最近、あることが原因で、クライアントのご担当のかたから、「今後はきちんと対応してくださいね」と注意を受けたことがありました。起きたこと自体は非常に些細なことだったなのですが、その後の対応が不適切であったが故の結果です

何かが起きて「ちょっとまずいぞ」と思った時に、えてしてその心の声を無視して「まあいいか」と流してしまいがちです。でも、それが原因で後々に大きな問題に発展してしまうことが経験的に多い気がしています。今回はたまたま影響が軽微だったからよかったものの、「ハインリッヒの法則」のように、これを繰り返していると、いずれ大きな事故を発生させかねません。「ちょっとまずい」というレベルの心の引っかかりを無視せずに、ちゃんと手を打つことの重要さを改めて感じた次第です。

私自身、もともと楽観的な性格で、「まあなんとかなるさ」が信条でやってきたのですが、ことリスクマネジメントという観点でいえば、この姿勢は良くありません。やはり、小さいリスクを見逃さず、芽が小さいうちに素早く適切に対処することが大事ですね。

前回の記事では、プロジェクトリーダーに求められる役割の1つとして、常にプロジェクトの先の動きを考えてメンバーに対して方向性を示し続ける必要があることを書きました。

これの他に、あと2つ重要な役割があります。

1つ目は、クライアントリレーションに全ての責任をもつパートナーとのコミュニケーションを密にとることです。1つ1つのプロジェクトはプロジェクトリーダーが統括するとはいえ、早め早めの段階で、なるべく細かくパートナーと話をする時間を設け、論点や初期仮説、あるいは分析の掘り筋の確認をしていくことが重要とななります。この際には、何かちゃんとしたアウトプットを持っていくというよりは、生煮えの段階であったとしても、いろいろと悩みや不明点をぶつけていくことのほうが、より高い効果を得られるようです。

もうひとつは、クライアントのキーパーソンとのコミュニケーションを密にとることです。この時も、上に書いたのと同じく、初期的な粗い分析や仮説の段階で早め早めにクライアントにぶつけて感想/反応を見るのです。昔はクライアントとのミーティングの頻度も少なく、月に1回~2回の報告会があるというスタイルだったようですが、今は毎週報告する、あるいはクライアントのオフィスに常駐することが増えてきたので、このようなコミュニケーションを行いやすくなってきました。これを繰り返すことで、クライアントの関心/悩みがどこにあるかを探りながら、アウトプットの方向性/あるいは言い方のトーンを定めていくのです。

昨日の記事とあわせると、プロジェクトリーダーとは、メンバー、パートナー、クライアントの3つのステークホルダーと密にコミュニケーションをとりながら、コンテンツというアウトプットに対して責任をもつ、そして何より、自分自身がつぶれないように自己管理も行う、というスーパーマン的な役割が求められるのです。

ただ、これも最初から全部できるわけがありません。。。
とした時にどうするかというと、これらの求められることの中で、「ここなら誰にも負けない」という尖った部分をなるべく早く確立することが早道なように思います。そして、それをレバレッジして、最低限、プロジェクトをちゃんと回せるようにするということです。

まだまだチャレンジは続く、という感じです。。。
この1週間、何人かの方とプロジェクトリーダーとしての心構えや、プロジェクトを統轄するコツについて話をする機会があったのですが、共通したアドバイスとして、「プロジェクトメンバーとしてのコンサルタントと、プロジェクト全体を統轄する立場としてのプロジェクトリーダーは、似て非なる職業だと思え」という内容がありました。両者では求められる役割もスキルも異なるのです。

これは、演奏者と指揮者に例えるとわかりやすいかもしれません。コンサルタントは1人の演奏者であり、プロジェクトリーダーはそれそれの演奏者を束ねる指揮者だ、ということです。

指揮者には、どのような演奏をしたいのか(例えば曲のテンポ・音色・表現)について明確なイメージを持ち、それを演奏者に対していろいろな表現を用いて伝え、実際の演奏中はタクトを振って全体の動きがバラバラにならないように統率することが求められます。(この点ついては書きだすと止まらなさそうなので、詳しくは昔書いたこちらの記事をどうぞ)

それと同じで、プロジェクトリーダーには、出そうとしているアウトプットのイメージを明確に持ち、それをメンバーに対してちゃんと伝え、その進捗を常に確認することで、プロジェクトの進捗に遅れがないようにする、ということが求められます。

ここで難しいのが、常にメンバーより一歩、二歩先のことを常に考えて、どのタイミングにおいても、常にメンバーに明確な指示/方向性を出し続ける必要があるということです。例えば、クライアントとのミーティングが終わったその段階で、次のミーティングのゴールはこうで、そのためにはこういうアウトプットが必要で、そのためにはいつまでに何をする、ということをメンバーに示す必要があります。

ただし、いきなりすぐにそいう動きができるようになるわけではないようです。ただでさえ難易度が極めて高い仕事であり、今の目の前のことをこなすのが精一杯になりがちな中で、さらに先にことを考えるというのは、容易ではありません。
私自身もまだそこまでの自信はありません。しかし、「違う職業なんだ」と明確に意識できたことで、ちょっと次のステップにむけての足がかりができたかなと思っています。

ちなみに、プロジェクトリーダーにはあと2つ重要な役割があります。指揮者の例でいうと、音楽総監督(=パートナー)とのコミュニケーションをしっかり取るということと、曲が完成する前の途中段階から観客(=クライアント)のキーパーソンの反応・意見を吸い上げておく、ということです。これらについては、次回の記事で書くようにします。

昨日は前職の経営企画の事を書いた本を紹介しましたが、実は今の仕事の戦略コンサルという仕事についても、「もっと知ってほしい!」と思う事が多々あります。

ただし、我々コンサルには守秘義務があり、クライアント名やその具体的な仕事内容はもちろんのこと、我々自身の会社(ファーム)のことについても、私自身がブログに書くことは一切できません。せいぜいできるのは、仕事を通じて感じる個人的な考えや感想を書くことまでです。

なので、ちょっと別の手を使います。

以前、このブログのお手本としたブログがあることをご紹介しました。そこに、コンサルの仕事について記載された記事がいくつかありますので、そのリンクを張っておきます。

戦略コンサルといっても、大手で数社のファームがあり、それぞれで若干は事情は異なるようですが、基本的にここに書かれている内容に大きな違和感はないですので、だいたいどのような仕事かは想像していただけると思います。

・戦略コンサルは死ぬほど働く?
・戦略コンサルは入社してからが競争だ
・昇進できなきゃ辞めさせられる
戦略コンサルの給与っていくらよ?


今日はちょっと宣伝を。

以前にもこのブログで紹介したことのある、前職であるメーカーの経営企画の経験をふまえて執筆した「『経営企画』のこと、もっと知ってほしい」という電子書籍ですが、昨年の5月末にKindeストアで出版して以来、これまで約70冊 (!)が販売されました。

見方によっては「たったの」70冊なのですが、実質的に何も宣伝もしていない中で、かつ極めて実用的なビジネス書であることを考えると、そこそこ健闘しているのではないでしょうか(と勝手に思っています)。爆発的に売れることはありませんが、毎週ほぼコンスタントに数冊が売れております。
Kindleストアで「経営企画」で検索するとトップに表示されますので、本当に経営企画の仕事に関心・興味を持った人が読んでくれたのだろうと思っています。

自画自賛で恐縮ですが、コンサルタントとなった今の自分が読み返しても新しい気づきのある内容となっています。しかも、分量はそれほど多くないですので、1~2時間もあれば十分に読めます。

経営企画の仕事に携わっている人、あるいは経営企画ってどういう仕事をしているのか知りたい人は、是非ご一読ください(Amazonのプライム会員であれば無料で読めます)。そして読んだご感想をレビューに残していただければ、なお嬉しいです!


「経営企画」のこと もっと知ってほしい/はいえすと