イスラエルのテルアビブで開催されている、第17回ルービンシュタイン国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。
3月29日は、ファイナルC(大協奏曲)の第1日。
ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。
ちなみに、第17回ルービンシュタイン国際ピアノコンクールについてのこれまでの記事はこちら。
(第16回ルービンシュタイン国際ピアノコンクール ファイナル結果発表)
なお、以下の協奏曲はヨエル・レヴィ指揮、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団との共演である。
04 Elia CECINO (Italy Age: 21)
Tchaikovsky: Concerto No. 1 in B-flat Minor, Op. 23
ピアノはファツィオリ。
イタリアの明るい音色が美しく、特に第2楽章によく合っている。
ただ、技巧的な華やかさにはやや乏しく、ミスタッチも散見される。
14 Yukine KUROKI (Japan Age: 24)
Liszt: Concerto No. 1 in E-flat Major
ピアノはファツィオリ。
彼女のベストパフォーマンスではないだろうか。
技巧的に安定していてミスがなく、テンポはゆっくりめだが丁寧で、またパキッとした音がリストによく合っている。
今回優勝候補と思われるKevin CHENが、2021年のブダペストのリストコンクール優勝時に同曲を弾いたが(その記事はこちら)、それよりも今回の黒木雪音の演奏のほうが好みかも(Kevin CHENは華やかだが走りがちだった)。
09 Giorgi GIGASHVILI (Georgia Age: 22)
Prokofiev: Concerto No. 3 in C Major, Op. 26
ピアノはスタインウェイ。
もう一人の優勝候補と思われる彼だけあって、もちろんうまい。
ただ、やんちゃだった2019年ブゾーニコンクール3位入賞時の同曲演奏(その記事はこちら)よりもおとなしくなっている。
そのぶん完成度は上がっているが、代償も小さくない気がする(前ほどエキサイトしない常識的な演奏になってしまった)。
そんなわけで、ファイナルA、Bの6人およびファイナルCの3人の演奏を気に入った順に並べると
1. 09 Giorgi GIGASHVILI (Georgia Age: 22)
2. 05 Kevin CHEN (Canada Age: 18)
3. 14 Yukine KUROKI (Japan Age: 24)
4. 07 Alberto FERRO (Italy Age: 27)
5. 04 Elia CECINO (Italy Age: 21)
6. 19 Chaeyoung PARK (South Korea Age: 25)
といったところか。
Giorgi GIGASHVILIは(私の中では)目下1位だが、最後の大協奏曲が圧倒的というわけではなかったため、Kevin CHENの出来次第では順位逆転も容易に起こりうる。
また、黒木雪音はどんどん株を上げてきている印象で、入賞(上位3位まで)も夢ではない気がする(ひょっとしたら優勝も?)。
次回(3月30日)はファイナルの第2日。
ファイナルの最終日である。
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