30秒程に収まったそれらの声を確認した後、
「では今度はネイティブスピードです。」
ウーシャのその言葉とともに僕はボイスメモを再び録音スタンバイ状態にした。
ウーシャが読み上げる。さっきと違って早い。
単語と単語の間がつながり、一つに聞こえる。
録音しながらもついていくのに必死だった。
そうなのだ、実際リスニングを試みている時もこうなのだ。
知っている単語ですら、聞き取れない事がある。
さっきの半分以下の時間で終わった音声ファイルを保存し、
念のためしっかりとれているか確認した。
さっきと同じく、クリアな英語が流れる。
しかし、さっきと違い、所々聞き取れない箇所がある。
「どうですか?わかりますか?」
音声ファイルを聞きながら、難しい顔をする僕に見かねたのか
ウーシャがそう尋ねた。
「やっぱり、分からないところが何箇所かあります。
単語がくっついたり、rとlの区別がつかなかったりです。」
「ですね。ほとんどの日本人が最初、それでつまずきます。
ですので、これを1週間、何度も繰り返し聞いてみて下さい。
最低30回です。」
ウーシャが言うには人間は30回聞くと忘れないらしい。