真木さん斯衛呼び戻し編

その日、真木沙奈江班長宛に一本の電話が届いた。
砂原整備兵「姉御...真木正宗っていう方から電話がきてます。」

真木班長「正宗...親父か...ありがとう、出るよ。」
真木は整備班の詰め所に向かい、設置してある電話の受話器をとり出た。



真木班長「はい、沙奈江です。」
 

真木正宗「久しぶりだな沙奈江。九州で重症を負ったと聞いたぞ。
衛士も辞めて整備兵になったそうだな?」
 

真木班長「だったらなんですか?アタシの道を散々否定して来て、
衛士になったら一回も連絡して来なかったのに今更どんな用ですか?」
敬語であるが、ドスの効いた声で喋る真木に電話の相手 真木沙奈江の父親 正宗は続ける。

真木正宗「単刀直入に言う、大人しく家に帰って家督を継げ。
整備兵になった時点で家督を継ぐことはほぼ確定しているんだ。
そんな部隊にいないで斯衛に、真木家に帰って来るんだ!」

真木班長「なんだと...今更親父顔すんじゃねぇよ!
それにお袋も納得しているのかよ?」

真木正宗「舞香は仕事で忙しいんだ。彼女に手を煩わせる必要もない、
お前が帰って来れば済む話だ。御託を言わずに言う事を聞け。」

真木班長「ざけんじゃねぇ!しかも戦隊をこんな部隊だと!

アタシの大切な場所をこんなと言った奴がいる所なんて、
アタシは帰らない、絶対帰らないからな!」
そう言って強引に電話を切った。

そこに整備ハンガーに来たゴーストと奈美。
ガチャンとすごく響いた音にどうしたのか真木を見る。
ゴースト准尉「(、、、なんか真木さんどうしたんだろうか。)」

奈美准尉「(何か、、、怒ってらっしゃいます。心が痛い。。何かあったのかも。」
と二人で小声で話す。



2人を見つけた真木は申し訳なさそうに俯いた。
真木班長「や、やぁ2人とも。今日はどうしたんだい?」
明らかにいつもと違う雰囲気を出していた。

心配して優しく声をかける奈美。
奈美准尉「、、、真木さんどうされたのですか、何か心の中で葛藤されてます。
私に何かできることありませんか。」

ゴースト准尉「もし差し支えなければ教えてくださいよ。
いつも私達助けられてるので。。」
と二人は言う。

真木班長「そうだね...抱えてもしゃあないか...なら遠慮なく話すよ。
アタシの父親から連絡が来てね...整備兵になったんなら帰って来いってさ。
そう言えば、アタシの家の事って話した事あったっけ?」

ゴースト准尉「いえ、聞いた事は無かったですね。戦術機乗りだったので一般武家(黒色服だから)の
軍人一族かなあと思ったのですが、違うのでありますか?」

真木班長「黒色は武家以外の一般衛士だよ。
実はアタシの家は代々優秀な機械技師を輩出している所でね、殆どが軍の工房か民間企業に行ってる。
一応武家なんだけど、衛士になる奴は少なくてね...アタシも本当なら最初から技師になる筈だった。」

ゴースト准尉「、、、なんと、機械技師なのですね。なるほどだから戦術機の応急修理や操作もそして整備兵としても
優秀なお方だったのですね。すごい。しかし、帰ってこいでありますか、あまりにも急ですが。。。
私から言えることは、できればちゃんと話し合った方がいいですよ。

私の家族は会えない間に中国地方戦線防衛戦時に
皆逝ってしまいましたから後悔しないようにしてほしいと思うのであります。」

奈美は、、、なんと声をかければいいのかわからなくなってしまった。
帰ってほしくない。真木さんに居て欲しい。と。突然な話に戸惑う。

ゴーストの言葉を聞いて頷くも帰って来たのは否定だった。


真木班長「アタシが衛士になると言ってから、家族はアタシに家の家督を継がせようとして来たんだ。
衛士になろうとするアタシを全否定してね。

唯一理解してくれた母は、仕事が忙しくてあまり見てくれなくてね。
親父と妹は話し合おうとしても、断固として納得しなかった。
 

だから、アタシは家出をして一般衛士として斯衛に志願したのさ。
正直話し合いをしても無駄に終わると思う、分かってくれるならアタシは家出をしてないからね。
しかも、戦隊をそんな部隊にいるなと言いやがった...ふざけるんじゃないよ全く!」

ゴースト准尉「(これは、溝は深いな。。)無駄に終わるでありますか。。。
戦隊を侮辱されるのは私もいい気分ではありませんが、、
私としては、真木さんには残ってほしいと思います。奈美さんも同じ思いです。
もし強硬手段で来られるなら、、、その時は私も何か支援できることがあれば言ってください。」
 

奈美准尉「はい、ゴーストさんのおっしゃる通りです。」

真木班長「ありがとよ。」
そんな中、菊間が走って来た。

菊間整備兵「姉御!真木安枝って言う人が戦隊基地に押し掛けて来ました!
今戦隊長が対応してますが、お付きなのか斯衛軍衛士も来てます!」
 

真木班長「安枝...妹だね...どこにいるんだい?」

その頃の戦隊長室。
亜美戦隊長「、、、急に返せとはどういう事ですか。真木整備班長は我が部隊の要。
本人の話も聞かずにそれは無いと思いますが。」



真木安枝「ウチの家の問題ですから、貴方には可及的速やかに真木大尉を引き渡せば良いんですよ。
貴方が知る必要はありません。」

見下した様な言い方をするこの女性は、真木安枝。真木沙奈江の妹である。

見下されても冷静に答える亜美。
亜美戦隊長「家の問題ですか、渡す気はありません。正式な異動命令書を出してください。
本人が帰ると言うなら別ですが、、、、お帰りください。」
と突っぱねる。

真木安枝「あら、命令書なら数日中に来るわよ。
帰らないわ。せっかくだし駄姉の姿を見たいからね。」
どこ吹く風の如く言い切り、椅子にどっしりと座り続ける。

亜美戦隊長「く、命令書が出ると仰るのですか。
駄姉?真木整備班長は素敵な方です。そのような言い方は。いくらご家族とはいえ。」
とプッツンしそうになるが、真木をスカウトした時のこともあるため強くは言えない。
これは南條中将に連絡するしかないのかと考える。

そんな中、真木が入って来た。
真木班長「失礼するよ...久しぶりだね安枝。」

真木安枝「あら姉さん。九州で重症負ったって聞いたからてっきり死んだかと思ったわ。会えて嬉しいわ〜。」

真木班長「見え透いた嘘言ってないで聞かせろ。なんで来た?」
そんな事を言われ、安枝も苛立ちながら答えた。

真木安枝「は?駄姉の貴方を引き取りに来た以外ないわ。
数日中には命令書も届くから、早く荷造りしてよ。」

真木班長「っ!ふざけるな!なんでそんな事を決められなきゃならない!」

真木安枝「貴方が家督を放って家出して、衛士なんかなるからでしょ!
ついでにその足も治してやるってんだから、良いじゃないのよ。」

亜美これは喧嘩になるなと思い。
亜美戦隊長「そこまでにしていただきます。今日はお帰りください。
正式な命令書を持ってきてください。それまでは引き渡すことはしません。
斯衛の命令でもそれは聞けません。」
と言う。
そこにゴーストと奈美も入ってくる。

真木安枝「あらそう。まぁ良いわ、どうせ数日経てば否が応でも異動するんだし。また会いましょう姉さん。」

そんな事を言って出て行った直後、真木は膝から崩れ落ち、人目を気にせず泣き崩れていた。
真木班長「なんで...なんでアタシを全否定するんだ。家族だろうに...。
なんでアタシのやりたい事をやらせてくれないんだ...。」

ゴーストはこれは、酷すぎるな。こんな家族もあるのかと、真木さんを助けたいが、、どうすればと思う。

それを見た奈美は真木を抱きかかえ包み込む。
奈美准尉「泣かないで、真木さん。ごめんない。今はこんな事しかできないですが。。」
と私に何ができるか、、奈美は考えるが。。亜美に視線を送る。

亜美はこれはもう政治的な話になるなと、、お手上げで、南條中将に連絡する。
亜美戦隊長「南條叔父様、今急に斯衛が押し入りまして、真木班長の妹さんが、、
真木整備班長は我が戦隊の要です。どうにか残留させることはできませんか。」
と言う。

話の顛末を聞いた南條は口を開く。
南條中将「恐れていた事態だね。こんな事を聞くのは野暮だが、真木大尉を戦隊にいさせたいんだね?」
真剣に聞いた。



亜美戦隊長「はい、もちろんです。この方は得難い方です。どうしてもいて欲しいです。
本人が異動したいと仰るなら別ですが、こんなやり方はひど過ぎます。家族とはいえ。
毎回無理を承知でお願い致します。無理そうなら、、、斯衛と一戦交える覚悟で有ります。」
と伝える。

私達姉妹をいつも支えてくれる真木さんの為には何でもする覚悟で亜美は答える。
そして奈美に目配せをする。

奈美はうなずき、ゴーストにお願いしますと言って。
奈美准尉「大丈夫ですよ。何とかなります。だから泣かないでください。自室に一度戻りましょう。」
とゴーストと奈美は泣き崩れた真木を真木の自室へ連れて行く。

受話器越しでそれを聞いた南條は顔を歪ませるが、真剣な顔つきで話を続ける。
南條中将「分かった、やってみよう。こちらとしても彼女が戦隊からいなくなるのは大きな損失だ。
早速だが菊間整備兵を呼んでくれないか?彼と少し話したいんだよ。」

菊間整備兵がなぜだと思ったが、これは聞いてはいけないことかと思った。
亜美戦隊長「?菊間整備兵ですか、承知しました。電話を転送しますので少しお待ちください。」
そのまま保留にして、整備ハンガーに連絡し菊間整備兵を呼び出す。

亜美戦隊長「早雲戦隊長です。至急、菊間整備兵をお願いします。」
 

菊間整備兵「菊間整備兵出頭しました。お話は姉御についてでしょうか?」
いつもは沈着冷静な彼も、仏頂面になっていた。

亜美戦隊長「そう、その通りよ。今うてる手を考えてますが、南條中将から貴官をご指名されたわ、
今転送してるから切るのであとはお願いできますか?」
と伝える。

それを聞き、状況を理解した菊間は答えた。
菊間整備兵「中将から...なるほど、私に任せて下さい。後連絡しにくかったら砂原に投げて良いんですが、
柳田のおやっさんに一報をして頂けませんか?
姉御も恥だとは思いますが、優しくされるだけじゃあ発破になりませんから。」

亜美戦隊長「承知しました。柳田班長殿にはこちらからすぐに連絡してみます。
真木さんをどうにかしてあげたいです。では切るわ、宜しくお願いします。」
と電話を切る。

それを聞き、状況を理解した菊間は答えた。
菊間は受話器をとり、南條に連絡する。

菊間整備兵「中将、私の正体にお気付きと言う訳ですね。こんな事態にただの整備兵と話す時間は惜しいはずですから。」

南條中将「流石斯衛のスパイ...安心したまえ、この会話は盗聴されない。
真木沙奈江大尉の異動の件、君又は君の飼い主の差し金かね?」

菊間整備兵「まさか姉御を異動させるメリットは私にも、私の飼い主にもありませんよ。
私はあくまで、戦隊でのクーデターの未然阻止の為に動いているだけです。
こちらでも命令書の撤回に動いてみますが、正直言ってそんなに話は大きくなる前に終わりますよ。」

南條中将「何故かね?」

菊間整備兵「真木家は何も姉御を否定する輩しかいない訳じゃないです。
今から伝える番号に連絡してみて下さい、直ぐに解決する筈です。」
そう言われ、番号を伝えられて若干困惑する南條。

南條中将「この番号は何かね?」
菊間整備兵「姉御の母親、真木舞香様宛の電話番号です。」

南條は菊間整備兵より教えられた真木の母親に電話する。

場所は亜美がいる戦隊長室へ戻る。
菊間整備兵と電話を切った後、斯衛基地の柳田整備班長に連絡を取る。
亜美戦隊長「お久しぶりです、あの時はお世話になりました。
申し訳ありません、真木さんの件なのですが、妹さんが乗り込んで来まして、、
実家に帰って来いと。異動命令書を持ってこいと突っぱねましたが、、、

南條中将にお願いして今工作をしてもらっていますが、、
真木さんが家族とのやり取りで心が折れてしまいました。
私もできる限りは護ってあげたいですが、お願いがあります。
真木さんに発破をかけていただけないでしょうか。」
と相談する。

柳田整備班長「近況報告かと思ったが、全くあの家は...。
分かった。今からそっちに行く、許可を取っていてくれよ。」

亜美戦隊長「有難うございます。承知いたしました。」

と電話を切り、営門の衛兵に連絡する。
亜美戦隊長「この後、斯衛軍の柳田整備班長が来られる。
その方は通して構わない、丁重に戦隊長室まで案内してほしい。」
と伝える。

数時間後の陽が傾き始めた頃、戦隊基地に柳田が到着して戦隊長室に通された。
柳田班長「久しぶりだな陸の嬢ちゃん、いや戦隊長と呼ぶべきか。大変みてぇだな。」

亜美戦隊長「いえ、ご足労大変申し訳ないです。
お久しぶりです。柳田整備班長殿(敬礼)

有難うございます。新米戦隊長です。真木さんを護ってあげられず申し訳ないです。
真木さんは今自室にいます。こちらです。」
と亜美はアテンドして真木の個室へ柳田を案内する。

真木の部屋の前にはゴーストが立哨のように直立不動で立っている。
奈美に任せて、外で待っていた。

柳田班長「ここが沙奈江の部屋か、失礼するぜ。」
そう言って入室する柳田と亜美。

真木班長「お、おやっさん...なんで...。」


心傷して奈美の胸に項垂れて頭を撫でられている真木を見つけた柳田は、

ズカズカと真木の元へ行きいきなり胸倉を掴んで引き上げた。
柳田班長「沙奈江、テメェはいつからそんなしけた顔する様になったんだ?話は嬢ちゃん、戦隊長から聞いてる。」

慌てて奈美が止める。
奈美准尉「お願いです。乱暴にしないでください。」
と柳田に奈美は言う。

だが、亜美が止める。無言で奈美を諭す。
ハラハラしながら奈美は見守る。

真木班長「そりゃあ家族に否定されれば、こうも...なるさ...。」

柳田班長「テメェの自身や気持ちは家族に否定されて簡単に揺らぐもんなのか?
そんな気持ちが弱い奴に俺の技術を叩き込んだ覚えはねぇ!
テメェは俺の下にいた頃の奴じゃない。もう班長って呼ばれる一端の出来た奴なんだ、胸を張れ!

そして誰に言われようとも自分の気持ちを貫け!俺だけじゃねぇ、
ここにいる連中はテメェを頼りにしているんだからよ。」

奈美准尉「そうです。皆、真木さんを心配してますし、頼りにしてます。
私達姉妹は真木さんに助けられて本当に、、、助かっています。
弱音を言っていただいてもいいんです。

でもいつもの素敵な優しい真木さんでいて欲しいです。」
と奈美は申し訳なさそうに伝える。
その通りですと亜美も頷く。

真木班長「...そう、だね...ありがとうおやっさん。亜美・奈美...ありがとう。アタシは負けないよ。」
柳田は胸倉を掴んでいたのをはなした。真木は涙を拭き、三人に視線を向ける。
柳田班長「ったく、世話かけさせやがって。」

奈美は泣き笑いになり真木の胸に飛び込む。
奈美准尉「良かった。良かったです。」

亜美戦隊長「大丈夫ですよ、真木さんには私達姉妹が付いています。
いつでも頼ってください。負けないでください。」
と言う。

亜美戦隊長「さて、南條中将が動いて頂いて頂いているので大丈夫かと思いますが、、、
いざとなったら、斯衛と一戦してでも真木さんは渡しませんよ。」
と不敵に笑う亜美。
そこに様子を見ていたゴーストも言う。
ゴースト准尉「戦隊長、自分、志願致します。自分も思いは同じです。」
と話す。

そこに騒ぎを聞いて駆けつけていた西も言う。
西大尉「亜美がそうするなら、もちろん私も付き合うわよ。斯衛と一戦ね、腕が鳴るわ。真木殿は渡さない。」
とこちらも不敵に笑う西。



そんな事を聞いている柳田は呆れる。
柳田班長「あのな...そんな事しなくても大丈夫だ。沙奈江の異動は無くなるよ。
恐らく今、真木家は舞香さんが猛威を奮ってる筈だ。」

真木班長「舞香...お袋が...なんで今更。」

柳田班長「あの人も忙しいからな、今頃南條の野郎と斯衛軍と話し合ってるはずだぜ。」

亜美戦隊長「南條叔父様、、、ありがたいことです。本当に。
感謝しきれません。」

奈美准尉「それなら、、良かったです。」
とホッとする。

ゴースト准尉「ま、それに越したことないのであれば良かったです。」

西大尉「なんだ、斯衛と合戦できるかと期待したけど。まあ味方とやりあうのは
極力避けられるのならそれに越したことないわね。」
と、手をひらひらして出ていく。

柳田班長「おいおい...テメェらはクーデターでもする気だったのか?やめろやめろくだらねぇ。
とりあえず、今日はもう休みな。明日辺りに来ると思うぜ。」


奈美准尉「真木さん、今日はゆっくりお休みください。
大丈夫です。こんな時こそ私もお役に立ちたいと思ってますから。」
とつま先立ちになって真木の頭をよしよしする。
(こんなこと普段は年上の方には絶対しないw)

亜美戦隊長「そんなつもりは微塵もありませんよ。ただ真木さんをここまで追い詰めることが
許せないだけです。承知しました。はい、皆解散ね。私は南條中将に連絡してきます。」
と柳田整備班長を送りに一緒に真木の個室から出る。

真木班長「奈美、ありがとう。またアタシ弱いところ見せちまってよ...。
もう大丈夫だ。暖かかったぜ?」
そんな事をいい、奈美の頭を撫でる真木。

そんな真木を見てまた、頭を撫でられて奈美はほほ笑む。
奈美准尉「良かったです。いいんですよ。私にできることがあれば何でもしますよ。」
と答える。

柳田班長「戦隊長、戦隊を作って少し時間経ったみたいだが、作ってみてどうだ?何か変わった事でもあったか?」
柳田を送っていた亜美に気さくに話しかけてきた。

亜美戦隊長「、、、そうですね。皆さん私の思いをくみ取ってくれて、
本当にありがたいです。私はつねづね、両親が考えてた仲間を護りたい、民間人を護りたい。
この2つを想いを受け継いでやっていきたいと思っていました。それを実現できる部隊です。

そしてその中には真木さんが中核となってます。真木さんは得がたい存在です。
私達姉妹にとっても本当に親身になってくれて、、ですから思う存分私は動けます。」
と答える。

亜美戦隊長「変わった事と言うと、両親が戦死して、私達姉妹は絶望していましたが、
真木さんのおかげで先に進むことができるようになったという事ですかね。」
と、嬉しそうにほほ笑む。

それを聞いた柳田は笑顔で答える。
柳田班長「沙奈江め、良い部隊に引き抜かれやがって...。
アイツが此処に行って心配だったが、それは不用だったみてぇだな。」

それに対して亜美は。
亜美戦隊長「はい、真木さんも歩んでいます。私達姉妹で支えてあげたいです。
引き抜いて申し訳ありませんでした。でもやはり真木さんは我が戦隊に必要な方でした。
私の考えは間違っていませんでした。」

こうして柳田は戦隊の基地から斯衛の基地に帰って行った。
見えなくなるまで亜美は敬礼をして見送る。

そして、亜美は戦隊長室へ戻り南條中将に連絡を取る。

南條中将「結論から言おう。真木沙奈江大尉の異動は撤回された。
それもそのはず、真木家当主真木正宗が人事異動の部署へ秘密裏に圧力をかけていたみたいでね。
それが分かって母親の舞香さんと私で真木家が取り潰されない事と、圧力かけた事実を揉み消す代わりに
真木沙奈江を完全にウチで預かる事に出来たよ。」

南條中将「大変だったよ。五摂政家の斑鳩家に危うく見つかりかけたしね。」

亜美は申し訳なさそうな表情をし謝る。
亜美戦隊長「大変申し訳ありませんでした。しかし、斯衛側の一方的なやりようには腹が立ちます。
ですから良かったです。いつも有難うございます。真木さんは本人自身が考えて異動したいと言うなら
仕方がありませんが、こんなことはひど過ぎます。母も斯衛に一度昔ひどい目にあわされそうに
なりかけましたし。」
と憤慨する。

亜美戦隊長「五摂政家の斑鳩閣下ですか?あのお方は結構な野心家らしいという噂ぐらいしか聞いてませんが、、
しかし、私達の情報はどこまで知っているのか気になりますね。」

南條中将「まぁ彼とは個人的に付き合いがあるし貸しもあるから、変にされない...と思いたい。
亜美ちゃん、早くて明日にでも真木舞香氏が妹を連れて謝罪しに来るそうだ。迎えてあげてくれるかな。」

亜美戦隊長「承知しました。丁重にお迎えいたしますよ。
出来れば、姉妹の仲直りが出来ればいいなと思いますが、、、私達介入してもよろしいでしょうか。
奈美も同じ思いです。」

南條中将「彼女にとっても、2人は大事なんだ。無理のない範囲でとだけ言っておくよ。」

亜美戦隊長「承知しました。無理のない範囲で二人で話してみますね。
いつも有難うございます。」

そして2日後。
車から出てきたのは2人、スーツ姿の女性は顔を俯いている妹の安枝。
もう1人は真木班長に似た顔立ちの女性、斯衛軍の一般武家の証である
白い軍服を着て凛とした姿をした真木沙奈江の母、真木舞香だった。

真木舞香「お初にお目に掛かります。私は真木舞香中佐、斯衛軍技術開発に所属しております。
今回の夫と妹の騒動、お詫びしに参りました。」

亜美戦隊長「第零独立強襲戦隊戦隊長の早雲亜美少佐です、ご足労まことにありがとうございます。
話は戦隊長室でお聞きします。どうぞこちらへ。」
と戦隊長室へアテンドする。

真木舞香「ありがとうございます。ホラ安枝行くよ。」

真木安枝「...分かったわよ母さん。」

2人は戦隊長室に案内されると、先にいた沙奈江と奈美が迎えた。
真木班長「お袋...久しぶり。再開がこんな形になっちまうなんてな...」

真木舞香「えぇ。沙奈江こそ、見ない内にこんなに立派になって...いえ最初に言う事があったわね。
無事でよかった。後で紹介したい人がいるけど後にしましょうか。」

こちらにどうぞと奈美が来客用の机の椅子に二人を誘導する。
そして紅茶と奈美が作ったお菓子を出して、奈美は亜美側の椅子の後ろにお盆を抱えたまま立っている。
(亜美と真木も座る)

真木舞香「さて、単刀直入に言いましょう。沙奈江。貴方はこれまで通りこの戦隊で整備班長を務めて良いわ。
命令書も私と南條中将でなんとか揉み消したけど、夫がやらかした事は消えないわ。
今後真木家は立場は悪くなるかもしれないけど、沙奈江はこれまで虐げられてきた。これで良かったと思ってるわ。」

真木班長「お袋...ありがとう。アタシなんかのためにここまで...。」

真木舞香「良いのよ。安枝同様私の大切な娘なんですもの。
早雲少佐、戦隊にご迷惑をお掛けした事を謝罪致します。申し訳ありませんでした。」
そんなやりとりを恨めしそうに見る安枝。

亜美戦隊長「恐縮です。全ては真木大尉殿がしたいことを自由にさせていただければ私としては本件は問題ありません。
裏で南條中将と動いて頂いて有難うございました。この件はここまでで大丈夫です。
、、、家族の話に入るのはとても心苦しいですが、、、安枝殿は納得されてません。。

出来れば、ちゃんと家族で向き合って仲良くしていただけると良いですが。
口をはさんで申し訳ありません。でも私達の両親はもう戦死して逝ってしまいました。
そうなってからでは遅いのです。後悔しますよ。真木大尉殿もそうです。
九州の件がありましたし。あそこで生き残れたのは奇跡です。」
と話せることは話して仲違いしていることを心苦しいと思い、話す。

そういった直後に、突然安枝が立ち上がり言い放った。
真木安枝「そうよ!私は納得してない!あの駄姉と比べられて、
衛士になったら今度は私にまるで八つ当たりのごとく当たられて、誰も私を見てくれなかった...姉さんがいなければ、
衛士になんかならなければって思ったわ!」

真木舞香「ごめんない安枝。夫が2人に真木家としての重圧を掛けていたのに
私は仕事ばかり...母親失格ね。」

真木班長「そうだったんだね...。」

安枝の吐き出した言葉に、沙奈江は自責の念が出て、舞香は後悔していた。

そこに奈美が心の中が見えて苦しそうな安枝を癒してあげたいと思い安枝の前に行く。
奈美准尉「誰にも見てもらえなくて、辛かったのですよね。寂しかったのですよね。でも今なら皆さん見てくれますよ。
したい事話してみていいのではないですか、お願いです。安枝さんにも良い所いっぱいありますよ。

それに真木さんが居なければ全ての重圧は安枝さんに小さいころから、ずうっとのしかかっていたと思います。
だからそんな風に言わないで。姉妹なのですから。分かり合えますよ。」
と優しく語り掛ける。

そんな事を言われ、咄嗟に手を上げようとする安枝だが直ぐに自分の顔を叩いた。
真木安枝「わ、私は...えぇ言ってやる!母さん!もっと私を構ってよ!愛してよ!
姉さんも、もっと私を見てよ!父さんに色々言われて、苦し、かったよ...!」

そう泣き始めた安枝に、沙奈江は彼女を抱きしめた。
真木班長「あぁ!辛かったよな...ごめん、ごめんよ。アタシが虐げられているばかりで、
妹を、安枝を思ってなかったなんて...」

真木舞香「それは私の罪でもあるわ。安枝、沙奈江。不出来な母を許して頂戴...。」
舞香も近づき抱きしめ合う。

それを見て奈美はうれし泣きをする。
奈美准尉「良かった。。良かったです。やはり家族ならこうしてほしいです。」

副官室で何かあった場合に備えて待機している護衛兵の奈月とゴースト。
ゴースト准尉「ど、、どうなりました?奈美さん、泣いてるみたいだけど大丈夫かな(-_-;)。」



奈月少尉「どうやら、上手く行ったみたいだね。うん、良かった!。」
とそれぞれ言う。



そして、戦隊の基地内にて
橘副官は輸送機部隊との調整対応が終わり戦隊長室に戻ろうとしていた。


と、そこに斯衛軍の一般武家の証である、白い斯衛軍制服を着た男性が近づいて来た。
上月副官「失礼、私は斯衛軍所属の上月拓巳中尉であります。戦隊長室はこちらで宜しいでしょうか?」
真木沙奈江の副官であった男性、上月拓巳だった。

橘副官「斯衛軍の上月中尉殿でありますか?承知しました。
私は第零独立強襲戦隊の戦術機部隊副官の橘紫音中尉と申します。戦隊長に面談ですか?
ちょうど私も今、戦隊長室へ行くところでしたので、アテンド致します。
こちらへどうぞと戦隊長室へ案内する。

戦隊長室のドアを橘がノックする。
橘副官「橘副官入ります、斯衛のお客様をお連れしました。」

橘に伴われて上月が入ってきたのを見た沙奈江は驚く。

真木班長「か、上月!元気になったんだな!」


上月副官「はい、おかげさまで元気になりました!今日は真木舞香中佐の護衛で参りました。」



そう話している中で、抱きしめ合っていた舞香がこちらに近づき言った。
真木舞香「早雲戦隊長、謝罪に来たのにお願いがございまして。この上月拓巳中尉を斯衛軍の連絡係。
いえそれだけじゃない、沙奈江の副官として側にいさせて頂けませんでしょうか?」

亜美戦隊長「よろしいのですか?私としては、斯衛と連携が取れるのも嬉しいですし、
何より真木整備班長の為になるのであればとても嬉しいですが。」
と答える。

真木舞香「えぇ、お願いしたいわ。そうでしょう?上月中尉?」
上月副官「はい!大尉のお側におられるなら、私は構いません。」

舞香の言葉に返事をする上月。その後、安枝が口を開いた。
真木安枝「それと姉さん。姉さんの左足はお母さん、そして南條中将の働きで再生医療を受けれる事になったから。」

真木班長「つまり、なんだい?アタシはまた戦術機に乗れるのかい?衛士に戻れるのかい?」
真木舞香「それは再生して、再び適性検査を受けないと分からないけど希望はあるわ。」

それを聞いた奈美は喜び、真木に飛びつく
奈美准尉「良かった。良かったです。ずうっと、苦しんでいた真木さんを見てたので、、、
それに九州の事も。。」
あまり多くの事はみんなの前では言えないが真木に抱きつき感極まって咽び泣く奈美。

亜美戦隊長「それは、いいですね。うれしいです真木さん。また共に戦えるのであればそれは大歓迎です。」
とほほ笑む。

真木班長「あぁ...アタシはまた戦えるんだな...嬉しい。嬉しいよ!」

真木舞香「娘を戦場へ出すのは心苦しくないと言えば嘘になるわ、でも貴方が決めたのを否定したくない。
それに貴方が衛士になる為に家出をしたのを聞いたのは暫く後でした。

母親として背中を押す事は当時出来なかったけど、改めて母親として背中を押させて頂戴。」

良かったと思いつつも奈美はさらに言う。
奈美准尉「あの、差し出がまし事ですが、、、できればお父様ともよく話して、家族全員で仲良くされてくださいね。
後悔が残る事は多々ありますので、私は両親に恩返しが出来なくて、、、真木さんには両親が健在ですので。。」
と悲しそうに言う。

真木班長「そう、だね...親父も話してみるよ。」

真木安枝「正直、考えを改めるとは思えないけどね...。」

真木舞香「あの人にはお灸を据えておいたわ。でも、遠くない内に家族内で話し合わないとね。」

奈美准尉「差し出がまし事を言って申し訳ありませんでした。
家族皆で仲良くできればいいですね。」
と再び亜美の後ろに控える。

亜美戦隊長「では、上月中尉。我が戦隊にようこそ、正式に私の権限で、真木整備班長の副官として、
戦隊と斯衛との連絡将校として入隊を認めます。宜しくお願い致します。真木さんを支えてあげてください。」
と通達する。

上月副官「勿論です。お任せください!」


真木舞香「話もまとまったし、私たちは帰るわね。沙奈江、頑張りなさい。」


真木安枝「姉さんごめんなさい。それでね、家に帰ってくるのを待ってるから。」

姉妹は良かったと思い。
亜美戦隊長「では正門までお見送りいたしますよ。奈美、一緒に行きましょう。」
にっこりし、奈美も答える。
奈美准尉「もちろんですよ。真木さん一緒に見送りましょうよ。」
と言う。

橘副官「では、上月副官は手続きや個室の手配と基地の案内を行っておきますね。」

亜美戦隊長「紫音、任せるわ。」

そして、別れの時。戦隊基地正門にて。
亜美戦隊長「真木舞香中佐殿、安枝殿この度は有難うございました。沙奈江さんは我が戦隊に必要な人材。
実家に戻らせる時は必ずや生かせて帰らせますので、その時まで我が戦隊で預からせて頂きます。(敬礼)。」

奈美准尉「お元気でお二人とも。家族で仲良く過ごされてくださいね。」

真木班長「お袋、安枝。また会えてアタシは嬉しいよ。うんいつか、必ず実家に帰るよ。約束する。」

そんな言葉に舞香は喜ぶ。
真木舞香「えぇ!待ってるからね!」

真木安枝「姉さんも、無事でいてね。」

真木舞香と安枝は帰って行く。

亜美戦隊長「真木さん良かったですね。家族と仲が戻って。」

奈美「それに足が元に戻せるかもしれないですって。良かったです。本当に。」
と真木に二人は言う。

真木班長「あぁ!あの時の悲しみ以上に、嬉しいよ...!
あと、さ...上月が戦隊に入るとなると、アンタら姉妹の秘密はどうしようかと思うんだよ。」

亜美は一瞬考えるが。
亜美戦隊長「私は、上月副官は誠実な方だと前に斯衛基地でお会いした時に思いましたので
話しても良いと思いますが。あとでもう一度戦隊長室に来ていただいて、確認しましょう。」

奈美准尉「あの方はとても誠実な方と私も思います。それに真木さんの副官ですよね。
信用できる方だと思います。」
と二人は答える。

真木はそれを聞き少し悩んだ後答える。
真木班長「うん...。戦隊長室で話そうか。頼むわ。」

悩んだ真木の表情を見て、どうしたもんかと亜美は思ったが、確認すべきと思い、携帯端末で橘副官に連絡し、
上月副官を再度戦隊長室へ来てもらうように手配する。
そして真木と一緒に亜美と奈美も戦隊長室へ戻り上月副官を待つ。

橘副官に連れられて、上月は戦隊長室へ再び戻ってきた。
上月副官「失礼します!どうされたんですか?」

真木班長「あぁこれから戦隊でやって行くにあたってね、アンタに話さなきゃらならないかもと思ってね...。」
真木はそう言いながら姉妹を見る。

その視線を受けて戦隊長室の執務室に座っている亜美が真木の代わりに上月副官に話す。
(橘副官は上月副官の隣に、奈美は亜美の後ろにいる)
亜美戦隊長「、、、上月中尉、私達姉妹は貴官を信用信頼して話しますが。
まずは私が真木さんをスカウトに行った時の事を覚えてますか?
私の事をどう思ったかまずは率直な話を聞きたいです。」

そんな事を聞かれて困惑する。
上月副官(なんでそんな事を?その時に彼女に何かあったのか?いや、とにかくその時に思った事を話してみよう。)
上月副官「少なくとも悪い気はしませんでした。
っとすみません、戦隊長。貴方にお礼を言ってませんでした。
大尉を救って頂きありがとうございました。」
そう言ってお辞儀をする。

そんな、誠実な上月副官を好ましく思う姉妹。姉妹で目配せし奈美は優しそうに上月副官へ視線を向けて微笑む。
そして亜美は。
亜美戦隊長「恐縮です。、、、いえ真木さんは私達姉妹が助けたいと思える方だったので。
だから九州でも、姫路でも私達はそのように行動しました。
上月中尉は自身がなぜ意識が戻ったと思いますか。
そこに関連した事を斯衛の貴官に話していいのか、その為にお聞きしています。」
と答える。
亜美は上月副官が知らない九州の事を混ぜて話した。上月副官はどう思うか、少しずつ彼を引き込んで良いのか話していく。

それを聞いた上月は、答える。
上月副官「なるほど、ならば無理して話さなくて大丈夫です。
戦隊長、貴方は無理して自分達の秘密を話さなくても良いんですよ?それに、私は新参者です。
まずは私の働きと人となりをちゃんで見てから話して下さい。」
そう諭した。

それを聞いた亜美は
亜美戦隊長「解りました。では一旦保留にします。
ですが私達姉妹は解っています。貴官が誠実な方であることは。
それでもここまで確認したのは、貴官が斯衛軍所属であるからです。
私達姉妹は、、、非常に危うい立場にあることだけ覚えておいてください。

また今度、この件についてはお声がけしますので。
真木さんもそれでいいですかね。」
と答える。

真木班長「そうだね、これは少し時間を掛けるべきだよ。上月、改めて宜しくな。」
上月副官「もちろんですとも、また共に働けて私は嬉しいです。」

亜美戦隊長「急にすみませんでした。今日はもう橘副官に案内させますので、
自室で自由にしていただいて構いませんよ。
明日から真木さんの補佐と整備班の事を宜しくお願い致します。」
と立ち上がり答える。

上月副官「ハッ!これから宜しくお願いします!
それでは失礼します。」

上月は橘に案内され戦隊長室から出て行った。
真木班長「ったく、相変わらずの誠実さだね...下手を打ってアタシは、アイツと今生の別れを喧嘩別れにした所だった...。
本当、アタシって奴は馬鹿だな。」
ため息混じりに自虐を言う真木。

それを優しく労わる奈美。
奈美准尉「そんなこと無いです。真木さんの今までの結果が今につながっているのです。だから
そんなこと言わないください。大丈夫です。真木さんと上月さんは二人で手を取り合って行けるのです。

私とゴーストさんと同じですよ。これからも喧嘩することがあっても、それでも話し合って笑いあって前に進めるのですよ。」
と、何か謎めいた事を言う。

亜美も頷いて
亜美戦隊長「そうですよ。大丈夫です。これは私達姉妹の勘ですが。お二人は一緒に居るべきです。
と、私達の事はしばらく見てもらう事も兼ねて一旦保留ですが、話しても良いと私達は思います。
しかし、もし私達が戦場に出て万が一何かあった場合は、、

真木さんから少しでも構いません。話してもらっても構いませんからね。
押し付けるような形になって申し訳ありませんがその時はお願いします。」
と、亜美も何か覚悟している顔をする。

真木はそれを聞いて怪訝な顔になる。
真木班長「それは一体どう言う...。とにかく、アタシはこれからも上月と共に、頑張っていくさ。」

亜美戦隊長「はい、宜しくお願い致します。」
と短く答える亜美。
この後、何か大きな戦いの予感をさせる亜美の言葉に真木は
やれることを上月と全力でやろうと思ったのであった。


END