銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です

 

 

 

 

こちらの続きです

 

 

 

 

この図を見るとどうしても

NKTってすげー

ってなっちゃうのですが、

 

自由診療であまり行われていなかったり、先進医療Bが終わっちゃったりしたのは

(現在の標準治療と比べて)

期待していたほどの効果が無かった

からです

 

 

この臨床試験が行われた頃は、肺がんの治療といえば一次治療はプラチナ系の抗がん剤、それが無効になればドセタキセルやナベルビンに移行し、二次治療での生存期間は7か月という時代でした

 

ちょうどこんな感じです

 

 

 

以前のブログにも書きましたが

 

 

 

分子標的薬が登場してから

肺がんの予後が大きく変わったし

抗がん剤も種類が増えました

 

 

例えば、二次治療以降にアブラキサンを使うとNKT並みの生存期間が期待できます

 

 

 

 

 

また、免疫チェックポイント阻害薬も登場し、二次治療のテセントリクはNKTよりも生存期間を延長します

 

 

このように治療法が増えた中で、現在の保険診療の治療と比べた場合、NKTの方が優れていると言えるのか?

 

それを調べるためには

NKT細胞療法 VS 標準治療 で

比較試験をしなければなりません

 

先の試験で生存期間が30か月の高INF-αを示すNKTだったら、太刀打ちできるかもしれません

 

逆に、低INF-αの場合には標準治療の方が優れているでしょう

 

 

NKT細胞療法後のINF-αの値を事前に予測することができれば、NKT細胞療法は成功する可能性がありますが、それができないうちは、標準治療と予後が変わらない治療として脚光を浴びることはないでしょう

 

 

また、追い打ちをかけるように、同じく先進医療Bとなっていた”肺がん(ステージ2-3A)の手術後の再発予防としてのNKT細胞療法”が、昨年末に停止となりしました

 

結論は、標準治療とNKT細胞療法では有意差が無かったというものです

 

 

また、標準治療終了後の頭頚部扁平上皮がんに対するNKT細胞療法も先進医療Bに認定されていましたが、現在は停止となっています

 

 

そんな評価が下がってきたNKTですが、一部ではすごい効果がでるもののあまり効果が出ない人もいるのは、細胞の数の少なさや脆弱性が関係してると考えられています

 

それならばiPS細胞を使って良質なNKT細胞を大量に作成すれば、めちゃくちゃ効果があるのでは?という流れになっています

 

 

2年前の日経の記事です

 

 

NKT細胞療法の今後は、効く人と効かない人を事前に見分ける方法を見つけ出す か iPS細胞のNKT細胞にかかっていると思います

 

どうなっていくのか楽しみです

 

 

 

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