゃないわよ…。私には心があるのよ。
あんただけはもう好きにはならないし、好きじゃない。行こう類…。」
あんただけはもう好きにはならないし、好きじゃない。行こう類…。」
「じゃ、司…。」
「待ってくれ…。」
「司、お前諦め悪すぎ…。もう帰っていいよ、類、葵…悪かったな。」
「あきら、後頼むね。」
「またな、葵ちゃんお茶習いに来いよ。」
「ええ、またね。西門さん、美作さん」
「どうしてだ…俺は納得できねぇよ。」
「頭冷やして考えろよ…司…。」
「どう冷やすんだよ、あきら…。」
「桜子の事もこのままじゃ駄目だろう?ちゃんとケジメつけろ。」
「桜子?いらねぇよ、そんな女…総二郎がどうかしてくれ。」
「おいおいそりゃないだろう。お前から桜子に言い寄って置いて…。」
「俺から?冗談じゃねぇぞ。お前らの使い古しの女なんて…」
「司、それは言い過ぎだ…。相手は女だぞ…。」
「使い古しを使い古しと言って何が悪い。本当の事だろうが…。」
「お前本気で言ってるならもう俺も知らねぇ…。桜子の気持ちにもなれよ。」
「ふん、本当は貧乏人の娘の気持ちなんか知るか…。」
「どうしようもないな…。猛獣使いはもう居ないし…。俺も悪いが司にはついていけない。」
「好きにしろ、お前らなんかに頼らない…。俺の勝手にする。」
「帰るぞ、総二郎。」「ああ、じゃあな、司」
司は自分の思い通りにならない事に苛立ちを覚えた。