海外ポスドクの就職活動日記

海外ポスドクの就職活動日記

高学歴・高年齢・海外… 
2009年、
3Kのハンディと不況にアグレッシブにチャレンジする
海外PDの新卒(?)就活記録

    こんにちは!
博士研究員(ポスドク)の民間企業への就活記録です。
結局、国内某金融のクオンツになりました。その紆余曲折を綴ってます。

次のリンクに過去の記事も含めて整理してあります。
 ★ポスドクの就活 【準備編】、 【実戦編】(予定)
 ★クオンツ就職対策         
 ★外資系就職お役立ちリンク     
 ★2009年夏期インターン奮闘記   
 ★ポスドクって何ですか?       
博士への進学を考える人の参考に、 ★大学院に進学するべきか?

2010年3月末をもって更新を終了しました。 

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みなさま、ご無沙汰しております。
お元気にしておられるでしょうか。

ポスドクだった僕が民間就職して三ヶ月が経ちました。
僕はどうしているか?

ひとことで言うなら、
「民間就職は当時の僕にとって最良の選択だった。」


もちろん、変化を続ける社会の中で、
僕の会社や雇用が将来どうなるなんてことは分かるはずもない。

だけど、
僕は今、充実した日々を送っているし、
待遇にも満足している。


多分、5年もしたら、大学でそうだったように、
今の世界の一人前の専門家に育っていることだろう。
研究員の不安定な身分に比べたら、民間のほうがマシなくらいだ。

それに、民間に移るにあたって心配したようなことは、
実際のところ僕にとって大して問題にはなっていない。

専門的な仕事に就いたから、
同僚たちの雰囲気やバックグランドも近いので
ほとんど違和感なく溶け込めた。

***
僕は少しのん気なものですから、
そんな僕のブログを読んでくださった方は
こんなので大丈夫かな、とお思いになったかもしれない。
別に、デメリットが見えてない訳じゃないよ。

基本的な僕のスタンスは、
悲観するよりも楽観的でありたいし、
文句を言うより可能性を探したい、

というもの。

会社に入っても、
愚痴ばかりこぼしている同僚もいるし、
悪いところだって挙げたらきりがないはずだ。

それでも、僕は「よかった」って言うよ。
僕は僕のポジティブな性格が
自分の周りの雰囲気をちょっとだけ明るくできることも知っている。

どんな環境でもいいことを言う人も、悪いことをいう人もいる。
人生を楽しめるかどうかは、結局その人次第だ。


研究に、学習に、努力を厭わない勤勉な博士たちなら、
多少の残業や会社外での勉強だってそれほど苦痛には思わないはず。

正直なところ、
大学での研究のほうが僕にとってはよほど重労働だった。
そのせいか、就職してから体重が少し増えた。

当時、待遇が悪すぎて、
遊ぶこともお洒落をすることも忘れていた自分に気づいて
ちょっと切なくなったくらいだ。

***
民間企業に入ったら、休みなんてあまりないのかと思ってたけど、
結構週末も友人たちに会ったり、スポーツをしたりと楽しんでる。

(研究してた頃って、メリハリもないけど、
土日もあんまり関係なかったよな…)

「週休半日」の外資銀行なんて行かなくてよかったっす。
ほんと、“ブランド”でものを決めないほうがよいよ。


研究をしている頃は、民間なんて夢がないなんて思ってたけど、
仕事は地味といえば地味でも、今だって目指すものがある。

(研究分野はろくに進展しないのに、自分の研究には意義があると
自分に言いきかせ続けることもなくなった…)


あれ? 悪くないじゃん!


僕が研究していた分野は、
その競争の熾烈さでも知られてる。
運も味方にして、あきれるくらいに勝ち続けないと、
大学の先生にはなれない。
というか、研究者って研究そのものが目的なのであって
教授になるのが目標じゃねぇだろ。

それなのに、
・常に論文で結果を出すプレッシャーや
・来年のポスト(収入)も保証されず、賞与もなく、
・社会保障(雇用保険、厚生年金)もない環境におかれ、
ポストを繋げること自体が目的になってしまった
あの研究生活はいったいなんだったんだろうとすら思ったり。


優秀な、力のある博士たちが、
大学特有の視野の狭さゆえに人生の大切な選択を誤らないことを願う。

別に、就職する気がなくても、就活してみていいのだよ。
どんな道を選んだとしても、何かしら得るものがあるはずだから。



ともかく、みんなそれぞれの道での健闘を祈ってる。


ついに日本に戻る日が来ました。

日本、、
四季が綺麗な国。
たくさんの友達がいる祖国。


10年ほど取り組んできた研究と仲間に別れを告げて、
遅咲きの再出発で、日本に向かう飛行機に乗る。
とても複雑な気分だ。

博士研究員として留学、転職、帰国。
この一年で僕の人生は
全然思ってもいなかった方向に動き出した。

これまで、研究や就活など
多くの人にお世話になりました。
ほんとうにみんなありがとう!


そして、
新しい生活が始まるよ。
これからもよろしくねヒマワリ


    海外ポスドクの就職活動日記 (完)
     2010.3.22  gogo-pd


 ☆☆ポスドクの就活の総括。今回は前編です。☆☆


「うん、やっぱり民間就職しよう…ガーン

ある日、僕は決意しました。

だけど、研究一筋で生きてきた僕には
皆目何をやっていいのかすら分からなくて、
資格の勉強をしたらいいのかとか、
人材紹介会社に登録したらいいのかとか、
先輩や知人に相談してみようとか、
そんなことを考え始めてみたのです。

まあ、後から思えば
まず相談・情報収集
が先決でしょうか。


☆★
5年位も連絡を取っていなかった人々にまで、
メールを突然送ったりしました。
その頃の記事が以下のものです。
「就活ブログ始めたよ」

日本に会社は400万社もあるそうです。
就活は、業種をあまり限定せずに始めた方がいいですし、
だんだん希望の業界を定めていったとしても
探せば良さそうな会社はたくさん見つかります。
業界に詳しい知人に尋ねてみるのもいいでしょう。


☆★
非常に親切な先輩に恵まれまして、
ポスドクがインターンに参加する!
というアイデアを頂きました。参加記録など総括の記事は、
「ポスドクのインターン【最終報告】」

時間に余裕があればインターンに参加すると得るものは多いです。
積極的に応募すれば、
意欲を買って異端児を受け入れてくれる企業もありますよ。


☆★
時間があってもなくても人材紹介会社には登録した方が、
非公開求人の案内やアドバイスを得られるのでよいです。
「さーて、まずは登録だ!」
「人材紹介会社の面談に行ったよ」

新卒向けのサイトに登録すると
いろんな情報が得られるしWebテストの練習などもできます。
通過したエントリーシートなども公開されていますから、
是非うまく利用してください。
「外資系就活お役立ちリンク」
ポスドクのインターン 【準備編】


☆★
就活でするべき重要なことは2つ、企業研究と自己分析。
企業研究をすることで、
意欲も出てくるかも知れないです(逆の場合もある)。
いずれにせよ、面接を通過するには絶対欠かせない要素です。
「ポスドクのビジネス感覚」
「速読・日経ビジネス」
「財務諸表【1】」

・金融業界について、
「証券・投資銀行【採用情報メモ】」
「投資銀行の部門」
「外資系金融って」
「恐ろしい外資系企業の印象」
「本を読もう♪ 【投資銀行入門】」
「セミナー【金融業界】」
「モルスタの名刺交換会」

・経営コンサルについて、
「戦略コンサル【採用情報メモ】」
「戦略コンサル【就活メモ】」
「戦略コンサル【ランキング】」
「本を読もう♪ 【コンサル入門】」
「勝ってみせろ【戦略コンサル】」

・保険業界
「セミナー【アクチュアリー】」

・メーカー
「豪華食事付きセミナーっすか!」


☆★
あと、(特に海外からの)就活はお金がかかりますから、
「格安航空券のテクニック」
「格安ホテルの見つけ方」
も参考になるかもしれませんね。

***
その時々に忘れないうちに考えたこと、知ったことを、
ブログに記録してきたつもりなので何か参考になれば幸いです。


紆余曲折のある就職活動でしたが、
結局、
・自分のスキルを生かせる仕事
に戻ってきました。

もちろん、そうでないとアピールできないし、
それよりも、
やっぱり僕は数理的な分析が好きなのです。
自分の適性とキャリアを完全に捨て去って仕事をするということは、
やはり受け入れがたいことに思えました。


だから、自分に合う仕事を選べたはず。
まだ始まっていない今は、信じるしかないけど。


やはり、博士やポスドクとして就活をすると、
同じように周りで就活している仲間も少なくなりがちですし、
情報入手にも色々苦労すると思います。

とにかく、いろいろな人と話すことが重要だと思いますので、
先輩とか大学時代の友達とかにも連絡を取って
就職ということについて考える機会を多く持つほうがよいです。

「ポスドクの行く末」

研究の世界に住んでいると、
研究を辞める人を「脱落者」とみるような雰囲気も
少しはあるかも知れませんが、
でも研究の狭い世界にこもっているからそんな視点になってしまうだけで
広い世界に出ればそんなことはすぐに忘れてしまうことでしょう。

偏狭な見方に惑わされるのではなくて、
きちんと自分のこれからの長いキャリアを考えて
何が自分にとってベターなのか冷静に考える必要があります。


これから定年まで約30年までの将来に関わることですから、
ベストを尽くしたいですよね。


だけど、
これまで好きで続けてきた研究から離れることを躊躇する気持ちや、
他の事に、特に就活に情熱を持てなくなることもあるかと思います。

研究のモチベーションまで下がってしまって、
なんだか何もかも気乗りしないような日々も少なくはありませんでした。

そんな時は、
ネガティブになっても仕方がない、ポジティブになろう!、
と自分を奮い立たせました。
「今だから言えるけどさ…」


あなたは博士としてきちんとこれまで頑張ってきたのですから、
それを別の分野でも活かして活躍していけるはずです。

少なくとも、研究の狭い価値観を引きずって
それで、私は役に立たない、などと決めつけてしまうことは、
もったいないですよ!

***
僕は就活の流れとして、
新卒として活動(7月-2月)

(もし、思うようにいかないなら)

中途として活動(2月から任期終了まで)

のように想定していました。


折りしも僕が就活を始めたのは「リーマンショック」直後の時期で、
焦ってすぐに中途などで応募しても思うようなポジションは
期待できないと考えて、時間をかけた就活を行ったのです。

僕が就活を始めた2009年の夏はポスドクの一期目の後半でした。
海外の大学ですから秋が契約の時期でした。
それで、
二期目の最後、2010年の秋までに就職を決める
というのを目標にしました。

先輩などでポスドクで就活を行った人には
人材紹介会社などを使って
3月に始めて6月に終了したとか、
博士を出て4月に始めて5月に終了したとか、
結構短期間で決めた人も多いようでした。
中途ならうまくいけばそんなものだと思います。


僕の場合、
景気と任期の事情で、
新卒から始める気の長い活動となりました。

新卒で活動するメリットは、
職種の選択肢が広い、
会社説明会など企業を理解する機会が多い、
ということでしょう。

意欲を伝えて、
「何か変な奴が来たけど、ちょっと面白そうだ」
と担当者に思わせたら、選考には呼んでくれます。
「言ってみるものだね」


一方で、中途で応募する、ということになると、
中途=専門的スキルがある
という解釈になります。
ITスキルとか数学とか、
とにかく研究に少しでも関連がある方面にしか応募できません。
そのかわり、業務内容も特定して就職することができるので、
新卒のように全く希望していない部門に回される可能性は低いです。

新卒では、
コンサルだとポスドクの二期目くらいが限度になるところがありました。

規格外の就活は、
うまくやれば変わり者として目立てる可能性もありますが、
どう捉えられるかは相手(担当者)次第なので、
とにかく書類なり問い合わせなり出して
アプローチしてみなければ始まりません。


次回は、実際の選考に挑むための【実戦編】です。



運動の後にはクールダウン、
徐々に体を冷やして体を整えることで
次のイベントに向けて回復を早めます。

いくつか現地での送別会も開いてもらえました。
そういえば、結構いろいろな人にお世話になったな。

***
今日は、僕が就活中に見つけた
博士の就職ブログ
を中心に紹介しておきます。

まあ、ググればすぐに見つかるものですが、
中身がしっかりしているサイトは多くない印象です。
あと、生物・バイオ系の人のブログをよく見かけました。
僕のような数理系ポスドクのブログはほとんど見かけなかったけど。
なぜなんでしょうか。

☆僕が面接に向かう時もよく参考にさせてもらったのが、
旧 バイオ博士院生の就活
なかなか鋭い的確なアドバイスが得られました。

☆サラッと読める以下の記事もなかなかよいです。
博士のための「けものみち」就職活動ガイド

就活については、新卒向けのブログやサイトの方が
就活の現実や生の情報、エントリーシートの実際例
などが分かって参考になります。
リンクは、
外資系就活お役立ちリンク
からどうぞ。


その他、
いろいろなポスドクの方々の就職の様子を知るのに
以下のようなサイトもあります。

ポスドクを6年やってから民間就職された方、
博士の就職・ポスドクの転職
Job_Hunter: 研究やめて民間就職

40歳を過ぎてポスドクから就職された方、
40代ポスドクのサバイバルゲーム

博士課程で就活をされた方、
うすっぺら日記
うすっぺらと言いながら分量が豊富です。
[博士課程の就職活動] (11)より前の記事が参考になります。

ポスドクに関するデータなど、
博士の生き方
大学院 ポスドク・博士(PhD)・修士(MA/MSc)からの就職活動
幻影随想

やけクソになったら、
ニートの海外就職日記
(サイトを開くと音が出るので注意)

ちょっと毒づいたら、
理系脳毒之助Diary

***
正直、重い話も多いです。。

僕も全部読んだというわけではないのですが、
読んだら頭痛がしそうな気分になるのが分かっていながら
見てしまうのが、人間のさが…

わぁー


面接で定番の質問があります。

「読んで面白かった本は?」

「最近、気になったニュースは?」

まあ、僕はこれらの質問は聞かれなかったんだけど、
投資銀行で、
「最近、気になったM&Aは?」
さらに、クオンツ面接では
「勉強した金融工学の本は?」
とは質問された。

別にこんなの難しい質問じゃないけど、
うっかりしていると急には思い出せなくて慌てることになりかねない。
少し準備しておけばいいだけなので、答えられないともったいない。
(もし頭が真っ白になっても誤魔化さないで、ちょっと思い出せないとか、
正直に答えたほうがいいと思う。嘘が一番感じ悪い。丸分かりだから。)

ニュースの準備とか大変そうだな、と思うかも知れないけど、
普段から最低限、新聞とかネットのニュースを読んでいるという前提なら
面接前日とかに以下のサイトくらいを必要に応じて
ざっと読んでおくだけでもなんとかなると思う。


以前、「月刊新聞ダイジェスト」というのを紹介したけど、
結局そんなに読みませんでした。
マスコミでも目指さない限りそこまでやる必要はないですね。
さして本質的でないことの努力は最小限にして、
もっと重要なことに集中して準備したいもの。


***
いくつかの就職支援サイトを見れば、
手軽に最近の出来事のレビューをチェックできます(登録は要るかも)。

毎週、メーリングリストでニュースのまとめを配信してくれる
「日経就職ナビ」のNewsmailバックナンバー
は便利かもしれません。
実際、僕は面接前日くらいに30分か一時間くらいチェックしてました。
ニュースなんてそれくらいの努力で十分なのでは。

几帳面な人は
「日経就職ナビ」の朝刊ダイジェスト
とかもいいかも知れません。

投資銀行部門などを目指すなら、
日経の国内M&Aニュース
で最近のM&Aを一気にチェックできます。
(やっぱ、情報量では日経ですね~)

経済・金融のニュースをチェックするなら、
ブルームバーグ
ロイター
とかが定番でしょうか。英語版でも読めるし。
他に、
日経BP
日経マネー&マーケット
東洋経済オンラインの就職四季報
とか。

いまいちだけど
リクルートエージェントの最新ニュース
なんてあったな。

投資銀行のシェア(リーグテーブル)などを知りたいなら、
トムソン・ロイター
にデータがあります。

いっぱいあるので、
自分の志望にあう方面のとかちょっとチェックするくらいで
いいと思うけどね。

僕が一番時間を掛けたのは
日経ビジネス
をオンラインで購入して購読してた分かな。
ニュースだけじゃなくて、
いろんな産業の実情とか傾向とか知るのに役立ちました。
購入しなくても一部は
日経ビジネスオンライン
で読めるので、高いお金を出さなくても済みます。
メーリングリストに登録すれば、休日以外毎日記事が届くよ。
量が多過ぎだけど…

***
最近は日本に帰る準備をしています。
段ボールを送ったり、各種手続きをしたり、
就活で溜め込んだWebのリンクを整理したりしてます。

今日の記事はそんな過程でできました。

あと、新卒の○□ナビみたいなのに登録してたアドレスには
未読メールが千通以上…ショック!
日経ビジネスオンラインとかも混ざっていて
これはかなり手強いぞ。