昨日ご紹介しました古典的なかんざしの一つ「平打ち」の記事が、思いのほか好評の様でしたので、本日も引き続き、今ではほとんど制作もされなくなった日本髪用の櫛をご紹介させて頂きます。
制作されなくなったと言え、今でも決して作れない訳ではないと思うのですが。やはり需要と供給の問題で、お挿しになる方、お求めになる方が少なくなるにつれ、べっ甲製の櫛を専門に制作していた腕利きのべっ甲職人も今ではほぼ絶えてしまいました。
4,50年前ぐらい前かなぁ、まだその頃は成人式でも日本髪を結う方が結構いらっしゃったと思いますが、髪型の変化や価値観、ファッション、トレンドなどの変化により、自ずとお挿しになるかんざしの形状も種類も変わってきています。さて、50年後のかんざしはどうなっているのでしょうか?もしかすると、回りまわって古典的なかんざしが復活しているかもしれませんね。もしくは、かんざしを挿すという習慣自体が無くなっているか...。
さて、お話を戻して、本日ご紹介すような大変見事な蒔絵装飾のあるような櫛や、すべて白べっ甲で制作した白無垢姿の花嫁さんや芸妓さんがお挿しになるような特上クラスの総白べっ甲櫛の新たな制作は、近年ほとんど聞きません。ある意味、江戸時代から続く日本の素晴らしい伝統工芸の終焉ですね。本日ご紹介致します櫛も、かなり昔に製作されたものになります。螺鈿金蒔絵は、かつて東京の三大蒔絵師のひとりと謳われた広山氏(故人)によるものです。同時期頃に活躍された光山氏(故人)の作品です。【訂正】2018.2.
螺鈿金蒔絵は、かつて東京の三大蒔絵師のひとりと謳われた広山氏(故人)によるものです。同時期頃に活躍された光山氏(故人)の作品です。【訂正】2018.2.
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螺鈿金蒔絵は、光山(こうざん/ご存命)氏によるものです。光山氏は、かつて東京の三大蒔絵師のひとりと謳われた武山(ぶざん/故人)氏の弟子(実子)で、同じく東京の三大蒔絵師のひとりと謳われた同門の広山(こうざん/故人)氏の兄弟子になります。【訂正】2018.4.
※過日、武山氏のご子息で、光山氏の実弟様より直接ご連絡を頂戴いたしました。また光山氏はご存命ですが、近年は作品作りから遠ざかっているとのことです。こちらにて訂正してお詫び申し上げます。(銀座かなめ屋・三代目店主)
▼「【贅を尽くした、昔の髪飾り、帯留】その4 簪(かんざし)のルーツ。」ブログ2012年10月20日号
http://ameblo.jp/ginza-kanameya/entry-11384195692.html
http://ameblo.jp/ginza-kanameya/theme-10038279404.html
螺鈿は、ご覧になる角度や光の当たり具合により、まぶしいくらいの輝きを発したり、またその逆にほとんど光を発せず金蒔絵と下絵の朱色のみが姿を現したりします。これは螺鈿金蒔絵職人が、貝一片一片の色合い、またその置く角度などを緻密に計算して制作した賜物です。髪に挿したときに一番美しい姿、輝きを見せます。
べっ甲牡丹文様螺鈿金蒔絵櫛【abkbf170330-1】¥286,000+税 【完売】
(螺鈿金蒔絵:光山、大きさ:約縦58㎜、横108㎜)
そして、櫛の需要と共に今ではほとんど店頭で見掛けることの無くなってしまった、櫛の補助金具「櫛止め」(¥1,500+税/各)も、かなめ屋では取り扱っております。詳しくはまた次回ご紹介させて頂きます。
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