本日は白べっ甲で制作した立体的な菊の花をバチ型のかんざしに添えた、素晴らしいべっ甲かんざしをご紹介させて頂きます。礼装、準礼装の装い、機会にお勧めです。
先月中旬、今や日本でたった一人となってしまったべっ甲専門の彫刻師、喜山氏の手により、現代ではほぼ失われつつある日本の素晴らしい伝統工芸(技術)のひとつ、べっ甲の立体造形技法を駆使(復刻)し、見事な牡丹の花を白べっ甲で製作、U字型の白べっ甲のかんざしに添えた、やや大振りで大変見事なべっ甲かんざしをご紹介させて頂きました。
「白べっ甲牡丹飾りかんざし|日本の古き良き伝統の技の復刻、振袖、色打掛、花嫁、準礼装用の特別な簪。」ブログ2019年02月13日号
今回のかんざしは前回の牡丹のかんざしに比べ、大きさは一回り小振りとなりますが(牡丹が特大でしたので、こちらがほぼ通常の大きさ)、それでも菊の花の装飾は、花びら一枚一枚を丁寧に彫刻、そして熱により美しい曲線を一枚一枚形作り、大変繊細で緻密な造形に仕上がっております。
菊の花は日本人にとっても大変馴染み深い花のひとつです。古来より、不老不死、延命長寿、無病息災、邪気払いなどの意味があるとされていることから、吉祥文様にも多く用いられています。また余談ですが、重陽の節句に頂く菊の花びらを浸した菊酒、お刺身などに添えられる食用菊などもありますね。
見事に咲き誇った菊の花。百花の王と呼ばれている華麗な牡丹の花とはまた違った、厳かで繊細な印象のかんざしです。それでは引き続き、どうぞ最後までご覧ください。
下のお写真が一番お分かりになりますでしょうか。土台となるバチ型のかんざしに、べっ甲で一本芯立てをしてあります。そこに別々に製作した菊の葉、花びら、萼などのパーツを重ね貫通させ接着固定してあります。
ちなみに、菊の花びらは、下層から大輪、中輪、小輪と、三重構造になっています。そうした手間を掛けることにより、ご覧のような立体的で大変見事な菊の花を咲かせることが出来ています。
江戸時代から大切に伝承されてきた、こうした日本の素晴らしい伝統工芸の技術が今にも失われようとしています。
・白べっ甲菊彫刻飾り付きかんざし【abkbf190319-1】¥289,000+税 【完売】
(本体大きさ:縦約128㎜、横76㎜、厚み5㎜~4㎜)
(菊装飾大きさ:縦約36㎜、横34㎜、高さ20㎜)
・白べっ甲牡丹飾りかんざし【abkbf190213-1】¥880,000+税
(本体大きさ:縦約185㎜、横75㎜、高さ46㎜、厚み5㎜~1㎜/装飾含む全長)
(装飾大きさ:縦約85㎜、横75㎜、高さ41㎜、厚み3㎜~1㎜)
(喜山(藤田誠)作)
https://ameblo.jp/ginza-kanameya/entry-12356427437.html
「銀座かなめ屋は、創業80周年を迎えました。 これからも斧琴菊(よきことをきき)ながら日々精進。」ブログ2014年04月01日号【参考品】
https://ameblo.jp/ginza-kanameya/day-20140401.html
※1980年にワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)に日本が批准し、それ以降、べっ甲材料の輸入量は段階的に減っていきました。そして、日本が開催国となった第8回(1992年)締約国会議(加盟国で2,3年に一度開催される会議)が開催された年をもって、それ以降現在に至るまでべっ甲材料の輸入が停止されています。現在制作されているべっ甲製品は、その年以前に輸入した材料を少しずつ大切に使用しながら制作されています。
▶【トップページへ戻る】最新情報は、ブログトップページをご覧ください。
▶【かんざし・帯留商品一覧|サイトマップ】商品検索にご活用ください。
▶【和装小物商品一覧|サイトマップ】商品検索にご活用ください。
▶【ブログ内画像一覧】月別に各記事のトップ画像が一覧できます。
本日はお立ち寄り頂き有難う御座います。またのお越しを心よりお待ちしております。
▼こちらも併せてご覧ください。
銀座かなめ屋・三代目のブログの更新情報が届きます。(承認制)
★日本ブログ村【和装小物】ランキングに参加中!
上記バナーをクリックして応援して頂けると励みになります。