経営の勘どころ・つかみどころ -16ページ目

何故起こる悲惨な交通事故! 車とは「便利なる凶器」となることを知れ!


4月12日、京都府・祇園で軽ワゴン車が暴走。運転者を含む7人が死亡し、

11人が重軽傷を負う悲惨な事故が発生した。

4年前に起きた「秋葉原無差別殺人事件」を想起させる事故だった。

直後の23日、同じ京都府亀岡市で無免許の少年が居眠り運転の末に、

軽乗用車で登校中の小学生の列に突っ込み、

10人が死傷する事故が発生。

見守り中の妊婦と胎児がともに犠牲になる惨事となった。

さらに29日には関越道を走行中の高速ツアーバスが、

居眠り運転で防音壁に突っ込み、

死者7人負傷者39人の大事故が発生した。


何故こうも悲惨な事故が相次ぐのか? 

車は便利な文明の利器だが、使い方次第では凶器となる。

ハンドルを握る人は、凶器を操作しているという責任感と

恐怖感を常に心掛けなければならない。

職業会計人は中小企業経営のインフラたれ!


 先日、異業種経営者が集う定例会に参加した。

この時のゲストが被災地、気仙沼と陸前高田市から来た

二人の若手経営者であった。

震災当日の生々しい体験談と危機に遭遇した時に何を思い、

どんな行動をとったのか?

経営者として吾に返った時に何から手を付けたのか? 

などの話を聞くことができた。


取りわけ興味深かったのが、震災後の再起を決意するキッカケとなった話だ。

預貯金や取引先毎の債権債務が記録された会計データが、

関与する会計事務所から発見されたことが再起を促してくれたという。


このデータの再生によって銀行からの再融資や、

顧客との取引再開を迅速に立ち上げることができたという。

会計データは中小企業経営の重要なインフラである。

それを提供するのが、われわれ職業会計人の大切な使命であることを、

改めて深く認識する機会となった。

「鎮魂の日」を迎え、忘れないことの大切さを知ろう!


 3月6日に福島県の二箇所の被災地を訪問した。

郡山市にほど近い三春町と東電第1原発に隣接する南相馬市である。

更には3月10日は岩手県の陸前高田市を、

翌日は大震災から丁度1年目に当たる「鎮魂の日」となった11日、

釜石市から大鎚町や山田町を歴訪した。

いずれも国際ロータリーの義援金を寄贈する目的の訪問であった。


行く先々で被災地の現状を見聞したのだが、

この間どこへ行っても被災者の皆さんからは、

異口同音に「物やお金も有り難いが、被災地のことを忘れないでいて欲しい。」

という言葉をお聞きした。


復旧・復興には長い長い歳月を要する。

被災地に住む者にとっては、時の経過とともに

世の人々の記憶から震災そのものが風化し、「忘れ去られる」ことは、

これまでの支援を通じて感じてきた「絆」を断ち切られるに等しいことなのだ。


大震災から1年という時が流れたが、

「来てくれるだけでいいんです。見て帰って話して下さい。

それだけで私たちは嬉しいんです。」という被災者の言葉は、

社会との確かな「絆」を求め続けざるを得ない心の叫びであると同時に、

被災地の現状が如何に厳しいものであるかを物語っている。


鎮魂の日を迎え、私たちは「忘れない」という言葉を

これからも長く長く大切にしたいと思う。

決められない政治! 先延ばし、先送りの地獄から脱出せよ!


 1月も終る頃1通のメールが届いた。

3年前にロータリークラブでホストをしたミャンマーの米山留学卒業生からだ。

日本に着いたので会いたいという。


彼は、卒業後母国に帰国せず単身米国に渡った。

そして今はテキサス州の会社で米国人を部下に持って活躍しているという。

現在、ミャンマーでは急速に民主化が進展している。

その様子を自分の目で確かるべく約1ヶ月かけてミャンマー各地を奔走したそうだ。


久しぶりに見る彼の顔は精悍だ。

目は明るく輝いている。

母国の変化を熱い口調で語る姿は眩しい位だ。


「チャンスが来ました!僕は日本とミャンマーの架け橋になる仕事を始めたい。ロータリークラブも創りたい!」

と実に明快だ。

でも、日本人はミャンマーにあまり関心がないのが淋しいという。

実は中国人や韓国人のビジネスマンが大挙して

ヤンゴンで動き回っているというのだ。


彼らの決断は素早く、かつリスクを恐れない。

「検討します」という日本人との一番の違いだそうだ。


決められない政治!

先送り、先延ばし地獄から脱出するのは決断あるのみだ!


瓦礫の山の如く堆積した日本の課題!その処方箋は?

 昨年の東日本大震災から明けて新しい年がスタートしました。
しかしながら、明るい新春を寿ぐ気分には到底なれそうもない。

それ程、日本の現実は厳しさを増している。年頭に当たって、

今年1年の日本の課題と展望を試みてみたいと思う。


 最優先の課題は、なんと言っても、大震災からの復旧・復興と

原発事故のなお一層の収束であろう。

昨年暮れに第三次補正予算が成立し、今年2月には復興庁が

発足する。復興に向けた国の態勢が整いつつあるのだが、

復興の鎚音は未だに被災者の耳には届かない。

原発事故も気の遠くなるような長期にわたる廃炉処理と除染処理

が予想され、今後新たな処理技術の開発が必要となる。

その間に、福島県からの人口流出が更に加速することも予想される

から事態はまことに深刻である。

関連して全原発が3月~4月にかけて全面停止する可能性が

極めて高い。今後の国のエネルギー基本政策を可及的速やかに

確立しないと、エネルギー不足とコスト上昇で、

国内産業は疲弊してしまうだろう。


 かてて加えて超円高の定着である。

今や国に頼ることをあきらめた製造業は、いよいよ腹を固め、

こぞって海外移転を加速している。

産業の空洞化どころか産業の崩壊が始まろうとしている。

今や少子高齢社会・人口減少時代は誰の目にも覆いようがない程

進行している。

働き手1.5人が、一人の高齢者を支える肩車社会に向かって

超スピードで突き進んでいる。

小売業ですら縮小する国内市場に見切りをつけて、

海外展開に活路を求め始めた現状を見るにつけ、

日本の経済力の衰退傾向には、大きな懸念を抱かざるを得ない。


 他方、国の財政はもはや火の車と言わざるを得ない。

凋落経済の中で、財政再建のために消費税増税が行われようとしているが、

税率10%でも、はたまた15%でも、国の財政赤字は解消しないとの試算が

既に新聞報道される有様である。

産業を振興して経済活性化を図り、国民の福祉と生活を向上させるには、

昔で言うところの殖産振興の国策が必要だが、

政府が打ち挙げた「新成長戦略」は線香花火の様に弱々しく、

いつ動き出すのやら国民にはさっぱり分からない。


 TPPについても、相も変わらず農業がダメになる、医療が大変だと

同じ事のくり返しでスピード感がない。
本来ならば政治がリーダーシップを発揮して、かかる課題に果敢に取り組み、

快刀乱麻とまでは言わないが迅速に一定方向の針路を決めるべきなのだが、

先送りばかりで「決められない政治」を繰り返している。


今や日本の課題は、積み上がった瓦礫の山のような深刻な課題と

決められない政治家の存在だ。

ここまで書くと、もう展望を語る気力も湧かないが、

かかる混迷を脱却する処方箋を思うに、政治家も、経済人も、教育者も、

公務員も、民間人も、ありとあらゆる階層の国民が、「依存心」を捨て、

明治の日本人の様に虚心坦懐、「自立心」を滋養するしか他に道はないのでは

なかろうか。


地域政党の突風に吹き飛ばされた軽量政治家達の行く末!

 11月27日投開票の大阪市長選と府知事選のダブル選挙が行われた。

結果は橋本徹氏率いる地域政党「大阪維新の会」の圧勝に終わった。


民主党・自民党等の既成政党は大阪都構想という

明確な政治目標を掲げた橋本氏の前に、為す術もなく敗退した。


この選挙結果は今後の政局に多きな影響を与えることは確実だ。

震災後の政治は、TPP交渉参加、増税法案、年金給付削減法案、

復興庁設置法案、公務員給与削減法案、労働者派遣改正法案、

普天間移設問題、EUの政府債務危機と異常な円高、

電力不足や産業空洞化対策など待ったなしの政策課題が山積している。


野田政権は党内を固め、野党を抱き込んで事に当たる作戦だが、

大阪の乱で民意が既成政党を離れている事が判明した今、

国の重要施策を決める前に一度解散して民意を問うべきとの主張が強まろう。


これを機に政界再編の嵐が吹き荒れれば政権は持たない。

解散風を前に軽量政治家の行く末はともかく、心配なのは日本!

世界人口70億人と超円高との奇妙な符合!


 10月31日。二つのニュースが報じられた。

一つが世界の人口がこの日をもって70億人に達するとの予想を国連人口基金が発表したことだ。

日本が少子高齢化の少産多死・人口減少社会を迎えているのとは逆に、

世界人口は今も増加し続けている。


戦後まもない1959年の世界人口は30億人であった。

その後1999年に60億人に倍増し、とうとうこの日70億人を突破した。

僅か半世紀の間に人類の数が2.3倍に膨張したことになる。

人類を乗せた地球号は、このままではその重みに堪えきれなくなるだろう。

21世紀の人類社会は、間違いなく水や食料、資源、貧困、環境を巡る

深刻な対立の時代を迎えるかも知れない。


もう一つが、1ドル75円32銭の史上最高値をつけた超円高のニュースである。

今後の国内産業は生き残りを賭けて、国外に移転・進出し、

地産地消の戦略をとる以外に生存の道は無いかも知れない。


国の外には人口が増加する成長市場がある。

円高で国内生産は限界に近づいている。


70億人と超円高との奇妙な符合!

これに気づいているのは経営者ばかりでなく、多くの国民も同じ思いを抱いて

いると感じるのは、果たして、筆者一人だけであろうか?


2012年度政府予算は過去最大99兆円! 政府は金のなる木でも持っているのか?

 9月30日、政府は来年度一般会計の概算要求を締め切った。

各省庁の要求総額は99兆円に達し過去最大規模となった。

日本経済は、

①円高

②高い法人税率

③厳しい労働規制

④厳しい温暖化ガス排出規制

⑤TPP等の経済連携の出遅れ

⑥震災と電力不足

の6重苦に喘いでいる。


加えて、政府部門の借金は900兆円にも及び、

対GDP債務比率は、ギリシャよりも遙かに高い。

少子・超高齢社会を迎える中、社会保障に係るコストも大幅増は確実である。


米欧の経済不振と金融不安で円高が続いているが、

八方塞がりの日本経済の実態からして、

円高は正直不思議な現象である。


政府は復興財源を巡り増税を画策しているが、

増税が税収増に結びつくかどうかは疑問である。

増税の結果、過度な消費抑制や節約ムードを引き起こし、

景気後退の可能性もあるからだ。


「入りを図りて出を制す」が財政運営の基本だが、

入りを図るなら規制改革を進めて、

企業が抱える90兆円の民間資金を徹底活用する一方で、

公務員宿舎建設などの無駄を徹底的に制することだ。


金のなる木が有れば別だが!

円高は吉か? 凶か!


 ギリシャの財政危機に端を発したユーロ圏のソブリンリスクが為替市場を激しく揺さぶっている。

それより以前にアメリカ国債の格付けの引き下げで、一気にドル安となったが、

金融市場の不安心理がユーロ圏に飛び火した格好だ。


円はドルやユーロに対して独歩高を続けており、当分この傾向に変化はないだろう。

円高は大震災復興を目指す日本経済には重荷であるが、円高阻止の妙策はあり得ない状況である。

であるならば、円高を奇貨として、円高メリットをトコトン追求する発想転換が必要だ。


円高は、新興国で地産地消を狙う日本企業にとって有利に働く。

現地企業を格安でM&Aできる。資源高に対応できる抵抗力もつく。

現地化のチャンスとする確かな戦略眼を持たなければなるまい。

今、企業は国際市場で競争することを避けて通れない。

世界に飛び出す覚悟と人材育成が急がれる。


今、海外青年協力隊に企業の社員派遣を希望する企業が殺到していると聞く。

現地化を厭わないぶっ飛び社員の育成が求められているのだ。

円高の今だからこそ、大胆に行動できる。円高はメリットと確信しよう!


国難第二波襲来! 見捨てられた被災国民は今!

 
7月31日喜多方市(福島)を訪問する機会を得た。

民間支援の調査を目的とする訪問であった。

喜多方市は幸いにも地震の被害は免れた。

しかし現地は今、風評被害の影響で観光客が激減し経済的に深刻な打撃を蒙っている。

しかも原発終息の先行きが見えない不安と焦燥感に苛まれている。


そんな困難に直面する中、原発事故で避難を余儀なくされた浜通りの被災県民約1,000人を受け入れている。

この日、交流した現地の方が涙ながらに語った言葉が忘れられない。

『福島県民は200万人います。日本の人口のたった2%に過ぎない。国はこの2%を犠牲にすればいいと思っているようだ。何の策も講じず放りっぱなし状態にされているのが悔しくってならない。』と彼は言葉を詰まられた。


政府は6月下旬に提出された復興構想会議の提言に沿って、

今月30日に10兆円規模の増税含みの復興基本方針を決定したが、

身内の民主党の反対を受けて早くもトーンダウン。


多くの国民が節電に四苦八苦のさなか、

やっと回復傾向が出てきた国内景気を「超円高」が直撃する。


国難第二波を前に、被災国民の悲しみの涙は、怒りの涙に変わりつつあるようだ。