★★★☆☆
戦地で上官プラデルの卑劣な行為に気が付いたアルベールは、プラデルに生き埋めにされてしまうが、年下の青年エドゥアールに救出される。 しかし、それによりエドゥアールは、片足が一生使い物にならなくなり、鼻から下の口顎が吹き飛び無くなる。
やがて舞台は終戦後のパリへ。 職も恋人も失い貧困に喘ぎながらエドゥアールの面倒をみるアルベール、大怪我で人生を失いモルヒネ漬けのエドゥア-ル、資産家の娘であるエドゥアールの姉と結婚し、実業家になり成功を収めるが相変わらずの卑劣な野心家のプラデル。 やがてエドゥアールは国を揺るがす大掛かりな詐欺を企て、元来気弱なアルベールもそれに加担していく。
そんなアルベール、エドゥアール、プラデル、エドゥアールの父と姉、プラデルの不正を告発した役人メルランらを描いていく。
そして、化け物のようなエドゥアールの顔を気味悪がらずに心を通わせていく少女ルイーズの存在と、永遠の別れによるルイーズの深い悲しみも心に沁みる。
私がこれまでに読んだルメートルの作品は、どれもハード・サスペンスだったが、本作はかなり毛色が異なっている。

