第13回シドニー国際ピアノコンクール ファイナル 第2日 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

オーストラリアのシドニーで開催されている、第13回シドニー国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。

7月19日は、ファイナルの第2日。

ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。

ちなみに、第13回シドニー国際ピアノコンクールについてのこれまでの記事はこちら。

 

第12回シドニー国際ピアノコンクール ファイナル結果発表

第13回シドニー国際ピアノコンクール 出場者一覧

予選 第1日

予選 第2日

予選 第3~5日

セミファイナル 第1日

セミファイナル 第2日

セミファイナル 第3、4日

ファイナル 第1日

 

 

 

 

 

なお、以下の協奏曲はウンベルト・クレリチ指揮、シドニー交響楽団との共演である。

 

 

 

 

 

23. Vitaly STARIKOV (8 May 1995)

 

Ludwig van Beethoven: Piano Concerto No.1 in C major Op.15

 

ピアノはスタインウェイ。

厚みのある美しい音を持つが、技巧面で難がある。

第1楽章第3主題後の経過句では左手が苦しそうだし、終楽章も主要主題の連続和音をはじめしばしば不安定。

第1楽章のカデンツァはジャズ風の個性的なもので、ここは楽しかったのだけれど。

 

 

28. Yuanfan YANG (2 January 1997)

 

Ludwig van Beethoven: Piano Concerto No.3 in C minor Op.37

 

ピアノはカワイ。

丸みのある鄙びた音色とくっきり明快な音づくりが、古典派のこの曲にぴったり。

技巧面では、第1楽章第2主題直前のトリル風和音パッセージが弾きにくそうなのと、終楽章がときどき危ういけれど、どうにか許容範囲内か。

終楽章など、速めのテンポだがペダルでのごまかしは最小限で、好感が持てる(最後のユニゾンオクターヴトレモロを左右のオクターヴ交互連打に逃げるのは好みでないが、まぁよくされていることである)。

 

 

26. Wynona Yinuo WANG (9 October 1996)

 

Ludwig van Beethoven: Piano Concerto No.1 in C major Op.15

 

ピアノはスタインウェイ。

彼女の少し力んだような硬めの音は、曲によっては合うのだけれど、この朗らかな曲には合わない気がする。

技巧面でも、終楽章を中心に不安定さが拭えない。

 

 

 

 

 

そんなわけで、ファイナル第1、2日の6人の演奏を気に入った順に並べると

 

1.  28. Yuanfan YANG (2 January 1997)

2.  13. Jeonghwan KIM (10 July 2000)

3.  12. Uladzislau KHANDOHI (7 October 2001)

4.  08. Yungyung GUO (11 September 2003)

5.  23. Vitaly STARIKOV (8 May 1995)

6.  26. Wynona Yinuo WANG (9 October 1996)

 

といったところか。

1と2は逆でもいいかもしれないが。

古典派協奏曲は基礎技術力が如実に表れ、音楽性でのカバーが難しいためか、今回のファイナルのいぶし銀メンバーでは全体的にいまいちな演奏が多かった(途中で落ちてしまったCarter JOHNSONやKorkmaz Can SAĞLAMや古海行子ほどの基礎力を持つのは、ファイナルメンバーではJeonghwan KIMくらいのものか)。

なお、第3、4日は二巡目というか、同じ奏者たちが別のプログラムを演奏する(ロマン派協奏曲)。

そちらに期待したい。

 

 

次回(7月21日)はファイナルの第3日。

 

 


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