第零独立強襲戦隊興亡記~本編2-3:佐渡島防衛戦後編~

 

戦隊基地に戻った後日。
戦隊長室に集まった真木少佐と上月副官そして菊間整備兵と亜美戦隊長と橘副官。

亜美戦隊長「では、菊間整備兵話を頼む。」



菊間はニコニコしながら話始める。
菊間整備兵「はい、どこから話したものか...とりあえず今回の件についてから。
私の飼い主である斑鳩家当主 斑鳩崇継様と南條中将殿が話し合いをしましてね。

戦隊が斑鳩家の息のかかる部隊を始めとした斯衛軍の作戦の協力と対米防諜の構築などの条件の代わりに
武御雷の提供となりました。」

真木大尉「まさか武御雷を頂けるなんてね...素直に喜んだ方が良いんだけど、なんかな...。」



そう聞いた菊間は。
菊間整備兵「戦術機は使う為にあります。そんなに気にしないでください。」

上月副官「そうですよ大尉。その分、戦場で活躍しましょう。」



亜美戦隊長「では、ここからは相談なのですが、真木さんと上月副官は整備班と兼任して
戦隊の戦術機部隊にも所属してもらってもいいでしょうか?

私直轄の戦隊本部小隊の3番機、4番機として。
無論、お二人は切り札かつ遊撃部隊です。私の命令ではなくお二人の思う戦闘を行ってくれて構いません。」

真木大尉「なるほど、上月。アンタはどうなんだい?」

上月副官「私ですか?私は今まで通り、大尉に付き合いますよ。
大尉の思いのままにやって下さい、副官らしくついて行きますから。

真木大尉「ったく、分かったよ。ある意味それを見越して落合を次期整備班長にしたんだからな。
っても整備班長の仕事をおろそかにする気はない、毎度は無いが戦術機部隊の所属は承諾するよ。
優先は整備班になると思うけどね。」

亜美戦隊長「もちろんです、整備班を優先にしていただいて構いません。
そのために私直轄の戦隊本部小隊で遊撃部隊なのですよ。」
と菊間整備兵を見つめる。

菊間は亜美からの視線を察知し、口を開く。
菊間整備兵「さて、恐らく盗み聞きしているであろう菅中尉と同業者同士で話して来ますよ。
戦隊長、"これから大事なお話"があるみたいですので失礼しますね。」

上月副官「なら私も席を外すべきですかね。」

そう立ちあがろうとした上月を菊間は抑えた。
菊間整備兵「いや、貴方は此処にいるべきです。それでは失礼。」
そう言って退出した。

亜美戦隊長「まったく、察しが良すぎる。さすが諜報員と言う事ですか。
まあ、念には念を入れないといけないので、彼は外しておきたかったのが本音ですが。」
とやれやれとため息をつく。

亜美戦隊長「さて、ここからは。上月副官、この前の私達姉妹の秘密についての答えを聞きたいです。
どうしますか。私と奈美としては上月副官は信頼できる戦友そしてもう一人の父親だと思ってます。

その上で隠し事はしたくないので、、話したいと思いますがこれは政治が絡むことや、
上月副官の身辺にも影響が出てくるかもしれない。だから知らなかったでも構いません。」
と話す。

上月副官「以前に話そうとした奴ですね。既に斯衛が深く関わってますので、
私が他人事と知らぬ存ぜぬとは行きませんよ...。お二人が私を信じて頂けるなら、お話して下さい。」

亜美戦隊長「有難うございます。勿論ですよ。私も奈美も上月さんは信用してますよ。
その優しい人柄。信じます。」
と一呼吸して話す。

生い立ちと、早雲家の両親との出会い、前世の記憶が有る事また壮絶な姉妹の最期、
早雲家の両親を救えなかったこと、そして今までの事を話して行く。

亜美戦隊長「と、いう事なんです。ですから私達は日本人でも人ですらもないのですよ。
しかも奈美は自分を護ることができないぐらいに弱い。その代わり色々な能力が備わっています。

特に夢見は。。。今まで外れた事がなく、今回のように変わるような事がなく両親を救えなかったことが
特に絶望して、佐渡島防衛戦ではこんな事をしてしまいました。本当に申し訳ありませんでした。」
と頭を真木と上月副官に下げる。

真木大尉「それは既に済んでる。今更ゲンコツを食らわせないから安心しな。
それで上月は全部聞いた訳だけど、どうだい?」

上月副官「なるほど...だから私は目覚めた訳ですか。
私としてはこうやってお二人とも生きて帰れましたし、何も言う事はありませんよ。
ご家族の件は、なんて言ったら良いか...。」

亜美戦隊長「有難うございます。そう言っていただけたら嬉しいです。
両親には本当に良くしてもらいました。私達を極秘に引き取ってくれて
早雲家の娘として一心に愛情を受けて、だから前世の嫌な事も克服出来ました。

ですが、奈美は、、、まだ克服できていません。
そのために菅中尉の件の時には、、真木さんにもご迷惑を。。
もし可能であれば、直接の護衛兵は奈月少尉とゴースト准尉にお願いしてますが、
少し気にかけて頂けると助かります。」

亜美戦隊長「、、、本当は私が直接護ってあげたいのですが、戦隊全員の事を守るのが戦隊長の役目。
だから奈美一人を優先することはできないので。」
とも言う。

真木大尉「だってよお父さん?」
上月副官「大尉、からかうのはやめて下さい。以前からもなるべく気にかけていましたが、
今後は更に見るようにしますよ。お任せください。」

亜美はそれを聞いてクスリと笑う。
亜美戦隊長「それを言ったら真木さんもお母さんですからね。でも、お二人はお姉さんとお兄さんかなあ。
上月さん有難うございます。そんな気はしてました。優しそうに奈美を見る上月さん。

それを見て奈美もなついている気がしますね。
あ、奈月少尉はたぶん上月さんを兄のように慕ってますね。もしかしたら好きかもしれないですよ。」
と茶化す。

上月副官「そう茶化さないで下さいよ戦隊長。
他にはありませんか?此処まで来たんです、隠し事はやめて下さい。」

亜美戦隊長「冗談はここまでにしておきますよ。
はい、もうありませんよ。隠し事は本当にありません。

今後はもし奈美が夢見を見たら、私達の秘密を知ってる方を呼んで
ちゃんと皆さんに相談しますから、お願いします。
あとは、奈月少尉の所に詫びに行かないと。」

と、扉の外にいる奈美に声をかける亜美
亜美戦隊長「いるのは解ってるわよ。入ってきていいわよ奈美。
一緒に奈月少尉の所に行きましょう。」
と言うとばつが悪そうに中に入る奈美。



奈美准尉「申し訳ありませんでした。そして今後ともよろしくお願い致します。
真木さん、上月副官さん。」
と頭を下げる。

真木大尉「勿論、謝りに行きな。奈月がどれだけ心配したことか...。
アイツ、最悪2人を庇うつもりだったみたいだからね。」

上月副官「確かに、話してくれない事を気に悩んでいましたしね。奈美じゅ...いや奈美さん。
我々は気にしてはないです、ちゃんと奈月さんに謝って下さいね?」

奈美准尉「有難うございます。はい、ちゃんと今後は話すようにします。そして謝ります。
もう誰も死なせたくないですし、私が死ぬことで悲しませたくも無いですから。。。」
亜美戦隊長「そうね、行きましょう奈美。お二人とも有難うございました。」

真木大尉「おう、終わったら顔出せよ〜。」

奈美准尉「はい、戻ってきますね。では。」
と会釈して姉妹は出ていく。

2人を見送った、真木と上月。
上月副官「大丈夫でしょうかね?」

真木大尉「心配する必要あるか?奈月だって、2人が生きて帰って来られたんだ。
それ以上を望まないだろ?アタシもゲンコツ落として、思いをぶちまけた。それで仕舞いだろ?」

上月副官「ならば、2人のために何か用意しましょうか。さて何が良いんだろうか...。」

姉妹は戦隊長室を出る。そこにはゴーストが居た。
ゴースト准尉「良かった。上月副官殿とはうまくいきそうですね。あ、自分護衛兵なので
奈月さんの部屋まではついて行きますよ。
と同行して姉妹について行く。

そして奈月の部屋に着き亜美がドアをノックする。
ゴーストは少し離れて待機している。

奈月少尉「...誰ですか?」



奈月はわざとらしくそう言い、扉の前で背を向けて寄りかかっていた。
怒っている訳でもないが、前のような無機質な興味が無いような言い方だった。

亜美戦隊長「、、、亜美よ、奈美と二人で来た。
お願い、扉を開けてくれない?話がしたい。」

奈月少尉「話、ですか...佐渡島の前では頑なに話してくれなかったくせに...今更ですか?
私の、いや私達の気持ちを不意にしたのに?」
以前の様な淡々とした言い方だが、言葉に震えがあった。

亜美戦隊長「うん、、、今更だけど。私達には未来が解っていた。
だから、、私達二人は佐渡島で終わると思っていた。両親の時もそう、、、未来は変えられなかった。

だから、、奈月達は助けたかった。それに奈月は私達をかばう事は解っていた。
だから、、、それだけは私達はさせたくなかった。
申し訳ない、私が間違っていた。これからはちゃんと相談する。今度から生きるも死ぬも一緒に、、共に進みたい。」

奈美准尉「、、、ごめんなさい、奈月お姉ちゃん。。私達は絶望していました。
夢見で外れた事はなかったので。必ずあがいても結果は同じでした。だから、、奈月お姉ちゃんは生きて欲しかった。
でもそれが間違いだと今回はっきりと解りました。お願い、もうこんな事しません。だから。。。」
と二人は項垂れる。

奈月少尉「そうなんだね。でも此処は開けられない、それは私が2人の口を割らせる事が出来なかった事、
操縦権を奪い返そうと抗わなかった事。そして...後で思ってしまったの、心の何処でね...。
仕方ないと諦めようとしていた事が私自身が許せない...!」
そう言い、全くドアを開けようとしなかった。

どうしようかと姉妹は悩む。
それを聞き耳を立てて聞いているゴースト。
ゴースト准尉「(、、、、天の岩戸は開かずか。。。ここは俺が嫌われてもいいからやるべきかな。)」

つかつかと奈月の部屋の前に行き、ドアにケリを何度かぶち込む。
ゴースト准尉「夢見に付き合った私が言う事では無いですが、奈月さん、いい加減に出てきたらどうですか。
早雲姉妹は絶望していたのですよ。変えられない未来を。そして奈月さんを大事に思っている。だから。。。

それに奈月さんが悪いわけでもない。もう自分を許していいのでは。こんなの辛すぎますよ。
俺はこれ以上家族を、戦友が悲しむのを見たいくない。それでも出てこないなら強硬突入しますよ。」

亜美と奈美が驚く、ゴーストが強硬的な事をすることは今までなかったのにこんなことをするとは。
亜美戦隊長「ちょ、ゴースト准尉、やり過ぎだ。(汗)」

奈美准尉「(ゴーストさん、まさか。。)駄目、ゴーストさんが悪者になっちゃいます。止めてください。」
ゴースト准尉「(だからだよ、俺も奈月さんをハブにした。その償いはしないと。)」

止めようとする姉妹。
だが、ゴーストは拳銃を取り出し、部屋のドア開閉パネルに向けて数発発砲し、無理やりドアをこじ開ける。

あっけにとられる姉妹。
銃声を聞いて女性衛兵が駆けつける。
さすがにまずいと思い亜美が事情を説明してとりあえず下がってもらう。

扉が開いた瞬間、発砲音が聞こえゴーストが持つ拳銃が叩き落とされた。
中から奈月が咄嗟に拳銃を引き抜き発砲したのであった。

奈月少尉「ゴーストさん、私が開けなかったのが悪いですけど...やり方は他になかったんですか?」
拳銃を構えながら奈月は自身の怒りよりも、ゴーストへの呆れが出ていた。

拳銃を叩き落とされて拳銃を向けられたゴーストは
ゴースト准尉「自分には学がありません、これしか考え付きませんでした。
奈月さん、貴方は早雲姉妹と姉妹なんでしょう。好きなんでしょう?そして護衛兵なんでしょう?それならなんで
機体から降りてでもついてこなかったのですか、共謀した私が言えた義理では無いですが、、、

話し合わないといけないのはあなたも一緒です。そして恨むのなら、自分でなく私を恨みなさい。そして撃ちなさい。」
と拳銃の銃口をゴースト自身のこめかみにピッタリと付ける。

ゴースト准尉「、、、俺にはもう家族がいない、でもまだ奈月さんには早雲姉妹がいるじゃないですか。」

奈月少尉「本当、貴方も私自身も酷いし考えが付かない馬鹿だよ...分かってる。亜美さん、奈美、今度こそちゃんと話そう?」
奈月はついでとばかりにゴーストを拳銃で殴りつけたあと、ホルスターに拳銃をしまった。

いて、、っとしかめっ面をしたゴースト。
ゴースト准尉「そう、それでこそ奈月さんですよ。もうあなたは変わったのです。良く話し合ってください。
ドアを壊して申し訳ありませんでした。早雲戦隊長、とりあえず重営倉に入ってこのやらかした件の刑罰を後で受けますので。」
と敬礼して、外に出て衛兵に連れていかれる。

奈月が部屋に姉妹を入れる。
姉妹は話す。

亜美戦隊長「ごめんなさい、私は奈月の事をちゃんと考えてなかった。。。
でももうこんな事は絶対にしない。だから、、一緒にあがいてくれる?」

奈美准尉「私ももう、奈月お姉ちゃんに絶対に嘘はつきません。ちゃんと話します。
私には力は無いですけど、また護ってもらえますか。奈月お姉ちゃんをもう
一人にしないです。そして一緒に生きていきたい。」
2人は頭を床につけて謝る。これしかできないと思ったから。

奈月少尉「...本当?また置いて行ったりしない?」
そう言い2人を見つめる。置いて行かれた事が応えたのだろう。

亜美戦隊長「ええ、もうしない。もしどうにもならない時は一緒に死んでくれる?」
奈美准尉「置いて行かないですよ。それが奈月お姉ちゃんの思いでしたら。でもできれば一緒に生きていきたい。」
と姉妹は答え見つめ返す。

奈月少尉「死ぬんじゃない、絶対生き残させてみせるよ。みんなで一緒に生きよう、生きていたいよ。」
そう言って2人を抱きしめた。

亜美戦隊長「有難う、奈月。うん、みんなで一緒に生き残ろう。あがいて、あがいて絶望してもみんなと共に。」
奈美准尉「はい、解りました。みんなで生き残れるように私も頑張ります。」
と奈月を抱きしめ返す。2人は嬉し泣きをする。

亜美戦隊長「今回ばかりは救われたわ。奈月やみんなのおかげ。こんな事、今までなかった。」

奈月少尉「絶対はない事がわかって良かった...。もう離したくないです。」
そう言いながらも強くさらに抱きしめ離さない。



亜美戦隊長「うん、そうね。私も遠ざける事はしない、進も退くもいつも一緒よ。もう一人の妹、奈月。」
奈美「有難うございます。奈月お姉ちゃん。いつも一緒に居たいです。
あ、、、奈月お姉ちゃんごめんなさい、ちょと痛いです。思いは嬉しいのですが。」
と言う。

奈月は抱きしめるのをやめ、自分の涙を拭った。
奈月少尉「ごめんなさい、もう大丈夫だから。改めて亜美さん、奈美、お帰りなさい。」

亜美戦隊長「有難う、うん。奈月もお帰り。一緒に帰れてよかった。ここが私達家族の家。」
奈美准尉「はい、ただいまです。奈月お姉ちゃんも。ねえ、真木さんが奈月お姉ちゃんと話したら戻ってきて
と言ってるの。姉妹なのだから、一緒に行きましょう。」
と奈月と亜美の手を取り動き出そうとする奈美。

奈月少尉「うん、勿論一緒に行こう。」
そう言って頷き返した。

そしてそのまま3人で真木の部屋へ移動する。
亜美が真木の部屋で声をかける。
亜美戦隊長「真木さん、話し合ってきました。奈月少尉と奈美准尉と一緒に来ました。今良いですか?」

真木大尉「おう、入りな。」
3人は真木の自室へ入ると真木が出迎え、お茶を淹れていた。
真木大尉「そう言えば、仙台に移っていたアタシの実家から今じゃ貴重な天然の緑茶葉と菓子を貰ってね。
せっかくだから出そうかと思ってよ。座りな。」

3人は真木に言われて座る。
亜美戦隊長「恐縮です。有難うございます。」
奈美准尉「有難うございます。天然とはすごいですね。
母が作っていたあの癖のあるお茶っぱも天然でしたけど。今もまだあるのはすごいです。」

奈月少尉「天然物ですか...まさか今になって口にできるなんて...」
真木は3人の前にお茶が入った湯呑みと、お茶請けに合成羊羹を出した。
真木大尉「すまんね、お茶請けも天然物があれば良かったんだけど。まぁ気にせずおあがり。」

亜美戦隊長「大丈夫ですよ。十分においしいです。ホッとできる良いお茶に、おいしい羊羹。」
奈美准尉「おいしい、さすが真木さんの実家ですね。こんなおいしいのがあるなんて。」

奈月は無言で食べ勧めていた。
そんな3人をニコニコしながら見つめ、いつもの様にタバコを吸い始める真木。
真木大尉「そうだろうそうだろう。遠慮は要らんから食べてくれよ?」

無言で食べている奈月を心配して奈美はにゅっと自分の羊羹を少し切って差し出す。
奈美准尉「はい、奈月お姉ちゃん。あーんしてください。」

奈月少尉「な、奈美。それは...わ、わかったよ...。」
恥ずかしそうにそれを食べる奈月。

奈月少尉「うん、美味しいね。」
頬を赤ながら答える。

その表情を見てほっとして奈月に話しかける。
奈美准尉「、、、奈月お姉ちゃん何か思ってることありますよね?
良かったら話してもらえないですか。私にできることないですか。」
と言う。

奈月はそれに首を傾げる。
奈月少尉「え?確かに思っている事はあるけど、どれの事?心当たりがありすぎて分からないんだよね...。」

奈美准尉「いえ、今無言で食べていたので。。。心の声は聞こえてませんが、
何か思うことがありそうな表情をされていたので。思い過ごしでしたらごめんなさい。」
と不安になってしまう奈美。

奈月少尉「あぁ、単に美味しい物を食べると無心で食べ進めるみたいなの。
思う所か...コレのお茶会?が今後も変わらず続けば良いなとは思ったかな。」
そう和かに奈月は言う。

奈美准尉「あ、そういうことだったのですね。それはそうですね。今後もしたいですね。」
と優しく微笑む。

それを見た亜美は。
亜美戦隊長「奈月は私にはくれないのかな?」
と茶化す。

奈月は微笑み返すと、亜美の方を向き。
奈月少尉「え?もうなくなってしまいましたよ〜、言うのが遅いです亜美姉さん。」
そう言って意地悪そうな笑顔を向けた。

亜美戦隊長「えー、そんな。」
とがっかりしたふりをしてから

亜美戦隊長「じゃあ、奈月にもあーんしてもらおうかな。」
と亜美も奈美と同じようににゅっと自分の羊羹を少し切って差し出す。

奈月少尉「あ、ありがとう亜美姉さん。」
そう言って奈月は亜美が差し出した羊羹を食べた。

奈月少尉「美味しい...そう言えば、上月さんは何処に?」

そう聞かれ、真木は答える。
真木大尉「そう言えば遅いね...、どうしたんだってやっと来たか。」

丁度ドアがノックされ、上月が入ってきた。
上月副官「大尉、お待たせしましたって、もう初めてたんですか!しかもお茶菓子が合成羊羹...。
確かにコレも良いですけど、せっかくの天然物なんですからお茶請けも良い奴を持って来たのに。」
そう言って出したのは、煎餅だった。

真木大尉「煎餅って...アンタね、女子4人いるのに甘味じゃないのは...まさか天然物だって言わないよな?」

上月は和かに答える。
上月副官「そのまさかですよ。どうやら正宗様が何処からか仕入れた天然物煎餅を舞香様から頂いたんですよ。」

奈美准尉「真木さんのお父さん、少しは思うところあったのではないのでしょうか。
真木さん、余計なお世話ですが今度ちゃんと話あってくださいね。
もし、心細ければ私もお供しますよ。」

亜美戦隊長「まあまあ、いつも紫音もお茶うけに合成煎餅出したりしてますし、いいと思いますよ。
お父様、不器用なのですよ。たぶん。真木さんの事気にしてくれてますよ。」

真木大尉「...話だけど、口から出たのは国と家の為ばかりだったよ。期待して損したさ。」
視線を外しそう言う真木。
上月副官「まぁまぁ、お父様だって無下に扱ってはないんですから...。」

悲しそうな顔をして奈美が真木に抱き着く。
奈美准尉「本音が言えてないだけかもしれませんよ。今回のお煎餅の件はたぶん不器用ながら
考えた結果かもしれません。私はもうお父さんに何も言うことができません。
でも真木さんはまだ言えますし、聞けます。お願いです。私で良ければ助けになるのであれば、、、
一緒に行きますので。。。」
と、言い過ぎたと感じて項垂れて奈月の横に座りなおす。

真木大尉「あぁ、機会があればアタシの実家位連れて行くよ。アタシにとっては何をしても、
アタシを見てくれなかった最低な親には変わりないよ。」
奈美准尉「解りました。その時は宜しくお願い致します。」

暗くなりかけたので、亜美は察して話す。
亜美戦隊長「さて、すみません今回は私たちはこれでお開きで。有難うございました。お茶も羊羹も煎餅もおいしかったですよ。
申し訳ない、南條中将や三芳中将にも謝罪しにいかないと。色々裏で動いて頂いたので。
奈美、一緒に行こう?」
奈美准尉「はい、もちろんです、行きます。」

真木大尉「そうかい、ちゃんと頭下げるんだぞ。」
奈月少尉「2人とも大丈夫だと思うけど、変なことにならない様祈ってるから。」
上月副官「御二方、お気を付けて。」

亜美戦隊長「はい、有難うございます。そうしまね。」
奈美准尉「はい、もちろんです。感謝と謝罪をしてきますね。」
と二人は会釈して退出する。

二人は移動して南條中将の基地へ。
衛兵に事情を話して面会を依頼する。

衛兵が連絡し、直接来てよいとのことだったので姉妹は
南條中将の執務室へ行く。
扉をノックして亜美が伝える。
亜美戦隊長「南條中将、亜美大尉と奈美准尉です。申し訳ありません。
お話がしたいので来ました。よろしいでしょうか。」

南條中将「いらっしゃい2人とも。
別に構わないが、改まってどうしたんだい?」
微笑んだ表情で2人を南條は出迎えた。
そこにはむっつり顔をした三芳中将がソファーに腰を掛けていた。

亜美がまずは話す。
亜美戦隊長「この度の佐渡島防衛戦の件、大変申し訳ありませんでした。
南條叔父様や三芳叔父様達や皆さんのおかげで生きて帰ってくることができました。
奈美の夢見は今まで外れたことはありませんでした。私たちは絶望してました。

皆さんには生きて欲しかった。だからこんなことをしてしまいました。
でもこれからはちゃんと皆さんと相談して一緒に生きていきたいです。
ごめんなさい、こんな私たちを許してください。私たちは不出来な娘です。ですが、もう一度チャンスをください。」

奈美准尉「どうしても、皆さんを護りたかったのです。でもそれは間違っていました。
一緒に考えてみんなで生きる事をして行きたいです。申し訳ありませんでした。
次からはちゃんと夢見を見たら相談させてください。何ができるか、変えられるか、解りませんが変えたいです。」
と二人は言う。

南條中将「ふむ...頑なにこちらの事を聞き入れなかったから、色々奔走する羽目になったし
多方面に作っていた貸しがほぼ無くなったよ。それで2人を救えたなら、安いもんさ。
私は許してはいるが...。そこの叔父さんはどうだろうね〜。なぁ、隆文?」
ニヤニヤしながら三芳を見る南條。



亜美戦隊長「南條叔父様、、、いろいろ有難うございました。本当に助かりました。この埋め合わせは
私にできることがあれば何でもします。言ってください。」
泣きそうになりながら話す奈美。
奈美准尉「三芳叔父様、、ごめんなさい。お願いです。許してください。。。」

それに対して腕組して怒りマークがおでこに見える感じで立ち上がりがなりたてる。
三芳中将「、、、この、大バカ者。みんな心配していたんだぞ。うちの家内も卒倒しかけてた。
みんな君たち素敵な姉妹が大好きなんだ。ちゃんとそこを考えなさい。掛け替えのない、晴輝と亜紀さんの娘たちよ。
私たちにとって目に入れても痛くない可愛い素敵な娘と思える二人なんだぞ。結婚して孫が生まれるまで
見届けたいのだぞ。そこを解ってくれ。」
と二人を抱きしめる。



二人はそれに泣きながら答える。
亜美、奈美「ごめんなさい。三芳叔父様。私たちが解っていませんでした。
みんなで生きていきたいです。」

三芳中将「そうか、解ってくれたならいい。もうこんな事しないでくれ。
で、恭次郎、今回の件二人に処罰を下すのか?」

南條中将「うん?処罰って?別に軍に被害は出てないし、戦隊内の問題だからね。
それに、どうやら真木大尉に絞られたみたいだから私としては特に処罰は必要ないんじゃないか?」
そんなことを言いながら、椅子に腰掛け足を組んだ。

三芳中将「そうか、、それは良かった。しかし姉妹に甘いんじゃないかw」
と茶化す。

南條中将「理由無く処罰は出来んよ。なら秘密含めて罰するかい?頭が逝かれたのかと笑い者にされるよ。」

三芳中将「そうだな、これでいいんだよな。」
と姉妹の頭をなでる。

亜美戦隊長「有難うございます。所で、一つ相談があるのですが聞いていただけますか。。。」
と奈美と目くばせして南條と三芳に話をふる。

南條中将「相談事ね、聞こうか。」

亜美戦隊長「実は、今回の件で謝罪周りを行っていたのですが、、、弥栄少尉の個室に
行ったのですが、どうしても開けて話をしてくれなくて。。。
護衛兵だったゴースト准尉が見かねて拳銃で発砲し無理やりドアの開閉ボタンをぶち抜き
開けてしまいました。ゴースト准尉は私達姉妹と弥栄少尉の事を思ってやってくれたのですが。
本人はとりあえず重営倉に自ら入りました。この件については私達姉妹が悪いです。
彼に処分を下すなら私達姉妹にその処分をお願いします。」

奈美准尉「亜美姉さんの仰る通りです。悪いのは私達です。何をすれば奈月お姉ちゃんと
話せるかできなくて、その代わりをしてくれたのです。だからお願いです。
処分は私達にお願いします。」
と二人で頭を下げる。

南條中将「うーむ...また変なことを起こしたもんだな。処罰か、故意による器物破損だから本人に減俸と厳重注意だろうな。
やった本人が受けなければ処罰の意味はないと思うが?」

亜美戦隊長「そうなのですが、そのおかげで弥栄少尉とちゃんと話ができました。彼には感謝しかありません。
ですので、今回は処罰を受けるとするなら私でお願いしたいです。」

南條中将「確かにそうかもしれんが、やったのはゴースト准尉だ。それはテコでも曲げるつもりはないよ。」

亜美戦隊長「、、、そうですよね。やった事には責任を取らせないと行けないですよね。
解りました。では、私たちはそのフォローはします。それは許していただけますよね?」

奈美准尉「、、、差し入れとかしてもいいですよね?それぐらいは構いませんよね。
ダメと言われるなら、私も重営倉に入りますよ。だって、同じ警戒型不知火のバックアップ要員ですから。」
と言う。(こういったところは二人とも晴輝達と似て頑固である。)

南條はため息を吐くと答える。
南條中将「全く...良いだろう、差し入れてやりなさい。フォローも任せる。」


亜美戦隊長「有難うございます。そして申し訳ありません。通達は私から行っておいてよろしいでしょうか。」

南條中将「構わんよ、こちらは基地に行けない程度に色々忙しくてな。もしかしたら戦隊の基地を移動するかもしれん。」

亜美戦隊長「承知しました。そうですか、基地の移動ですか。それについても速やかに移動できるように
できることは早めに対応しておきます。承知致しました。」

話がついたと思ったところで、三芳中将が話す。
三芳中将「今日、恭次郎に話が有って来たのだが、ちょうど二人もいることだから話しておく。
アメリカ軍は日米安保を放棄して撤退した。今後はおそらく支援のあてはないかもしれん。
ただ国連軍が絡むと介入してくるかもしれんが、、、
もう1点だが、今回の佐渡島防衛戦の前の戦隊の演習内容を嗅ぎつけた過激な部隊の一派が
今後なにやらきな臭いことを行おうとしている。帝都守備連隊がその一派だ。
どうも姉妹を取り込もうと画策してるやもしれん、最悪、奈美准尉を人質に
取られるようなこともあり得るかもしれん。注意してくれ。恭次郎、解ってはいると思うが頼むぞ。」
と伝える。

南條中将「帝都守備連隊の一派ね...。佐渡島前の臨時異動がてら少しは潰したつもりだったんだけど、
やっぱり大々的にやるべきか...いや暫く泳がせて集まらせるかな...」
などと裏工作的な思考になっていた。

亜美戦隊長「承知しました。菅中尉達と相談して警戒しておきます。
ではこの度は有難うございました。失礼します。(敬礼」
と言って姉妹は退出する。

こうして姉妹は戦隊の基地に戻った。
そして重営倉で反省?しているゴースト准尉に処罰を伝える。
亜美戦隊長「済まなかった。ゴースト准尉が行動してくれたから奈月少尉にも話せた。
処罰でフォローできることはこちらでもやるから、耐えてくれ。」

奈美准尉「ごめんなさい、ゴーストさんそして有難うございます。
しばらく営倉で謹慎はキツイかと思いますが差し入れはしますので。」
と二人は恐縮して言う。

ゴースト准尉「いや、大丈夫ですよ。奈月少尉とまた元に戻れてよかったです。
これで良かったのですよ。」
と言う。

 


そしてそのあと、亜美が戦隊長室に戻ると、丸芽達工兵部隊が居た。
丸芽特務大尉「何をやってるんですか皆さん……特に戦隊長、困りますねえ。
我々がどうしようもない場所で自殺行為をするならせめて情報をください。
我々を置いて勝手に湊川の決戦に出ていくのはやめていただきたい。」



畑中副官「今回ばかりは隊長に全面同意です。あなたが家族とまで言い切った仲間を置いて行くのは

自己矛盾もいいところですよ。」


亜美は申し訳ない思いでしゅんとしている。
亜美戦隊長「申し訳ない、、私達にはいろいろ言えない事が有って、丸芽さんたちを巻き込みたくなかった。
だから、別任務を命令した。」
と素直に頭を下げて答えた。

丸芽特務大尉「戦隊長達が生きて帰ってきてよかったです。死んだら我々は本当にどうしようもありませんからね丸」

亜美はありがたいと思い答える。
亜美戦隊長「有難うございます。今後はちゃんとお話しします。ですから今後とも宜しくお願い致します。」

こうして佐渡島防衛戦における話は終わる。戦隊としてはみんなの思いは1つになったが
アメリカ軍や日本帝国軍の内部の動き、そしてBETAの侵攻も止められてはおらず
苦しい戦いが続くのであった。
END

整備ハンガーにて。
いつのニヤソな顔をして奈美を抱きしめて頬ずりしてる。

西大尉「奈美ちゃーん。私今回すご〜く、頑張ったんだから癒してよ♥。」



周りの整備兵はまたかこのポンコツ芋男爵と思いながら整備をしている。

 

周りの整備兵達の視線と思いと武子の行動に
奈美准尉「は、恥ずかしいです。

、、、それはもちろんそうですが、私で良いのでしょうか?」
と赤くなり恥ずかしながら困った顔をしている。



ゴースト准尉「(あーあ、仕方ないか。でもあげないから)。」

 

とかなんとか思っていると、、


綾子がやってきてドロップキックをぶちかまして四方固めをして言う。
東野中尉「だからあれほど、このロリコン女男爵。

お望みでしたら絞め落としてあげましょう。(# ゚Д゚)(# ゚Д゚)(# ゚Д゚)」
と怒っている。

西大尉「いたたた。悪かったよー、コケー(Σ(゚Д゚;≡;゚д゚) 」
と気持ちよさそうに?悶絶して落ちたとかw。

 

真木班長「まーたやってんのかあの2人、藤田と槙村の事は言えないなあのコントコンビ。」

 

 奈月少尉「ですね。素直に尊敬できませんよ...。」

 

と皆にあきれられている武子であったw

 

 

第零独立強襲戦隊興亡記~本編2-2:佐渡島防衛戦中編~

 

南條は佐渡島にBETAの侵攻ありとの報告を受け直様空挺部隊を派遣しようとするが、凶報が飛び込む。

通信兵「中将!本土西側のBETA群が侵攻を開始!空挺部隊を含めた人員をそちらにとの連絡が!」

南條中将「な...クッ、直ぐに派遣すると伝えるんだ。」



通信兵「了解しました!」

七瀬秘書官「中将...。」

南條中将「奈美ちゃんの夢見が当たったか...。このままでは2人は...。(真木大尉頼む、姉妹を助けてくれ...。)」

そして戦隊基地へ場所は変わる。
亜美は事前に即応態勢で戦隊麾下の全部隊に出撃準備命令を出していた。
亜美戦隊長「、、、やはりそうなったか。小さい頃から奈美の夢見は外れた事が無い。
でもそれでも最期まであがいて見せる。」
と、佐渡島の司令部と連携を取り、帝国海軍以外は支援部隊はない事を聞き、戦隊をすぐに支援で送ると伝え、
動き出す。



亜美戦隊長「戦術機部隊に即時全力出撃命令、空挺輸送機隊にも予備機を含めて全機出してほしいと伝えてくれる?
予備機には詰めるだけ武装と弾薬を積んでこのαポイントに投下してと話しておいて。」
と橘副官伝える。

橘副官「かしこまりました。やれるだけの事はやりましょう。駄目なら、、その時はお供しますよ。」



亜美戦隊長「うん、有難う紫音。では逝きますか。」
と整備ハンガーへ向かう。

 

橘副官より戦隊長命令を受け新潟に移動する丸芽達。
丸芽特務大尉「やっぱりこうなった、防衛陣地前に地雷原の敷設だとさ。」


畑中副官「敷設数が敷設地点数と合っていないようですが。」


丸芽特務大尉「波打ち際には三枚重ねて埋めてるんだ。どうせ先陣切って突っ込んでくる連中は硬いんだから。」
畑中副官「そうですか、追加供給の要請を出しておきますね。」


丸芽特務大尉「ありがとう。計画表も一緒に提出しないとな。」


秋村特務少尉「補給拠点から連絡ありました。追加の補給トレーラー、回せるそうです。

対BETA地雷の設置分はこれで現場へ確保できます。」


丸芽特務大尉「ありがとう秋村。畑中、申請事由書はできたか。」
畑中副官「はい。」
丸芽特務大尉「ありがとう、京都仕込みの陣地構築をやってやろうじゃないか。」

ある程打ち合わせをした後に答える畑中。
畑中副官「しかし、見事に我々は戦隊と切り離されましたね。戦隊長達はどうするのでしょうか。」

ムスッとしながら答える丸芽。
丸芽特務大尉「死にたいなら何度でもあの話を擦って皮肉を言ってやるさ、それまでは勝手にしてもらおう。」
丸芽は姉妹たちの覚悟を思いつつも納得がいかないのでこう答える。

そして戦隊基地に場所は戻り整備ハンガーにて訓示を行う。
亜美戦隊長「今更言う事は何もない、訓練以上の行動を頼むわ。そして民間人も仲間も護って行く、これは絶対です。」
戦隊戦術機衛士全員「了解。」
亜美戦隊長「では、全員戦術機に搭乗して輸送機に乗り込め。」
と全員が散って戦術機に乗り込む。

その中で亜美と奈美が落合整備兵(班長代理)に近づいて話しかける。
落合代理「どうしましたか?機体に何か不調でもありましたかね?」
そう不安そうに落合は2人をみる。



亜美戦隊長「そんなことないわ。真木さんの休暇中に無理させてごめんね。
お願いがあるの、真木さんが戻ってきたら、これを渡しておいて、私達が不在の間のお願い事項が書かれているので。」

奈美「これがそれになります。お願いしますね。あ、必ず渡してくださいね。お願いします。」
となぜか奈美が良くわからないことを言う。
(手紙には嘘をついて申し訳ない、どうしても真木さん達には生きてほしいとか、今まで有難うございました。と書かれている。
あとの事は真木さんのしたいように行動してくださいと)

落合は素直に受け取り、敬礼をした。
落合代理「はい、確かに受け取りました。
お二人ともご武運と無事の帰還を祈ってます。」
亜美はそれに答礼をして返し、奈美は深々と頭を下げて機体に乗り込む。

陽炎に乗り込もうとした奈月はその光景を見ていた。
奈月少尉「...大丈夫、私が死なせないから。」



砂原整備兵「ん?どうしたんだ奈月ちゃん、準備は万全だぜ?」
奈月少尉「いえ、行って来ます。」
砂原整備兵「応よ!」

こうして戦隊全機が輸送機に搭載されて出撃準備が整った。
葉吹大尉「空挺輸送機部隊準備完了。1番機から順に出撃するわよ。
2番機、3番機以降続きなさい。」
と葉吹は藤田たちに檄を飛ばす。



藤田中尉「応よ!2番機続くぜ!」


槙村中尉「あのな藤田!編隊飛行なんだから曲芸するなよ!3番機、続きます!」
こうして、亜美達第独立強襲戦隊は初の戦隊全力出撃で佐渡島へ向かった。


その後の戦隊での整備ハンガーでの様子。

斯衛軍病院から帰って来た真木・上月・司は既に出撃した事を知った。
真木大尉「一足遅かったか...上月。アタシ達の機体は?」


上月副官「今、菊間さん達が輸送してます。少し時間は掛かりますが。」



真木大尉「構わないさ。落合、アタシのいない間良く班長代理を務めてくれたね。ありがとう。」
落合は和かな顔になり答える。
落合代理「いえ、班長代理を無事全うできてよかったです。そうだ、戦隊長からお手紙を預かってます。」
真木は落合から手紙を受け取り、中を拝見する。

司軍医長「なになに、亜美ちゃんなんって言ってるの?」
とのぞき込む。



真木は手紙を読終えると、直様破り捨てた。
真木大尉「...けるな。ふざけんなっ!ここまでアタシ達を率いて来て、守る部隊を作るなんて言って、
これじゃあ自己犠牲の為にアタシ達を切ったって事じゃないか...!。
姉妹がいたからアタシ達はこうしてついて来ているってのに...。」

落合代理「班長...。」

上月副官「彼女達が我々のことを大事に思っていたのは分かります。ですが、これでは余りにも彼女達が不憫です。
大尉、私は必ず2人を連れて此処に戻りたいです。彼女達が犠牲になって、我々が幸せに生きられる訳がありません。」
上月は珍しく顔を強張らせて言った。真木も同じ顔をする。

真木大尉「当たり前だ。大事なら遠くに置かず、近くで共にいるのが1番だよ。あの我儘姉妹をキッチリ助けるよっ!落合!。」
落合代理「はい!」

真木大尉「今直ぐ機体調整の準備だ!もうそろそろ菊間がアタシ達の機体を持ってくる、その機体の調整の為に人員をかき集めな!。」
落合代理「了解!私も、あの2人が帰って来ないのは嫌ですから...急いで準備します!。」

それを聞いた司が駆け寄ってくる。
司軍医長「沙奈江ちゃん、ちゃんと2人を連れて帰ってきてね。待ってるよ。
さて、私にできることを準備しておくか。」
とグビッと一升瓶を開けて呑んで看護兵たちに指示を出す。

真木大尉「勿論だ、明日香はベッドの準備をしておいてくれ。急患になるからよ。」

そこへちょうどよく、菊間ともう1人が武御雷を載せたトレーラーが着く。
菊間整備兵「姉御、お待たせしました。機体自体はアッチで調整したとはいえ、最終調整は必要です。」

真木大尉「分かってるさ。今落合が人員を集めている。」

菊間整備兵「勿論、私も手伝いますよ。」

真木大尉「当たり前だろ、なんたってウチの整備兵だからな!」

菊間整備兵「姉御...了解です。」

上月副官「大尉、我々も準備を。」

真木大尉「あぁ、久しぶりに強化装備を着ようか。」

ちょうど最終調整を行っていた頃、空挺輸送機部隊が帰還してくる。
葉吹大尉が報告と戦術機整備班との連携のため、整備ハンガーによる。

葉吹大尉「あら?真木整備班長、お疲れ様でわ。長期休暇のはずでは?
とりあえず輸送機部隊はてはず通り3機は追加で武装と弾薬の為にもう一度行く準備は念のために手配していますの。
戦隊長の話だと帰りは南條中将が事前に手配した戦術機母艦で帰ってくるとの事でしたわ。」

強化装備に着替えた真木と上月は、葉吹に近づいた。
真木大尉「葉吹!単刀直入に言う、アタシと上月の戦術機を載せて佐渡島まで行ってくれ。」
上月副官「結論から言うと、早雲姉妹は佐渡島で死ぬ気です。生きて帰るつもりもない様です。」

それを聞いた葉吹は驚く。。
葉吹大尉「え?そんなこと聞いてませんわ。なんで、あの姉妹は。。
もう。。だから私達も退避させたのね。おかしいと思ったのよ。帰りは不要と。
解りましたわ。準備いたします。しかし、武御雷?不知火と違うから少し格納が難しいから
待ってくださる?、すぐに調整するわ。できれば整備班からも人手を貸してもらえるかしら。」

そして携帯端末で輸送機格納庫にいる藤田と槙村に話す。
葉吹大尉「藤田中尉、槙村中尉宜しくて、もう一度輸送機で真木大尉と上月副官を運ぶから
輸送班の整備兵に伝えて、今そっちに戦術機の整備班を応援に回すわ。機体は武御雷だから調整が必要よ。」
と連絡する。

それを聞いた槙村は驚き、逆に藤田はにやけた。
槙村中尉「な、何を!武器弾薬ならまだしも、光線級がいる戦域の中に突っ込みに行くんですか?」
藤田中尉「葉吹の姉貴、その言葉を待ってたぜ。久しぶりの光線級の中を飛べるんだ...ワクワクしてくるぜ!
戦術機の輸送は2番機にさせてくれ、俺ならレーザーを避けて降下させられるからよ!」

葉吹大尉「早雲姉妹は死ぬ気よ、そんな事させたくないわ。だから行くの。
戦術機の輸送は1番機と2番機で行います。3番機は武器弾薬の投下で変わりなし、
これで行くわよ。無理はしなくていいわ。でもできる限りなことをしましょう。」

藤田中尉「だってよ。良いんだぜ?留守番してても。」
槙村中尉「馬鹿いえ!誰が武器弾薬の投下をするんだ。勿論行く、出来る限りのことはしたいからな。」
藤田中尉「決まりだな。姉貴、早く整備兵を寄越してくれ!最悪戦術機を翼に括り付けても飛ばす羽目になるからよ。」

葉吹大尉「有難う。解ったわ。こっちの整備兵を連れて行くから準備しておいて。」
と携帯端末を切り、真木に話す。

葉吹大尉「真木整備班長、うちの航空隊の整備班だけでは短時間で斯衛の武御雷を載せるのは無理だわ。
誰か武御雷のスペック等が解る人材をよこしてください。一緒にこのまま格納庫まで連れて行きますわよ。」
と伝える。

それを聞いた菊間が割って入った。
菊間整備兵「なら私が適任でしょう。ついでにそのまま手伝いましょう。」
真木大尉「頼む。あと葉吹、今のアタシは班長呼びじゃなくていい。今の班長は代理の落合だからね。」

それを聞いた葉吹はすまなさそうに落合に言う。
葉吹大尉「ごめんなさいね。依頼する方を間違えて。落合代理。頼める?姉妹を助けたいのは私達も同じですわよ。
菊間整備兵を含めて人数をこっちにも派遣してもらえますか。」
と言う。

落合代理「勿論です!今人員を連れて来ました。皆さんは菊間さんをリーダーに輸送機の調整を!
残りは2機の武御雷の最終調整及び、手隙の人員は武器弾薬の搬入準備を!
ダラダラしている時間が惜しいです、直ぐに初めてください!」

葉吹大尉「助かりますわ。落合代理。菊間整備兵と皆さん、こっちです。一緒についてきてください。」
と落合に礼を言い、菊間たちを駆け足でアテンドする。

時間は少し戻り、佐渡島上空に亜美たち戦術機部隊は到達する。
亜美が第六警戒小隊の通信機器を中継に使って佐渡島要塞司令部へ通信を行う。
亜美戦隊長「佐渡島要塞司令部、こちら陸軍第零独立強襲戦隊のシルバーフォックス1、戦隊長の早雲大尉です。
これより空挺降下し支援を行う。
平野部中心地点より戦闘を開始する。そのまま真野湾側に展開し、押し返す形で良いか?」

佐渡島要塞司令部「支援部隊?ありがたい。その展開で構わない、こちらの戦術機部隊はほとんど壊滅しかけている。
光線級部隊が確認されている、注意されたし。」

亜美戦隊長「佐渡島要塞司令部、了解。これより第零独立強襲戦隊は速やかに空挺降下を行い、前線を押し上げる以上。」
通信を戦隊の戦術機と空挺輸送班に切り替える。

亜美戦隊長「聞いての通りだ。シルバーフォックス1より全機これより空挺降下を行う。まずは第五砲撃小隊が先だ後退しつつ支援砲撃を。
その後戦隊本部小隊から随時全機降下、第三防衛小隊を先頭に交戦を開始。輸送機各機、光線級が確認されている、低空で降下頼みます。
予備機の弾薬、武装のコンテナは両津港前最終防衛ラインにバラまいて。」

葉吹大尉「承知したわ。七番機は両津港側に移動し、武器弾薬の投下、五番機、先に降下させて、以降順次1番機より降下させる。
準備いい?低高度で行くわよ。」
五番機輸送隊機長「了解、先に降下させる。」
予備機輸送隊機長「こちらも了解、最終防衛ラインにバラまきます。」

藤田中尉「2番機了解、だってよ3番機。低高度で激突すんじゃねぇぞ?」
槙村中尉「静かに操作しろよ...3番機了解。」

第五砲撃小隊小隊長「こちら展開完了、支援砲撃開始します。」

亜美戦隊長「了解、では降下準備。葉吹大尉、お願いします。帰りは戦術機母艦に回収してもらいますが、必要があれば
補給物資の輸送何度か宜しくお願い致します。」

葉吹大尉「了解ですわ、戦隊本部小隊から順次投下します。、、、投下開始。」
それぞれ戦隊本部小隊から第六警戒小隊まで順次投下していく。

藤田中尉「しまって行けよ!投下開始!」
槙村中尉「投下くらいは静かにしてくれ、3番機投下開始する。」

全小隊が降下を無事完了し、輸送機部隊が戦隊基地へ帰投して行く。

亜美戦隊長「第三防衛小隊を前衛として、アローフォーメーション。
左翼第一中隊、右翼第二中隊、中央は戦隊本部小隊で分けて戦闘を開始する。
各中隊展開、攻撃開始。」

平家中尉「了解、前面は僕た第三防衛小隊に任せて、必要があれば楯に使ってくれていい。」


影縫少尉「私達が、盾になるぬい。任せて。」


西大尉「了解、バロネス1よりバロネス2、第一中隊は左翼に展開、薙ぎ払え。」


東野中尉「了解、バロネス1。切り刻んでやりますよ。第一中隊前へ。」



凜大尉「ブラックキャット1よりブラックキャット2。第二中隊は機動戦でかき回す、各小隊に指示を出して。」


奈月少尉「ブラックキャット2了解。
第二中隊傾聴、本中隊は作戦通り機動戦でBETAを掻き乱します。撃破ではなく、注意を引く事を主眼に置いて。」



ゴースト准尉「こちら第六警戒小隊了解、ゴースト1、注意を引きつつ支援狙撃します。」

奈美准尉「ゴースト0より全機へ、BETAの侵攻速度が速いです。戦域情報は常に最新分を送りますので、
注意して戦闘してください。孤立すると危険です。」



奈月少尉「だそうです。第二中隊は最新情報を逐一見ながら動いて下さい。
それでは...第二中隊、狩りの時間です!」

こうして戦闘を開始したが、第六波の要塞級はそれなりに撃破できたが第7波以降の大量のBETA群により徐々に押されていく。
小型種から戦車級クラスまでが平野部に雪崩れ込んでくる。
亜美戦隊長「く、数が多すぎる。アメリカ軍も帝国陸軍もやはり支援は無理無いか。
後退しつつ、第五砲撃小隊と合流し遅滞戦闘を行い、民間人の輸送船への回収まで時間を稼ぐ。
戦隊本部小隊が最後尾、前衛は第二中隊で下がる。」
と両津港方面へ後退しつつ戦闘を継続して行く。

そのころ出撃した真木大尉達の方へ場面は移る。
葉吹大尉「こちら一番機より真木大尉へ、良いのですか?もうこの辺りはすでにBETAが入り込んでる。
シェルターが近くにあるわ。佐渡島守備隊残存の戦術機が居る。もっと両津港側の戦隊が展開してる方面が良いかもしれませんわ。
武器弾薬はどこに下ろしますか。」

真木大尉「アタシ達は構わない。なるべく前線へ向けて飛んでくれ、武器弾薬は後方の撤退方面に沿う形で頼む。
アタシ達2人だけじゃ遅滞させる事が出来て上出来だろうからね。」

上月副官「シェルターと残存部隊の状況はどうですか?場合によってはそちらの救助から先にやる必要が出ると思いますので。」

それに悲しみの顔をして答える。
葉吹大尉「すでに、、シェルター内の民間人は蹂躙されたらしいわ。今生き残りが居るか確認しているとの事ですわ。
佐渡島守備隊の残存部隊は数機残って戦っていますが、、、、ほとんど全滅したとの事。戦術機部隊に確認したところ、
こちらはほとんど機体が損害を受けてるらしいので支援が欲しいとの事。
武器弾薬は承知しましたわ。3番機、そのまま両津港方面へ順次投下して行って。」

そんな会話に槙村が間に入った。
槙村中尉「失礼大尉、どうやら悠長な事を言っている暇は無いみたいです。
シェルター内部を確認している戦術機の周りにBETAが接近しつつあるみたいだ。シェルターに武御雷を降ろす事を進言します。」

葉吹大尉「そうね、真木大尉よろしくて。ここで降下した方が良いかと。
3番機はそのまま武器弾薬を投下してから合流して。」
と指示を出す。

槙村中尉「3番機了解しました。」


真木大尉「そうだね、アタシが行こう。上月は戦隊の本隊近くへなるべく接近して降下、

支援砲で戦隊本部小隊の援護をしな。」


上月副官「了解です。葉吹大尉、お願いします。」


真木大尉「と言う訳で藤田、シェルター上空までなんとしてもアタシを送れ。墜落させたらただじゃ置かないからな!」


藤田中尉「応よ!真木の姉御!ちゃんとオレが送り届けてやるさ!」
そうして3番機は武器弾薬の投下を、1番機・2番機は散開して降下地点に向かう。

葉吹大尉「承知しました。では1番機は両津港方面へ、2番機はすぐに真木大尉殿を降下させて、光線級がかなり周りにいるわ。
注意して、ちゃんと戻ってくるのよ。」
と伝える。

シェルターにて唯一の生存者である少女を救出した佐渡島守備隊の駒木咲代子少尉は、
自身の乗る戦術機 撃震に載せ離脱しようとするもBETAに囲まれてしまう。
駒木少尉「クッ...切り抜けないと...」

少女を心配しながらも戦闘をせねばと決意する瞬間、前方にいた要撃級が上空から降り注ぐ36mm弾の雨に打たれ倒された。
駒木少尉「え?一体どう言う...。」

上を見ると、炎上した輸送機から一機の見慣れない黒い戦術機が突撃砲を撃ちながら降下して来た。
真木大尉「うおぉぉぉぉぉ!ソイツに近寄るなぁ!」



撃震を囲んでいたBETAを弾を撃ち尽くす限りに撃ち込み、降下していた黒い戦術機 武御雷は撃震の前に着地する。

駒木少尉「え、援軍...なの?」

真木大尉「あぁ、助けに来た。そこの撃震無事か?」

いきなりの事で困惑する駒木を他所に真木は無事を確認する。
駒木少尉「な、なんとか...と言うかそちらの所属は何処なんですか?。」

真木大尉「アタシの所属?アタシは斯衛...いや第零独立強襲戦隊の真木沙奈江大尉だ。
動けるな?後方を今から蹴散らして道を開ける。
すまんが其処からは自身で撤退してくれ、アタシは他の救援に向かわなきゃならないからね。」

駒木少尉「大尉...!失礼しました!了解致しました。」
こうして、真木大尉は駒木少尉を撤退させ、自身も後方を蹴散らしながら両津港方面へ向かう。

その頃の亜美達は両津港の手前の最終防衛ラインの防御壁側に展開していた。
佐渡島防衛部隊の戦術機部隊を後退させつつここを護っていたが、すでに弾薬は尽きかけ、
戦術機部隊に戦死者はまだ出ていないが損害も出始めている。
亜美戦隊長(く、すでに第三防衛小隊は機体に損害が出ている、第五砲撃小隊の武装の弾薬はすでに無し。
これ以上は持たせられない。ここにとどまるのは私達だけでいい。それならば)

亜美戦隊長「ただいまを持って戦隊の指揮権をバロネス1の西大尉に移譲する。戦隊保全の為に、第二中隊は優先後退命令を発動、
両津港にて海軍の移送用舟艇の護衛とその後は手配していた海軍の戦術機搭載艦へ乗り本土へ撤退せよ。
ブラックキャット1頼んだわよ。第三防衛小隊と第五砲撃小隊も連れて行って。」

それを聞いた凜は、事前に聞かされていた最悪の時の話がついにかと思いこわばった顔で答える。
凜大尉「、、、亜美、解ったわ。第二中隊は後退する。両津港まで引くわ。
民間人の移送用舟艇がすべて出るまでは港を死守します。」
と撤退していくが、第六警戒小隊は残っている。

それを見た奈月は察して具申する。
奈月少尉「ブラックキャット2よりブラックキャット1へ、第六警戒小隊がまだ引いてません。
そのまま前線へ残るなら、私が警戒型不知火の直掩に周ります。許可をお願いします。」

凜大尉はそれを聞いて、暗い顔をして答える。
凜大尉「ブラックキャット2、第六警戒小隊には優先後退命令は出てない。これ以上の直掩は不要。引くわよ。
港の防備を固める。それを言ったら誰も彼も戻りたがる。許可はできない。第四小隊の八島准尉も同じ気持ちよ。
解ってあげて。」



それを聞いた奈美は泣き笑いの顔をして、
奈美准尉「、、、奈月お姉ちゃん、ごめんなさい。私達が佐渡島防衛部隊と共に時間を稼ぎます。
港にいる民間人を必ず本土へ連れて行ってあげてください。」
と伝えて、亜美の元へ行く。



奈月はそんな事を聞いても引かなかった。
奈月少尉「...命令は聞けません。此処で引いたら、絶対後悔する。
此処まで奈美と戦隊長と共に来たのにはいそうですかと、見捨てるなんて出来ませんっ!
帰還後、いかように私を罰しても構いません。弥栄奈月少尉は今から独断行動をさせて頂きます!」

凜大尉は西日本防衛戦時の戦友を思い出し、どうすべきかと悩むが、、そこに亜美が割り込む。
亜美戦隊長「、、、弥栄少尉の独断行動に対して、戦隊長として命令する。一切の戦術機の操作をはく奪、
そのまま自動操作。凜大尉。後を任せるわ。、、ごめんね、奈月。私の愛おしいもう一人の妹。。。
これが私達の運命なの。第六警戒小隊は通信確保のため、最後尾で支援せよ。」
と絶望した顔で言う。

奈月は動かないレバーを操作しても動かない。だが、それでも激しく動かしていた。
奈月少尉「行かないで...行かないで下さい!私だって護衛兵の筈です!
私はまだ戦えます!こんな、こんな別れなんて...あぁぁぁぁぁぁぁ!」
大粒の涙を流し前線へ向かう戦術機を見るしかなかった。

そして覚悟を決めて。亜美が言う。
亜美戦隊長「第一中隊の残存部隊は最終防衛線の空いた隔壁で防衛、戦隊本部小隊は平野部にて死守、
第六警戒小隊ゴースト0、1ついて来なさい。」

武子はその指示に対して答える。
西大尉「あー佐渡島の残存部隊は下げていいんじゃないかな。私が穴埋めするよ。
バロネス2、佐渡島の残存部隊と共に第二線を張って、阻止しなさい。解るわよね。」

東野中尉「、、、バロネス1。さよならは言いませんよ。最終防衛線で待ってますよ。西先輩。
ちゃんとおとなしく四の字固めくらってくださいよ。」

苦笑して答える武子。
西大尉「あー、それは嫌だけどお胸が当たるなら戻るかもよw」
とくだらないことを言って、戦術機の手をひらひらさせてから亜美達に合流する。

残存の佐渡島防衛隊の坂崎中隊長以下を下げつつ東野中尉も下がる。。
その代わりに西大尉が亜美の左側につく。

西大尉「懐かしいわね。士官学校時代もこうして右が紫音で左が私で3人で良く戦闘をやっていたわ。
今回は奈美ちゃんも後ろにいる。バックアップも完璧、行けるわよ。」
と、大量のBETAの前に両手に長刀を抜刀して切り込もうと用意する。

亜美戦隊長「海軍の支援ももうない、逝くか。ごめんね、紫音、西。そしてゴースト。
付き合わせてしまって。」
と言いつつ、抜刀して、突撃砲を構えて切り込む。
もう、周りがBETAに埋め尽くされ、どうにもならない状態で、各機が乱戦になり、機体損害が増していく。
そろそろかとゴーストがSDSの装置を出そうしたその時であった。

何処からの狙撃か、周りのBETAが正確に撃ち抜かれていった。
上月副官「全く、私達を置いてけぼりにしたのにそんな活躍では、戦隊長は務まりませんよ?」

上月の乗る白い武御雷が狙撃し、そして周りのBETAが両断されて行き、亜美の目の前に黒い武御雷がいた。
真木大尉「よう亜美。アタシ達を除け者にして楽しいことしてんじゃないよ、アタシ達も混ぜな。」
真木沙奈江が亜美を助けたのだった。

それを見て驚く姉妹。
亜美戦隊長「、、、奈美の夢見が外れた。そんなことが、、、。その通りですね。上月副官、私は失格です。
でも、有難うございます。私達は生きて良いのでしょうか。」
と話しながら足掻いて機体を動かす。

咽び泣く奈美。
奈美准尉「、、、こんな事が、ああ、真木さんごめんなさい。私達は。。。」

ゴースト准尉「(良かった。まさか二人が完全復活で来るとは。。これならみんなで後退できるはず後ろを護り後退できるようにしないと。)」
と中刀から57mmG3-SG1多目的突撃砲に持ち替えて支援狙撃に専念する。

上月は警戒型不知火の直掩に回る。
上月副官「奈美准尉、ゴースト准尉ご無事ですか?私が前衛をしますので、貴方達は射撃しながら下がって下さい。」
白い武御雷は長刀を構える。

真木大尉「亜美!アンタも下がりな!大丈夫だ、この機体 武御雷なら問題無いさ!。」
黒い武御雷も前に出る。

上月副官「其処で見ていて下さい。斯衛衛士の名は伊達でも、酔狂でもない事を。」
真木大尉「今見せてやるからよ!」
2機は果敢に突撃する。

亜美戦隊長「下がるなら、みんなと一緒です。戦隊全機後退しつつ、遅滞戦闘にカカレ。
いい?紫音、西。ローア1,2と合わせて下がるわよ。」

ゴースト准尉「ローア2、有難うございます。支援射撃しながら後退します。」
奈美准尉「ローア1を中心に徐々に後退してください。こちらも距離を測りつつ後退します。
ブラックキャット1、民間人の移送状況はいかかですか。」

凜大尉「現在、80%もう少しよ。」

舞うかの如く、2機の武御雷はBETAを蹴散らしながらも後退していく。
真木大尉「ローア2!まだやれるよな!」

上月副官「勿論です。ローア1も息上がってませんよね?」
真木大尉「ヘッ!そう言えるなら大丈夫だな!」

上月副官「ローア1、もう少しで撤退完了の事です。」
真木大尉「そうかい、九州に比べれば余裕はある。気を引き締めな!」
上月副官「了解!」

奈美准尉「、、、ローア1とローア2すごい。。こんな近接状態で、舞うかの如く的確に処理して後退させてます。」
亜美戦隊長「バロネス1、ローア1のカバーに入って。もう少しで民間時の護送が終わる。そしたら
全員で後退、HQ(南條中将)が手配してくれた戦術機母艦が来ている、それで戻りましょう。」

そんな中何故か藤田が通信に横入りを入れる。
藤田中尉「戦隊長!奈美准尉無事か!」
奈月少尉「ちょ、ちょっと藤田さん!勝手にユニットの中に入らないで下さい!」

どうやら操縦できない状態でユニットを開けていた奈月の所に入り、通信に割り込んだようだ。
藤田中尉「別に減るもんじゃないだろ!シェルターまでレーザーの雨を避けて来たんだからよ!
まぁ、降下直前でエンジンに命中して危うく爆散する所だったけどな!ハッハッハッ!」
奈月少尉「うわぁ...」
奈月はドン引きしていた。

それを聞いた奈美。
奈美准尉「え?藤田中尉。お体大丈夫なのですか。ちゃんと奈月、、さんの言う事聞いておとなしく待っててください。」
とお姉ちゃんと言えず答える。

あきれる亜美。
亜美戦隊長「まったく、藤田中尉、有難う二人を運んできてくれて。ちゃんとみんなで帰りましょう。」

藤田中尉「大丈夫だ!レーザーで不時着したのは何度もあるからよ!いやぁ、避難船近くに不時着できて良かった〜、
またやりたいぜ。」

奈月少尉「あの、同じ輸送機に乗っていた人達が凄く怯えてるんですけど...。」

藤田中尉「ったく情けねぇな...応!勿論だ戦隊長!それが輸送機乗りの役目だからよ!。」

凜大尉「移送用舟艇での民間人移送完了との事。シルバーフォックス1、今よ全機撤退命令を。」

亜美戦隊長「よし、みんな良く持たせてくれた。全員で撤収よ。低く低高度を飛んで、
迎えの戦術機母艦まで光線級のレーザから回避していくわよ。ローア1、一緒に撤退します。」

それを聞いて、奈美は。
奈美准尉「、、、ゴーストさん。」
ゴースト准尉「もちろんですよ。行きましょう。謝らないと。」
と凜大尉が奈月少尉の片腕を引いて、動きが鈍くなっているところを片方から支えて、高速移動で撤退する。

奈美准尉「、、、奈月、、さんごめんなさい。私は、絶望から、それに今まで、こんな展開はなかったのです。
だから無理やりこうしてしまいました。でも本当は一緒に居たいのです。、、
こんな事をしてしまって今さらですが駄目でしょうか。」
と絶望した顔で伝える。

奈月少尉「ダメな訳ないよ!一緒にいる、絶対離れないから...。」

そう話している所に上月の武御雷が近づいた。
上月副官「奈美准尉、貴方がした事はこういう事なんですよ。
後で戦隊長と一緒に来てくださいね、大尉は凄く怒ってますから...。」

2人の話を聞いた奈美は嬉し泣きをして答える。
奈美准尉「お父さんとお母さんの時は変えられなかった。。帝都防衛戦の時から何かが変わってきてる気がします。
そう、それは真木さん達や奈月お姉ちゃん達のおかげなんですよね。私も離れたくないです。

上月副官さん、はいようやく解りました。みんなで考えて動けば変えられるんだと。
はい、もちろんです亜美姉さんと一緒に真木さんの所に出頭します。」
ゴースト准尉「(これは、やはり俺もついて行かないといけないな。。。)」
 

戦隊は無事回収され、母艦内のハンガーに強化装備姿の真木が腕を組み仁王立ちをして、
姉妹と橘副官とゴーストを正座させていた。
真木大尉「...で?アタシ達を除け者にした理由を改めてアンタらの口から聞かせて貰おうか。」
見るからに不機嫌で怒っているのが分かり、控えている上月は苦笑いしていた。

亜美戦隊長が答える。
亜美戦隊長「真木さん、私の判断です、私が独断で全てを決めて強行しました。
理由は真木さんと上月副官さん達を含めて生きて欲しかったらからです。
、、、今まで奈美の夢見は外れた事がなかったですし、、両親も助けられなかった。
だからこうしました。」
橘副官とゴーストは言い訳はしないで黙っている。

真木は静かに聞き、口を開いた。
真木大尉「...この大馬鹿が!
何が夢見だ!何が生きて欲しかっただ!スカウトする時アタシに守る部隊を作るなんて言って、
結局姉妹と西と橘とゴーストだけ犠牲になるなんて事をして...、馬鹿以外の何者でもないよ!
アンタの語った理想に惹かれて、アンタについて行って戦隊を作ったのに、

アンタらが居なくなったらついて来た奴等の思いを無下にするつもりかい!
アタシらだって部隊の一員なんだ、戦隊長の癖に何故ソレを理解しない!
命令しな!助けるために一緒に戦ってくれと!唯其れを言うだけの事じゃないか...!。」

真木大尉「だから、だから...もうあんな事をしないでくれ。頼むから...。」
最早自身でも、まとまりがない事を理解しつつ吐き出した。

控えていた上月が割って入る。
上月副官「貴方達の気持ちは南條中将殿の言葉で分かってます。ですが、我々だって戦隊の一員です。
痛いほど分かりますが、残される我々の気持ちも汲んで下さい。残されるなら共に逝くのが良いと思っているんです。」
上月副官「真木大尉は残された者の痛みをよく知ってますから...」

亜美戦隊長「申し訳ありませんでした。それを理解できていなかったのは私でした。
命令して変えられるのであれば、、、、いくらでもそうしようと思ってました。
でもそれで両親は助けられなかった。そして大陸では守りたかった若い二等兵も、奈月少尉のお兄さんも。。。
でも間違っていました。だから共にこれからは相談して共に戦い、共に生きていきたいです。」
と答える。

真木大尉「亜美っ!」
真木は人目を気にせず、亜美を抱きしめる。

真木大尉「本当、本当に心配したんだよ...、この大馬鹿戦隊長、アタシの大切で大事な戦友。」
真木大尉「それだけじゃない、掛け替えのない家族だよ。」

それをびっくりして、真木の優しさに触れて人目がある所では泣いたことが無い亜美が泣き叫ぶ。
亜美戦隊長「、、、うぁあああああ。。。ごめんなさい、私が間違っていました。
真木さんと一緒に居たい。大切にされたい、大切にしたい。大好きな真木さん。」

一緒に抱きつく奈美。
奈美准尉「ごめんなさい、真木さん。私達変わりたい。今度こそ。みんなと共に。」
ゴースト准尉「(良かった。やっぱり戦隊長色々限界だったんだよな。俺でもこうしたかな。
でも京都防衛戦で思い知った。自分の力では部下すら護れないと。でも今回は護れたのかな。。。)」

奈月少尉「良かった...本当に良かった...!」

藤田中尉「ヘッ!輸送機ぶっ壊しても届けられて良かったぜ。」

上月副官「第零独立強襲戦隊、再出発ですね大尉。」

真木大尉「あぁ...!」

泣き止んだ亜美がそういえばと
亜美戦隊長「しかし、武御雷。真木さん戻られてしまうのですか、、斯衛に。。。」
と真っ青な顔をして聞く。。

真木大尉「あぁ、それなら...。」

菊間整備兵「ご心配はありませんよ戦隊長、姉御いや真木沙奈江大尉は戦隊に居続けられますので。」
物陰から何故か菊間が出て来た。

真木大尉「菊間アンタ...なんでこんな所に。」

亜美は驚く。
亜美戦隊長「菊間整備兵どういう事ですか。」

菊間の心を読み切れなく答える。
奈美准尉「、、、何かありそうですね。」
と答える。

菊間は2人の態度に驚く。
菊間整備兵「おやおや、既に私がただの整備兵じゃない事は勘付かれたと思いましたが...、
私の"本来"のスキルも錆びていないようで...詳細は戦隊基地に着いてからにしましょうか。
其処に盗み聞きをしている菅中尉も含めて、お話しますよ。」

真木大尉「改めてだけど、信用していいんだよな?。」

上月副官「確かに、武御雷を融通して頂けはしましたが...。」

菊間整備兵「勿論ですよ姉...真木大尉。」

菅中尉「まったくもう、、、。姉妹は戦隊内に内部に、私達の中にスパイがいるなんて考えてないのよ。
例の第六警戒小隊の件は別ですが、それを含めて信頼していて思ってもなかったの。
だからね、菊間整備兵の事も感づいていないのよ。
感づいても、、たぶんそのままにしていたと思うわよ。」



菊間整備兵「まぁまぁ、戦隊にかなり斯衛が絡みますからバラさないと信用に関わると思ったんですよ。
さて改めて私は斯衛軍整備兵、そして城内省情報部斑鳩家配下の密偵をしております。菊間道永です、どうぞ宜しく。」
メガネを外し営業スマイルを菊間はする。

驚く亜美。
亜美戦隊長「これは、、、でも、真木さんの配下で整備兵としての菊間さんをなら構いません。
確かに真木さんをスカウトする時に違和感が有ったのは有りますが。。
心を読めなかった。これは奈美もそうね。」
奈美准尉もコクコクとうなずく。

~後編へ続く。

第零独立強襲戦隊興亡記~本編2-1:佐渡島防衛戦前編~

 

第零独立強襲戦隊が結成されて京都防衛戦よりその後、戦力は十分といえないが戦隊としての戦力は整った。
そして京都防衛戦が失敗したのち南條中将の部隊と戦隊は仙台にある日本帝国陸軍の基地へ移動命令が。

そして佐渡島防衛戦の3週間ほど前の夜。
奈美は非番で自室で寝ていた。
悪夢を見ている。少し未来のような。。。



戦隊の戦術機部隊が佐渡島防衛戦に増援部隊で行く、だがアメリカ軍の支援もなく、他の陸軍部隊の支援もない。
戦隊の衛士たちが民間人を退避させるために次々に戦死していく。そして最期は佐渡島のとある地点で亜美姉さんと共に
奈美も一緒にBETAに喰われて終わる。でも真木さんは、ちょうど足の再生手術で後方の病院にいる。
そこで目を覚ます。

嫌な汗を流し、涙を流す。でも真木さん達が無事ならそれでいいとも思った。
前世と違ってここまで両親に、南條叔父様、三芳叔父様、そして真木さんに愛されて育てられた。
ならばと、寝巻のまま、亜美のいる戦隊長室にふらふらしながら行く。

呆然とした目をした状態で、戦隊長室に入る。
夜間執務を行っていた亜美がびっくりして、奈美を迎える。
亜美戦隊長「奈美、一人でこんな夜中に駄目よ。それにその姿。どうしたの。」
と優しく声をかける。



奈美准尉「、、、少し先の未来が見えました。私達、そこで終わるみたい。。。
でも真木さんはちょうど足の再生手術で後方にいるようです。。。」
とぐったりしながら話す。。

ついにこの時が来たのかと思いつつも奈美の頭をなでて言う。
亜美戦隊長「、、、そう。そんな事が。あがいては見るけど。真木さんや奈月達は巻き込みたいくないわね。
それならその様子なら、真木さん明日足の事で報告に来るかもね。だったら長く療養してもらって
ぜひとも生き残ってもらわないとね。」
と奈美を戦隊長室にある簡易ベットを出して寝かせる。
とても疲れたのか、そのまま寝落ちする奈美。
しばらく手を握っていたがその手を布団の中に入れて、執務を再開する。

そして翌朝早朝。
戦隊長室へ真木が訪れた。
真木班長「失礼するよ。左足の再生手術の予定が決まったから伝えに来たんだが、今はいいかい?」



徹夜明けの亜美は来ることが解っていたような顔をして迎える。
執務机の隣には奈美がまだ寝ている。

亜美戦隊長「もちろんですよ、再生手術良かったですね。で期間はどれくらいですか。
落合整備兵も班長代理ぐらいは務まるはずですから、これを機会に実家での話し合いも含めて長期休暇を
どうぞ取ってくださいよ。このところ、戦隊が発足してから整備班にはかなりの激務でしたからね。」
と話す。

真木は亜美の言い方に違和感を覚えるも答える。
真木班長「あぁ、落合には次期整備班長の為にも経験を積んで欲しいからね。
...いやいつどんな事が起きるか分からない、手術が終わり次第戻ってくるよ。」

そこに、二人の声が聞こえて目を覚ました奈美。
奈美准尉「、、、、真木さん。ちゃんと家族と特にお父様と話し合ってきてください。
いつどうなるかわからないご時世ですから。整備班の方もみんな一時的であれば大丈夫だと思いますよ。
それにこんな時こそゆっくりしておいた方がいいです。リフレッシュしてきてください。」
とやつれたような顔をしているが笑顔で話す。

真木班長「なぁ、そう言ってくれるのは嬉しいが2人とも何か隠してないかい?
まるでアタシを戦隊から暫く離そうとしているね...。アタシには、話せないのかい?」

亜美と奈美はドキッとしたが二人とも顔には出さずに。
亜美戦隊長「そんなことないですよ、本当に真木さんには一度ゆっくりしてほしいのと、家族と話し合ってほしいから
そう言ってるだけですから。」

奈美もうなずき。
奈美准尉「もちろんですよ、本当は一緒にいつもいて欲しいですが、家族の事を優先してください。
そういった意味ではお早いお帰りを、、、とではなくゆっくり療養してください。
事を急いで、足がまた使えなくなったりしても困りますから。
すみません、私は、医務室で少し診察してもらってきますね。体調がよくないので。」
と隠していることを言わざるを得ない状況になる前にふらつきながら戦隊長室を出る。

亜美戦隊長「ああ、もちろん上月副官も一緒に連れてって良いですからね。
真木さんの補佐をしてもらわないと。」
とにっこりしながら話す。

鎌をかけた結果、明らかに隠している事を確信した真木だがこれ以上の事は言わなかった。
真木班長「...、分かったよ、ちゃんと家族と話してくるさ。お土産も何か買ってくるよ。上月も勿論同行させるさ。」

嘘が下手な姉妹はもう心の中では謝りつつ、冷や汗をかきそうになっていた。
亜美戦隊長「ああ、それはお土産は楽しみですね。何かみんなで食べらるのも買ってきてくださいね。
ああ、もう奈美は一人で行動して。。。。菅中尉がいるからいいようなものだけど。」
と奈月に連絡して護衛してもらうように連絡をする。

真木班長「実は...、明後日に手術になってよ。これから立つから。じゃあ、行ってくる。」

亜美戦隊長「あ、そうなのですね。早い方がいいですね。では1ヶ月程度の特別休暇を真木大尉と上月中尉に与えます。
どうぞリフレッシュしてきてください。」
と言う。

真木班長「あぁ...行って来る。(本当に、何も言ってくれないんだな...。嫌な予感がするね...。)」

そして真木は戦隊長室を退出し、落合、砂原、菊間の3名に引継ぎを行い基地の正門から手術のために出ていく。
それを遠くから見守ってる奈美、泣きながら心の中で。
奈美准尉「、、、(今まで有難うございました。真木さんのおかげで絶望から救われて本当に先に進みたいと思いました。
大好きな真木さん。。。さようなら。ちゃんと生き残ってくださいね。)」
と泣き崩れる。

奈美を心配してきた亜美。
亜美戦隊長「大丈夫、全滅はさせないわよ。せめて、若い子たちは撤退させないとね。」
と奈美を抱きかかえる。

基地の駐車場に停めてある、一般車の助席に乗り込んだ真木は、運転席に座っている上月と話した。
上月副官「大尉、まさか明後日手術なんて急ですね。戦隊長はなんて仰ってましたか?。」



真木班長「アタシとアンタに一カ月の長期休暇だってよ...、そんな余裕は無いはずなんだけど...。」
上月副官「考えすぎ...、ではないですよね?大尉、今貴方は凄い怪訝な顔をしてますよ?。」

真木班長「やっぱりかい?戦隊長、亜美は何かを隠してる。

憶測だけど、近々本土にBETAが攻めて来ると考えるべきかね...。」
上月副官「まさか、そんな...、戦隊長はそんな予知能力的な力があるので?。」

真木班長「詳しくは言えないけど、特殊な力があるとだけは言っておくよ。
おちおちベッドに寝ている訳にはいかないようだね。とりあえず出して。」
上月副官「はい、何もなければ良いんですが。」

2人の乗った車が出たのを見送る菊間、実は戦隊長室に盗聴器を仕込んでいたので話は彼に筒抜けだった。
菊間整備兵「...BETA侵攻の可能性ありって所か。此処に潜入して随分経つが、
クーデターの可能性は無し。私の任務もこれで終わりだが、このまま離れるのも忍びないですね。」
そう1人ごちていると、菅中尉が来ていた。
菊間整備兵「菅中尉、遅くなりましたが再就職おめでとうございます。整備兵として御用ですか?」

やれやれという表情をして、
菅中尉「再就職?もう、嫌みなの(苦笑)。とりあえず有難うございます。
またまた、そんなわけないでしょう。貴方ねえ、戦隊長室に盗聴器仕込んで、、、。
特に南條中将から菊間整備兵にはしなくてよいと言ってたから静観してたけど。
それがなかったら貴方を拘束してましたわよ。」
とあきれながら言う。



いつもはしない和かな笑顔を張り付かせた菊間は答える。
菊間整備兵「中将殿とは色々と密約を交わしてますし、私の飼主との関係も良好ですからね。
これもクーデター防止、詰まるところの国防に当たりますから、内緒ですよ?
さて、改めて何用で?」

その和かな顔をしている菊間を菅は怪訝な顔つきで話す。
菅中尉「姉妹の事を報告するの?状況によっては、私は私の思う行動をするわよ。
クーデターを起こすようなことはしないわよ。あの子達は。
それよりもこの居場所をつぶすのであればそれは見過ごせないわ。
私は娘を2回も死なせたりすることは見過ごせない。」
と拳銃に手をかける。

菊間整備兵「貴方が他に飼われていた時に、私が言った事を思い出して下さいよ。
私はあくまでもクーデターをするかの情報を流すだけです。
確かに姉妹の秘密を探れとも言われましたが、中将殿の介入もあって、私の任務は完全に形骸化してます。
此処まで戦隊に居たのは、居心地良かったからですよ?」
などと言い、拳銃に反応するが、無視して言い切る菊間。

菅中尉「そう、じゃあ戦隊はクーデターを起こすことは無いと言う事を報告するでいいのね。
それだったらもうこのまま戦隊の整備兵になりなさいよ。真木さんもいることだし。
そうしてくれると嬉しいわ。」
と拳銃にかけた手を放す。

菊間整備兵「そうしたいんですが、一度飼い主の所に戻らねばならなくなりましてね。

もしかしたら戻って来ないかもですよ。
それに、面白半分で姉御が乗った車にも盗聴器を仕掛けたら、飼い主に伝える必要があるのが聞けましてね。

眉唾物ですけどね。」

菅中尉「そうなのね。また会えるといいけど。
、、、それは早雲姉妹の事?二人を酷い目に合わせないであげて。できれば静かにさせてあげて、お願い。
二人は、、、。いえ、それがあなたの任務なのね。頼む筋合いではないわ。その時敵でなければ、、いいわね。」

菊間整備兵「近々本土にBETAが侵攻するとか言う話、そして姉妹がそれを察知できる能力者である...。
眉唾物ですが、手土産が増えましたよ。
勿論、中将殿と飼主の関係は良好ですから?大事にはならないとは思いますがね。」

驚きまさかと思いつつも。
菅中尉「そんな話が、、、大事にならない?政治的にどうなるか。。

それにあなたの飼い主かなりのやり手ですからね。
まあ、仕方ないわ。その時は私も姉妹を護れることをするわ。」

菊間整備兵「これ以上は貴方の言う通り、政治の話です。私も姉御達の後を追って斯衛に戻りますよ...。

菅中尉、お達者で。」
そう言って、菊間は物陰に消えていった。

その消えた菊間の方角を見て菅は思った。
菅中尉「(、、、姉妹を護ってあげたいけど、これは私個人では無理ね。南條中将に報告しておくとしますか。)」
と考えて南條中将と連絡を取ろうとするのであった。

真木は上月の運転する車に揺られ、仙台の斯衛基地に到着した。
兵士に敬礼で迎えられ、車から降りて出迎えた自身の母、真木舞香が出迎えた。
舞香少佐「いらっしゃい沙奈江、上月さんもお疲れ様。直ぐに手術を始められるわよ。」

真木班長「お袋、ありがとう...。」
上月副官「ありがとうございます少佐。私は大丈夫です。」

とそこに、司軍医長もいる、いつもの一升瓶を片手に珍しく服をちゃんと着て白衣を着ている。
司軍医長「沙奈江ちゃんの負傷した左足の手術したの私だから来ちゃった~。
ちゃんと状況も伝えないといけないからね。
私は戦隊の主治医だからね~。」



舞香はニコニコしながら話を続ける。
舞香少佐「あらあら、沙奈江はいい主治医を見つけたみたいね。貴方もいらして下さい。
準備は既に終わっているから、後は沙奈江次第よ?」

真木班長「断る訳ないだろ?アタシは足を治すために此処に来たんだ。
断る理由はないし、早く帰る理由もさっき出来た。お袋、頼む。」

そんな中で、舞香の後ろから斯衛軍服の男が現れた。沙奈江の父親、真木正宗だ。
真木正宗「沙奈江...、久しぶりだな。」
真木班長「...良く顔を出せたな、クソ親父。アタシの決めた事を頭から否定しまくって、
出て行った事を何も言わなかったのに、今更父親ぶりやがって。」

真木正宗「あぁ、確かに沙奈江の決めた事を否定していた。
だがこれはひとえにお前の為を思ってやった事だ、後悔はない。」
姉妹の事を信じて少し話そうかと思ったが、結局沙奈江の思った通りの返しが来て内心落胆する。

真木班長「ケッ、そうかよ。話は後だ、アタシは足を治すために来たんだ。」
真木正宗「そうか、ならば早く治すといい。真木家の為、日本の未来に貢献する為にな。」
真木班長「やっぱり、アンタはクソ野郎だよ。」

それを見かねた司は。
司軍医長「はい、はい、そこまで。お父様ももうちょっと本心いいなさいよ。
こんなご時世なんだからどうなるかもわからないのよ。沙奈江もね。リラックスしないとね。」
と普段は絶対に言わないまじめな事を言う。

真木班長「分かってるさ。行こう、くそ親父は無視しよう。」
真木正宗「ふん...。」

舞香少佐「貴方ね...。ごめんなさい。気にしないでいいから。さあこっちよ。」

司はやれやれと苦笑し思った。
(こんな時こそ奈美ちゃんいたらいいのにね。そしたら沙奈江ちゃんのお父さんの内情わかるかもしれないのに。。)
と司も付いていく。

舞香に連れられて、真木達は病院内部に入る。
舞香少佐「沙奈江、執刀医に言われるけど言っておくわ。再生手術が成功して、足を取り戻しても衛士に戻れるとは限らないわ。
それだけは分かって頂戴。」

真木班長「あぁ...分かってる。けど、アタシは可能性があるなら賭けたいんだ。」
舞香少佐「言うと思ったわ、行きなさい。そしてどんな結果になろうと、あの姉妹の元に帰るのよ。」

司軍医長「大丈夫だよ、ここの軍医長優秀だから。私もいるしね。ちゃんと亜美ちゃんと奈美ちゃんの所に帰ろうね。
目を覚まさなかったらちゃんと酒をぶっかけても目覚めさせるよ。」
と声をかける。

場所は変わって南條中将の執務室へ。
南條中将が通信端末で菅中尉より報告を受けている。
南條中将「予想していた範囲内だよ。先方とは、それなりに伝えて牽制はしている。
タイミングが合えば姉妹に協力させてくれとは言われて、その時が来ればとは言ったが...。
早い話になりそうだな。」
南條は冷静に言葉を紡ぎ、今後の展開を考えている。



 

とそこに亜美戦隊長が面会で来ていると衛兵から連絡がくる。
南條中将「大方今の件だな、構わない。通してくれ。」

衛兵に通されて南條中将の執務室に行く。
亜美戦隊長「早雲大尉です。少しお話があります。申し訳ありませんが時間を少しいただけますか。」
と南條に伝える。

南條中将「勿論だ大尉。何かね?」

敬礼して南條の執務室に入り話を始める亜美。
亜美戦隊長「2点あります。
まず1点目です。第零独立強襲戦隊の戦術機部隊の編成がとりあえずは整いました。
出来れば9個小隊まで増設したいですが、6個小隊+戦隊本部小隊の7個小隊で戦隊として動けそうです。
今後の戦闘での指揮順列といざという時の戦隊保全の為の後退優先部隊の許可を頂きたいです。」

と、南條に資料を渡す。
それを見ると、亜美に何か有った時の指揮官序列(①西大尉②甲本大尉➂菅中尉)と
後退優先部隊に第二中隊(第二小隊以下偶数小隊)が記載されているが
第六警戒小隊は記載されていない。

南條中将「分かった許可しよう。資料には第六警戒小隊の記載がないが、これは2点目と関係あるのかね?」

亜美は覚悟したような眼をして南條に話す。
亜美戦隊長「はい2点目は、すでにもう情報は伝わっているとは思いますが、早雲准尉の夢見で解ったことですが
1ヶ月以内に離島防衛戦が起こります。
佐渡島です。ここが防衛できないと本土防衛戦になります。

そして早雲准尉の話では、、アメリカ軍はおそらく日米同盟を破棄して支援部隊は来ません。
さらに、日本帝国軍も戦術機部隊の支援は出せません。むしろ、佐渡島の防衛部隊が引き抜かれてます。
支援に行けるのは、、遊撃部隊である我が戦隊のみです。海軍の支援はありますがそれでも支えられません。
民間人は絶対に本土に送る必要があります。ですから遅滞戦闘を行いますが、
HQと情報収集、部隊連携の通信等に第六警戒小隊は必須です。
ですから後退優先部隊には入れてません。」

と姉妹がここで戦死することは言わずに答える。
南條中将「なるほど、私の空挺部隊も投入しよう。部隊派遣についても問題ないが、
大尉。君は佐渡島を死に場所にするつもりかね?」
亜美の表情から佐渡島に部隊派遣するだけではない事を察して、鎌をかける。
南條中将「言っておくが、まさか私を誤魔化せると思ってないだろうね?」

亜美はその言葉に動揺するが、、、
亜美戦隊長「ぐ、南條中将相手に誤魔化せるとは思ってはいません。
ですが、、、離島防衛戦にだけに戦力はつぎ込めません。
中将麾下の空挺部隊は中部方面からのBETAの部隊の防戦で手一杯になるでしょう。
出来る限りはあがいてみます。ですが、、今の状態では私は民間人と部下を護るのが第一優先です。
その思いは奈美も変わりません。ですから真木整備班長も遠ざけました。」
と答える。

南條は、資料から目を離して両眼を擦った後続ける。
南條中将「大尉、そんなに部下が頼りないかね?君の部下達は少なからず修羅場を潜り抜けて来ている。
生き残れると信じてやれないのかね?
真木班長だって、それを聞いたら悲しむぞ?
それに、みすみす死にに行かせる許可を私が出すと思うかね?」

覚悟した顔で言う亜美。
亜美戦隊長「いえ、もちろん信じています。そこまで部隊を鍛え上げたつもりです。
ですが、これは変えられません。奈美の夢見で外れた事はありません。
そうなる状況になってしまいます。ですから私は両親と同じく出来る事をいたします。」

一瞬後ろめたいのか、話すのを中断するが続ける。
亜美戦隊長「真木さんには、、、嘘をつきました。ですがあの方は得難い存在です。
これからも、、、ですからこれでいいのです。」
と寂しそうな、諦めた表情になる。自分たちの運命は変えられないと。。
亜美戦隊長「あと、民間人退避後は戦隊の戦術機を持ち帰りたいので、戦術機母艦を1隻手配お願い致しましす。」

南條はそれを聞いて、目を細めた。
南條中将「そうか、これ以上は何も言わんよ。退出して構わんよ。」

亜美は敬礼し、退出するために南條に背を向ける。ドアから出る前に振り向かず話す。
亜美戦隊長「南條叔父様、ごめんなさい。そしてありがとうございます。こんなにも私達を慈しんでくれて、、、。
だから私達姉妹は出来ることを最期まで諦めずに行います。それでも駄目ならごめんなさい、、、。
もう、お父さんとお母さんのような悲しいことは嫌です。だから私たちが出来る事をします。」
と言ってそのまま南條中将の執務室から退出して行く。

南條中将「...何が夢見だ、何が運命だ。
そんな事が確実なら、今こうやって足掻いている我々は道化でしかない。
運命は足掻き、そして変える為にある。姉妹には悪いがその運命は絶対に変えてみせるさ。
そのための布石を、打っておこうか...。いや既に打ってあったな。」
退出した、亜美といない奈美を南條は思う。

場所は変わり、斯衛基地へ。
真木が次に目を覚ましたのは、病室のベッドだった。
上月副官「大尉!手術は成功しましたよ!。」

真木班長「そう、なのかい?。」
付き添っていた上月に言われ左足を見ると、確かに金属ではない生の足があった。

九州でBETAに喰われた筈の自身の足だ。

真木班長「アタシの...。アタシの足だ...。どれだけ夢見た事か...。」
真木は嬉しくて涙を流す。

隣で祝い酒だとがぶ呑みしている司も喜ぶ。
司軍医長「良かったね。沙奈江ちゃん。これで完全復帰できるね。しばらくリハビリ頑張ろうね。
でも急いじゃだめだよ。前みたいに。。ゆっくり確実にもとに戻さないといけないからね。」

真木班長「相変わらずだなヤブ医者。確かに...。でも、何か胸騒ぎがするんだ。
亜美と奈美に何か嫌な事が起きそうな予感がするんだ、何故そう思うのかは分からないけど...。」

司軍医長「それならなおさらだよ。沙奈江がそう思うなら何かあるんだと思う。
だけど急いじゃダメ。確実に治すことを優先しないともとに戻らない可能性もあるから。」
と困った顔をする。。。

そんな中で、上月が口を挟む。
上月副官「なるほど、私が戦隊や南條中将に連絡をとってみます。大尉は落ち着いてリハビリをして下さい。
もし何かあったら衛士として助けに行けるように、今は急がないで下さい。」
真木班長「上月...。あぁ、任せるよ。アンタがいて良かった。」

 

場所は変わり、工兵部隊の部屋に移る。
最近の戦隊は何かおかしい、戦隊長が特に何かを隠している気がする。
と丸芽は思った。

秋村特務少尉「空挺降下が出来る部隊の皆さんは大変ですね。」
君原少尉「空挺できない私らにはかかわりがなさそうな話だ、残念ながらな。」

空挺降下訓練が繰り返されていることについて少尉二人が駄弁っている裏で、丸芽は畑中副官の小言を聞いていた。
畑中副官「隊長、さすがに練度が低下するリスクが大きすぎます。
無理を言ってでもあの訓練に参加した方がいいのでは?
空挺部隊に混ざって地上で状況に参加してもいいと思うのですが。」



丸芽特務大尉「待て待て、それは浅慮にすぎるだろう。戦隊長、俺たちには何も言ってこないが明らかに何かある。」


畑中副官「どういうことです?」


丸芽特務大尉「畑中、お前にしては珍しいな。こういう時のお前は真っ先に気づくはずなのに。」
畑中副官「もったいぶらないで教えてくださいよ。」

丸芽特務大尉「そうだな……。」

秋村特務少尉「二人とも、夫婦漫才しながら真面目な話をするのはやめてください。」

二人は同時に答える。
丸芽特務大尉「夫婦じゃないぞ。」
畑中副官「こっちから願い下げですね。」

丸芽特務大尉「まあとにかく、俺はこの演習の裏には何かしらの重大事項があると思うのよ。」
畑中副官「重大事項……とは?」

丸芽特務大尉「さあな。そこまでは知らん。」
畑中副官「そうですか、頼りにならない直感ですね。」

丸芽特務大尉「そうだな、お前も気づかなかったんだからお互い様だが。」
畑中副官「そもそもそんな重大事項なんて存在しないかもしれませんけどね。」

丸芽特務大尉「いや、ほぼ確実にあり得るな。俺は、そう確信している。」

君原少尉「そこまで言うなら確かめに行けばいいじゃないですか。」

丸芽特務大尉「そうだな、戦隊長室に行こうか。」
畑中副官「本気ですか?」

丸芽特務大尉「本気だよ。ここで詮議してても埒が明かない。
みんな、ついて来るんだ。戦隊長室に行くぞ
丸芽が立ち上がって言うと、室内の皆がそれを追って立ち上がった。

戦隊長室へ行き、丸芽が声を掛ける。
丸芽特務大尉「失礼します。戦隊長、少しお時間良いですか」

亜美は即応対応ができるように色々指示を出し、来るべき離島防衛戦の準備に取り掛かってた。
戦術機部隊は空挺降下での支援を行なえるように日々防衛戦の訓練を。
奈美も何度も戦術機で降下訓練を行い、気絶せずに作戦行動に耐えられるようになっていた。

少しやつれたような感じで答える亜美
亜美戦隊長「丸芽特務大尉?構いませんが。」
と丸芽の心うちを聞き違和感を感じて、さらに工兵全員が居ることが解り戸惑いつつも答える。
丸芽特務大尉「単刀直入に聞かせてください。ここのところ進められている空挺訓練の裏に、

我々には伝えていない重要な事項があるのではありませんか?戦隊長のご様子、

ここのところおかしいんですよ。まるで、何かを隠しているようです。」 

ドキリとするが、それは心のうちにしまい、丸芽にバレかけているのを納得させるために答える。
亜美戦隊長「いえ、いまは戦隊の空挺降下の練度を高めるためにもう訓練を行っています。
奈美准尉が特に必要ですからね。失敗が無いように色々地形等を変えて対応させているのですよ。
第一、第二中隊全員ができなければいけませんからね。」
少しやつれた表情をしながら答える。

丸芽特務大尉「そうですか、確かにそれはそうでしょう。ですが、果たしてあの訓練で対応する相手は、

どこから来るかすらわかっていない。
それなのにあそこまで具体的な訓練を行うことが、果たして有効なのでしょうか?

何か我々工兵隊に隠されている情報があるのでは?」

亜美戦隊長「南條中将と話しているがBETAの侵攻は基本、西日本からです。
何かあるとすればそちらに工兵部隊はお願いしたい。
我々空挺降下が出来る部隊は本土だけではなく、大陸からの直接攻撃も視野に入れて海岸線防衛の事も考えている。
ですから空挺降下での訓練を行っているだけです。特に何かあるとは考えてはいません。
と離島防衛戦については話さなかった。

丸芽特務大尉「あの動き、空挺降下の流れを考えると奪還戦の計画ではなさそうだ。

西日本以外のエリアからの侵攻を考えてのものだと思いましたが……

その意図はない、ということで?」

さすが歴戦の特務大尉。鋭いと思いつつもかわす亜美。
亜美戦隊長「、、、特に具体的にここからとは想定しておりません。
どこにでも行けるように様々な場所を想定して演習を行っているだけです。」
と答える。

丸芽特務大尉「なるほど……わかりました、それでは。」
納得がいかない丸芽はこれははぐらかされている上に何かあるなと確定し、畑中達を連れて出ていく。
黙ってやり取りを聞いていた畑中たちが通路で話す。

秋村特務少尉「なんで私たちを連れてきたんですかね?。」
畑中副官「大方証人を用意するためだろう。」
と工兵の部隊部屋へ戻っていく。

部屋に戻った丸芽は歴戦の特務大尉としてどうすればいいか考え、行動する。
丸芽特務大尉「畑中、至急上月副官に連絡を取りたい頼めるか。」
畑中副官「解りました。今連絡してみます。」

感心する二人。
秋村特務少尉「さすが隊長、動くのは早いね。」
君原少尉「そうだな、こういうとこは機敏だ。」

畑中副官「繋がりました。どうぞ。」

丸芽特務大尉「上月さん、ちょっとお時間をいただいても良いですか?整備班長と話したいことがあるのですが。」

上月副官「今、真木大尉はリハビリ中ですので私が話を聞きます。
どうされましたか。」

丸芽は戦隊長達が何か独自に動いていると上月副官に話す。

ちょうど戦隊の状況を聞きたかった上月副官は答える。
上月副官「なるほど、やはり何かありますね。解りました。私からも戦隊長に話をしてみます、
あと南條中将にも連絡を取ってみますので戦隊で何かありましたら連絡取り合いましょう。」

丸芽特務大尉「ありがとうございます。一緒になんとかしましょう、
その時が来ても我々はおそらく前線に出られないでしょうが」

上月副官「そこは仕方がありません、我々と機体と武装も任務内容も違いますから。
ですが、それでも戦友です。共に戦っています。宜しくお願い致します。では。」
と連絡を切る。

丸芽はやれやれと思いつつ、戦隊の為にできることをやっていこうと思ったのであった。

そして、場所は斯衛基地の上月側へ。
上月副官「戦隊長、お疲れ様です。上月中尉であります。
真木大尉の手術が無事に終わり、これからリハビリを開始するところです。
そちらは今どんな状況でしょうか?」

亜美は心苦しく思ったが、嘘をついて話す。
亜美戦隊長「お疲れ様です。上月副官。それは良かった。うれしいですね。
こちらは今は通常訓練を行って、部隊全体の連携と練度を高める訓練を行っています。
整備班も落合整備兵と砂原整備兵達を中心に頑張ってくれてますので問題ありませんよ。
ゆっくりリハビリしてください。
真木さんはお父様と仲直りもしてほしいですからね。ゆっくり焦らず真木さんをお願いしますね。」
と言う。

上月は真木の嫌な予感を聞き、亜美が何か隠しているのではと思い少し深く聞く。
上月副官「分かりました...、ですが他に何かありますよね?
例えば、私や大尉に黙って死にに行くような場所に出撃するとか。」

亜美はドキッとするが、何とか平常心を保って答える。
亜美戦隊長「いや、そんなことないですよ。今直前で緊急事態も発生してませんし、
いざとなりましたら南條中将の支援も今は基地が隣接してますのでそんなことは起こりませんよ。
それこそ東日本にBETAが西から一斉に動き始めたらかなり厳しいですが、
今時点ではそれも無いですし、アメリカ軍も日米安保でいますからね。大丈夫ですよ。」
と心の中で謝りつつ答える。

上月副官「そうですか、そこまで話していただけないのですね...。分かりました。
大尉のリハビリに専念させて頂きます。」
上月は電話を切った。
上月副官「確かに...、戦隊長は何かを隠している。中将は話していただければ良いが。」

上月副官に一方的に通信を切られて、私は嘘をつくのが下手だなと思い、
それでも二人は護りたいからこれでいいのだと涙を流したがそれを拭い亜美は執務を再開する。

そこに冷たいお茶を持って副官室より亜美を心配して出てきて紫音。お茶を置き。
橘副官「、、、亜美、これで良かったのですか?。後悔しているように見えますよ。
私は、貴方に何を言われてもついて行くので良いですが。。。」



亜美はたまらず、人前ではほとんど見せない泣き顔を紫音に見せて胸に抱きつく。
亜美「もう、、、心が痛くて。真木さんと上月さんに嘘を言うのは心苦しいわ。
でも、、奈美がせっかく助けてあげてくれた。。。それに真木さんは私達姉妹の
理解者であり、よき先任士官であり、お母さんであり、お姉さん。上月さんもお父さんと思える方よ。
そんな方を死なせたくない。だからこれでいいの。
それに凜大尉や奈月達若い次世代の優秀な若手も戦隊保全の為に何かがあっても生かしてあげないと。」
と咽び泣き紫音の胸で泣く。それを優しく抱きしめよしよしと背中をさすり、優しくキスをする、紫音。

そして演習が終わって一区切り中の待機室にいる第六警戒小隊のゴーストと奈美。
奈美准尉「、、、(心が痛い、でも。これでいいの。真木さん達はもう死なせない。
私達姉妹が出来ることがあるならそれをしたい。
南條叔父様達もそう。ここまで良くしてくれたのに、、それに奈月お姉ちゃんにも、、、だから恩返ししたい。)」

ゴーストは最近寂しそうな、思い詰めている奈美が気になって状況を聞いているのと
姉妹の秘密を知っている者として亜美から全容は聞かされている。
今回の件では姉妹の秘密を知っている者でも限られた数名の人員にしかさらに伝えられていない。
※奈月にもゴーストも奈美も今回の演習内容以外の詳しい内容は伝えられていない。



ゴースト准尉「奈美さん、最近は空挺降下もできるようになって、一緒に戦術機でいられるのがうれしいですよ。
よく頑張りましたね。そんな顔しないで、俺も付き合いますよ。一緒なら大丈夫、怖くない大丈夫。
それに真木さん達は絶対に護らないとね」
と手を奈美の手に絡ませる。

奈美准尉「、、、ごめんなさい。付き合わせてしまって。本当は亜美姉さんと一緒に警戒型不知火で
出撃しようかとも思ったのですが、、、。」
ゴースト准尉「、、、それこそそれをしたら私は怒りますよ、、、それに後を追いますよ。
いつも一緒に言ってるじゃないですか。フォワードとバックアップは一心同体と。
だからそれに奈美さんと出会えて本当にうれしかった。ならば奈美さんの思うように動いていいのですよ。
私はできる限り奈美さんの思いに沿って最善の行動をします。」

奈美准尉「(泣き笑いの顔をして)有難うございます。一緒に最期まであがきますね。
でも駄目ならその時はお願いします。」
とお互いに見つめあって言う。

とそこに第四小隊に配属されたばかりのゴースト准尉の同期の桜である八島 洸騎 (ヤシマ コウキ)准尉が現れる。
八島准尉「ゴースト准尉、貴様に用があ、これはお邪魔だったな。後で出直すよ。」



二人は真っ赤になって席を放す。
ゴースト准尉「なんだ、八島准尉。俺に用があるのか、だ、大丈夫だよ。」
と見てて慌てるが答える。

八島准尉「そうか、じゃあ。ここの戦隊は良い感じだなあ。戦隊長は皆の気配りして率先して指揮官先頭タイプ。
でもちゃんと後退する時は指揮官が最後。
整備班は優秀でそして無理なお願いもかなり乗ってくれて、司軍医長は最初唖然としたが優秀だし、夜でも
みんなの心配して酒飲みながらだけど診察に出てる。それに早雲准尉、貴方は皆に優しくて、癒してる。
そして戦術機での支援はいつも助かってますよ。すごいスキルですね。電子戦術オペレーターって。」
と鋭い洞察力で戦隊の内容を伝える。

奈美准尉「(奈美は真っ赤になりながら)きょ、恐縮です。皆さんのお役に立てれば幸いです。」
ゴースト准尉「そうでしょ、そうでしょ。みんな魅力あるいい方々ばかりだよ。ぶっ飛んでる司軍医長とかいるけどw」
と答える。

これ以上はお邪魔だなあと八島准尉はまたの時に話そうと切り上げる。
八島准尉「ごめん、演習で汗まみれだからシャワー行ってくるよ。でわ。お二人さんまたね~。」
とその場を離れる。

そんな待機室に、現在整備班長代理としてハンガーで駆けずり回っていた落合が入って来た。
落合代理「失礼します、ゴースト准尉と奈美准尉は...、いましたね。演習お疲れ様です。
今回の演習で稼働した不知火の調子を聞きたいんですが良いですか?」



ゴースト准尉「落合代理、お疲れ様であります。警戒型不知火の状態ですか?
もちろん絶好調ですよ、整備班のおかげで、本当に連日の猛訓練申し訳ないです。
整備で大変でしょうが、宜しくお願い致します。」
奈美准尉「お疲れ様です。申し訳ないです、真木さんも居ない時にこんなに整備班に無理をさせてしまって、
機器、センサー系にも問題ありませんよ。稼働率が本当に良くて。有難うございます。
後で差し入れ作りますので、良かったら食べてくださいね。」
と二人は答える。

落合は和かに答える。
落合代理「それなら良かったです。班長代理としてやれているのかとは不安になりますが...。
それにしても真木班長が足の再生手術の為とはいえ一月も居ないなんて...、何も無ければ良いんですけど。」
不安そうに2人に言う。

ゴースト准尉「大丈夫ですよ、落合さんはよくやられてますよ。その証拠に戦隊の機体に不調の機体はない。
もっと自信持ってください。私は学がないので整備の事は良くわかってなくて申し訳ないですが、、
それでも機体が不調になってないから、思う存分任務にまい進できますからね。」
奈美准尉「でも、無理はしないでくださいね。この戦隊全機の部隊訓練はもうすぐ終わります。
今ちょうど、第六小隊まで部隊増設が出来たので戦隊連携と、空挺降下が部隊全機で
ミスなくできることを想定して演習を行っていますから。
これが終われば一区切りですよ。もう少し、申し訳ありませんがお願い致します。」
と立ち上がり頭を下げる。
それを見たゴーストも奈美の横に立ち落合に頭を下げる。

落合代理「も、勿論です!整備班が自身を持って整備しますので!。」
そんな中で、奈月が待機室に入って来た。

奈月少尉「奈美、ゴーストさんお疲れ様。落合さんもお疲れ様です。
2人ともまた良い活躍してたね。羨ましいよ。」



落合代理「あ、ありがとうございます。そうだ、ハンガーでまだ作業中なので戻りますね。」
と言い、落合は待機室を後にした。

見送った二人は奈月に答える。
ゴースト准尉「お疲れ様です、奈月さん。それは落合さん達整備班と戦隊の皆のおかげですよ。
奈月さんも部隊に馴染んできましたね。甲本大尉殿との連携もばっちりじゃないですか。
あの速攻や機動防衛戦の動きは見事ですよ。」
奈美准尉「そうですよ。奈月お姉ちゃんの動きすごく良くなりました。
体調もよさそうですし、良かったです。」
と答える。

奈月少尉「ありがとう2人とも、貴方達のおかげだよ。
それにしても、最近BETAの動きがあまり無いような気がするのは気のせいかな?
噂だと佐渡島方面から部隊を割くなんて話が、帝国陸軍であるみたいだけど。」

それについては奈美が答える。
奈美准尉「奈月お姉ちゃんの支援が出来て嬉しいです。そうですね。。
どちらかと言うと名古屋方面からの西からのBETAが脅威ですからね。
いつまたなだれ込んでくるかもしれませんから、、、離島は後回しにするつもりでは。
でも仙台と東京からも支援部隊は即応で出せますから。そういう意味で本土に
転進させていると思いますよ。」
と電子戦術オペレーターとしての能力と閲覧できる、アクセスできる情報からそう判断して
答える。

 奈月少尉「そうだよね。普通なら、西から来るよね...なんだろう。
手薄な場所から来そうな予感がするんだ。心配し過ぎだと思うんだけどね。」
そんな事を言って少し頭を抱える奈月。

奈美准尉「大丈夫ですよ。万が一大陸方面から来ても、、、アメリカ軍もいますし。
戦力的には支援部隊は出せるかと。」
と夢見の事は隠して、答える。

奈月少尉「...だと良いんだけど。」

ゴースト准尉「まあ、悩んでも仕方ないです。できることから対処していきましょうよ。
戦隊長もそれを考えて、演習を行ってるはずですよ。」
と答える。

奈月少尉「そうだよね...。」
奈美は心の中で謝りつつ目をそらす。

奈月は奈美の表情を逃さず見たが、何も言わず。
奈月少尉「私も陽炎の調子を見てくるね。」
そう言って待機室から出て行った。

ゴースト准尉「奈美さん、危なかったよ。今のは。たぶん何か奈月さんにバレたかも。」
奈美准尉「、、、ごめんなさい。嘘はつきたくないでも、奈月お姉ちゃんは護りたいから。」
と項垂れる。

奈月少尉「なんで隠そうとしているのだろう。そこまで私が信用ならないのかな...。
上月中尉が言う真木さんの嫌な予感、もしそれが当たって奈美と戦隊長が犠牲になるなら...。
私が代わりになる。2人は命の恩人、ならこの命をかける。」
実は上月から個別に連絡が来ていた奈月は、そんな決心をしていた。

上月は亜美にはぐらかされたので、今度は南條中将に連絡を取ると、呆気なく答えてくれた。
南條中将「やはり教えていなかったか...。真木君の予感は当たっているよ。
詳細は教えられないが、曖昧だが佐渡島にBETAの大侵攻の可能性大との事をつかんでね。
姉妹は、そこで死ぬつもりだ。」

上月副官「中将、何故戦隊長は教えて頂けないのでしょうか?」
南條中将「恐らく、君達を失いたくないからだろう...。だが、それは君達も同じだ。
それが逆効果だろうに...。もし佐渡島に本当に侵攻があった場合、果たしてどんな対策が出来るかは分からない。
情報も曖昧で、戦力を割けないのが現状だ。すまない。」

と、そこに三芳中将が仏頂面をして南條中将の執務室に押し入ってくる。
通信中とわかると、ドカッと来客用のソファーに居座り無言で終わるのを待っている。



南條中将「すまない来客が来てしまった。また後で話そう、それではな...。
隆文、通信中に入らないでくれないか?」

三芳中将は南條を睨みつけてそれには答えず言う。
三芳中将「、、、恭次郎、お前亜美の部隊に何をやらせてる?情報部と近隣の憲兵隊が苦情を言ってきてるぞ。
演習の苛烈さと昼も夜も関係なくやっていると聞いてるぞ。クーデターでも起こす気か?
まあ、あの早雲戦隊長に限ってそんなことは無いとは思うが、何が起きてる。」

三芳中将「演習内容を精査したが、離島防衛戦を考えていないか?
空挺降下を含めて演習を行っている。帝国陸軍の上層部が考えているプランと何か違う作戦を考えている気がするぞ。」
と言う。

動じず静かに聞いた後、南條は口を開いた。
南條中将「隆文...盗聴や付けられてないだろうな?話はそれからだ。」
南條中将「姉妹の件が強く絡んでるからな。」

三芳中将「無論だ、そこは俺は憲兵隊出身だからな、情報部にも一時席を置いていた。
だからそこは一番気をつけてるよ。」

それを聞き、話し始めた。
南條中将「奈美が例の力で予知夢的なのを見たと、亜美から聞いた。ほぼ確実に佐渡島にBETAの大侵攻が来るとな...。
そして、2人はそこで確実に死ぬとも...。」

三芳中将は愕然とした顔をする。
三芳中将「馬鹿な、佐渡島だと。大陸から来るのか?それは、、、本土は東日本防衛で手一杯だぞ。
しかし、嘘だとは思えない、奈美は昔からその手の予知みたいな事は言ってたのを聞いたことがあるが、、。
だが、、そんな情報上層部には言えないな。姉妹が戦死するだと。。そんな事はさせてたまるか。
恭次郎何とかならんのか、うちは憲兵隊は抑えることはできる。だが、、それ以外手が打てない。」

険しい顔をして南條は言う。
南條中将「勿論、再編した空挺部隊を佐渡島に送る事を考えている。
なるべく佐渡島に戦力を温存するように動いているが...。
それでも本来置くはずの数よりも戦力が少なくなっているのが現状だ。
他にも米軍と国連軍にも掛け合ったが、米軍は救援に関しては言葉を濁され、
国連軍は手が回らないと言われたよ...。後は斯衛しかないが...。」

三芳中将「、、、結局は日米安保も日本が危ういなら破棄を考えるか。アメリカ軍は日本を見捨てる気だな。。
本土すら守れない日本帝国軍にはもう手を貸す理由もないか、、、
国連軍はさすがに無理だろうな。そこまでの規模ではない。
斯衛か、、、だがやつらは姉妹をどう考えているんだ。最悪政治の道具にされてしまうぞ。
そうなったら、あいつらに顔向けできん。。。」
と愕然とする。

南條中将「そうなると...。完全に手詰まりだ。
これ以上はなんとも出来ない、日本だけで解決するなら斯衛しか頼る所がないのは...事実だ。」

三芳中将「、、、ではどうする。姉妹を守りつつ支援を引き出せるのか、
二人を死なせない事が出来るなら俺の首を差し出しても構わんぞ。
どうせ戦闘では憲兵隊で歩兵を率いるぐらいしかできん。
ならばそれでも良いぞ。」
と言う。

南條は全然吸わないはずのタバコを吸い始める。
南條中将「隆文、ふざけた事を言うんじゃない。
お前の首でなんとかなるなら、既にしているさ。
実際、そんな事すれば帝国陸軍内で笑い者にされるさ。」

三芳中将「ふざけてはいないさ。その価値すらないならどうしようもないが、
その覚悟は有るさ。しかし俺にはそれぐらいしかできんからな。」
と答える。

南條中将「まぁまぁ、伝手はある。斯衛軍のパイプがないなんていつ言ったよ?」

仏頂面で答える三芳中将。
三芳中将「、、、お前はなあ、(# ゚Д゚)だから早くそれを言え。」
と同期の桜である南條のいつもの、のらりくらりの対応にいつものように切れかける。
切れかけて、そのまま黙る。
(、、、晴輝がいたらまあまあと抑えて3人でやっていたのが、このありさまか。。。
それに亜紀さんも居たらいい知恵を出してくれた。それがもう俺たち2人だけか、、、。)

ニコニコしていた南條が、ため息を吐いた。
南條中将「っても、その伝手先の斯衛相手がな...斑鳩なんだよ。
1番関わりあるけど、何してくるかは分からないからね...。」

三芳中将「斑鳩?、、、まさか五摂家の斑鳩崇継閣下か、、、。
それは、、、大丈夫なのか。下手を打てばこちらが粛清されるぞ。」
と焦る。

南條中将「情報省時代からの古い縁になってるね、下手は打たないよ。
もし、そうなるなら...奥の手はあるさ。
言うて戦隊に、彼の首輪付きはいたしね。丁度よく新しいパイプラインにしてもらったよ。」

それを聞いてホッとする三芳中将。
三芳中将「そうか、それなら。。良いが。
確かに亜美の部隊を首輪付にしたくはないな。
それなら貴様にすべて任せる。俺にできることがあるなら何でも協力するぞ。」

南條中将「まぁ、その時は宜しく。」
三芳中将「解った。では、私は戻る。あとは頼む。しかし、晴輝たちが居たらこんなことには
ならなかったはずだったが、、悔やまれる。」
と言い退室していく。

南條中将「...どうだろうな、いつかは子供は親離れをしていく。いても変わらないかもしれないぞ、隆文。」

場所は変わり、斯衛軍管轄 軍病院内のリハビリテーション室で真木は
司にギャアギャア言われながらも、ハイペースにリハビリをしていた。

真木班長「ったく、指示は聞いてるんだからそう喚くなっての。
久しぶりで、しかも戻る事はないと思っていたんだ。早く杖を卒業して歩きたいね。」
以前の絶望から逃れる為に半端自暴自棄でやっていたとは違った。

司軍医長「だからだよ、ハイペースすぎるよ。自暴自棄になってないからいいんだけど。」
と真木の事を心配して言う。

そんな傍ら、上月へ南條から連絡が来ていた。
南條中将「結論を言おう。斯衛軍の古い友人に当たる、斑鳩崇継閣下と正式に協力関係を結べた。
国連極東支部の香月夕呼博士と斑鳩崇継閣下、そして私で対米国及び防諜等の共闘、
戦隊が斑鳩配下の斯衛部隊の作戦へ協力すると言う事で決着が付いた。」

上月副官「斑鳩家と良く協力関係を結べましたね...。一安心と言う所でしょうか。我々は何をすれば?」

南條中将「戦隊への立場は変わらない安心してくれ。君達の希望通りだが、頼みがある。
佐渡島を死に場所に決めた姉妹を、どうか佐渡島から無事に連れ帰ってくれ。」

そんな話を横で聞いていた真木は上月から電話を横取りして、代わりに返した。
真木班長「任せろ中将!アタシに隠してた分を2人に怒鳴り散らさないとコレは晴れないからね!
ちゃんと、貴方の元に姉妹揃って返して見せるさ!。」

南條中将「なら良かった。搭乗機は既に調達してある、安心してくれ。ではな。」
そう言って、通話は終わった。

真木班長「よし!更にモタモタしてる暇は無くなったね!リハビリを再開するよ!」

上月副官「それにしても、私たちの搭乗機は何になるんでしょうか?
我々はあくまでも斯衛ですから、陸軍の機体は乗れないでしょうし...。瑞鶴になりますかね?」
真木班長「その時はアタシ達で、瑞鶴を現地改修でもするか!」

そんな話している中に、リハビリテーション室へ2人は戦隊にいると思っていた菊間が来た。
真木班長「菊間!何故アンタがココにいるんだい!仕事はどおしたんだ!。」

菊間整備兵「中将と閣下に言われて、お二人の機体を調達して来たんですよ...。
まさかここまで大盤振る舞いとは...。閣下も意外と...、いや単にはっちゃけたいだけかも...。
とにかく、2人にピッタリの機体を用意しましたよ。私の事は、姉妹も揃ってから話しましょう。」

真木班長「分かった...。菊間、隠し事をしないでくれよ?」
菊間整備兵「そうですね...、分かりました。」

上月副官「大尉、そろそろ...。」
真木班長「あぁ、リハビリに戻るよ。」

翌日、菊間に連れられて2人は病院に隣接する斯衛軍基地の戦術機格納庫に来ており、
2機の白い戦術機、斯衛軍が誇る最新鋭機 武御雷を見上げていた。

真木大尉「こりゃ...。話には聞いていたけど、まさかこうも早く拝めるとはね。」
上月副官「えぇ、実戦配備されてまだ日の浅い斯衛軍の新型機である武御雷が何故....。」

菊間整備兵「それは姉御達が乗る機体として、中将と私の飼主が誂(あつら)えたんですよ。
私もビックリしましたよ、A型とはいえ武御雷を2機譲るなんてね。
まぁ、お二人は武家の人間ですからコレに乗る資格はありますけどね。」

そんな菊間の発言に、違和感を真木は覚えた。
真木大尉「飼主?そりゃ一体どう言う事だい?。
まさか菊間...、アンタはスパイだったって事かい?。」

菊間整備兵「姉御。それに関しては、早雲姉妹も交えてお話ししますよ。
大丈夫です。逃げませんから...。」

真木大尉「言ったね?待ってるからな。」
影のある言い方をする菊間に、真木はそれだけ伝える。

上月副官「武御雷を頂けるとは...無様な姿を見せられませんね...!。」
真木大尉「全くだよ...菊間、頼みがある。アタシの武御雷なんだけど。機体色を黒くしてくれないか?」
菊間整備兵「な、何を言ってるんですか!それでは武家ではなくて、一般衛士の色になってしまいます!。」

そんな反発する菊間を見ても、真木は動じない。
真木大尉「衛士のアタシは、武家の人間じゃない。ただ国と民を思い、それを守る為に戦う衛士なんだ。
武家の身分を捨てても、それでも斯衛の衛士として盾になりたいから黒の軍服を着たんだよ。
だからさ、アタシの乗る機体は黒じゃなきゃいけないんだよ。頼む、コイツを黒く染めてくれ。」



菊間整備兵「...分かりました。A型を黒くして、他の斯衛衛士になんか言われても知りませんよ?。」
真木大尉「へっ、上等だ。」

こうして真木や南條中将達は来るべき姉妹の戦死する未来を変えようと動き、
亜美や奈美姉妹は絶望の中、仲間を護るために何が出来るか
その事を考え来たる日に備えて行動していくのであった。
運命の佐渡島防衛戦まであと、14日ほど。
END