先日の稽古は少人数で、

 

道場の空気がグッと引き締まる

 

よい時間となりました。

 

インフルエンザやウィルス性胃腸炎が

 

流行しています。

 

年度末の大事な時期を

 

それぞれが体調管理に充分に気をつけて

 

過ごしていきたいものです。

 

 

最近、

 

道場の外で切磋琢磨してきた

 

長年の仲間の一人が大病を患い、

 

近況を吐露してくれました。

 

その日は私も寝付けず、

 

それ以後、生きることについて

 

改めて深く考えるようになっています。

 

生きるとはどういうことか、

 

人のいのちとは ―――

 

 

自分が何かしらを学び、

 

成長していくことは大切です。

 

たのしさとゆたかさと、

 

いろいろ味わいがあると思います。

 

ですがそれだけではなく、

 

学びを共有し、ともに歩む。

 

共感する喜びもまた素晴らしいものであり、

 

これらを仲間や後進につなげていく。

 

 

思えば、

 

私もそのようななかで育てられ、

 

背中を押していただいてきたのだと

 

身に染みているからこそ、

 

どのような自分でありたいかを

 

考えていくことが大切だとも思います。

 

 

自分一人だけのために

 

とことん頑張れるものではありません。

 

「人のために」と

 

大それたことは言えませんが、

 

自分だけの人生ではないことは

 

疑いようのないこと。

 

己一人の力でいまに至っている者など

 

誰一人としていないなかで

 

思い返せばみなどこかで

 

深く実感できることだと思います。

 

 

時をほぼ同じくして、

 

これも道場外の仲間で、

 

手術をするほどの大ケガをした先輩が

 

退院し戻ってきました。

 

男前で内面もとてもいい男です。

 

久しぶりに再会して

 

自分でも驚くほどにうれしかった。

 

 

人は何かを成すことではなく、

 

人がそこにあること、

 

存在そのものがとても尊く

 

かけがえのないものなのだと

 

改めて思い出しました。

 

誰しも、

 

調子の良し悪しや病気やケガ、

 

その他の諸々の事情で

 

まったく同じということはありません。

 

何事においても取り組みには波があり

 

何かしらの変化があるもの。

 

そのようななかでも、

 

米GE社、ジャック・ウェルチ氏が

 

かつて指摘したとおり。

 

その変化を自分のものとする ―――

 

 

大切なことは、

 

自己と向き合い考えることです。

 

徹底して内を深めていくことが

 

外へと無限の広がりを持たせるものとなる。

 

稽古はこれを体現するもので、

 

ここに武道の本質があります。

 

そして、

 

それは自分とその周囲にも広く、

 

軽々に言葉にはできない

 

何かしらのものへとつながります。

 

成したこと成せなかったことの

 

すべてが源泉となるのです。

 

柔らかくふっと拳を握るような

 

掌中の珠をあたたかく包むような

 

そんな感覚です。

 

 

私たちの学びでいえば、

 

日々の稽古がこの道のりの一歩一歩に

 

ほかなりません。

 

他の誰でもない自分の呼吸を基とし、

 

己というものを形づくっていく。

 

その積み重ねは

 

生涯にわたってかけがえのないものと

 

なります。

 

そして、もっと言い切れば、

 

それは本質のものとして

 

己の生涯ののちもずっと、です。

 

 

 

   桶川空手道会 木曜日道場(旧桶川武道館 1983年7月)

    2列目やや左に森 前列中央に内田師範 矢部師範

         

 

季節は春へと巡ります。

 

みなでよい時間を

 

過ごしていきましょう。

 

 

追記

 

先日の建国記念の日、

 

桶川市武道連盟の新年会を開催しました。

 

コロナ禍以来、4年ぶりで、


毎年、建国記念の日に

 

来賓に市長、議長、教育長、県議を招き

 

30年以上続けている新年会。

 

今回は祝賀演武として、

 

ともに第1回から参加している与那覇師範と私が

 

剛柔会伝統の三々七拍子の音頭をとって

 

参加者全員の手拍子とともに

 

賑やかな散会となりました。

 

 

旧桶川武道館(駅前の中学校に隣接した道場)の

 

構成団体を母体とする桶川市武道連盟は

 

特段の規約を設けずに

 

お互いを尊重し合いながら

 

ともに取り組んできました。

 

個々人の顔ぶれに変化はありながらも、

 

志は間違いなく受け継がれています。

 

これを実感する会となり、

 

私も思うところは大きい。

 

改めて、

 

これからも努力をしていきたいと

 

考えています。

 

 

5つ、再掲します。

 

たしかな道を築く

 

心からの応援の気持ち

 

自己顕示から支える側へ

 

自分の形(かた)をつくる

 

立禅