まだだ、まだおわらんよ・・・ -47ページ目

イタリアパビリオン後半 ファルネーゼのアトラスなど一堂に会した至宝の迫力

日本初上陸のアトランテファルネーゼ、ファルネーゼのアトラス

 

ナポリ国立考古学博物館所蔵の大理石の彫刻、

背負っているのは地球儀ではなくて天球儀、宇宙を背負わされているんですね、

 

マントのドレープに

 

アトラスの顔の表情や筋肉の隆起もさることながらこの天球儀に記されている星座がプトレマイオスの天文学理論に基づいて刻まれているらしく美術品としてだけでなく天文学にも大きな影響を与えたのだとか。

 

浮き出る血管までリアルに再現、2000年近く前に石を彫って作られたことを思うと驚きしかないです。

 

作品名の頭に付けられた固有形容詞のファルネーゼというのはこの館にある他の展示物のミケランジェロやカラヴァッジョ、ダヴィンチといった彫刻家や画家の名前ではなくルネサンス期の名門貴族だった収集家の名前、今でいうロックフェラーや三井など資産家や旧財閥なんかの企業コレクションといったところ。

 

製作されたのが西暦150年、日本では弥生時代後期で卑弥呼が活動していたと伝えられる時代、そして修復ののちファルネーゼコレクションに加わったのが1562年、日本では戦国時代で織田信長が頭角を現した頃でこの間だけでも千年以上、

 

ミケランジェロのキリストの復活

実はミケランジェロが手掛けた十字架を持つキリスト像はこれ以外にももう一体あって計2体あるそうです、今回来日したこの像はそのうちの一体目の方。

 

その理由は彫り進めていくうちに大理石の中にある層が黒い筋になって傷のように浮かび出しそれで別の石でまた一から彫り直したから。

その時点でこちらの一体目は未完のまま途中で放棄され、後世別の彫刻家によって現在の形に仕上げられたそうです。

 

その傷は左頬にあるらしく今回の展示ではちょうど死角になっていて確認できませんでした。

ところがその傷がミケランジェロ作である確たる根拠となり、現在ミケランジェロ作として公に認証されているのは二体目の完成体ではなくこちらの未完だった一体目のみになっているのだそうです。

 

そんなキリスト復活像の横から順路にしたがって進むと、

 

イタリア館の中の宗教エリア、ここがバチカンパビリオンになります。

 

イタリアのローマ市内にある世界最小の独立国として有名なバチカン市国ですがその面積は0.44平方キロ、今回の万博会場が1.55平方キロなのでおよそ3分の1、夢洲のお隣にあるUSJ、ユニバでも0.54平方キロあるのでそれよりも小さいんですね。

 

ここに展示されているのが

カラヴァッジョのキリストの埋葬

さっきのキリストの復活は磔から降ろされたこの時から3日後のことなので見学順路とは逆行するかたちになっています。

 

陰影を強調した奥行きのある描写がライティングや絵の大きさとも相まって引き込まれるような感覚に、

 

この絵が描かれたのは1602~1604年頃、日本ではちょうど徳川幕府が発足した頃、モノクロ写真すら無かったこの時代にこのような鮮明な3Dカラー映像のようなものが存在したことに驚かされます。

 

天を仰ぐクレオファのマリアに

 

俯いて嘆き悲しむ聖母マリアとマグダラのマリア、

 

壁には画中の配置の解説、

 

そして出口近くには同じ構図のレリーフがひっそりと、

後からわかったのですがこちらは視覚障害者用に用意されたもののようでした。

 

ところでこのカラバッジョの本名はミケランジェロ・メリージでカラヴァッジョというのは出身地の地名なんですね、

 

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョでカラヴァッジョ村のミケランジェロさん、

 

またミケランジェロといえばさっきのキリスト像の作者も同名ですがミケランジェロ・ブオナローティ・シモーニでこちらは本名、

 

出身地名といえばダ・ヴィンチも同様にレオナルド・ディ・セル・ピエロ・ダ・ヴィンチでヴィンチ村のレオナルドさんという意味。
 

突き当りに見えるのはラファエロの師でもある画家ピエトロ・ペルジーノの「正義の旗」、

 

天井から吊られているスレーヴⅠを白くスリムにしたような物体はこの絵とは関係なくESA欧州宇宙機関の次世代スペースライダー(宇宙往還機)

 

話を戻してこのペルジーノも本名はピエトロ・ヴァンヌッチでペルジーノはペルージャ人のこと、

バレーボールの石川祐希やサッカーではかつて中田英寿がいたあのペルージャです。

 

近寄って撮れなかったのはこの辺りから見学通路が渋滞し始める中、閉館まで残り僅かとの告知があり、

次のセクションにもベスパの最新モデルGTVやブレンボにピレリなどフェラーリF1のパーツの展示もあったようなのですがスタッフさんに申告し泣く泣くショートカットしたから、

 

そしてラストに控えるのがコーデ・アトランティコ、レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿、アトランティックコード、

 

アトラス像やカラヴァッジョのキリストと並び万博全体を見渡してもトップクラスの目玉ともいえるダ・ヴィンチコードなのですが混雑と携帯の熱暴走から不覚にも撮影失敗、

代わりに最初に見たオープニング映像で代用、

 

この辺りに来ると「立ち止まらないでください」な状態で一眼も持っていたのですが取り出す余裕もなく、ブログレポとしては大失態ですがそれでもしっかりと肉眼には焼き付けてきました。

 

最後にお土産売り場へ、当館のキャラクターでその名もイタリアちゃん、

アズーロ地の着物にトリコローレの帯、頭にはオリーブとオークにさりげなく日本の桜を加えた髪飾り、日伊の架け橋を体現したような扮装をしています。

 

なにより全くひねりのないドスレートなそのまんまのネーミングがイタリアらしくて好感が持てます、

残念ながらこの日は動いている(着ぐるみの)イタリアちゃんには会えずでした。

 

ところでこのキャラクター、萌えが入っていて日本人の考えたキャラクターっぽいのですが本国イタリア人のデザイナー、シモーネ・レーニョ氏の手によるもの、

 

購入したのは待望の大小イタリアちゃんとアクリルポップソケット2種、

 

このイタリアちゃん今回の万博でもかなり人気でグッズも一時期品切れしていたようなのですがこの日は復活していたので迷わずゲット。

 

外に出ると何やらとろーっとした像が2体並んでいます、

ジュリオ・チンティの「カノポ」

ギリシャ神話のオルフェウスとエウリュディケをかたどったもの。

 

エッジが効いていないのは連日の猛暑で溶け出したわけではなく敢えて荒削りにすることで不完全の美しさを追求したものなのだそう。

 

こうやって見るとちょっと溶けてきた雪まつりの雪像のような趣です。

 

少し進むとここにもイタリアちゃん、

 

告知板にもイタリアちゃん、館自体でもけっこう推しています。

 

7月の万博初来場時には「3時間待ち」と言われてたちまち怖じ気づいた当館でしたが、要領も得ずまだどこも見ていない時点ではその3時間で少しでも多く他を見て回りたいと思うのが人情、あの時点で1館に3時間も割くという選択肢は有り得ませんでした、

 

初回は折り畳み椅子も用意していなかった上にちょうどグッズも品切れしていた時期、その後展示物に関してもある程度予習してから見に来れたことや

逆にこれより後ろの日程になると閉幕ラッシュでさらに人が増えたので結果論ですがベストなタイミングで訪れることができたと思っています。

 

この日は時間切れで入れなかった屋上庭園や後に新たにフェラーリとドゥカティの実車展示も追加されたということでまた再訪したいと思っていたのですが、もはや待ち時間どころか入場自体が困難かもしれないということで断念することにしました。

 

出てきた頃にはあれだけいた行列も無くなり、

 

常日頃からパスタとエスプレッソをこよなく愛し、イタリア車との付き合いが免許歴どころか人生の過半数に及びつつある今イタリア抜きで万博は終われない、

 

かくして挑んだ4時間近い耐久行列、曇天と持参した折りたたみ椅子にも助けられ辿り着いた先には、

 

通常はイタリア全土に散らばっている至宝、アトラス像はナポリ、キリストの復活はラツィオ、キリストの埋葬はローマのバチカン、正義の旗はペルージャ、それらを一堂に、

さらに本国まで行っても見ることができないというダ・ヴィンチの手稿、

 

予想のはるか上を行く驚きと感動の時間を過ごすことができました。

 

 

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