「かごめ食堂」は、
今まで観た全ての映画の中で最も素晴らしいと感じた映画です。
間違いなく史上最高の日本映画だと思いますし、
これを越える作品はこの世に無いと思っています。
全ての日本人に観て欲しい映画ですし、
観ていない人は人生の99%損してると言っても過言ではないくらい、本当に最高の映画です。
そして、映画を観終わった時には必ず「おにぎり」と「シナモンロール」が食べたくなっているはずなので、観る前に用意しておくことをお勧めします。
荻上直子さんです。
荻上監督らしい、ユーモラスだけど心が暖まる作品で、
派手なストーリー展開は一切無いにも関わらず、
この時間がずっと続けば良いのにと思うほど、心地よい気分になれます。
この独特な世界観は荻上監督にしか表現出来ないと思いますし、
観れば必ず幸せな気持ちになれると思います。
そして、この映画で素晴らしいのは、
主演の
小林聡美さん
片桐はいりさん
もたいまさこさん
の演技です。
普通の人を普通に演じる3人の自然な佇まいが、この映画の最大の魅力だと思います。
「かもめ食堂」のストーリーで最も凄いところは、
登場人物の内面やバックグラウンドに一切踏み込まない
という点です。
主人公の3人が日本から遠く離れたフィンランドに来た理由は、明確には語られません。
片桐はいりさん演じるミドリは、
フィンランドに来た理由を
「来てやらないわけにはいかなかった」
と語っていますが、
いったい日本で何があったのかについては話しません。
それに対して小林聡美さん演じるサチエは、それ以上聞こうとはせず、
「どうしてもの時はどうしてもです」と、
優しく受け止めます。
その後もミドリの過去については一切語られませんが、
きっと日本でよほど辛いことがあったんだろうと想像できます。
ミドリはそのままフィンランドに居着いてしまいますが、日本に帰らなくて大丈夫なのか、といったことにも一切触れられません。
もたいまさこさん演じるマサコは、
親の介護から自由になったのでフィンランドに来たと説明しています。
その一方で、ミドリと同様に日本でどんな仕事をしていたのか等については全く触れられません。
マサコもまた、旅行に来たはずのフィンランドにそのまま居着いてしまいますが、それも自然なこととして描かれます。
そして、
小林聡美さん演じるサチエですが、
この人が最も謎です。
なぜフィンランドに来たのか、日本では何をしていたのか、どんな経緯で移住したのかなどについては、一切語られません。
フィンランドに店を開いた理由についても、
「別に日本じゃなくてもいいかな」
の一言で終わってしまいます。
この全く説明しない感じが荻上監督らしい所で、
いちいち内面だったり背景だったりを説明しなくても、人間を魅力的に描くことができるのが荻上監督の凄いところです。
そして、登場人物たちはお互いの過去や心の傷に触れることは一切しません。お互いに一定の距離を保っています。
でも、一定の距離を保っているけれど、お互いの気持ちを理解し尊重していて、そこにはとても優しい空気が流れています。
この「ドライなのに暖かい関係」こそが、「かもめ食堂」が最高の映画である理由だと思います。
「かもめ食堂」の大きな見所の一つが、
可愛くてお洒落な
北欧インテリアです。
映画は全編フィンランドロケですが、映画の大半は「おにぎり屋」の店内のシーンです。
そして、この「おにぎり屋」のインテリアが本当に素敵で、映画の大きな魅力となっています。
実は、現在の「北欧インテリア」ブームは、この「かもめ食堂」がきっかけと言われています。
その証拠に、店内の内装や小物は、まさに雑誌に出てくる「北欧インテリア」そのものです。
なので、映画を観る時は、
ぜひお洒落で可愛らしいインテリアや小物にも注目して欲しいです。
「かもめ食堂」は、全ての日本人に観て欲しい映画です。
観ていない人は人生の99%損してると言えるくらい、
それほど最高の映画だと思います。
そして、
映画を観終わった時には必ず「おにぎり」と「シナモンロール」が食べたくなっているはずです。
なので、映画を観る際は、ぜひ「おにぎり」と「シナモンロール」を事前に用意してからご覧下さい。