最初の一週間は、あっという間に過ぎ去ってしまいました。まだトレーニング期間は続いていますが、その質の高さは期待レベル以上のもので、課題などの量の多さもまた想像以上のものでした。


コンサルタントをサポートするツールや体制についても概略の説明を受けてきたのですが、これもまた想像以上の充実ぶりです。


数々のITツール、すばらしいバックオフィスサポート、快適なオフィス環境、いずれもコンサルタントのアウトプットを高めるために(外から来た私が見る限り)惜しみない投資がされており、はやくそれに応えなければならないという、いい意味でのプレッシャーを感じます。


とりわけ、これまでで一番すばらしいと感じたことは、個人の暗黙知となりがちなものを形式知化し、またそれを共有してファーム全体のノウハウとしてきたということです。それを作り上げてきた文化・風土を含めて、やはり普通の事業会社とは違うものを感じます。


ある意味では、究極の仕事環境が整えられているといえます。道具は調っていますので、あとはそれをいかに使いこなせるか。まだまだ挑戦は続きます。



いよいよ新しい会社での生活が始まりました。

当面は研修が続きますので、いきなりプロジェクトにアサインされることはありませんが、プロフェッショナルファームで働くことの心構えや、プロジェクトの進め方など、この研修の期間中に最低限のことは身につけておきたいと思っています。

これまでいろいろと経験をつんできたものの、やはり考え方や仕事の進め方での違いはいろいろとありそうですので、最初の6ヶ月程度は、ゼロスタートのまっさらな気持ちで、貪欲にいろいろなことを吸収していこうと思っています。

一方で、これまでの経験が活かせると思ったならば積極的に発言し、またそれが他の人の役に立てるならば周囲への協力は惜しまないという姿勢を貫こうと思っています。

謙虚に言われたことを聞き自分を変えていく「しなやかさ」と、これまでのキャリアをベースに積極的に行動する「したしたたかさ」の両面をもって、これからがんばっていきます。



さて、いよいよ明日から新しい仕事が始まります。

今年の冬に転職について考え始め、6月上旬に実際に転職が決定し、さらにそれから今までの5か月弱の間に、いろいろ思い悩んだりしたこともありました。

しかし、明日以降はとにかく前に進むのみです!

これからどの程度の頻度でこのブログが更新できるかはわかりませんが、今後ともご愛読をお願いします。


前回の記事で、Googleの戦略について書いた「Googleの正体(牧野武文著:マイコミ新書)」という本を紹介しました。

Googleの決算発表によると、売上高は約73億ドル、営業利益は25.5億ドル(いずれも2010年第3四半期)で、営業利益率は実に35%です。「無料」にみえるサービスを提供しながらこれだけの売上と利益を稼ぎだすことができるのは、良く知られたように、Adwords(アドワーズ)と呼ばれる検索連動型の広告による収入があるからです。

これは簡単にいえば、検索語句と関連の深い広告を(検索結果とは別に独立して)表示させ、利用者がその広告をクリックすれば、広告料金(料金はその語句の人気によって変動)を広告主から徴収するというビジネスモデルです。ターゲットが絞られている分だけ、テレビ・新聞・雑誌というマスコミ媒体に比べると広告料金は安くなり、小規模な商店でも気軽に、効果の高い広告を出すことができます。

さて、冒頭で紹介した本によれば、売上は以下のような要素に分解できます。

・広告収入による年間売上=Googleの利用者数(A)×利用者あたりの年間検索回数(B)×検索結果画面で広告をクリックする割合(C)×広告単価(D)

Googleのサービスのコスト構造を推測すると変動費的な要素はほとんどなく、大部分が研究開発費、人件費、減価償却費といった固定費的な要素と思われます。とすると、単純に売上を伸ばせば伸ばすほど利益を稼ぐことができます。

このように考えるとGoogleが取るべき戦略は非常に単純で、上記のA~Dの各要素を増加させていかに売上を伸ばすかということに尽きます。また、無償で提供されているサービスも、以下のようにすべて広告収入の増加という目的のためと理解することができます。

例えば、スマートフォン用O/Sの「アンドロイド」の開発、PC用のO/S「クローム」の開発は、いずれも利用者数(A)を増やすための施策の一つです。

Googleの利用者数の増加のためには、まだWeb環境が整っていない新興国市場を開拓する必要があります。このような市場では固定通信インフラを整備するより、無線通信インフラを整備するほうがコストが安くつきます。通信インフラが整えば、次に端末として使うPC(いわゆるネットブック)やスマートフォンが必要ですが、そこで使われるO/Sが無償で提供できれば端末の価格も安くなり、新興国での普及に弾みがつきます。

さらに先進国においては、固定ネットワーク環境よりもモバイル環境のほうがより多くGoogleを利用しかつ広告に反応する割合が高いようです。これは、外出するという行為自体が、食べる、買い物をするという目的があるためです。つまり無償のアンドロイドO/Sを開発し先進国でのスマートフォンの普及を加速させることで、上記のBやCの要素を増加させることになります。

また、表示される広告の順位は、スポンサーからの広告料の多寡ではなく、あるキーワードに対して利用者が最もよく利用する広告が上位にきます(検索結果の表示と同じロジックです)。つまり、より利用者(A)が増えて、より検索回数(B)が増えるにつれて、上位に表示される広告がより多くの人にクリックされる割合が高まっていきます(Cの要素が増える)

最後に、Googleは広告収入から得られる巨額の利益を、次なるサービス(しかも無償で提供される)の開発に惜しみなくつぎ込んでおり、上記B~Dの要素が増えて売上が増えると、その結果さらにGoogleは強くなり、競合他社を駆逐するということになります(つまりAの要素が増える)

このように考えると、すべてが正の循環の中で拡大するビジネスモデルとなっており、Googleが成長すればするほど、その強みが強化され参入障壁も大きくななるという、ある意味で恐ろしいビジネスモデルです。

限界があるとすれば、全世界のすべての人間がネットを利用して、1日何回もGoogleの利用するような状況になった時ですが、逆にその時Googleはネットインフラにおける絶対的な巨大企業として、世界で君臨していることになるのです。

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先日ニコンのメールマガジンで"my Picture town 3D"なる案内が届きました。

以前の記事で何回か書いたように3D関連のビジネスには興味がありましたので、早速どんなものかとWebサイトで確認してみましたが、概略は以下のようなサービスです。

・会員登録すれば、裸眼(眼鏡なし)で3D画像が見られるフォトフレーム端末が送られてくる(端末は貸出という扱いです)
・手持ちの通常の(2Dの)写真をオンラインで3Dに変換できる

これらはいずれも魅力ある技術だと思うのですが、ビジネスとしては致命的な欠点があって、会費が月々1,995円もすることと、さらに、(3枚分までの料金は会費に含まれているが)月に4枚以上の写真を3D変換しようとすると、さらに別途料金が発生するということです。

専用のフォトフレーム端末の貸与までをバリューチェーンに取り込んだことで、会員1人あたりのコスト(しかも変動費)がかさんでしまいます。そのために利用料金をある程度高くせざるをえなかったのでしょうが、そうすると今度は十分な利用者を集めることはできなくなります。このサービスに月々2,000円近くを支払うひとはほとんどいないでしょう。

いっそのこと手持ちの写真データを3D変換するというサービスに特化して、会員登録すれば、例えば最初の3枚は無料で、4枚目からは1枚あたり100円で利用できるという内容のほうが、コストは少なくなり、利用者にとってもハードルは低くなります。ただし、現状では3D表示できるハードがそれほど普及していないことがボトルネックになるため、このモデルであったとしても結局利用者が伸び悩むことになります(なので、ニコンはハードを貸与する策にでたのでしょうが・・・)

いずれにせよ、永続的に十分な利用者を獲得して売上と利益を上げるビジネスモデルが成り立っていないままでのスタートのように思えるのです。

今や、Web上のいろいろなサービスの多くは無料で提供されています。たとえばGoogleはネット上の種々のサービスをすべて無料で展開しています。Web検索はもちろん、地図検索、乗換検索、ブック検索、ストリートビュー、メール、ブラウザ(Chrome)などがすべて無料で提供されています。さらに、パソコンのO/Sも無料で提供される予定です。

そうすると、上記のような写真データの3D変換サービスは、Googleが近いうちに無料で提供してくる可能性が高くなります。そうすれば、他の有料サービスがそうであったように、上記のようなサービスは太刀打ちができなくなるわけです。

このような状況となったネットビジネスで重要なのは、利用者への直接的な課金がなくとも利益をあげることのできるビジネスモデルをいかに作り上げられるかです。ちなみにGoogleは、さまざまな無料サービス立ち上げながらも、2010年の第3四半期では1760億円もの巨額の利益を生みだし、四半期水準としては最高益となっています。

ところでこのGoogleのビジネスモデルと一見不可解な戦略(なぜ無料のサービスをどんどん広げていくのか)について、「Googleの正体(牧野武文著:マイコミ新書)」という本で、非常にわかりやすく紹介されていました。これについては、次回の記事で書きます。

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