あまりにバタバタしていたので書くのが遅くなってしまったのですが、先週末からまた別のプロジェクトにアサインされ、1週間強が過ぎました。もともと、プロジェクトの最初の1週間というのは相当キツイ期間になることが多いのですが、今回は初めて仕事をさせていただくクライアントという事情もあり、なおさら大変でした。

初めてのクライアントの場合、最初の1週間で信頼を勝ち取れるかどうかが、その後のプロジェクトをスムーズに進められるかどうかのポイントになります。

クライアントからは、進捗管理をしたいので毎日のアウトプット内容を報告してほしいという要望がありました。確かに、戦略の実行支援やプロジェクトマネジメント(PMO)を請け負うような場合は、日々の進捗を毎日確認するやり方もあるのですが、今回は事業戦略の策定プロジェクトであり、アウトプットが時間とともにリニアに累積されていく形のものではありません。最初の数日はあまり方向性が定まらないとしても、累積の知識・思考が重なっていくことで、あるときに非連続的にアウトプットが生まれてくるような性質のものなのですが、それをご理解いただけずに、最初の1~2日は少し険悪な雰囲気になりかけました。

ただ、そういう状況下、プロジェクトを統括するシニアコンサルタントが腕まくりをして一気にストーリーを描き上げ、我々メンバーも全力でそれをサポートし、昨日の第1回報告会では、質・量ともに、クライアントの期待を超えるアウトプットが出せることができたと思っています。

報告会の後でクライアントのメンバーの方からいただいた「我々には書けない内容だ」「いい視点を投げかけてもらった」「よろしくお願いします」という言葉が、我々コンサルタントにとって一番の励みになりますし、そう言っていただくことで、ぜひ一緒にビジネスを成功させたいという想いが、なお一層強くなります。

来週も大変ですが、連休中にしっかり休養をとって、また頑張ります!

現在のプロジェクトで、4月に入社したコンサルタントと一緒に仕事をしているのですが、私のほうが先輩ということもあり、人に教える機会が増えてきました。そのなかで2つ気づいたことがあります。

一つは、よく言われるように、教えることで自分自身も成長するということです。

自分自身が入った時に先輩のコンサルタントから言われた事を、そのままの受け売りで教えるだけであったとしても、改めて自分でそれを認識することで、理解をより確固なものにできます。

また、人の作った資料を見て、相手の考えたプロセスを理解ながらそれをよりさらに良いものに変えていくというのは、自分一人の作業ではできないことであり、教える相手がいるからこそ経験できることです。

もう一つは、自分の成長に気付くということです。

入ったばかりの人と仕事をしていると、「確かに自分も入ったばかりの時は、ここで悩んでいたな」と思うと同時に、当時できなかったことが今はできているようになっていることに気付きます。

例えば、以前も記事に書いたように、当時は全くプレゼン資料が掛けなかったのですが、いつのまにか後輩に対して「この場合は、こういうページの構成にして、文言は、こういう書き方をしたほうがいい」とか言えるようになっている自分がいて、少し驚きました。

もちろん、まだまだ成長途上であり、よりシニアなコンサルタントの技(神業)を見ていると至らなさを思い知るのですが、こうやって自分の成長が実感できるというのは嬉しいものです。

今日で入社9カ月目に入りました、あっという間に1年が経ちそうです。

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以前に何度か記事に書きましたが、昨年11月に転職した当初は、とにかく何も仕事でアウトプットを出せない状態となり、ある程度予想はしていたとはいえ、少し苦しい状態が続きました。

その時は、「やはり過去の経験は役に立たないのか」と思ったりしたのですが、少し落ち着いてきた今は、決して過去の経験の価値がゼロなわけではないと思うようになっています。

コンサルタントとしての仕事のフォーマンスは、「ツールの多さ・鋭さ」×「蓄積経験量」で決まると思っています。大工に例えると、「ツールの多さ・鋭さ」は、ノコギリ、ノミ、カンナなどのツールを、状況に応じていろいろと使い分けられるように多くの種類を揃え、かつその切れ味を常に鋭く保つということであり、「蓄積経験量」とは、文字通り、過去にどれほどの家をたてて、どれほど多くの場面を経験したかということです、

最初アウトプットが出せなかったのは、「蓄積経験量」はあるが、「ツールの多さ・鋭さ」がゼロに近かったからです。掛け算なので、一方がゼロになると、アウトプットはゼロになってしまうのです。

一方で、掛け算であるということは、過去の蓄積経験量が多ければ多いほど、同じツールを身に付けたとしても結果としてのアウトプットは高くなるということです。つまり、蓄積経験量をレバレッジして、コンサルタントとしての立ち上がり早めることができるわけです。

ただし注意しなければならないことが二つあって、一つ目は、過去の経験に固執してはいけないということです。過去の経験にとらわれて新しいスキルや知識の習得がおそろかになっては本末転倒なので、最初は「真っ白になった気持ち」で、貪欲にスキルの習得に挑戦する姿勢が重要です。

もう一つは、蓄積経験が有利に働くのは、せいぜい最初の1~2年程度だけであり、蓄積経験そのものの価値は、時間とともに相対的に低くなるということです。これは、コンサルタントとして働く場合の経験蓄積速度が、一般企業で働く場合とくらべると倍以上に速いという理由によります。

私の周りを見渡しても、一般企業で10年間程かかって積み上げるのと同等の経験量を、3~5年目のコンサルタントの人が十分に有しています。コンサルタントとして3~5年働くと、多くの場合はプロジェクトのリーダーとなる立場になりますが、たとえ新卒で入った20代後半の人であったとしても、一般企業で30代後半の中堅と呼ばれる人と同等の蓄積経験を持っていると思います。

自己成長のスピードという意味では、なるべく若い年齢からコンサルタントとして働くほうが良いのは確かです。20代後半がコンサルティングファームに転職する適齢期といわれるだけの理由はあります。

一方で、30代後半で転職する場合であっても、そこまでに量・質ともに高い経験を積んでおり、かつ変化への柔軟性・適応力があるならば、20代の人より、早く一人前のコンサルタントとして立ち上がることができるというメリットがありそうです。

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イタリアで昨日実施された脱原発を求める国民投票ですが、投票数の93%が原発に反対という圧倒的な多数で成立しました。先日はドイツが脱原発に舵を切りましたし、日本でも先日、反原発のデモが全国的に繰り広げられました。

私も、長期的(10~20年)な時間軸で考えるならば、脱原発を進めて太陽光などの他の自然エネルギーに切り替えていくことには賛成です。そういう意味で、この先20年かけて段階的に脱原発を進めていくことを決めたスイスは、非常に合理的な政治判断をしたと思っています。

一国が依存するエネルギーを変えていくというのは、技術革新を起こし、関連する産業を育てていく必要があり、非常に時間のかかることです。今日(今年)原発をやめて、明日(来年)から新しいエネルギーが生まれるわけではありません。

つまり、エネルギー政策というのは、国が長期的なビジョンを示しながら、関連する技術、産業を育成していかなければならないもので、仮にその転換を行うときにも、長期的に、かつ段階的に切り替えていく必要があるります。

振り返ってみて、石油から原子力に転換するときもそうでした。1970年代の石油ショックに端を発して原子力の研究が進み、近年の地球温暖化対策の流れも背に受けて、30年以上かけて、脱石油を実現できるエネルギーに育ってきたわけです。

同じように、今回の福島原発の事故により、原子力から新しい自然エネルギーに転換するとしても、やはり少なくとも10年~20年かけて考えなければなりません。(温暖化問題もあるので、まさか化石燃料に逆戻りするわけにはいきません)

翻って現状はどうでしょうか?

点検のため休止した原発の再稼動のめどが立たず、この夏はもちろん、今年の冬も、来年もずっと、どうなるかわかりません。つまり、このまま原子力の稼動がされなければ、数年間は日本中が電力不足に悩まされることになります。

「だったら節電して我慢すればいい」と思うかもしれませんが、それは危険です。個人の我慢の範疇であれば、それでいいのですが、エネルギーは産業の根幹です。電力不足により、製造業、サービス業全体で大きな影響をうけます。

トヨタの社長も「もう日本のものづくりが限界をこえた」と言っています。夜の街も以前の活気を取り戻しておらず、街のタクシーの運転手も「3割は客が減った」と言っています。このままでは、産業の国外流出が進み、電力不足がきっかけとなり、持ち直した景気が崩れて再び大不況が襲い掛かることが予測されます。

原発を怖いと思う感情、放射能を恐ろしいと思う感情はわかります。しかし、感情に流されるのではなく、多面的に現状を見据えて、長期的な視点で、日本の拠ってたつエネルギーをどうするのかを考えなければなりません。

政治のリーダーシップにより、10~20年の長期的かつ実現可能なエネルギー転換シナリオが早期に策定され、それに従った現実的な対応が取られることを願っています。

前回の記事では、論点を考える際には、相手の視点で考えなければいけないと書きました。コンサルティングの場合は、クライアントの視点で論点を考えるということです。

では、どのようにすれば相手の視点で考えることができるのかという疑問が湧くと思うのですが、そのための一つの手段として、ミーティングなどで相手のことをよく観察するということがあります。

当たり前といえばその通りなのですが、結構細かいところをチェックします。

たとえば、クライアントとのプロジェクト全体ミーティングがあった場合、プレゼンをしない人は、相手がどのように反応しているかをチェックします。その時、それこそ、相手の一挙手一踏足をつぶさに観察をします。

相手がうなずいたとか、首をかしげた(しかめ面をした)とかはもちろん、このページのここにチェックを入れたとか、前のめりになって聞いているか背筋をのばして少し引いた姿勢で聞いているか、体がふらふら動いてるのか、ずっと固まっているかなど、相手の些細な動きから、相手がどこに関心をもち、どこに疑問をもっているのかを探ろうとします。

もちろん、質疑応答等の直接のコミュニケーションのなかで、相手の関心事は聞くことができますし、それが理解のベースになるわけですが、そこでは現れないホンネベースの(あるいは本人さえ気にしていない無意識の)理解は、相手を良く見ることによって、読めるようになるのです。

ちなみにそうやって実践していると、相手の行動や発言のクセというのも良くわかりますし、逆にそういう癖(特に発言や思考の癖)を考慮して、相手の真意をさぐるということもできるようになります。


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