話は1998年の一旦中国地方防衛戦の頃に戻る。

大阪の信太山駐屯地所属であった丸芽 信(まるめ しん)特務大尉(37歳)は心配していた。
ついに日本へBETAが来たかと。
しかも最悪なタイミングで、これでは海軍の支援は受けられない。今防衛戦に参加させれば、部下もどうなるか。

通信兵A「作戦司令部より独立機械化工兵戦術機中隊(2個小隊)に全力出動命令が出ました。作戦
内容をお伝えしますので司令部までお願いします。」

丸芽特務大尉「わかった。俺のマーシー1(工兵用の戦術機撃震の改良型)を出してくれ。」



畑中副官「私も援護に行きましょうか。」



丸芽特務大尉「さすがに冗談だよ、第二小隊の連中のジープに便乗するさ。
彼らの話は何というか聞いてるだけで面白いからなあ。」

畑中副官「そうですね、それはわかります。」

丸芽特務大尉「じゃあ、行ってくる。色よい作戦指示が飛んでくるといいな。」
と部下の2人に話して、通信兵Aにアテンドされて丸芽と畑中が司令部に出頭する。

丸芽特務大尉「独立機械化工兵戦術機中隊、丸芽特務大尉、畑中副官出頭しました。
出動命令とのことですが。」

信太山駐屯地司令「ご苦労、今しがたBETAが九州と中国地方への侵攻が始まった。
出せる戦術機は少ないが、後方防衛拠点の姫路司令部より陸軍南條中将の
第17独立守備戦術機中隊(空挺部隊)が出撃、展開している。
これの支援と避難民の護送を含めて遅滞防衛戦を頼みたい。かなりの激戦だ。
ここを突破されると帝都京都が危ない。頼むぞ。」
と命令を出す。

丸芽特務大尉「承知いたしました。ではいつも通りに。」
基地司令に敬礼をして格納庫へ戻る。

畑中副官「さて、暴れるとしましょう。」 

そして丸芽の工兵部隊は空輸されて姫路に移動する。

通信兵が出迎える。
通信兵「お待ちしていました。私は南條中将の第17独立守備戦術機中隊の通信兵です。
情報をお伝えします。1小隊は九州の関門橋と関門トンネルを爆破してBETAの侵攻を遅滞させてください。
もう1小隊は私たちの第17独立守備戦術機中隊(空挺部隊)の第二小隊の支援をお願いしたいです。
可能ですか?」

丸芽特務大尉「わかった。九州に行くのは俺たちでいいか?」

春原特務中尉(第二小隊長)「あかん。隊長はこっちをお願いします。
第二小隊の機材のほうが損耗率が低いんや、ウチらが行かせてもらわんでは兵士の名折れですわ。」

丸芽特務大尉「しかし十分な援護も見込めるか分からないんだ、死にに行くようなもんだぞ。」

春原特務中尉「それは隊長も同じです。うちら話し合いました、行きます。行かせていただきます。」

丸芽特務大尉「ああ、そこまで言うならわかったよ。武運を祈る。必ず生きて帰るんだぞ。」

畑中副官「可能も何も、やらなければならないのでしょう?

ああ、前線までの移動はそちらが手配してくれるということですね?
第一小隊は本州に残り第17独立守備戦術機中隊第二小隊の援護を行います。
第小隊は九州に向かい、遅滞戦術に従事します。」

通信兵A「もちろんですよ。前線の補給ポイントまでうちの部隊のトラックと護衛部隊付きで行きますので、

その先は第17独立守備戦術機中隊第二小隊と合流して防戦をお願いします。
場合によっては、島根県沿岸部のとある海軍補給基地まで行って、基地隊員と避難民を護送していただきます。」

丸芽特務大尉「わかった。春原、こっちも場合によっちゃあ死にに行くようなもんだとよ。お互い生きてまた会えるといいな。」

春原特務中尉「ほいでは中隊長さん、また会いましょ」

通信兵A「有難うございます。では移動でお疲れでしょうがすぐに前線臨時補給拠点側に行ってもらいますか?
手配はできております。」

丸芽特務大尉「わかりました。独立機械化工兵戦術機部隊総員、聞いたか。行くぞ!。」

こうして、独立機械化工兵戦術機中隊は前線に移動した。
こうして第一小隊は前線臨時補給拠点側に到着した。
そこはもう攪乱していて、重症者や衛士の死体が無造作に並べられていて、
治療を行っていたり、戦術機の補修を行っていた。

その中で、第17独立守備戦術機中隊第二小隊は臨時で部隊の指揮を執っていた甲本凜中尉を中心に激を飛ばし、

亜美の捜索の相談、補給の指示、休息を行い弾薬等を補充し、
民間人を後送してもらう指示を出していた。

丸芽特務大尉「BETAがそこかしこにウヨウヨしてやがるな。対BETA地雷をもっと持ってきたほうが良かったかも。」
 

畑中副官「それを設置する人手がないでしょう。」
 

丸芽特務大尉「そうだ畜生、もどかしいな。」

その話を聞きつけて、第17独立守備戦術機中隊の第二小隊の副官である橘紫音(たちばなしおん)中尉が声をかける。
橘副官「貴方はもしや我が隊を支援していただける独立機械化工兵戦術機中隊の方々ですか?
私は、第17独立守備戦術機中隊第二小隊の副官、橘少尉と申します。」
と敬礼する。



丸芽特務大尉「初めまして。私は独立機械化工兵戦術機中隊長兼第一小隊長、丸芽信特務大尉だ。
我々にやってほしいことは何でも相談してくれ、できる範囲なら何でもする。」


橘副官「、、、中国地方はもうだめです。我々に与えられた任務の基地防衛ですが前
線の第341海軍補給基地は最期まで防戦し、うちの小隊長の両親は部下と避難民を逃がして

基地もろとも爆破して戦死しました。
 

今、小隊長はここのB地点でそれに耐えられず、発狂して1人で前進してしまい見失いました。
勝手なご依頼ですが、、、一緒に捜索してもらえますか。」
と頭を下げて懇願する。

丸芽特務大尉「人探しとは、工兵遣いの荒い指示だことで。だがわかった、行かせてもらおう。」

橘副官「有難うございます。」
こうして早急に戦術機の補給をすまして地点Bより先に進んだ場所で、
BETAの残骸が多数見つかる地点にて、ボロボロになった戦術機が1機見つかる。

亜美は生きていた。普段は人の前では泣くことはないが泣いていた。
亜美中尉「、、、はぁ、はぁ。何とか、危なく、頭に血が上りすぎて、、戦死する所だった。。

妹に感謝しなければ。
、、甲本中尉お願いがあります。私は両親の基地に行きたい。。。

一緒に来てもらえますか。せめて、遺体だけでも連れて帰りたい。。」
と話す。



凜中尉「了解です。もとより援軍がなければ全滅でした。行きましょう。」



橘副官「こちらの方々は独立機械化工兵戦術機中隊の方々です、南條中将が支援部隊を出してくれたようです。」

亜美中尉「助かります。私は第17独立守備戦術機中隊第二小隊の小隊長早雲亜美中尉です。宜しくお願い致します。」

丸芽特務大尉「よろしく。しかし全くもって困ったもんだ、命を無駄にしかねない行為は慎んでもらいたいものだね。
俺たちの仲間は今頃九州と本州の境界で命を燃やしているころだぞ。」

畑中副官「やめてあげましょうよ、感情が昂った末の行動に合理なんて求めるんじゃありません。」

丸芽特務大尉「ああすまない、少し気に入らなかっただけさ。」

亜美中尉「、、、申し訳ありません。その通りです。私は指揮官失格です。
それでも助けたかったのです、防衛を行っていた、両親も、味方部隊も。。」

丸芽特務大尉「そうか……。許してくれとは言わんが謝らせてくれ、さっきはすまなかった。」

亜美中尉「いえ、言っていることはその通りです。私達にとっては本当に
良くしてもらった育ての親でしたので、無念です。」
と前線の第341海軍補給基地へ行く。

途中散発的にBETAに遭遇するが全て独立機械化工兵戦術機中隊の丸芽が爆発物を使って倒していく。
亜美中尉「(これはすごいな、ただの工兵部隊ではない、BETAを爆破等で叩き潰して行く工兵など聞いたことが無いが。。)」

丸芽特務大尉「よし、これで露払いは終わった。あとはこのルートをつぶされないよう敷設した対BETA地雷を待機モードにして、
さらに先へ進むだけだ。」

畑中中尉「掩護は任せてください。」

こうして第341海軍補給基地に到着するも、がれきの山とBETAの残骸以外は何もなかった。
何とか両親の壊れたドックタグだけを見つけることをができたのみであった。

 

呆然とする亜美。。

亜美中尉「、、、お父さん、お母さん。何処。なんで(泣。」

通信兵「第341海軍補給基地近辺の沿岸部に師団以上の複数のBETA群の上陸を確認、
また九州方面より山口方面へ侵攻しているBETA群も止められません。
中国地方からは全部隊撤退せよ、これは上級司令部よりの命令である。」
と言ってくる。
こうして泣く泣く亜美達は姫路に戻った。

だが、独立機械化工兵戦術機中隊の第二小隊は戻ってきていなかった。
そこに第二小隊から通信が入る。

丸芽特務大尉「第二小隊、春原(とうばら)か?徳嶺(とくみね)か、ほかの戦闘要員か。

どうなってる、50分前に関門海峡は落ちたと聞いたが。」

通信兵「九州方面無線傍受拠点より、一時間前に受信及び発信された通信のリレーです。

第二小隊からの最後の通信になります」

丸芽特務大尉「!。」

通信兵「以下音声データです。」

春原特務中尉(とうばら)「らしくないことは、するもんやないな。皆、付き合わせてすまんかった。堪忍な。」

空柴少尉(からしば)「らしくないことやってこそ、人生ってやつじゃないですか。俺は春原小隊長について来れてよかったと思いますよ。」

佐竹少尉(さたけ)「私もです。春原小隊長、これまでありがとうございました。来世があるならまた会いたいですね。」

春原特務中尉「これより第二小隊は作戦行動を停止する。全員、自由に行動せよ。俺は先に行く。じゃあまたな。」

亜美中尉「、、、そんな。。」

丸芽特務大尉「畜生、あいつら……。」

畑中副官「……、独立機械化工兵戦術機中隊は、……、我々四人だけになりましたね。」

丸芽特務大尉「畜生!これだから、これだから!くそ……。」 

亜美中尉「九州には、斯衛の真木大尉殿や弥栄少尉、ゴースト軍曹達も配備されていたはず。

生きているのか。。。」
と絶望する。

そして別れの時。
亜美中尉「丸芽特務大尉殿有難うございました。あなた方のおかげて目標地点まで行けました。
そして両親の形見も。私は、もうこんな思いをしたくない。私は自分の部隊を作るつもりです。
もしよかったらその時はお力をお貸し願いたいです。その時は受けてくれますか。」
と相談する。

丸芽特務大尉「ああ、その時が来たらご一緒させていただきたい。

君が率いるその部隊のために、俺も生き延びてやるさ。」

こうして丸芽と亜美は別れた。その後しばらく二人は出会うことはなかった。

そして帝都京都防衛戦に時は移る。
すでにBETAに帝都は蹂躙され、丸芽達は味方と協力しながらBETAを防戦していたが、何せ数も多く、
味方は押され、喰われて行く。地獄の中で丸芽達は何とか戦っていた。

丸芽特務大尉「撤退だ、味方が下がっている!。」

畑中副官「戦線はもうすぐ崩壊するでしょう。司令部が落ちたようですし、隊長の判断を支持します。」

丸芽特務大尉「よし。マーシー3、マーシー4!応戦しつつ撤退だ、壊走する味方の背後を守る!」 

丸芽は目前に迫る要塞級に破砕爆薬筒三本をまとめて投げつけると、
爆薬を設置して畑中中尉の戦術機とタイミングを合わせて後ろ向きに飛びながら接近するBETAを
突撃砲で攻撃しつつ遠隔操作で先ほど設置した爆薬を起爆する。

爆発に舞い上がるBETAを撃ち抜いた畑中中尉機は突撃砲のマガジンを交換すると、射撃準備態勢のままマーシー3、
マーシー4と合流して壊走する部隊の流れに乗り、殿集団の先頭に合流した。 

丸芽特務大尉「俺はこのまま殿集団の後ろに行ってもいい。」

畑中副官「死にますよ、もう爆薬も残り少ないのに。私は掩護しませんよ。」

丸芽特務大尉「俺はもう嫌だ。死にたい。」

畑中副官「馬鹿なんですか隊長!?あなた何言ってるんですか?

ああそうか、そんなだからこの年になっても奥さんの一人もいないんですよ。」

丸芽特務大尉「そこまで言わなくてもいいじゃないか!もうあれだ、死ぬのはいったんやめだ。
お前に面と向かって泣き顔を見せてやるまで生き延びてやる!」

秋村特務少尉「隊長、味方の防御陣地が見えてきました!」

丸芽特務大尉「ここはもう一杯だろう。もっと後方の補給拠点まで行かないと。」

畑中副官「隊長は隊長としてなら尊敬できるけれど人間としては私のお眼鏡にも適いませんよ、ほんと。

奥さんになる人は大変ですねえ。」

丸芽特務大尉「いねえよ畜生!もうこっちは悔し涙が噴き出しそうなんだよ!もうやめてくれ。

モニターが霞んで見えなくなる!」
こうして丸芽達はなんとか帝都防衛戦を生き延びた。

そして現在、第零独立強襲戦隊興亡記~外伝1998年:如月少佐との出会い①の数日後のお話。

戦隊長の執務机でいつものように執務で多忙の中考えていた。
亜美戦隊長「(、、、、まさか戦隊基地にBETAが奇襲をかけてくるとは思わなかった。
それに、、、真木さんにも負担をかけて負傷させてしまった。基地の隊員にこんなことはもう二度とさせない。
基地の防衛計画を見直さないと。

、、、そう言えば、あの時の独立機械化工兵戦術機中隊はまだ存命なのだろうか。
丸芽特務大尉達をなんとかうちの戦隊付きにして基地の防衛部隊と
戦術機部隊の戦隊本部小隊を兼ねて所属してもらえないだろうか。
南條叔父様に相談してなんかとかうちに引っ張ってもらえ得ると嬉しいが。。)」
と南條中将に通信端末で相談する為に連絡を取る。



亜美戦隊長「南條中将、少しお時間ありますか。戦隊基地の防衛についてお願いがございます。」

南條中将「やぁ戦隊長。話を聞こうじゃないか。」
南條中将「基地防衛か、確かに何も対策してなかったからね...。」



亜美戦隊長「先日のBETAの戦隊基地への攻撃の件です。
真木さんを負傷させてしまいました。痛恨の極みです。
大陸でも奇襲を受けて解っていたのにこんなことになってしまいました。。

そこで基地防衛計画を考えました。1個小隊規模で構いません、戦術機部隊が欲しいです。
普段は真木大尉の指揮下で基地の防衛が基本です。

で、その部隊ですが健在であれば、欲しい部隊がいます。
覚えていますか?支援の手配をしていただいた
あの中国地方戦線防衛戦で共に戦った独立機械化工兵戦術機中隊です。

作戦行動時は工兵戦術機部隊として直接私の戦隊本部小隊に所属させたいです。
工兵部隊の異動権限は私にはありませんですのでお願いしたいです。」
と伝える。

南條は黙って聞いた後口を開く。
南條中将「なるほど...あの独立部隊だな。運が良いよ戦隊長、今私預かりになっている。

直ぐに手配しよう、構わんかね?」

驚く亜美。
亜美戦隊長「なんと、、、そんな事が。お願いしたいです。明日にでも可能であればお願い致します。」

南條中将「勿論だ、直ぐに向かわせる。連絡が無ければ最前線送りだったろうからね。」

亜美戦隊長「そんなことになっていたとは。。彼らのような優秀な部隊を最前線ですりつぶすような事は
避けらたのは良かったです。有難うございます。では手配宜しくお願い致します。」

南條中将「楽しみにしてくれ。」

亜美戦隊長「はい、有難うございました。(敬礼。」
翌日、南條の言った通りその部隊が戦隊基地に到着した。

彼らは最前線に今日送られる予定だった。しかしなぜか急遽異動命令が通達された。
陸軍の第零独立強襲戦隊と言う独立部隊のようだ。

丸芽特務大尉「消耗品として前線に飛ぶ覚悟を決めたと思ったら緊急異動ときたもんだ。

まったく、上さんの混乱が伺えるってもんだぜ。」

畑中副官「第零……直属部隊でしょうか。」

丸芽特務大尉「知らん。俺は部隊番号の規則性なんぞには詳しくない。

第零が直属部隊なら上の無茶を聞くだけのマシなお仕事かもしれんが。」

畑中副官「まあ何にせよ我々は犬死を免れたわけですね。

代わりに送られる隊には申し訳ありませんが、マシな命令はもらっておきましょう。」

秋村特務少尉「隊長たち、卑屈過ぎない?」

君原少尉「それはまあ仕方ないだろう。中間管理職とその女房役なんてものには、
私たち下っ端にはあまりわからない苦労があるものだ。」

秋村特務少尉「まあそうだね。」

戦隊基地正門で疑問点を話している待っていると、見知った男の軍人が来る。
見知った顔が見えた。中国地方戦線防衛戦で共に戦った橘紫音中尉であった。
橘副官「お久しぶりです、独立機械化工兵戦術機中隊の方々。私です、中国地方防衛戦でお会いした橘です。」
と敬礼して迎える。

丸芽特務大尉「おお橘中尉、キミ生きとったのか。」

畑中副官「まあ彼だって優秀な人物ですし、隊長がまだこうして生きているのですから彼だって生きているでしょうよ。」

丸芽特務大尉「そうも限らんのが戦場だろう。俺たちは例外をたくさん見てきたぜ、

第二小隊にせよ守れなかった連中にせよ。」 

橘副官「はい、皆さんもよくご無事で。あの時は有難うございました。
ここではなんですから、戦隊長室へ。ここはあの時の私たちの小隊が中核となっている部隊です。
早雲中尉は進級され大尉になり我が第零独立強襲戦隊の戦隊長となっています。
と彼らを戦隊長室へ案内する。

戦隊長室へアテンドし入室する。
そこには執務机で忙しそうに難しい顔をして書類仕事をしている亜美がいる。
橘副官「戦隊長、失礼します。独立機械化工兵戦術機中隊の皆さんをお連れしました。」

丸芽特務大尉「久しぶりですね、小隊……いや戦隊長殿。本日をもってこの隊に着任しました、
独立機械化工兵戦術機中隊長の丸芽特務大尉です。
一体全体どういうわけなんですか、俺たちは前線で打破できそうもない防衛線の孤立を打破するために
犬死せよと命令を受けたところで呼ばれたんですが。」 

 

丸芽たちを見た亜美は微笑む。

亜美戦隊長「お久しぶりです、皆さん。あの時は有難うございます。
私が第零独立強襲戦隊の戦隊長、早雲亜美大尉です。
約束通り、仲間を、民間人を護れる部隊を創りました。今回あなた方独立機械化工兵戦術機中隊の
力が欲しく、異動してもらいました。まさか最前線に送られる直前で、ほんとに間一髪な異動でしたよ。
南條中将にお礼を言わないと。」
と脱帽しているのでお辞儀式の敬礼をする。



丸芽特務大尉「なるほど、あの時の約束を果たせということですな。」

そして思い出したように話す。
丸芽特務大尉「そうだ、戦隊長。謝りたいことがあるのです。

前にお会いした時、気に入らないなどと言ってしまいすみませんでした。
あの時のあなたの気持ちを、俺は帝都京都防衛戦でようやく理解しました。

あの時の俺は、指揮官失格と言われて仕方のない行動をしてしまった。」

亜美は彼もまたつらい思いをしてきたのと後悔しているのを心の中が見えて微笑み答える。
亜美戦隊長「、、、大丈夫です、謝罪は必要ありません。

 

確かにその通りですから、そして後悔してしまうことは多分にあります。
ですが、生きてれば次はより良い選択ができるかと。

 

丸芽特務大尉殿にとってそうなれるように部隊になじんでいただければそれでいいのですよ。
少し辞令と今後の話をしたいのでそちらの長机に皆さん座ってください。


紫音、真木整備班長に申し訳ないけど戦隊長室へ来てもらって。
あと全員分のお茶とお茶請けを。」

橘副官「承知しました。真木整備班長をお呼びしますね。」
とお茶とお茶請けを用意し隣の副官室へ移動する。

丸芽特務大尉「ここまで色の濃い茶は久しぶりだな。」

畑中副官「そうですね、前線のすぐ手前じゃあ補給の乱れで三十煎めの茶を飲む羽目に……。」
それに答える亜美。

亜美戦隊長「大陸での撤退戦時はそうでしたがこの基地ではなるべく全員に良いものを配給してます。
私のできる範囲内ですが。兵、下士官にも同じものを出してますよ。
いつ何があるか解らないですしストレスはなるべく減らしてあげたいですから。」

丸芽特務大尉「ありがたいことです。温かい飯と良い茶の香りは力の源、

どんな演説よりも心に響くとはよく言ったものです」

亜美戦隊長「その通りです。そしてそれは階級に差があってはいけないと私は思います。
部隊は家族です。私はそのことを戦死した両親から教わりました。」

丸芽特務大尉「家族、ですか。我々の中隊もそこに加わるというわけですね。」

畑中副官「うちの中隊自体がもともと丸芽隊長を長男として三人がそれに姉妹として続くような構成ですからね。」

亜美戦隊長「戦隊は家族、姉妹、兄弟です。仲良くしてくださいね。
私には妹がいますが、戦隊ではみんなが家族です。とりあえずはようこそ、我が戦隊へ。」

そうこう世間話をしていると一人の女性整備兵が戦隊長室へ入ってくる。
呼び出しに応じて、真木が入ってきた。

真木班長「失礼するよ。どうかしたのかい戦隊長。」



亜美戦隊長「先日の負傷の所、呼び出して申し訳ない。こちらにお座りください。」
と長机の椅子を引いてこちらにと座らせて紹介する。

丸芽特務大尉「!(これは、、、ただの整備兵ではないな、まごうことなき歴戦の衛士だ。)」
丸芽は真木から整備兵らしからぬ気品を感じた。

亜美戦隊長「丸芽特務大尉、こちら斯衛から出向していただいている我が戦隊の戦術機整備班長の真木沙奈江(まきさなえ)大尉です。
真木整備班長、こちらの方々は独立機械化工兵戦術機中隊の丸芽特務大尉、畑中中尉、秋村特務少尉、君原少尉です。
特務が付く方は機械化工兵戦術機部隊の方であとはその護衛兵です。」

真木班長「へぇ、工兵戦術機部隊ね...それで整備班長のアタシがどうしろと?
アイツらを率いろとか言うのかい?」

亜美戦隊長「はい、そのことでお願いがあります。先日の基地防衛戦で痛感しました。防衛部隊が欲しいと。
戦術機部隊が任務中で私が出撃している時は真木さんに預けます。
防衛部隊指揮官として彼らを指揮下に防衛戦等をお願いします。
また彼らは基本私直轄の戦隊本部小隊付きとします。戦闘任務にも参加してもらいます。」

真木班長「なるほど、アタシで良いのかい?」

亜美戦隊長「もちろんです、斯衛だから陸軍だからとかそんなことはこの戦隊では関係ありません。
斯衛であることの尊敬はもちろんあります。ですから真木さんに基地防衛の指揮官をお願いしたいのです。
彼らは撃震を使用します。工兵戦術機も撃震を改良しています。そのあたりは今ここで聞いて頂ければ。」

真木班長「分かったよ、アンタの頼みだ。基地防衛の指揮、アタシがやるよ。
改めて、帝国斯衛軍整備班長の真木沙奈江だ。
かつては大陸派遣 第三独立守備戦術機中隊を率いていた事はあるが、今は唯のロートルさ。宜しくな工兵共。」

戦隊長に対して
丸芽特務大尉「なるほど、衛士にして戦術のプロフェッショナル、と。
よろしくお願いします、なんかうちの君原と話が合いそうな服装ですね。」

君原少尉「薄着で整備する本職、意外といるもんですね。」

真木班長に対して
丸芽特務大尉「これでロートルなら俺はアホロートルですよ。」

畑中副官「間違いじゃないのがなんとも。」

真木班長「このまま作業するかよ、ちゃんと上は着るさね。
んで、防衛と言ってもどうするんだい?前回は自前の地雷やらバリケードやらで時間稼ぎして、
銃撃てる奴らを総動員して、私が不知火で出て結局如月少佐がいなけりゃお陀仏だったわけだが...。」  

亜美戦隊長「そこは大丈夫です、彼らは対BETA用の爆破関連の専用武装もありますし、

工兵戦術機の護衛用戦術機もあります。
それを使って防衛していただきたい。それなら戦術機で防衛できますし、
真木さんは戦術機に搭乗しなくても基地全体を統括して指揮に専念できるかと。」  

丸芽特務大尉「工兵専用機はパワーが命ですので、駆動系の整備は念入りにお願いします。
両腕の二番変速装置の減速ギアはこまめに交換してやってください、よく壊れます。よろしくお願いします。」

追加でさらに真木に言う。
丸芽特務大尉「爆破機材の補給手配が済んでいるなら、高性能爆薬の目方を見てやってください。
あれをうまいこと4発まとめて爆発させれば要塞級も大ダメージを食らうこと請け合いです。
対BETA地雷の敷設も素早くできますし、意外と強いはずですよ。」 

畑中中尉「工兵部隊の武装ですこちら戦術機整備班で扱えるかご確認をお願いします。」
と工兵部隊の一覧についての仕様書を渡す。

そこに武装の一部が記載されていた。
武装について
・爆破機材(大)
制式名称は「90式特型爆破機材」、橋や大型建造物、高層ビルなどを破壊するための爆破機材である。
「二つ重ねれば重コンクリート製のダムに穴をあける威力」を目指して開発されたため、破壊力とサイズの両立がなされている。
4つを集中運用すれば要塞級も撃破可能。

・爆破機材(小)
制式名称は「89式Ⅰ型爆破機材」、比較的小型の障害物を破砕するための爆破機材である。
小型種〜突撃級、要撃級クラスなら吹っ飛ぶ威力があり、地雷よりも攻撃範囲が広い。

・対BETA地雷
「86式対BETA指向地雷」。起動すると上向きに高威力指向性爆発を起こす地雷。
サイズはそこまで大きくない(戦術機がこれを持つと人間がど〇兵衛のカップを持っているくらいのサイズ感に見える)。

・91式破砕爆薬筒
BETAの集団にやり投げよろしく投擲するために作られた(要はスケールアップしたバンガロール爆薬筒)

工兵機体の一機あたり基本装備は
爆破機材(大)は2個(過積載で3個)、もしくは爆破機材(小)8個(過積載で10個)と
対BETA地雷が背中に30個と腰部に下げたラックに5個×2で合計40個、
突撃砲が1門と弾倉5個くらい?
(・91式破砕爆薬筒はオプション装備なので爆破機材(大)一つと爆薬筒四つが交換で装備できる感じ)

亜美戦隊長「予算は確保しておきます、真木さん申し訳ない戦術機の種類と武装が増えて大変ですが
整備班で工兵の専用武装について補給、整備含めて見てもらえますか。」

真木は渡された資料を読んだ。
真木班長「へぇ、面白そうじゃないか。工兵の兵装に関しては砂原達、兵装開発部に一任している。改めて投げてやりな、驚くほど喜ぶよ?」      

亜美戦隊長「有難うございます。ではこのまま整備ハンガーについれて行って整備班の紹介と可能でしたら
機体設定の確認等含めて可能でしたら装備一覧の仕様書を渡していただけますか?」
                                    
真木班長「任せな、整備班の領分だからよ。」

亜美戦隊長「有難うございます。無理のない様に整備お願い致しますね。
人員の補充も必要であれば言ってください。では工兵部隊のご案内をお願いします。

真木が先導して整備ハンガーに4人を連れていく。
 

途中軍医長の司とすれ違う。
司軍医長「お!沙奈江ちゃん~、元気してる?先日の防衛戦の件もあるから少しずつ休憩しながらだよ。
ちゃんと体休めてね。あ、お酒飲めば治るかw
あれこの子達だーれ?うち(戦隊の)の子じゃないね。」



真木班長「あぁ、独立機械化工兵戦術機中隊って奴らだ。今日から新しく部隊に配属になるんだとよ、
あと基地防衛時にはコイツらを率いる事になるってさ。」   

司軍医長「そうなんだ。。でもそれは良かった。この前のBETAはほんとびっくりした。
あんなことはもう起こってほしくないし、沙奈江も指揮に専念できるのがいいね。
あ、私、この戦隊の軍医長の司明日香大尉、よろしく~。体調の事でなんかあったら、いつでも医務室おいで~。
とりあえず、着任おめでと。今度一緒にしこたま飲もうね~。歓迎するよ。」    
といつものように一升瓶を開けて一口飲む。

独立工兵戦術機中隊の面々はその姿と一升瓶に驚くが
丸芽特務大尉「、、、独立機械化工兵戦術機中隊の隊長の丸芽特務大尉だ。すまんが私は酒が飲めない(二日酔いする)ので歓迎はジュース等で頼む。 」

畑中副官「中隊副官兼2番機の畑中です。工兵の護衛兵です。隊長?胸見過ぎですよ、彼女できないのがバレバレですわ。」 

秋村特務少尉「3番機の秋村特務少尉です。工兵担当です、お酒良いですぜひともしこたま飲みたいです。」

君原少尉「4番機護衛兵の君原少尉であります。いいですね。私もご相伴にあずかりたいです。」

司軍医長「了解~、じゃあ沙奈枝江、今度みんなで飲もうね~。私これから診察行ってくるからまたね~。」
と一升瓶をひらひらさせて移動する。   

真木班長「相変わらずの飲んだくれヤブ医者だな。」
そんな事を言い、少し歩いた後整備ハンガーに到着する。

砂原整備兵「姉御、お疲れ様です!後ろの見ない顔はなんですか?」

真木班長「おう砂原、後ろのは独立工兵戦術機中隊って連中だ。挨拶しな。」

砂原整備兵「はい。第零独立強襲戦隊 整備班所属、兵装開発部長の砂原才蔵だ。宜しくな!」

丸芽特務大尉「独立機械化工兵戦術機中隊の隊長、丸芽特務大尉だ。本日付で戦隊に配属となった。宜しく頼む。
こいつらは中隊の部下だ。左から畑中副官、秋村特務少尉、君原少尉だ。特務が階級につくのが工兵スキル持ちであとは護衛兵担当だ。」

畑中副官「お世話になります。こちら我が工兵隊の機体リストと武装一覧です。癖のある装備なのですがどうぞよろしくお願いいたします。」
と撃震の改良型である工兵用機体のスペック一覧と工兵機体専用武装の仕様書を砂原に渡す。
秋村特務少尉・君原少尉「宜しくお願い致します。(敬礼)

砂原は受け取ると、黙って読み進める。

真木班長「どうだ?兵装開発がひと段落して、新たなネタが出て来て嬉しいだろ?」

砂原整備兵「なんすか、この素敵な武装と撃震の改良型は!確かに良さそうですが、まだまだ弄り様は有りますね。
生憎、改造...いや開発に使えるガラクタの類は、前回の兵装開発などで潤ってます。徹底的に弄り倒してやるぜ...。」

真木班長「程々にしときな?」

丸芽はこの整備班はすごいな、さすが斯衛の整備班だと感心する。

畑中副官「有難うございます。改良の余地があるとは、、例えばもっと小型化できるかとか
工兵装備はかさばるのでそういう事ができるとありがたいですね。  
撃震は特に工兵改良型は重量オーバーなのですぐに部品の交換が必要になるや稼働率に問題がありまして、
そこが解決できるとありがたいです。」

とそこにゴーストと奈美が来る。
奈美准尉「真木さんお体大丈夫ですか、無理しないでくださいね。」
と先日の防衛戦の件を心配してる。  



ゴースト准尉「(うん?、この方々衛士か?階級が特務大尉殿に特務少尉殿がいらっしゃる。
という事は相当の腕と下士官上がりの歴戦の方だな。すごい。私のような単なる兵上がりじゃない)。」


丸芽もゴーストを見て
丸芽特務大尉「(、、、准尉?単なる士官候補生あがりではないな、それなりに経験を積んだ衛士と見た。
隣の女性准尉は?予備士官上がりか?何か特殊なスキルを持っているな。)」
とお互いに何かを感じ取っている。  

真木班長「ハハハ!大陸での戦いや九州に比べれば屁でもないね。んな心配する必要はねぇよ。
工兵共、コイツは戦隊長のお気に入りのゴースト准尉だ。アタシのお墨付きでもある。」

奈美准尉「良かったです。でも無茶しないでくださいね。
あ、私早雲奈美准尉と申します。電子戦術オペレーター要員です。
衛士ではありませんが戦術機部隊の第六警戒小隊のバックアップ要員です、戦術機部隊を前線で支援いたします。」
と会釈式で頭を下げる。

ゴースト准尉「いや、お気に入りとかお墨付きって(汗)単なる学の無い二等兵上がりの兵隊ですよ。
でもそういっていただけると嬉しいですよ、真木さん。確かに大陸や九州は地獄でしたね。。。
あ、自分は戦術機部隊の第六警戒小隊の衛士ゴースト准尉であります。工兵部隊ですか、特務とは歴戦の下士官上がりの方ですね、すごいです。
宜しくお願い致します。(敬礼 」  

丸芽特務大尉「独立工兵戦術機中隊の隊長、丸芽特務大尉以下4名だ。本日付で戦隊に配属となった。宜しく頼む。」

畑中副官「なんですか隊長その雑な紹介。宜しくお願いしますね。」

お互い自己紹介をする。

真木班長「よし、工兵連中はそのままゆっくりしてな。アタシは整備班に合流して、機体整備するからよ。」

丸芽特務大尉「了解、今後とも宜しく頼みます。」
と敬礼して真木を見送る。

丸芽特務大尉「さて、ゆっくりしてなとのことなのでうちの隊は今日は自由行動。皆好きにしてていいぞ。基地見学とか
色々したいやつは行ってこい。」

奈美准尉「よかったらご案内しますよ。」
と優しそうに微笑み声をかける。

ゴースト准尉「(まあ、この方々なら問題はないかな、、戦隊長もそこを調べて考えて配属させてると思うし)
あ、奈美さん、自分も一緒に行きますよ。」
と言う。

こうして丸芽達、独立工兵戦術機中隊は戦隊に配属された。
思う存分爆破技術を駆使して、また基地防衛の戦力として戦隊で活躍していくのであった。
END

真木さん斯衛呼び戻し編

その日、真木沙奈江班長宛に一本の電話が届いた。
砂原整備兵「姉御...真木正宗っていう方から電話がきてます。」

真木班長「正宗...親父か...ありがとう、出るよ。」
真木は整備班の詰め所に向かい、設置してある電話の受話器をとり出た。



真木班長「はい、沙奈江です。」
 

真木正宗「久しぶりだな沙奈江。九州で重症を負ったと聞いたぞ。
衛士も辞めて整備兵になったそうだな?」
 

真木班長「だったらなんですか?アタシの道を散々否定して来て、
衛士になったら一回も連絡して来なかったのに今更どんな用ですか?」
敬語であるが、ドスの効いた声で喋る真木に電話の相手 真木沙奈江の父親 正宗は続ける。

真木正宗「単刀直入に言う、大人しく家に帰って家督を継げ。
整備兵になった時点で家督を継ぐことはほぼ確定しているんだ。
そんな部隊にいないで斯衛に、真木家に帰って来るんだ!」

真木班長「なんだと...今更親父顔すんじゃねぇよ!
それにお袋も納得しているのかよ?」

真木正宗「舞香は仕事で忙しいんだ。彼女に手を煩わせる必要もない、
お前が帰って来れば済む話だ。御託を言わずに言う事を聞け。」

真木班長「ざけんじゃねぇ!しかも戦隊をこんな部隊だと!

アタシの大切な場所をこんなと言った奴がいる所なんて、
アタシは帰らない、絶対帰らないからな!」
そう言って強引に電話を切った。

そこに整備ハンガーに来たゴーストと奈美。
ガチャンとすごく響いた音にどうしたのか真木を見る。
ゴースト准尉「(、、、なんか真木さんどうしたんだろうか。)」

奈美准尉「(何か、、、怒ってらっしゃいます。心が痛い。。何かあったのかも。」
と二人で小声で話す。



2人を見つけた真木は申し訳なさそうに俯いた。
真木班長「や、やぁ2人とも。今日はどうしたんだい?」
明らかにいつもと違う雰囲気を出していた。

心配して優しく声をかける奈美。
奈美准尉「、、、真木さんどうされたのですか、何か心の中で葛藤されてます。
私に何かできることありませんか。」

ゴースト准尉「もし差し支えなければ教えてくださいよ。
いつも私達助けられてるので。。」
と二人は言う。

真木班長「そうだね...抱えてもしゃあないか...なら遠慮なく話すよ。
アタシの父親から連絡が来てね...整備兵になったんなら帰って来いってさ。
そう言えば、アタシの家の事って話した事あったっけ?」

ゴースト准尉「いえ、聞いた事は無かったですね。戦術機乗りだったので一般武家(黒色服だから)の
軍人一族かなあと思ったのですが、違うのでありますか?」

真木班長「黒色は武家以外の一般衛士だよ。
実はアタシの家は代々優秀な機械技師を輩出している所でね、殆どが軍の工房か民間企業に行ってる。
一応武家なんだけど、衛士になる奴は少なくてね...アタシも本当なら最初から技師になる筈だった。」

ゴースト准尉「、、、なんと、機械技師なのですね。なるほどだから戦術機の応急修理や操作もそして整備兵としても
優秀なお方だったのですね。すごい。しかし、帰ってこいでありますか、あまりにも急ですが。。。
私から言えることは、できればちゃんと話し合った方がいいですよ。

私の家族は会えない間に中国地方戦線防衛戦時に
皆逝ってしまいましたから後悔しないようにしてほしいと思うのであります。」

奈美は、、、なんと声をかければいいのかわからなくなってしまった。
帰ってほしくない。真木さんに居て欲しい。と。突然な話に戸惑う。

ゴーストの言葉を聞いて頷くも帰って来たのは否定だった。


真木班長「アタシが衛士になると言ってから、家族はアタシに家の家督を継がせようとして来たんだ。
衛士になろうとするアタシを全否定してね。

唯一理解してくれた母は、仕事が忙しくてあまり見てくれなくてね。
親父と妹は話し合おうとしても、断固として納得しなかった。
 

だから、アタシは家出をして一般衛士として斯衛に志願したのさ。
正直話し合いをしても無駄に終わると思う、分かってくれるならアタシは家出をしてないからね。
しかも、戦隊をそんな部隊にいるなと言いやがった...ふざけるんじゃないよ全く!」

ゴースト准尉「(これは、溝は深いな。。)無駄に終わるでありますか。。。
戦隊を侮辱されるのは私もいい気分ではありませんが、、
私としては、真木さんには残ってほしいと思います。奈美さんも同じ思いです。
もし強硬手段で来られるなら、、、その時は私も何か支援できることがあれば言ってください。」
 

奈美准尉「はい、ゴーストさんのおっしゃる通りです。」

真木班長「ありがとよ。」
そんな中、菊間が走って来た。

菊間整備兵「姉御!真木安枝って言う人が戦隊基地に押し掛けて来ました!
今戦隊長が対応してますが、お付きなのか斯衛軍衛士も来てます!」
 

真木班長「安枝...妹だね...どこにいるんだい?」

その頃の戦隊長室。
亜美戦隊長「、、、急に返せとはどういう事ですか。真木整備班長は我が部隊の要。
本人の話も聞かずにそれは無いと思いますが。」



真木安枝「ウチの家の問題ですから、貴方には可及的速やかに真木大尉を引き渡せば良いんですよ。
貴方が知る必要はありません。」

見下した様な言い方をするこの女性は、真木安枝。真木沙奈江の妹である。

見下されても冷静に答える亜美。
亜美戦隊長「家の問題ですか、渡す気はありません。正式な異動命令書を出してください。
本人が帰ると言うなら別ですが、、、、お帰りください。」
と突っぱねる。

真木安枝「あら、命令書なら数日中に来るわよ。
帰らないわ。せっかくだし駄姉の姿を見たいからね。」
どこ吹く風の如く言い切り、椅子にどっしりと座り続ける。

亜美戦隊長「く、命令書が出ると仰るのですか。
駄姉?真木整備班長は素敵な方です。そのような言い方は。いくらご家族とはいえ。」
とプッツンしそうになるが、真木をスカウトした時のこともあるため強くは言えない。
これは南條中将に連絡するしかないのかと考える。

そんな中、真木が入って来た。
真木班長「失礼するよ...久しぶりだね安枝。」

真木安枝「あら姉さん。九州で重症負ったって聞いたからてっきり死んだかと思ったわ。会えて嬉しいわ〜。」

真木班長「見え透いた嘘言ってないで聞かせろ。なんで来た?」
そんな事を言われ、安枝も苛立ちながら答えた。

真木安枝「は?駄姉の貴方を引き取りに来た以外ないわ。
数日中には命令書も届くから、早く荷造りしてよ。」

真木班長「っ!ふざけるな!なんでそんな事を決められなきゃならない!」

真木安枝「貴方が家督を放って家出して、衛士なんかなるからでしょ!
ついでにその足も治してやるってんだから、良いじゃないのよ。」

亜美これは喧嘩になるなと思い。
亜美戦隊長「そこまでにしていただきます。今日はお帰りください。
正式な命令書を持ってきてください。それまでは引き渡すことはしません。
斯衛の命令でもそれは聞けません。」
と言う。
そこにゴーストと奈美も入ってくる。

真木安枝「あらそう。まぁ良いわ、どうせ数日経てば否が応でも異動するんだし。また会いましょう姉さん。」

そんな事を言って出て行った直後、真木は膝から崩れ落ち、人目を気にせず泣き崩れていた。
真木班長「なんで...なんでアタシを全否定するんだ。家族だろうに...。
なんでアタシのやりたい事をやらせてくれないんだ...。」

ゴーストはこれは、酷すぎるな。こんな家族もあるのかと、真木さんを助けたいが、、どうすればと思う。

それを見た奈美は真木を抱きかかえ包み込む。
奈美准尉「泣かないで、真木さん。ごめんない。今はこんな事しかできないですが。。」
と私に何ができるか、、奈美は考えるが。。亜美に視線を送る。

亜美はこれはもう政治的な話になるなと、、お手上げで、南條中将に連絡する。
亜美戦隊長「南條叔父様、今急に斯衛が押し入りまして、真木班長の妹さんが、、
真木整備班長は我が戦隊の要です。どうにか残留させることはできませんか。」
と言う。

話の顛末を聞いた南條は口を開く。
南條中将「恐れていた事態だね。こんな事を聞くのは野暮だが、真木大尉を戦隊にいさせたいんだね?」
真剣に聞いた。



亜美戦隊長「はい、もちろんです。この方は得難い方です。どうしてもいて欲しいです。
本人が異動したいと仰るなら別ですが、こんなやり方はひど過ぎます。家族とはいえ。
毎回無理を承知でお願い致します。無理そうなら、、、斯衛と一戦交える覚悟で有ります。」
と伝える。

私達姉妹をいつも支えてくれる真木さんの為には何でもする覚悟で亜美は答える。
そして奈美に目配せをする。

奈美はうなずき、ゴーストにお願いしますと言って。
奈美准尉「大丈夫ですよ。何とかなります。だから泣かないでください。自室に一度戻りましょう。」
とゴーストと奈美は泣き崩れた真木を真木の自室へ連れて行く。

受話器越しでそれを聞いた南條は顔を歪ませるが、真剣な顔つきで話を続ける。
南條中将「分かった、やってみよう。こちらとしても彼女が戦隊からいなくなるのは大きな損失だ。
早速だが菊間整備兵を呼んでくれないか?彼と少し話したいんだよ。」

菊間整備兵がなぜだと思ったが、これは聞いてはいけないことかと思った。
亜美戦隊長「?菊間整備兵ですか、承知しました。電話を転送しますので少しお待ちください。」
そのまま保留にして、整備ハンガーに連絡し菊間整備兵を呼び出す。

亜美戦隊長「早雲戦隊長です。至急、菊間整備兵をお願いします。」
 

菊間整備兵「菊間整備兵出頭しました。お話は姉御についてでしょうか?」
いつもは沈着冷静な彼も、仏頂面になっていた。

亜美戦隊長「そう、その通りよ。今うてる手を考えてますが、南條中将から貴官をご指名されたわ、
今転送してるから切るのであとはお願いできますか?」
と伝える。

それを聞き、状況を理解した菊間は答えた。
菊間整備兵「中将から...なるほど、私に任せて下さい。後連絡しにくかったら砂原に投げて良いんですが、
柳田のおやっさんに一報をして頂けませんか?
姉御も恥だとは思いますが、優しくされるだけじゃあ発破になりませんから。」

亜美戦隊長「承知しました。柳田班長殿にはこちらからすぐに連絡してみます。
真木さんをどうにかしてあげたいです。では切るわ、宜しくお願いします。」
と電話を切る。

それを聞き、状況を理解した菊間は答えた。
菊間は受話器をとり、南條に連絡する。

菊間整備兵「中将、私の正体にお気付きと言う訳ですね。こんな事態にただの整備兵と話す時間は惜しいはずですから。」

南條中将「流石斯衛のスパイ...安心したまえ、この会話は盗聴されない。
真木沙奈江大尉の異動の件、君又は君の飼い主の差し金かね?」

菊間整備兵「まさか姉御を異動させるメリットは私にも、私の飼い主にもありませんよ。
私はあくまで、戦隊でのクーデターの未然阻止の為に動いているだけです。
こちらでも命令書の撤回に動いてみますが、正直言ってそんなに話は大きくなる前に終わりますよ。」

南條中将「何故かね?」

菊間整備兵「真木家は何も姉御を否定する輩しかいない訳じゃないです。
今から伝える番号に連絡してみて下さい、直ぐに解決する筈です。」
そう言われ、番号を伝えられて若干困惑する南條。

南條中将「この番号は何かね?」
菊間整備兵「姉御の母親、真木舞香様宛の電話番号です。」

南條は菊間整備兵より教えられた真木の母親に電話する。

場所は亜美がいる戦隊長室へ戻る。
菊間整備兵と電話を切った後、斯衛基地の柳田整備班長に連絡を取る。
亜美戦隊長「お久しぶりです、あの時はお世話になりました。
申し訳ありません、真木さんの件なのですが、妹さんが乗り込んで来まして、、
実家に帰って来いと。異動命令書を持ってこいと突っぱねましたが、、、

南條中将にお願いして今工作をしてもらっていますが、、
真木さんが家族とのやり取りで心が折れてしまいました。
私もできる限りは護ってあげたいですが、お願いがあります。
真木さんに発破をかけていただけないでしょうか。」
と相談する。

柳田整備班長「近況報告かと思ったが、全くあの家は...。
分かった。今からそっちに行く、許可を取っていてくれよ。」

亜美戦隊長「有難うございます。承知いたしました。」

と電話を切り、営門の衛兵に連絡する。
亜美戦隊長「この後、斯衛軍の柳田整備班長が来られる。
その方は通して構わない、丁重に戦隊長室まで案内してほしい。」
と伝える。

数時間後の陽が傾き始めた頃、戦隊基地に柳田が到着して戦隊長室に通された。
柳田班長「久しぶりだな陸の嬢ちゃん、いや戦隊長と呼ぶべきか。大変みてぇだな。」

亜美戦隊長「いえ、ご足労大変申し訳ないです。
お久しぶりです。柳田整備班長殿(敬礼)

有難うございます。新米戦隊長です。真木さんを護ってあげられず申し訳ないです。
真木さんは今自室にいます。こちらです。」
と亜美はアテンドして真木の個室へ柳田を案内する。

真木の部屋の前にはゴーストが立哨のように直立不動で立っている。
奈美に任せて、外で待っていた。

柳田班長「ここが沙奈江の部屋か、失礼するぜ。」
そう言って入室する柳田と亜美。

真木班長「お、おやっさん...なんで...。」


心傷して奈美の胸に項垂れて頭を撫でられている真木を見つけた柳田は、

ズカズカと真木の元へ行きいきなり胸倉を掴んで引き上げた。
柳田班長「沙奈江、テメェはいつからそんなしけた顔する様になったんだ?話は嬢ちゃん、戦隊長から聞いてる。」

慌てて奈美が止める。
奈美准尉「お願いです。乱暴にしないでください。」
と柳田に奈美は言う。

だが、亜美が止める。無言で奈美を諭す。
ハラハラしながら奈美は見守る。

真木班長「そりゃあ家族に否定されれば、こうも...なるさ...。」

柳田班長「テメェの自身や気持ちは家族に否定されて簡単に揺らぐもんなのか?
そんな気持ちが弱い奴に俺の技術を叩き込んだ覚えはねぇ!
テメェは俺の下にいた頃の奴じゃない。もう班長って呼ばれる一端の出来た奴なんだ、胸を張れ!

そして誰に言われようとも自分の気持ちを貫け!俺だけじゃねぇ、
ここにいる連中はテメェを頼りにしているんだからよ。」

奈美准尉「そうです。皆、真木さんを心配してますし、頼りにしてます。
私達姉妹は真木さんに助けられて本当に、、、助かっています。
弱音を言っていただいてもいいんです。

でもいつもの素敵な優しい真木さんでいて欲しいです。」
と奈美は申し訳なさそうに伝える。
その通りですと亜美も頷く。

真木班長「...そう、だね...ありがとうおやっさん。亜美・奈美...ありがとう。アタシは負けないよ。」
柳田は胸倉を掴んでいたのをはなした。真木は涙を拭き、三人に視線を向ける。
柳田班長「ったく、世話かけさせやがって。」

奈美は泣き笑いになり真木の胸に飛び込む。
奈美准尉「良かった。良かったです。」

亜美戦隊長「大丈夫ですよ、真木さんには私達姉妹が付いています。
いつでも頼ってください。負けないでください。」
と言う。

亜美戦隊長「さて、南條中将が動いて頂いて頂いているので大丈夫かと思いますが、、、
いざとなったら、斯衛と一戦してでも真木さんは渡しませんよ。」
と不敵に笑う亜美。
そこに様子を見ていたゴーストも言う。
ゴースト准尉「戦隊長、自分、志願致します。自分も思いは同じです。」
と話す。

そこに騒ぎを聞いて駆けつけていた西も言う。
西大尉「亜美がそうするなら、もちろん私も付き合うわよ。斯衛と一戦ね、腕が鳴るわ。真木殿は渡さない。」
とこちらも不敵に笑う西。



そんな事を聞いている柳田は呆れる。
柳田班長「あのな...そんな事しなくても大丈夫だ。沙奈江の異動は無くなるよ。
恐らく今、真木家は舞香さんが猛威を奮ってる筈だ。」

真木班長「舞香...お袋が...なんで今更。」

柳田班長「あの人も忙しいからな、今頃南條の野郎と斯衛軍と話し合ってるはずだぜ。」

亜美戦隊長「南條叔父様、、、ありがたいことです。本当に。
感謝しきれません。」

奈美准尉「それなら、、良かったです。」
とホッとする。

ゴースト准尉「ま、それに越したことないのであれば良かったです。」

西大尉「なんだ、斯衛と合戦できるかと期待したけど。まあ味方とやりあうのは
極力避けられるのならそれに越したことないわね。」
と、手をひらひらして出ていく。

柳田班長「おいおい...テメェらはクーデターでもする気だったのか?やめろやめろくだらねぇ。
とりあえず、今日はもう休みな。明日辺りに来ると思うぜ。」


奈美准尉「真木さん、今日はゆっくりお休みください。
大丈夫です。こんな時こそ私もお役に立ちたいと思ってますから。」
とつま先立ちになって真木の頭をよしよしする。
(こんなこと普段は年上の方には絶対しないw)

亜美戦隊長「そんなつもりは微塵もありませんよ。ただ真木さんをここまで追い詰めることが
許せないだけです。承知しました。はい、皆解散ね。私は南條中将に連絡してきます。」
と柳田整備班長を送りに一緒に真木の個室から出る。

真木班長「奈美、ありがとう。またアタシ弱いところ見せちまってよ...。
もう大丈夫だ。暖かかったぜ?」
そんな事をいい、奈美の頭を撫でる真木。

そんな真木を見てまた、頭を撫でられて奈美はほほ笑む。
奈美准尉「良かったです。いいんですよ。私にできることがあれば何でもしますよ。」
と答える。

柳田班長「戦隊長、戦隊を作って少し時間経ったみたいだが、作ってみてどうだ?何か変わった事でもあったか?」
柳田を送っていた亜美に気さくに話しかけてきた。

亜美戦隊長「、、、そうですね。皆さん私の思いをくみ取ってくれて、
本当にありがたいです。私はつねづね、両親が考えてた仲間を護りたい、民間人を護りたい。
この2つを想いを受け継いでやっていきたいと思っていました。それを実現できる部隊です。

そしてその中には真木さんが中核となってます。真木さんは得がたい存在です。
私達姉妹にとっても本当に親身になってくれて、、ですから思う存分私は動けます。」
と答える。

亜美戦隊長「変わった事と言うと、両親が戦死して、私達姉妹は絶望していましたが、
真木さんのおかげで先に進むことができるようになったという事ですかね。」
と、嬉しそうにほほ笑む。

それを聞いた柳田は笑顔で答える。
柳田班長「沙奈江め、良い部隊に引き抜かれやがって...。
アイツが此処に行って心配だったが、それは不用だったみてぇだな。」

それに対して亜美は。
亜美戦隊長「はい、真木さんも歩んでいます。私達姉妹で支えてあげたいです。
引き抜いて申し訳ありませんでした。でもやはり真木さんは我が戦隊に必要な方でした。
私の考えは間違っていませんでした。」

こうして柳田は戦隊の基地から斯衛の基地に帰って行った。
見えなくなるまで亜美は敬礼をして見送る。

そして、亜美は戦隊長室へ戻り南條中将に連絡を取る。

南條中将「結論から言おう。真木沙奈江大尉の異動は撤回された。
それもそのはず、真木家当主真木正宗が人事異動の部署へ秘密裏に圧力をかけていたみたいでね。
それが分かって母親の舞香さんと私で真木家が取り潰されない事と、圧力かけた事実を揉み消す代わりに
真木沙奈江を完全にウチで預かる事に出来たよ。」

南條中将「大変だったよ。五摂政家の斑鳩家に危うく見つかりかけたしね。」

亜美は申し訳なさそうな表情をし謝る。
亜美戦隊長「大変申し訳ありませんでした。しかし、斯衛側の一方的なやりようには腹が立ちます。
ですから良かったです。いつも有難うございます。真木さんは本人自身が考えて異動したいと言うなら
仕方がありませんが、こんなことはひど過ぎます。母も斯衛に一度昔ひどい目にあわされそうに
なりかけましたし。」
と憤慨する。

亜美戦隊長「五摂政家の斑鳩閣下ですか?あのお方は結構な野心家らしいという噂ぐらいしか聞いてませんが、、
しかし、私達の情報はどこまで知っているのか気になりますね。」

南條中将「まぁ彼とは個人的に付き合いがあるし貸しもあるから、変にされない...と思いたい。
亜美ちゃん、早くて明日にでも真木舞香氏が妹を連れて謝罪しに来るそうだ。迎えてあげてくれるかな。」

亜美戦隊長「承知しました。丁重にお迎えいたしますよ。
出来れば、姉妹の仲直りが出来ればいいなと思いますが、、、私達介入してもよろしいでしょうか。
奈美も同じ思いです。」

南條中将「彼女にとっても、2人は大事なんだ。無理のない範囲でとだけ言っておくよ。」

亜美戦隊長「承知しました。無理のない範囲で二人で話してみますね。
いつも有難うございます。」

そして2日後。
車から出てきたのは2人、スーツ姿の女性は顔を俯いている妹の安枝。
もう1人は真木班長に似た顔立ちの女性、斯衛軍の一般武家の証である
白い軍服を着て凛とした姿をした真木沙奈江の母、真木舞香だった。

真木舞香「お初にお目に掛かります。私は真木舞香中佐、斯衛軍技術開発に所属しております。
今回の夫と妹の騒動、お詫びしに参りました。」

亜美戦隊長「第零独立強襲戦隊戦隊長の早雲亜美少佐です、ご足労まことにありがとうございます。
話は戦隊長室でお聞きします。どうぞこちらへ。」
と戦隊長室へアテンドする。

真木舞香「ありがとうございます。ホラ安枝行くよ。」

真木安枝「...分かったわよ母さん。」

2人は戦隊長室に案内されると、先にいた沙奈江と奈美が迎えた。
真木班長「お袋...久しぶり。再開がこんな形になっちまうなんてな...」

真木舞香「えぇ。沙奈江こそ、見ない内にこんなに立派になって...いえ最初に言う事があったわね。
無事でよかった。後で紹介したい人がいるけど後にしましょうか。」

こちらにどうぞと奈美が来客用の机の椅子に二人を誘導する。
そして紅茶と奈美が作ったお菓子を出して、奈美は亜美側の椅子の後ろにお盆を抱えたまま立っている。
(亜美と真木も座る)

真木舞香「さて、単刀直入に言いましょう。沙奈江。貴方はこれまで通りこの戦隊で整備班長を務めて良いわ。
命令書も私と南條中将でなんとか揉み消したけど、夫がやらかした事は消えないわ。
今後真木家は立場は悪くなるかもしれないけど、沙奈江はこれまで虐げられてきた。これで良かったと思ってるわ。」

真木班長「お袋...ありがとう。アタシなんかのためにここまで...。」

真木舞香「良いのよ。安枝同様私の大切な娘なんですもの。
早雲少佐、戦隊にご迷惑をお掛けした事を謝罪致します。申し訳ありませんでした。」
そんなやりとりを恨めしそうに見る安枝。

亜美戦隊長「恐縮です。全ては真木大尉殿がしたいことを自由にさせていただければ私としては本件は問題ありません。
裏で南條中将と動いて頂いて有難うございました。この件はここまでで大丈夫です。
、、、家族の話に入るのはとても心苦しいですが、、、安枝殿は納得されてません。。

出来れば、ちゃんと家族で向き合って仲良くしていただけると良いですが。
口をはさんで申し訳ありません。でも私達の両親はもう戦死して逝ってしまいました。
そうなってからでは遅いのです。後悔しますよ。真木大尉殿もそうです。
九州の件がありましたし。あそこで生き残れたのは奇跡です。」
と話せることは話して仲違いしていることを心苦しいと思い、話す。

そういった直後に、突然安枝が立ち上がり言い放った。
真木安枝「そうよ!私は納得してない!あの駄姉と比べられて、
衛士になったら今度は私にまるで八つ当たりのごとく当たられて、誰も私を見てくれなかった...姉さんがいなければ、
衛士になんかならなければって思ったわ!」

真木舞香「ごめんない安枝。夫が2人に真木家としての重圧を掛けていたのに
私は仕事ばかり...母親失格ね。」

真木班長「そうだったんだね...。」

安枝の吐き出した言葉に、沙奈江は自責の念が出て、舞香は後悔していた。

そこに奈美が心の中が見えて苦しそうな安枝を癒してあげたいと思い安枝の前に行く。
奈美准尉「誰にも見てもらえなくて、辛かったのですよね。寂しかったのですよね。でも今なら皆さん見てくれますよ。
したい事話してみていいのではないですか、お願いです。安枝さんにも良い所いっぱいありますよ。

それに真木さんが居なければ全ての重圧は安枝さんに小さいころから、ずうっとのしかかっていたと思います。
だからそんな風に言わないで。姉妹なのですから。分かり合えますよ。」
と優しく語り掛ける。

そんな事を言われ、咄嗟に手を上げようとする安枝だが直ぐに自分の顔を叩いた。
真木安枝「わ、私は...えぇ言ってやる!母さん!もっと私を構ってよ!愛してよ!
姉さんも、もっと私を見てよ!父さんに色々言われて、苦し、かったよ...!」

そう泣き始めた安枝に、沙奈江は彼女を抱きしめた。
真木班長「あぁ!辛かったよな...ごめん、ごめんよ。アタシが虐げられているばかりで、
妹を、安枝を思ってなかったなんて...」

真木舞香「それは私の罪でもあるわ。安枝、沙奈江。不出来な母を許して頂戴...。」
舞香も近づき抱きしめ合う。

それを見て奈美はうれし泣きをする。
奈美准尉「良かった。。良かったです。やはり家族ならこうしてほしいです。」

副官室で何かあった場合に備えて待機している護衛兵の奈月とゴースト。
ゴースト准尉「ど、、どうなりました?奈美さん、泣いてるみたいだけど大丈夫かな(-_-;)。」



奈月少尉「どうやら、上手く行ったみたいだね。うん、良かった!。」
とそれぞれ言う。



そして、戦隊の基地内にて
橘副官は輸送機部隊との調整対応が終わり戦隊長室に戻ろうとしていた。


と、そこに斯衛軍の一般武家の証である、白い斯衛軍制服を着た男性が近づいて来た。
上月副官「失礼、私は斯衛軍所属の上月拓巳中尉であります。戦隊長室はこちらで宜しいでしょうか?」
真木沙奈江の副官であった男性、上月拓巳だった。

橘副官「斯衛軍の上月中尉殿でありますか?承知しました。
私は第零独立強襲戦隊の戦術機部隊副官の橘紫音中尉と申します。戦隊長に面談ですか?
ちょうど私も今、戦隊長室へ行くところでしたので、アテンド致します。
こちらへどうぞと戦隊長室へ案内する。

戦隊長室のドアを橘がノックする。
橘副官「橘副官入ります、斯衛のお客様をお連れしました。」

橘に伴われて上月が入ってきたのを見た沙奈江は驚く。

真木班長「か、上月!元気になったんだな!」


上月副官「はい、おかげさまで元気になりました!今日は真木舞香中佐の護衛で参りました。」



そう話している中で、抱きしめ合っていた舞香がこちらに近づき言った。
真木舞香「早雲戦隊長、謝罪に来たのにお願いがございまして。この上月拓巳中尉を斯衛軍の連絡係。
いえそれだけじゃない、沙奈江の副官として側にいさせて頂けませんでしょうか?」

亜美戦隊長「よろしいのですか?私としては、斯衛と連携が取れるのも嬉しいですし、
何より真木整備班長の為になるのであればとても嬉しいですが。」
と答える。

真木舞香「えぇ、お願いしたいわ。そうでしょう?上月中尉?」
上月副官「はい!大尉のお側におられるなら、私は構いません。」

舞香の言葉に返事をする上月。その後、安枝が口を開いた。
真木安枝「それと姉さん。姉さんの左足はお母さん、そして南條中将の働きで再生医療を受けれる事になったから。」

真木班長「つまり、なんだい?アタシはまた戦術機に乗れるのかい?衛士に戻れるのかい?」
真木舞香「それは再生して、再び適性検査を受けないと分からないけど希望はあるわ。」

それを聞いた奈美は喜び、真木に飛びつく
奈美准尉「良かった。良かったです。ずうっと、苦しんでいた真木さんを見てたので、、、
それに九州の事も。。」
あまり多くの事はみんなの前では言えないが真木に抱きつき感極まって咽び泣く奈美。

亜美戦隊長「それは、いいですね。うれしいです真木さん。また共に戦えるのであればそれは大歓迎です。」
とほほ笑む。

真木班長「あぁ...アタシはまた戦えるんだな...嬉しい。嬉しいよ!」

真木舞香「娘を戦場へ出すのは心苦しくないと言えば嘘になるわ、でも貴方が決めたのを否定したくない。
それに貴方が衛士になる為に家出をしたのを聞いたのは暫く後でした。

母親として背中を押す事は当時出来なかったけど、改めて母親として背中を押させて頂戴。」

良かったと思いつつも奈美はさらに言う。
奈美准尉「あの、差し出がまし事ですが、、、できればお父様ともよく話して、家族全員で仲良くされてくださいね。
後悔が残る事は多々ありますので、私は両親に恩返しが出来なくて、、、真木さんには両親が健在ですので。。」
と悲しそうに言う。

真木班長「そう、だね...親父も話してみるよ。」

真木安枝「正直、考えを改めるとは思えないけどね...。」

真木舞香「あの人にはお灸を据えておいたわ。でも、遠くない内に家族内で話し合わないとね。」

奈美准尉「差し出がまし事を言って申し訳ありませんでした。
家族皆で仲良くできればいいですね。」
と再び亜美の後ろに控える。

亜美戦隊長「では、上月中尉。我が戦隊にようこそ、正式に私の権限で、真木整備班長の副官として、
戦隊と斯衛との連絡将校として入隊を認めます。宜しくお願い致します。真木さんを支えてあげてください。」
と通達する。

上月副官「勿論です。お任せください!」


真木舞香「話もまとまったし、私たちは帰るわね。沙奈江、頑張りなさい。」


真木安枝「姉さんごめんなさい。それでね、家に帰ってくるのを待ってるから。」

姉妹は良かったと思い。
亜美戦隊長「では正門までお見送りいたしますよ。奈美、一緒に行きましょう。」
にっこりし、奈美も答える。
奈美准尉「もちろんですよ。真木さん一緒に見送りましょうよ。」
と言う。

橘副官「では、上月副官は手続きや個室の手配と基地の案内を行っておきますね。」

亜美戦隊長「紫音、任せるわ。」

そして、別れの時。戦隊基地正門にて。
亜美戦隊長「真木舞香中佐殿、安枝殿この度は有難うございました。沙奈江さんは我が戦隊に必要な人材。
実家に戻らせる時は必ずや生かせて帰らせますので、その時まで我が戦隊で預からせて頂きます。(敬礼)。」

奈美准尉「お元気でお二人とも。家族で仲良く過ごされてくださいね。」

真木班長「お袋、安枝。また会えてアタシは嬉しいよ。うんいつか、必ず実家に帰るよ。約束する。」

そんな言葉に舞香は喜ぶ。
真木舞香「えぇ!待ってるからね!」

真木安枝「姉さんも、無事でいてね。」

真木舞香と安枝は帰って行く。

亜美戦隊長「真木さん良かったですね。家族と仲が戻って。」

奈美「それに足が元に戻せるかもしれないですって。良かったです。本当に。」
と真木に二人は言う。

真木班長「あぁ!あの時の悲しみ以上に、嬉しいよ...!
あと、さ...上月が戦隊に入るとなると、アンタら姉妹の秘密はどうしようかと思うんだよ。」

亜美は一瞬考えるが。
亜美戦隊長「私は、上月副官は誠実な方だと前に斯衛基地でお会いした時に思いましたので
話しても良いと思いますが。あとでもう一度戦隊長室に来ていただいて、確認しましょう。」

奈美准尉「あの方はとても誠実な方と私も思います。それに真木さんの副官ですよね。
信用できる方だと思います。」
と二人は答える。

真木はそれを聞き少し悩んだ後答える。
真木班長「うん...。戦隊長室で話そうか。頼むわ。」

悩んだ真木の表情を見て、どうしたもんかと亜美は思ったが、確認すべきと思い、携帯端末で橘副官に連絡し、
上月副官を再度戦隊長室へ来てもらうように手配する。
そして真木と一緒に亜美と奈美も戦隊長室へ戻り上月副官を待つ。

橘副官に連れられて、上月は戦隊長室へ再び戻ってきた。
上月副官「失礼します!どうされたんですか?」

真木班長「あぁこれから戦隊でやって行くにあたってね、アンタに話さなきゃらならないかもと思ってね...。」
真木はそう言いながら姉妹を見る。

その視線を受けて戦隊長室の執務室に座っている亜美が真木の代わりに上月副官に話す。
(橘副官は上月副官の隣に、奈美は亜美の後ろにいる)
亜美戦隊長「、、、上月中尉、私達姉妹は貴官を信用信頼して話しますが。
まずは私が真木さんをスカウトに行った時の事を覚えてますか?
私の事をどう思ったかまずは率直な話を聞きたいです。」

そんな事を聞かれて困惑する。
上月副官(なんでそんな事を?その時に彼女に何かあったのか?いや、とにかくその時に思った事を話してみよう。)
上月副官「少なくとも悪い気はしませんでした。
っとすみません、戦隊長。貴方にお礼を言ってませんでした。
大尉を救って頂きありがとうございました。」
そう言ってお辞儀をする。

そんな、誠実な上月副官を好ましく思う姉妹。姉妹で目配せし奈美は優しそうに上月副官へ視線を向けて微笑む。
そして亜美は。
亜美戦隊長「恐縮です。、、、いえ真木さんは私達姉妹が助けたいと思える方だったので。
だから九州でも、姫路でも私達はそのように行動しました。
上月中尉は自身がなぜ意識が戻ったと思いますか。
そこに関連した事を斯衛の貴官に話していいのか、その為にお聞きしています。」
と答える。
亜美は上月副官が知らない九州の事を混ぜて話した。上月副官はどう思うか、少しずつ彼を引き込んで良いのか話していく。

それを聞いた上月は、答える。
上月副官「なるほど、ならば無理して話さなくて大丈夫です。
戦隊長、貴方は無理して自分達の秘密を話さなくても良いんですよ?それに、私は新参者です。
まずは私の働きと人となりをちゃんで見てから話して下さい。」
そう諭した。

それを聞いた亜美は
亜美戦隊長「解りました。では一旦保留にします。
ですが私達姉妹は解っています。貴官が誠実な方であることは。
それでもここまで確認したのは、貴官が斯衛軍所属であるからです。
私達姉妹は、、、非常に危うい立場にあることだけ覚えておいてください。

また今度、この件についてはお声がけしますので。
真木さんもそれでいいですかね。」
と答える。

真木班長「そうだね、これは少し時間を掛けるべきだよ。上月、改めて宜しくな。」
上月副官「もちろんですとも、また共に働けて私は嬉しいです。」

亜美戦隊長「急にすみませんでした。今日はもう橘副官に案内させますので、
自室で自由にしていただいて構いませんよ。
明日から真木さんの補佐と整備班の事を宜しくお願い致します。」
と立ち上がり答える。

上月副官「ハッ!これから宜しくお願いします!
それでは失礼します。」

上月は橘に案内され戦隊長室から出て行った。
真木班長「ったく、相変わらずの誠実さだね...下手を打ってアタシは、アイツと今生の別れを喧嘩別れにした所だった...。
本当、アタシって奴は馬鹿だな。」
ため息混じりに自虐を言う真木。

それを優しく労わる奈美。
奈美准尉「そんなこと無いです。真木さんの今までの結果が今につながっているのです。だから
そんなこと言わないください。大丈夫です。真木さんと上月さんは二人で手を取り合って行けるのです。

私とゴーストさんと同じですよ。これからも喧嘩することがあっても、それでも話し合って笑いあって前に進めるのですよ。」
と、何か謎めいた事を言う。

亜美も頷いて
亜美戦隊長「そうですよ。大丈夫です。これは私達姉妹の勘ですが。お二人は一緒に居るべきです。
と、私達の事はしばらく見てもらう事も兼ねて一旦保留ですが、話しても良いと私達は思います。
しかし、もし私達が戦場に出て万が一何かあった場合は、、

真木さんから少しでも構いません。話してもらっても構いませんからね。
押し付けるような形になって申し訳ありませんがその時はお願いします。」
と、亜美も何か覚悟している顔をする。

真木はそれを聞いて怪訝な顔になる。
真木班長「それは一体どう言う...。とにかく、アタシはこれからも上月と共に、頑張っていくさ。」

亜美戦隊長「はい、宜しくお願い致します。」
と短く答える亜美。
この後、何か大きな戦いの予感をさせる亜美の言葉に真木は
やれることを上月と全力でやろうと思ったのであった。


END

第三防衛小隊の装備追加話

平家中尉が小隊長として第三防衛小隊に配属され、影縫少尉と今後の小隊の戦い方や
装備について話し合いを会議室で行っていた。

平家中尉「ボクが長刀で近接防衛して、影縫少尉が援護して拠点防衛ないし
味方損傷機の盾になる、もしくは第一中隊での光線級吶喊時の盾役としては
装甲と火力がもっと欲しいわね。このまま陽炎でいいのかしら。」
と考えを影縫少尉に話す。



影縫少尉「ぬいもそう思います。せめて光線級吶喊時は楯に対レーザ用のコーティングと
拠点防衛戦時は追加装甲ともっと火力が欲しいです。
幸い、第一小隊と第五砲撃小隊は機動戦をあまり考慮してないし。」



平家中尉「、、、そうね。機体を含めて戦隊長に意見具申するか。」
と平家中尉と影縫少尉は意見書をまとめて戦隊長室へ行く。

戦隊長室へ入り、執務中の亜美に意見具申をする平家中尉。
平家中尉「戦隊長、意見具申です。我々第三防衛小隊ですが、このまま陽炎で機体は
良いのでしょうか、ボクは機動戦もできますし、影縫少尉も今訓練しています。
ただ、拠点防衛や光線級吶喊時任務時のオプションパーツみたいな選択式な武装等が
欲しいです。詳しくはそれぞれこちらに意見書にまとめました。」
と提出する。

意見書をペラペラとめくり確認する亜美。
亜美戦隊長「、、、そうね。確かに前に影縫少尉も言っていたわ。
私も第三防衛小隊の運用方法については悩んでいて、整備班に相談してみますか。」
と通信端末を使って整備ハンガーへ連絡する。



亜美戦隊長「早雲戦隊長です。お忙しいところ申し訳ない、真木整備班長をお願いできますか?」

端末に出たのは整備班副長に抜擢された落合だった。何やら騒がしい音も入っていた。
落合整備兵「お話ですか?班長!戦隊長からです。」



真木班長「亜美か、どうしたんだ?今から砂原を始めとした装備開発の連中と
菊間、アタシと落合で、新装備・武装の案を出す会議を始める所なんだよ。
何か急ぎの用かい?」



亜美戦隊長「なにやら騒がしいですね。お忙しい所申し訳ないです。
ちょっと第三防衛小隊の機体と装備について意見具申がありまして、
可能であればそれに私と平家中尉と影縫少尉も参加させてもらって話を聞いてもらっても良いですか?」

真木班長「第3小隊か、構わないよ。衛士の意見も大事だからね。」

亜美戦隊長「有難うございます。では整備ハンガーに向かえば良いですかね?」

真木班長「あぁ、今回はハンガー内の兵装開発室の中だ。すし詰めになるが勘弁してくれよ?」

亜美戦隊長「ええ、もちろん大丈夫ですよ。ではこれから行きますので。」
と通信端末を切り、副官の紫音に後を任せて3人で整備ハンガーへ向かう。

そして整備ハンガーの兵装開発室へ入る。
亜美戦隊長「急に申し訳ないです、私と第三防衛小隊の2名入ります。宜しくお願い致します。」
と3人ともに敬礼して室内に入る。

落合整備兵「早雲戦隊長に敬礼!」

落合の号令で開発室にいる整備兵達は敬礼する。
兵装開発室内は狭く、すし詰め状態だが誰も文句は言わなかった。落合に案内され、

腕組みしていた真木の隣に行く。

真木班長「おう来たか。通信でも言ったが手狭だが勘弁してくれ。」

整備兵の敬礼に対して
亜美戦隊長「有難う。皆、楽にして。」
と言い真木さんにも言う。

亜美戦隊長「構いませんよ。で、第三防衛小隊からの意見書です。
とりあえずできるかできないは考えるとして見ていただけますか。」
と渡して真木の隣に3人は座る。

真木は意見書を読む。

真木班長「なるほど、つまり第三小隊の追加武装又は別の機体が良いのではって事か...分かった。
どちらにしろ今から会議は始まる。ちゃんと話題は上がるさ。」

亜美戦隊長「有難うございます。では会議に参加させて頂きますね。
もし可能であれば第三小隊の2名にも発言させていただければ。」

真木班長「良いよ。その時に呼ぶさね。」

落合副長「これから会議を始めます。まずは現在の兵装開発した兵装の現状からお願いします。」

整備兵A「はい。国連から送られ改良した二つの兵装は現在、メーカーが生産中です。
最悪メーカー生産が出来ない状態も考慮し、基地内でも少数で時間も掛かりますが、兵装生産を始めました。
勿論、戦隊長からの許可は取ってあります。」

落合副長「ありがとうございます。次に新たな兵装開発について...真木班長、

確か第三小隊から何かあるとの事ですが。」

真木班長「あぁ、第三小隊から直々に意見を言いたいとの事だ。野郎ども、耳の穴かっぽじって聞きながら。
ほら、良いよ。」

真木は第三小隊の2人に話を振った。

平家中尉が立ち上がり話始める。
平家中尉「お忙しい中、申し訳ありません。ボク達第三防衛小隊の武装ですが、小隊で話し合った結果、
3点ご依頼したいことがあります。今の整備班の状況でできない場合は仕方ありません。
できる限りでお願いいたします。決して無理はしないでください。

まず第一、に第一中隊が光線級吶喊任務の場合、我々第三防衛小隊が先陣を務めます。
第二中隊ほど機動力はありません。ですから楯で中隊を護り吶喊しますが、

楯に対レーザー用のコーティングを施してほしいです。
これは東ドイツ時代の東ドイツ軍が使っていた楯を参考にすれば改良はできるかと思われます。

第二に、拠点防衛戦時は追加装甲ともっと火力が、持久戦としてほしいです。
乱戦になった場合に備えて、第五砲撃小隊の榴弾タイプ等でも構いません。

薙ぎ払える火力が欲しいと思っています。

第三に、この2点の武装追加する場合、このまま陽炎の機体で良いのか、撃震で対応するのか

もしくはその他の機体で
対応できるか整備班のご意見をいただきたいです。
宜しくお願い致します。」
と会釈して座る。

真木班長「と言う訳だ。砂原、アンタは何かあるかい?」

砂原整備兵「まさか丁度良いタイミングで、俺が考えていたプランの意見が出るなんて...皆んなこいつを見てほしい。」
砂原はそう言って、テーブルに設計図を広げる。

砂原整備兵「まず盾については、平家中尉の発言通りDS-3多目的追加装甲を参考にした改良型の追加装甲を開発しようとはしますが、
やはり重量が増えて機動性が著しく落ちる可能性があります。」


真木班長「なるほど、平家中尉はどう思う?」

平家中尉「そこは影縫少尉も含めて機動性が落ちるのは構わないわ。一発耐えられれば最大12秒猶予があります。
それまでに光線級吶喊部隊をエスコートできれば問題ありません。
東ドイツの666戦術機部隊の第一世代機体のバラライカができる機動性ぐらいが

有れば任務に支障はでないかと。」
と答える。

砂原整備兵「うーむ...出来れば機動性を殺したくは無いが...

其処ら辺は開発段階等で順次改良案を考えるしか無いか...。
次に、拠点防衛の追加武装についてなんですが。やはりイントルーダーやサンダーボルト IIの様な

火力を出せる機体の方がいいとの事で、サンダーボルトIIのガトリングガンを軽量化・スリム化した

ガトリングユニットと弾倉を両肩に装備させ、
対レーザーコーティングした追加装甲を施す案はどうでしょうか?」

思案しつつ答える時子。
平家中尉「、、、まあ機動性は第二小隊のような高機動戦を求めていませんので落としても構いませんよ。
その代わり光線級吶喊のエスコートができる程度の機動性は欲しいわ。
あと、拠点防衛用の追加武装、それはかなり魅力的ですが、問題は機体をどうするかでは。
まさかサンダーボルトⅡとか戦隊に引っ張ってこれないですよね。」

亜美戦隊長「、、、武装はともかくさすがに機体はそれは無理だな。現状ある機体で何とかしてほしい。
戦隊の主力の不知火の供給に影響が出るのと
他国の戦術機配備はさすがに南條中将も頭を抱えると思いますよ。」
と追加で話す。

砂原整備兵「サンダーボルトIIを持ってくるのではなく、
サンダーボルトIIの様なガトリングユニットを制作して装備させるんですよ。
コイツを見てください。」

そうして広げたのは、不知火の両肩に付いているガトリング砲とその弾倉の設計図だった。
砂原整備兵「サンダーボルトIIに付いているユニットを参考にして、スリム化して装着してあります。
ユニットの資材は、やはりガラクタやらジャンクパーツの中から
使えそうな奴を引っ張り出して作るしかないかとは思います。」

亜美戦隊長「なるほど、、武装を自作するわけですね。それなら予算は出せそうよ。
試作品次第で正式装備化と第三小隊用の少数量産については

西大尉のつてで引き続き民間業者に頼むのもありかも。」
と思案する。

平家中尉「、、、不知火のオプション装備?これは防衛戦、特に拠点防衛用に良いですね。」

砂原整備兵「不知火と想定はしてますが、不知火だけではなく陽炎・撃震・吹雪にも換装できる様に
この兵装を作りたいと思ってます。」

平家中尉「それはありがたいわ。機体を選ばないとは。」
影縫少尉「ぬい達の小隊の防衛戦用にはどの機体がいいのかな。。。」
と二人で悩む。

真木班長「兵装面はこんなところか、それで菊間。OSの改良は如何だい?」

そうふられ、いつの間にかOS改良・開発担当になっていた菊間は答える。
菊間整備兵「可もなく不可もなくでしょうか。進んではないですが、

納得のいく物が出来てないとしか言いようがないですね。
ソフトウェア関係は得意なんですが...。」

亜美戦隊長「OSの改良?それはどのようなことを目指しているのですか。」
と承認や量産等にあたり調整が必要な事項以外は現場の活発な意見の疎外をしないよう口を

挟まないようにしていたがソフトウェアの改良と聞き確認した。

菊間整備兵「今のOSは無駄な部分や、咄嗟の操作に追いつかない部分があるかと思います。
問題点は洗い出してますが、実際そこを潰して改良しようとするのは中々難しいですね。」

亜美戦隊長「、、、確かに。そこを改善できればかなり衛士はさらに戦術機を自分と一体化して
動かせますね。誰か、この手のスペシャリストがいればいいのですが。
こちらでもOSの技術者等あてがあるか確認してみます。
無理のない範囲で継続をお願いします。」

菊間整備兵「了解しました。」

真木班長「さて、今回の会議はここまでかな。」

そう会議が終わる直前、落合が手を上げる。

落合副長「班長、私からも一つあります。宜しいでしょうか?」

真木班長「聞こうじゃないか、何かあるかい?」

落合は設計図をテーブルにだした、撃震改と仮名が記されていた。

落合副長「最近、一部の衛士から撃震を改良出来ないかとの意見を聞きました。
なので、ペーパープランですが現在ある撃震を現地改修した物を出してみました。」

平家中尉「撃震改?どのような改修が施されているのでしょうか?」
と影縫少尉と共にテーブルの設計図を見る。

落合副長「欧州BETA侵攻時、第一世代戦術機の装甲を極力削いで機動力を得た戦術機があると聞きました。
今の撃震は第二世代戦術機並みの性能まで引き上げてますが、
これ以上に現地改修となるとその第一世代戦術機と同様の処置をする他ないかと思います。」

平家中尉「、、、たしかに装甲をそぐしかあるまい。機動力を得るには。」
影縫少尉「ぬい達が光線級吶喊を行う場合はこの撃震改と先ほどの改良型の追加装甲の盾かなあ。。」

真木班長「確か東ドイツのバラライカか?上手くいくのかい?」

落合副長「やってみる他ないかと、撃震ならパーツは有り余ってますから。
試行錯誤を繰り返す他ありませんよ。」

亜美戦隊長「試作機ができたら改良の都度、第三防衛小隊でテストを行うようにしてもらっていいですか?
もし使うのであれば彼女たちにも早く機体習熟させたいので。」

落合副長「もちろんです。」

平家中尉「ありがたい。宜しく頼む。」

亜美戦隊長「一応私からは、念のため。整備班の方々は絶対に無理はしないでくださいね。
それで倒れられては困りますので。。。真木さんその辺のコントロールはお任せします。
さすが真木さんのチームです。ありがたいです。」
と言う。

真木班長「大丈夫だ、専門のチームとしてシフトからは抜けてある。まだまだ機体整備には支障ないさ。」

亜美戦隊長「それならよかったです。差し出がましい事を言って申し訳なかったです。
でも整備兵の日頃の整備があっての戦術機ですし、そのおかげで思う存分衛士は任務に邁進できますから。」

真木班長「あぁ、戦術機の整備は任せときな。整備不良で撃墜されたら整備兵失格だよ。」

亜美戦隊長「はい、よろしくお願いいたします。」
平家中尉、影縫少尉「宜しくお願いします。」

真木班長「任せときな。落合、いや菊間に砂原。気ぃ締めていけよ!」

落合副長「もちろんです。強襲戦隊の整備班は一番の整備兵の集まりだと自負してますから!」

砂原整備兵「だな!俺たちなら出来るはずだぜ!」

菊間整備兵「全く、勢いだけでは解決はしないんだがな...。まぁ、機体不良はない事は信じてほしいです。」

亜美戦隊長「もちろんですよ。いつも稼働率が高く有難いです。
もちろん信じてますよ。」

真木班長「よし、今回の会議はこれで終いだ。
野郎ども、通常配置に戻りな!」

そう言うと、整備兵たちは敬礼し開発室から出て行った。

亜美戦隊長「真木さん、有難うございました。第三防衛小隊の装備と機体にめどがつきそうです。
またOSの改良はちょっとこちらでもあたってみますね。」

真木班長「あぁ、頼むよ。」

数週間後、試作品の第一号ができたと真木から話を受けた亜美は第三防衛小隊を連れて整備ハンガーに行く。
亜美戦隊長「真木さん第三防衛小隊を連れてきました。どんな感じでしょうか?」

真木は亜美の声で振り向いた。

真木班長「来たか、こちらも今最終調整って所だな。」

真木の目の前には少し細くなった撃震が目の前に鎮座しており、選抜された整備兵たちが各部のチェックをしていた。

真木班長「まぁコイツを主導して改修したのは、落合だ。
おぉい!落合ぃ!戦隊長と第三小隊が来たぞ!」

真木がそう叫ぶと、はいと大きな声で返される。

亜美戦隊長「なるほど、落合整備兵ですか。やりますね。さすが。」
平家中尉「??少し撃震が細身になったように見えますね?。」
影縫少尉「ぬいもそう思う。」

落合副長「お待たせしました!」

真木班長「知っているだろうが、折角だから紹介しよう。
落合美之整備兵、アタシに続く整備班ナンバー2だ。
落合副長、後は頼んだ。アタシは戦隊の機体整備を指揮しなきゃならんからね。」

そう言って真木はその場を後にし、落合は真木の背中を見て敬礼した。

落合副長「了解しました!と言う訳で、此処からの説明は私落合がさせて頂きます!」

亜美戦隊長「私は直接スカウトしたからもう知ってるわ。
優秀な整備兵よ。そして私にとっては可愛い妹の一人。戦隊の皆は家族よ。。」
平家中尉「ボクは平家よ、第三防衛小隊の小隊長。よろしく頼むわ。」
影縫少尉「ぬいは影縫。よろしく。」
とそれぞれ言う。

落合副長「はい、宜しくお願いします。さてコチラの機体は、

以前会議でお話しした現地改修した撃震になります。
かつて東ドイツで採用された、バラライカと呼ばれる戦術機の開発コンセプトを元に、

装甲を極力落として、跳躍ユニットを改良する事により

改造前よりもかなりの機動力の向上になってます。」

平家中尉「、、、なるほど。装甲を削って機動力を上げたと。
光線級吶喊時には良いのかもその分1発分は万が一受け止めたいので楯に頼ることになるわね。」

影縫少尉「ぬいは装甲が欲しい、無理ですかね。。機動戦はあまり、訓練してるけど。」

落合副長「その為に追加装甲、まぁ盾を強化してみました。従来の物よりも光線級の照射に耐えられるかと。」

平家中尉「なるほど、楯の強化が出ているのであれば光線級吶喊のエスコートはできるか。」
影縫少尉「防衛戦時はどうなるぬい?楯もそうだけど動けない状態の時は装甲が必要。四国ではそれで
生き残れたようなものだった。」

落合副長「装甲はこれ以上は盛れませんよ。

戦術機は機動性を捨てるわけには行かないので。
それに、現状装甲でBETAの攻撃を受けて無事に済んだと言っても常時そうとは限らないですから。」

しゅんとする広子。
影縫少尉「うん、それはしかたないか。。楯と地形でしのぐしかないか。。」


平家中尉「機動戦うまくできるようにがんばりなさい。私もちゃんと面倒見るから」
とフォローする時子。
                                                                                                                                                        落合副長「まぁ、将来光線級のレーザーに耐えれる素材があれば装甲強化もできるんですけどね...。
とにかくこの機体、仮名として撃震改としてますが、何かいい名前はありませんかね?」
気を取り直して、落合は3人に聞いた。                                                                                     

亜美戦隊長「、、、そうね。では強風のごとくBETAを叩き潰し吹き飛ばす火力と味方を護る

意味を込めて陣風でどうかしら。」
と提案してみる。      

落合副長「陣風...良いと思います!この機体は陣風で決定です!」

平家中尉「戦隊長、ボクは良いと思います。その名前気に入りました。」
影縫少尉「ぬいも良いと思った。あとはガトリンクガンの件はどうですか、火力欲しい。。。」

落合副長「ガトリングユニットなら、そちらにありますよ。」

そう言われて、落合が指を差した先を見るとサブアームの様な物に繋げられた、
2対のガトリングユニットが撃震に取り付けられていた。

落合副長「まだ実地試験をしてないですが、動かす事自体は問題ありません。」

影縫少尉「すごい圧巻ぬい。これで近接防御でバラまけるのはありがたい。」
平家中尉「そうね。突撃砲1門では少し火力が足りない気がしていたからありがたいわ。」

亜美戦隊長「まだ第三防衛小隊は実働稼働までしてないからいつでもテストパイロット兼ねて
対応してもいいわよ。あとは整備班と第三防衛小隊の2人に任せたわ。私は戻るから
何か困ったことが有ったり、進捗が有ったら報告してね。」
ではと亜美は戻っていく。

落合副長「了解しました。そうですね、折角ですから機体の稼働試験をやって頂きたいと思います。

お願いできますか?」

平家中尉「もちろんよ、早く性能を試してみたいわ。私はメイン装備は長刀と楯で、

予備武装は突撃砲1門と予備弾倉でお願い。」


影縫少尉「ぬいも乗りたい。ぬいは突撃砲1門と楯と短刀2振りで。

予備武装は突撃砲1門と予備弾倉おねがいぬい。」


平家中尉「防衛戦時用のガトリングユニットとも別で動かしてみたいわ。頼めます?」
とそれぞれ実践稼働を意識して装備も依頼する。
 

それに対して落合は頷いた。
落合副長「ガトリングユニットの運用試験もやってくれるんですね!ありがとうございます!
各員準備開始してください!
ダラダラしていると、班長に代わってぶん殴りますよ!」
落合の指示により班員達は慌ただしく動き出した。

平家中尉「こちらこそありがとうございます。試せてうれしいわ。

じゃあまず第三防衛小隊の通常装備側で頼むわ。」 
と時子と広子は機体に乗り込む。 

整備兵A「副長!機体セットアップ完了しました!」

落合副長「了解、陣風はそのままハンガーの外へお願いします!
ガトリングユニットは私が主導で今撃震に取り付けてますので、代わりに陣風の試験を見て下さい。」

整備兵B「了解しました。陣風、ハンガーへ向かって下さい!」

平家中尉「こちらディフェンス1、平家中尉、誘導に従ってハンガーへ向かう。
ディフェンス2ついてきなさい。」


影縫少尉「ディフェンス2、ぬい、違った。もとい、影縫少尉続きます。」
と二人は陣風を動かしハンガーへ向かう。

平家中尉「(???、撃震特有の重さや癖があまりない?これは動かしやすい、

さすが真木大尉の整備班ね。落合副長もかなりの腕を持っている。ほんといい整備班だわ。)」
と時子は思った。

整備兵B「お二人とも聞こえますか!とりあえず歩行試験からお願いします!」

平家中尉「ディフェンス1より整備兵Bへ、聞こえているわ。了解。このまま歩行試験に移ります。
演習地区へ移動します。ディフェンス2、左へ展開して。

実践と同じ撤退戦や味方の防衛、最終的には整備兵から許可が下りれば

光線級吶喊のエスコート対応の試験までやりたいわ。」

影縫少尉「ディフェンス2了解ぬい。左横に展開。ついて行きます」  

歩行試験から始まり、基本的な試験科目をつつがなく終えた。

整備兵B「よし、特に問題無さそうですね。次は...」

落合副長「ごめんなさいやってください、後は変わります。」

整備兵B「了解しました。」

落合副長「すみません、ガトリングユニットの装着と調整が終わりました。
基本的な試験科目は大丈夫みたいですね、良かった...次はどうしましょうか?」 

平家中尉「、、、その前に光線級吶喊でフルブーストで突っ込む対応をしてもいいでしょうか?
エンジンの臨界近くまでやってみたいのですが。それが終わった後に一息入れてから

ガトリングユニット付きに変更して拠点防衛戦の演習をしてみたいです。」 

落合副長「なるほど、分かりました。早速やりましょう。」

平家中尉「有難うございます。ディフェンス1より2これより光線級に対して吶喊のエスコート演習を行う。
一直線で楯を前に展開して第一、第五小隊を護りつつ吶喊する。
行くわよ、フルブーストで突っ込む。」
影縫少尉「ディフェンス2了解。ぬいはそのまま左について2列で突っ込むぬい。」

と二人はフルブーストで約10秒程度演習区画を全力で突っ込む。
そして規定時間で光線級にいると想定した場所で止まり


平家中尉「状況終了。ディフェンス1より落合副長へ、一応問題はなさそうよ。
ただフルスロットルの影響もあるかもしれないので整備ハンガーに戻ったら機体チェック宜しくお願いしますね。
戻り次第20分休憩もらいます。その後ガトリングユニット搭載の機体に乗り換えます。」
と戻る。

落合副長「了解しました。限界機動も気になるので、後日第二小隊にお願いしてみます。」

平家中尉「宜しくお願いしますね。多分限界機動なら第二小隊が一番かもね。あとゴースト准尉にやらせても
違った面白いデータ取れるかも。彼さすが兵上がりね。色々経験等から多彩な機動をやってくるから。」
と言い一度汗まみれになったので着替え室へ影縫少尉と行く。

落合副長「確かに、ゴースト准尉にもお願いしようかな...。」
そう言って機体チェックをする落合達整備兵。

整備兵A「副長、エンジンの負荷は確かに掛かってますが、想定よりも軽い修理でなんとかなりそうです。」


落合副長「嬉しい誤算ですね。ですが想定外の不調又は破損も考えられますので、
2人が戻るまで詳細なチェックを怠らずにしましょう。私も見ますので。」
2人が戻るまで不調は無いかと、舐める様に点検していた。

短い時間でシャワーを浴びてゲロマズドリンクを飲んで

(この時ばかりは影縫少尉の顔もしかめっつらで歪んでいたw)
戻ってくる。戦術機の確認をしてる落合副長を見て時子は思った。
平家中尉「(、、、さすがね。落合副長。真木班長にも劣らない、良い腕しているわ。
これは伸びしろあるし、彼女だけではないけど大事にしないとね。)」


影縫少尉「お待たせしました。もどったぬい。」
と落合副長に声をかける。
                           
落合副長「2人ともお帰りなさい。ガトリングユニットを搭載した撃震は出せますよ。
陣風もエンジンの修理は大して掛かりませんでした、嬉しい誤算です。」

平家中尉「そう、それは良かった。整備兵に負担をかけるのは心苦しいので。
整備班有っての衛士ですから。いつもありがとうございます。」
と影縫少尉と会釈式の敬礼を行う。

落合副長「そ、そんな!敬礼は大丈夫ですよ!
気を取り直して、ガトリングユニットの運用試験をお願いします!」
落合は照れながら答える。周りの整備兵達はニヤニヤしていた。

ここの衛士達は全員知っている。
いつも夜遅くまで、下手をすれば連日の徹夜をしても衛士のためにいかに生存率を上げられるか、
負傷しないで帰ってこれるか。機体を完璧に仕上げて稼働率を高くしてくれている。

それに戦隊長からは着任時には必ず言われている。
整備兵を大事にしなさい、罵ったり、酷いことは絶対にしない事。
そして敬意を払いなさい。できる限り手伝えることは手伝う事。
私たちは整備兵の必死のメンテのおかげで生き残れて帰ってこれるのです。
と亜美は毎回口を酸っぱくして言っている。


だから頭を下げることは、礼を尽くすことは衛士たちはみんな苦でもなんでもなかった。
平家中尉「了解これより演習場にて拠点防衛戦の演習を行います。影縫少尉行くわよ。」


影縫少尉「了解。ぬいもつづきます。」

落合副長「配置にはついたみたいですね。これより、運用試験を開始します。
敵はホログラムですが、ガトリングユニットの標的はちゃんと物体として用意してます。
防衛用と言っても集弾性も大事ですからね、装備時よりも重量が増して機動力と

旋回性能に難が出ると思いますが、其処の使用感も試験項目ですので終わったら詳細な報告をお願いします。」

平家中尉「ディフェンス1より落合副長。了解、ガトリングユニットと突撃砲をメインに使って防衛するわ、
そして近距離まで接敵したら格闘戦に移行しつつもガトリングユニットと併用して敵を撃滅させます。
ディフェンス2理解した?地形を利用しつつ近接戦闘も考慮して戦うわよ。」

影縫少尉「ディフェンス2了解、それで行きます。」

ホログラムのBETAが押し寄せてくる。
まずはガトリングユニットと突撃砲で迎撃する。
面白い様にBETAを撃破していく。

平家中尉「これはいいわね。あとは弾数に気を付けないと、あっという間に弾がなくなるわ。
ディフェンス2、集団性と効率よく減らしていくわよ。しかし、これは早雲准尉の支援を受けたいわね。
あの子なら適切に脅威がある順番に支援設定してくれそう。」

影縫少尉「これはいいぬい。突撃砲ではさばききれなかった数をさばける。機動性については問題ないぬい。
旋回性は中距離までならだいじょうぶそう。」

平家中尉「それはありがたい、防御力は火力で補って行けそうですね。」

そして、BETAは拠点の近くまで侵攻してきた。
平家中尉「近接戦闘に切り替えるわよ。ディフェンス2、

楯を使いつつここは突破させないつもりで戦いなさい。」
と時子は突撃砲をガンマウント装置に付け替え背中に背負っていた長刀を使いつつガトリングユニットと連携して
近接戦闘を行う。

影縫少尉「ディフェンス2了解、ぬいも短刀と楯を使って突破させない戦闘に切り替える。」

その光景を見る落合は思考する。

落合副長「やっぱり近距離になるとユニットが障害になる...

緊急時にユニット自体をパージするのもしておかないとか。
近接用にガトリング自体を短く切り詰めたり、アーム自体を短くして射程距離を犠牲に

取り回し易くするのもありか...」

時子と広子はお互いに死角をフォローしあいながら敵を拠点内に入れない戦いを行っていく。
時子は長刀で薙ぎ払いながら、さばききれないBETAをガトリングユニットで殲滅し、
広子は短刀でガシガシ傷をつけて動きが鈍った所をガトリングユニットでとどめを刺す。

こうしてかなりの数をさばき、拠点を防衛できた。  

演習場から二人は戻る。
機体から降りて落合副長に話す。

平家中尉「かなりいい出来ですよ。これなら火力で制圧できるので防御力は楯だけで不要ですね。
第五砲撃小隊の榴弾タイプで協力して防衛戦を行えるならなおよしですね。
ただ、2つ言えることは、孤立した状態では旋回性に難がありますね。
今は2人でカバーしながら戦えたので良かったですが1機だと旋回性能の遅さで危機に陥る確率が高いです。
もう1点はあまりにもBETAの数が多い場合の目標選択ですね。これは第五砲撃小隊との連携もそうですが
一番の問題は各機に優先的な割り当て設定を瞬時に行えればかなり時間をかけて防衛ができます。
この辺りは第二中隊所属ですが早雲准尉の支援を受けたいところですね。これは戦隊長に相談しておきます。」    

落合副長「へっ?あっ、すみません!少しユニットについて考え事を...はい、やはり旋回性ですね。
それに関しては、案を思いついたので整備班員で話してみます。
2点目に着いては、確かに私よりも戦隊長に相談して下さい。
ガトリングユニット、衛士からの視点での総評をお願いします。」    

時子が代表して答える。
平家中尉「大丈夫よ、色々考えてくれてありがとう。解ったわ。 そのようにする。 
ガトリングユニット最高よ。これがあればかなりの味方を助けられるわ。
しかも継続して時間をかけて防衛できる。今までは突撃砲では時間稼ぎぐらいにしかならなかった。
これは良いわよ。ただ、弾薬がどれくらいが適量なのか解らないわね。
使いすぎるのもどうかともうので、それはもちろん詰めるだけ積みたいのは確かだけど。」
と思案する。                    

落合は時子の発言を聞き、頷く。
落合副長「なるほど、なるべく多く積載する方向で考えてみますよ。」

平家中尉「はい、よろしくお願いします。搭載量が多いほど時間を稼ぎ味方を護れますので。
可能な限りお願いいたします。」

落合副長「さて、試験項目はこれで全てですね。
お二人とも後はやりたい事はありますか?」

平家中尉「いえ、もう十分です。ここまでやっていただいて感謝しかありません。」
影縫少尉「ぬいもそう思う。ありがと。特にない。」

落合副長「分かりました、後はコチラの仕事ですのでお二人とも戻って下さい。お疲れ様でした。」

平家中尉「有難うございました。引き続きお手数おかけしますがよろしくお願いいたします。」
影縫少尉「お疲れぬい。無理しないでください。」
と敬礼して戦隊長室へ行く。

落合副長「ありがとうございます。」
2人を見送った後、落合は整備兵から報告を受けた。

整備兵B「ユニット自体の負荷が異常に高いですね、一度バラしてから修理するべきかと。
機体の方も、消耗具合を見るためにオーバーホールすべきだと思います。」

落合副長「うーむ、今日中に戦隊の機体整備にも合流するのは無理そうですね...。」

整備兵A「若頭!姉御から、搬入された不知火とそのパーツも移動させたいから

コチラの人員を動員したいそうです!」

落合副長「あれ、今日でしたか...ならば直ぐに其方を優先して...」
それを遮る様に、他の整備兵が駆け寄る。

整備兵C「若頭ぁ!戦隊の機体を一部オーバーホールしたいからこちらを優先してくれとのことです!」

落合副長「あ、あはは...今日も徹夜ですね...皆さん、行きましょう...。」

場所は変わり戦隊長室にて
亜美に報告をする平家中尉。
亜美戦隊長「そうか、それは良かったですね。これで機体と武装についても何とかなった。
あとは大量のBETA相手時の撃破優先割り当ての指示についてだが、
早雲准尉は二個中隊の統制及び各小隊への割り当て支援は可能よ。


ただ、第二中隊が別行動および第六警戒小隊が単独偵察任務に就いている時はその限りではないが。
対応できるわ。」


平家中尉「有難うございます。それであれば連携を密にして効率良く撃破していけますね。
(、、、しかし自機を含めて二個中隊全機とは恐れ入る、以前の所属していたCP将校でもそこまでは
できなかったはずだ。しかも前線でそれをやれるとは。)」
とホッとするとともに感心する。

亜美戦隊長「お疲れさまでした。二人は自室に戻って休憩で良いわよ。」
と二人の退出を見届けた亜美はこれは整備班達は改良機体の試験と通常機体の整備で徹夜だな。
何か差し入れしないと奈美に連絡し二人で整備班の人員のために食堂へ行き炊事班と共に夜食を作る。

そして深夜に姉妹は整備ハンガーへ行く。
亜美戦隊長「整備班の皆さん、徹夜作業申し訳ないです。ささやかですが、私達と炊事班で差し入れを
作ってきました。一息入れてください。栄養ドリンク等もあります。どうぞ食べてください。」
奈美准尉「いつも申し訳ないです。どうぞ食べてください。」
と小分けし、手が汚れないようにラップ等に包んだり片手で食べられるようにそして
バランスの良い夜でも食べても大丈夫な食事を各自に渡していく。



整備兵達はワラワラと群がろうとしたが、以前の真木からの叱責を思い出して並び、

食事を受け取り敬礼して離れる。


真木班長「2人ともいつも悪いね。アタシも頂こうかな。」
真木はやつれた顔で、タバコを吸いながら2人の所に来た。

落合副長「班長、お疲れ様です...流石に堪えますね。どれぐらい徹夜しましたっけ?」
後ろから、落合もやつれた顔でやって来た。

真木班長「落合アンタも休憩に来たか...3日目から数えてないね...仕方ない、
いつ何が起きるか分からないけど、これが終われば満足に休めるさ。
もう一息さね。」

落合副長「だと...、良いですね...。」

亜美戦隊長「どうぞ食べてください。真木さん過労気味です。確かに機体整備は必要ですが
少し休んでください。お願いです。スクランブル用の機体以外はスケジュールを下げていいので。
これでは整備班が倒れてしまいます。」

落合副長「徹夜になったのは、スクランブル機体だけじゃなく全機体のオーバーホールもしてましたからね...

オーバーワークにも程がありますよ班長。」

真木班長「スクランブル機体は勿論だけど、もし他の機体も使う時に使えなかったら衛士達が

困っちまうからな...確かに、度が過ぎた。」

真木のやつれた顔を見た奈美は。
奈美准尉「(、、、あのお茶はもう作れない。こんなにも頑張ってくれている真木さん率いる

整備兵さんたちに何かできないでしょうか)」


何かを思い出したのか、自室に急いで戻りヒーリング効果があるラベンダーの香りのボトルを持ってくる。
奈美准尉「あの、これ。機体に直接かけなければ問題は無いと思うので皆さんが

集まりやすい所に置いてみてください。
少しは疲労が取れると思います。」
と真木に渡す。

亜美戦隊長「必要があれば衛士からも支援を出します。大したことはできないかもしれませんが。」
と恐縮して言う。

真木班長「ラベンダーか、ありがとう。再開時に置いてみる。」
真木は受け取った。

心配して真木を抱きしめる奈美。そしてこっそり耳打ちする。
奈美准尉「お願いです。無理しないでください。今は夢見も嫌な予感もしません。

ですから私が言ってはいけないのかもしれませんが
せめて三班に分けて少しずつ整備してください。ですよね。」
と真木と亜美に言う。

亜美戦隊長「、、、そうね。奈美の言う通りよ。戦隊長として命令します。

整備班は3交代で対応してください。
遅れても問題ありません、予備機もありますし。不知火が使えなくても問題ありません。

そこは私達を信頼してください。」
と言う。

真木班長「了解だ、戦隊長。だが今日まではこのままやらせてくれ、アイツらもやる気はあるからよ。」

落合はそれを聞いて続ける。
落合副長「確かに、開発などに割けるだけではなく班員を分けてローテーション出来るようにしないとですね。」

亜美戦隊長「、、、解りました。でも倒れるまではだめですよ。
そこは配慮して対応してください。最悪明日は最低限の人数で構いません、補佐できるのであれば
衛士からも出しますから。」
と伝える。

真木班長「あぁ、分かったよ。よし、野郎ども!休憩は終わりだ!きっちり仕上げるよ!」

そう号令し、班員達は押忍!と返事をして持ち場に戻った。

こうして大忙しの整備班であったが第三防衛小隊の機体、陣風と拠点等防衛戦時用の

ガトリングユニットと改良型の盾が完成した。
これによって戦隊の戦術機部隊は機体、武装、衛士が全員揃い戦隊として

機能することができるようになった。
END

そして後日、戦隊の戦術機部隊がそろったので戦隊総出で演習を行う。

(相変わらず亜美と紫音は書類仕事に追われていて今回は不参加であった)
かなりの苛烈を極め、演習が終わり整備ハンガーに機体を戻して衛士が各自の小隊付き整備兵と話している。
皆疲れ切って、元気がない。


それを見た西大尉うーんと考えてにやりとして皆を元気づけようとゴーストと奈美を餌にしようと茶化す。
西大尉「おーい、ゴースト。ちゃんとあの一件以降奈美ちゃんと進んでるの?ちゃんと

キス以上の事してあげてるんだよね。」
とゴーストの肩に手を回して大きな声でみんなに聞こえるように言う。



ゲロマズドリンクを飲みながら整備兵と話していたゴーストは吹き出す。
ゴースト准尉「ゲフ、グハ(汗)、いきなりな、な、何言ってるんですか、西大尉殿。」


隣で恥ずかしそうにアワアワしている奈美。
西大尉「だって気になるじゃんw。」


と周りの衛士も整備兵も興味津々にこっちに視線を向けているw
 
そんな事を聞きつけ、何故か砂原が飛んできた。
砂原整備兵「おうおう!本当最近は2人はどうなってんのさ!俺も気になるっすよ!」

西大尉「砂原殿、やっぱそう思うよね。

うん、うん。周りとしては気になるよそりゃ。

だから白状しなさいゴースト。」  

ゴースト准尉「いや、あのなんでだからそうなるんですか。黙秘します。(真っ赤)」


奈美もどうすべきかアワアワして奈月に助けを求める。 

奈月少尉「まぁまぁ、そこら辺はあまり踏み込むのは辞めて下さいよ。」



砂原整備兵「んな事言って、弥栄少尉も気になるんっすよね!」

奈月少尉「いやその...アハハ...。」

奈月が止めに入るも、砂原に丸め込まれた。 

西大尉「ほらー、奈月ちゃんも興味あるじゃんw」

逃げ場を失ったゴーストと奈美。
どうしようかと考えたゴーストは、、、3人の隙をついて
奈美の手を取り逃げ出すw 

追いかけようとする2人を奈月は、止めに入る。

奈月少尉「2人は逃げて!私は良いから!」

他の整備兵達は仕事に戻ろうとした。

ゴーストと奈美は奈月にごめんありがとうと言いつつ整備ハンガーから逃走する。

西大尉「あー、奈月ちゃん興味あるのにもう。いけずなんだから。ま、皆興味深々だったし、
元気出たようだからこれで終わりで良いかな。」
と手をひらひらして去っていく。

途中、東野中尉がおでこに怒りマークがついていて西大尉にチョップして
お説教しながら二人で更衣室へ向かう。
東野中尉が馬に蹴られて〇〇でしまえとか何とかさけんでいたとかなんとか。


今度こそEND