イルミナートフィルハーモニーオーケストラ 大阪公演 西本智実 ドビュッシー 小組曲 ほか | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

サプリメントコンサート

―脳科学が誘う音楽の不思議―

 

【日時】

2021年7月10日(土) 開演 15:00 (開場 14:00)

 

【会場】

ザ・シンフォニーホール (大阪)

 

【演奏】

指揮:西本智実

ピアノ:近藤嘉宏 *

管弦楽:イルミナートフィルハーモニーオーケストラ

 

【プログラム】

ドビュッシー:「小組曲」(ビュッセル版)

ベートーヴェン:交響曲 第6番 「田園」 より 第1楽章

リムスキー=コルサコフ:「熊蜂の飛行」

J.シュトラウス2世:「雷鳴と電光」

アレクセイ・ショール:「Travel Notebook」 *

 

※アンコール(オーケストラ)

J.シュトラウス1世:「ラデツキー行進曲」

 

 

 

 

 

西本智実のコンサートを聴きに行った。

本来は2021年5月に予定されていたが、コロナ禍による緊急事態宣言に伴い延期となったものである。

 

 

 

 

 

最初の曲は、ドビュッシーの「小組曲」(管弦楽版)。

この曲は、原曲がピアノ連弾曲で、高御堂なみ佳らの実演(その記事はこちら)や鯛中卓也らの演奏動画(その記事はこちら)が印象深いが、管弦楽版はあまり聴かない。

 

 

今回の西本智実&イルミナートフィルは、きわめて色彩的な演奏。

特に木管の活かし方が秀逸で、カンブルランやナガノや沼尻竜典のような透明な響きとはまた違った、柔らかくも華やいだカラフルな音の色合いが美しい。

 

 

 

 

 

次の曲は、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」第1楽章。

この曲で私の好きな録音は、

 

●カラヤン指揮 ベルリン・フィル 1962年2月13-15日セッション盤(NMLApple MusicCD

●アバド指揮 ベルリン・フィル 2000年5月セッション盤(NMLApple MusicCD

 

あたりである。

 

 

今回の西本智実&イルミナートフィルは、カラヤン盤に通じるような豊潤な響きが印象的だった。

最初に冒頭部分をA=435Hzとやや低めの古楽器風ピッチで奏したのち、全体をA=432Hzと通常のピッチで奏して違いを比較する、という試みも面白い。

 

 

 

 

 

次のリムスキー=コルサコフ「熊蜂の飛行」も良かったが、今回特に印象深かったのがその次のJ.シュトラウス2世「雷鳴と電光」。

この曲で私の好きな録音は、

 

●カラヤン指揮 ウィーン・フィル 1949年10月18日セッション盤(NMLApple MusicCD

●マゼール指揮 ウィーン・フィル 1982年1月1日ウィーンライヴ盤(NMLApple MusicCD

●クライバー指揮 ウィーン・フィル 1992年1月1日ウィーンライヴ盤(Apple MusicCDDVD

 

あたりである。

また、下野竜也&京響による実演も忘れがたい(その記事はこちら)。

 

 

下野竜也はマゼールやクライバーのように速くて直線的な演奏だったように思うが(けっこう前なのでうろ覚えだが)、今回の西本智実はカラヤンに近い、スケールの大きさと広がりを感じさせる演奏だった。

その音楽の威容はヴァーグナーか何かと見紛うほどで、それでいてテンポは遅くなく自然体、J.シュトラウス特有のノリも失わない。

こういう演奏は金管の扱いによるものなのか、あるいは打楽器の扱いによるものなのか、秘訣は分からないがともかく何人もなしうるものではない。

 

 

 

 

 

休憩をはさんで、最後の曲はアレクセイ・ショール(Alexey Shor)の「Travel Notebook」。

初めて聴く曲だが、映画音楽風の聴きやすい音楽で、その分強いインパクトには欠けるか。

ただ、近藤嘉宏のピアノが初めて生で聴けたのは良かった。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 

 

 


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