先日ニコンのメールマガジンで"my Picture town 3D"なる案内が届きました。

以前の記事で何回か書いたように3D関連のビジネスには興味がありましたので、早速どんなものかとWebサイトで確認してみましたが、概略は以下のようなサービスです。

・会員登録すれば、裸眼(眼鏡なし)で3D画像が見られるフォトフレーム端末が送られてくる(端末は貸出という扱いです)
・手持ちの通常の(2Dの)写真をオンラインで3Dに変換できる

これらはいずれも魅力ある技術だと思うのですが、ビジネスとしては致命的な欠点があって、会費が月々1,995円もすることと、さらに、(3枚分までの料金は会費に含まれているが)月に4枚以上の写真を3D変換しようとすると、さらに別途料金が発生するということです。

専用のフォトフレーム端末の貸与までをバリューチェーンに取り込んだことで、会員1人あたりのコスト(しかも変動費)がかさんでしまいます。そのために利用料金をある程度高くせざるをえなかったのでしょうが、そうすると今度は十分な利用者を集めることはできなくなります。このサービスに月々2,000円近くを支払うひとはほとんどいないでしょう。

いっそのこと手持ちの写真データを3D変換するというサービスに特化して、会員登録すれば、例えば最初の3枚は無料で、4枚目からは1枚あたり100円で利用できるという内容のほうが、コストは少なくなり、利用者にとってもハードルは低くなります。ただし、現状では3D表示できるハードがそれほど普及していないことがボトルネックになるため、このモデルであったとしても結局利用者が伸び悩むことになります(なので、ニコンはハードを貸与する策にでたのでしょうが・・・)

いずれにせよ、永続的に十分な利用者を獲得して売上と利益を上げるビジネスモデルが成り立っていないままでのスタートのように思えるのです。

今や、Web上のいろいろなサービスの多くは無料で提供されています。たとえばGoogleはネット上の種々のサービスをすべて無料で展開しています。Web検索はもちろん、地図検索、乗換検索、ブック検索、ストリートビュー、メール、ブラウザ(Chrome)などがすべて無料で提供されています。さらに、パソコンのO/Sも無料で提供される予定です。

そうすると、上記のような写真データの3D変換サービスは、Googleが近いうちに無料で提供してくる可能性が高くなります。そうすれば、他の有料サービスがそうであったように、上記のようなサービスは太刀打ちができなくなるわけです。

このような状況となったネットビジネスで重要なのは、利用者への直接的な課金がなくとも利益をあげることのできるビジネスモデルをいかに作り上げられるかです。ちなみにGoogleは、さまざまな無料サービス立ち上げながらも、2010年の第3四半期では1760億円もの巨額の利益を生みだし、四半期水準としては最高益となっています。

ところでこのGoogleのビジネスモデルと一見不可解な戦略(なぜ無料のサービスをどんどん広げていくのか)について、「Googleの正体(牧野武文著:マイコミ新書)」という本で、非常にわかりやすく紹介されていました。これについては、次回の記事で書きます。

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