私の小説レビューG

私の小説レビューG

私の読んだ小説の記録です

               抜萃のつゞり

 

今回はいつもの小説レビューではなく新聞、雑誌、書籍などからエッセーやコラムを抜萃し小冊子にまとめたものを読んでみた。

どれもいい話やためになる話ばかりで、なんか小中学生の頃に一番好きだった道徳の教科書みたいだ。

でも、今こうして読んでみて、いい話、正しい話ってそれほど深くは心に残らなくて、やっぱり私は悲しい話や哀愁を帯びた話の方が印象深く心に刺さるかな。

       囚われのスナイパー(上) 囚われのスナイパー(下)

 

☆☆☆

年老いた元海兵隊の凄腕スナイパーのスワガーは、前の事件でアラブ人テロリストを狙撃した事をマスコミに知られ、有力女性下院議員に自らの政治利用のため標的にされ公聴会に召喚される。

 

一方、職務質問してきた警官を射殺した凶悪犯5人組一味が、刑務所に収監されるが脱獄に成功し、一味が確実に国外逃亡する方法を確立するためにスワガーの公聴会が行われている会場を襲撃し人質を取り立て籠る。 スワガーは、自分を陥れ殺人狂に仕立て上げようとする女性下院議員も含め、会場にいる人達を守るために銃を持ち戦いに挑む。

 

スナイパー物って大体面白い作品が多いように思っていたが、本作は原文がそうなのか翻訳が下手なのか読みづらいし、公聴会の内容も退屈だし、幕間で描かれるスワガーの直系の先祖だかの1780年の話は、まったく必要がなかった。 凶悪犯らの立て籠り現場が話の中心になる下巻からは少しは面白かったが、上巻の異常なつまらなさが本作の評価を決定づけてしまった。

      ラッフルズの秘録(上) ラッフルズの秘録(下)

 

★★★☆☆

毎度お馴染みシグマフォース・シリーズのしつこい第16弾。

最近、南太平洋のトンガ海溝付近で頻発する大地震。 

発端は中国が月で採掘した何十億年も前に地球に衝突した別惑星の破片。 それに共鳴するようにトンガ海溝の深海で反応する同じ別惑星の破片。 中国は、原子力潜水艦をトンガ海溝に向かわせ調査し、いずれ原爆を時代遅れにするほどの強力な武器として使用したいと考え暗躍する。

 

一方、セイチャンの母がいる香港に来ていたシグマチームは、かつてのギルドの女工作員ヴァーリャ率いる中国軍の奇襲を受けた後、

トンガ海溝での中国軍の怪しい動きを追うために向かう事になる。

 

しかし、トンガ海溝に沈んだ原子力潜水艦の影響で、ついにインドネシア諸島の百余りの火山が数万年に一度レベルの規模のものも含め大噴火をはじめる。 このままでは地球上の生物が死滅してしまう。 この地球規模の危機に、シグマチームと中国軍は一時停戦し協力する事になる。 シグマチームは、ラッフルズの秘録を解き明かし、この未曽有の大惨事を収束させる事ができるのか。

 

てか、火山が百以上も大噴火してしまってる時点で、噴煙による太陽光遮断で、その後に地球の寒冷化が何十年も続くからもう手遅れだと思うのだが・・・。  相変わらずのご都合主義の極致にウンザリ。

 

今回も大風呂敷を広げるだけ広げた展開のジェットコースター状態で、好きな人にはたまらないシリーズだろうけど、毎回内容があまりに濃過ぎて私は辟易しているし、シグマチームにも飽き飽きしている。 しかし、脳が筋肉のコワルスキ隊員は面白くて好きだから、彼が主人公のスピンオフの別シリーズなら読んでみたいかも。

       また天国で会おう(上) 天国でまた会おう(下)

 

★★☆☆

戦地で上官プラデルの卑劣な行為に気が付いたアルベールは、プラデルに生き埋めにされてしまうが、年下の青年エドゥアールに救出される。 しかし、それによりエドゥアールは、片足が一生使い物にならなくなり、鼻から下の口顎が吹き飛び無くなる。

 

やがて舞台は終戦後のパリへ。 職も恋人も失い貧困に喘ぎながらエドゥアールの面倒をみるアルベール、大怪我で人生を失いモルヒネ漬けのエドゥア-ル、資産家の娘であるエドゥアールの姉と結婚し、実業家になり成功を収めるが相変わらずの卑劣な野心家のプラデル。 やがてエドゥアールは国を揺るがす大掛かりな詐欺を企て、元来気弱なアルベールもそれに加担していく。

 

そんなアルベール、エドゥアール、プラデル、エドゥアールの父と姉、プラデルの不正を告発した役人メルランらを描いていく。

そして、化け物のようなエドゥアールの顔を気味悪がらずに心を通わせていく少女ルイーズの存在と、永遠の別れによるルイーズの深い悲しみも心に沁みる。

 

私がこれまでに読んだルメートルの作品は、どれもハード・サスペンスだったが、本作はかなり毛色が異なっている。

           ベイジルの戦争

 

★★☆☆☆

1943年の戦時下、英国陸軍特殊作戦執行部のベイジル大尉が、ナチス支配下のパリに潜入命令を受ける。 任務は、とある暗号が秘められた聖職者の写本をカメラに撮影してくる事。

 

話は中盤辺りまで任務遂行中のベイジルと、任務開始以前のブリーフィングを受けるベイジルが交互に描かれているが、任務中はそこそこ面白いが、ブリーフィングがつまらない。 無駄に長いブリーフィングは、3ページほどにまとめてごっそり削除でよかった。

 

ラストも妙な所で尻切れトンボになっているのも意味不明で、ベイジルが満身創痍で任務を成功させ帰還できてめでたしの所で終わってた方がずっと良かったと思うが・・・。