フォローしている小児がんのブログで、6種複合免疫療法を受けたという報告がありました
投与時の様子
投与した結果
こちらの記事に、免疫療法を受けた多くの人が気になるであろう疑問が書かれていました
38億個に増えたリンパ球を点滴したが、血液検査ではリンパ球数が増えていなかった
というのです
何十億個ものリンパ球を点滴したのだから、数値に現れるはず!
って普通は思いますよね
でも、数値にはまず現れないです
実は、何人か投与翌日に採血したことがありますが、血液検査のリンパ球の数値はほぼ変わりませんでした
その理由を説明しますね
体の中には約1兆個のリンパ球があると言われています
こちらを参考にすると
臓器やリンパ節の中、リンパ液の中にもリンパ球が存在していて、血液の中に存在しているリンパ球は全体の10%もありません
血液検査で、
リンパ球数 2,000/μl(マイクロリットル)
と出ているのは血液中の、1μl中のリンパ球の数だけを見ています
血液中のリンパ球の総数を計算すると
2,000/μl
↓
2,000,000/ml
↓
2,000,000,000(20億)/L
体重50㎏の大人で血液量4Lくらいなので、血液中には約80億のリンパ球が存在することになります
免疫療法で数十億個の免疫細胞を入れて、すべて血液の中に残っていたら血液検査に現れるはずです
でも、現れていない
それは、点滴したリンパ球が、がんのところだったり、リンパ節だったり、リンパ液だったり様々なところに行ったからだと思います
で、それぞれの場所でがんと戦ったり、体内の免疫細胞を刺激したり、バランスを整えたり頑張ってくれているのです
このブログの方がどうなったかというと
投与5日前から腫瘍が増大していて、免疫療法後も増大したようです
免疫療法だけでは抑えきれなかった
タイミングが悪かったかもと書かれています
その後抗がん剤治療を行い、腫瘍は縮小したようですが、、、
こんなコメントが!
免疫細胞が頑張っているのだと思います
多くの方が勘違いされていますが、免疫療法は抗がん剤のようにスパッと効果が出るものではありません
また、投与した数の免疫細胞だけでは、下手したら1兆個以上あるがん細胞に太刀打ちできません
(がん細胞は1×1cmあたり1億個)
投与した免疫細胞が、体中の免疫細胞を刺激し、総動員させて戦うのです
それができてはじめて、進行がんと戦えるようになります
再発予防とかがん細胞が少なければ、投与した免疫細胞だけでも良いんですけどね
そう言えば、この方もこんなことを書かれていました
残っている免疫細胞たちが引き分けで維持していくことを願っています