スクリーンに雨が降る -3ページ目

 

映画「ゾンビ」に関して、ウィキペディアの記述にはあてにならないものも含まれている。

その中で、米国劇場公開版については以下のような解説が記されている。

 

‘ソフト化の際には若干の修正が加えられたため、厳密な意味での米国劇場公開版ソフトは存在しない’

 

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しかし、上の商品がそれに該当するバージョンとして存在するのだ。

何がどう違うのか、解説する。

 

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ヘリに給油しながら待つ、スティーブンとフラン。

ここまでは、現在の米国版と全く同じ編集だ。

ところが、次のカットでいきなり以下の場面が入る。

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「同じ穴のムジナか」といった意味のセリフを言う、ジョセフ・ピラトー。

ロジャーとピーターの乗ったパトカーが到着。

以下、一連の部分が続く。

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以降は、再び現在の米国版と同一。

ランニングタイムは128分24秒で、米国版の127分02秒と比べると1分22秒長い。

単純に、この部分だけを切り忘れたような状態だ。

 

そもそもフランとスティーブンが銃を突きつけられる場面がないので、不自然かつ違和感しかない。

これならばすべてを残すか、アルジェント監修版のように丸ごと削除した方が良い。

結果的にロメロ自身も、後のソフト化の際に修正せざるを得なかったのは当然とも言えるだろう。

 

余談だが、昔、友人と自主映画を撮っていた頃の話。

最初の編集で、物語の流れ上必要ない、邪魔ですらある部分をどうするかで揉めた事がある。

僕は断固として切るべきだと主張したが、監督である彼は、限界まで短く修正しながらも最後まで、その場面を残した。

理由は、ノーギャラで出てくれた役者に申し訳ないからと。

これと同じ話とは思わないにしても、ロメロ監督は優しい人である。

 

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続いては、海外ソフトの英語字幕バージョンについて。

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字幕入り商品としてはかなり最初の頃に出た、韓国版のDVD。

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原語を忠実に表示していると思いきや、cokeって何だよ!w

このセリフはシナリオにあるので、ちゃんとした資料を基にすれば間違えようのない部分。

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Danと名前を呼ぶ字幕になっている。

東京12チャンネルでの日本語吹き替えと、同じ解釈。

 

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イタリアで出たDVDボックスでの、英語字幕。

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ちゃんとcoatとなっている。

しかし原語を意訳したような、台詞とは違う字幕なのだ。

 

現在では正確な英語字幕を収録したソフトが存在するものの、全ての台詞が字幕化されているわけでもない。

 

ロジャーの死は、残された3人に大きな虚無感を残した。

どんなに物欲を満たそうとも、所詮彼らは籠の鳥なのだ。

数か月の時が流れ、全ての放送網が途絶した。

文明社会の崩壊を肌身に感じ、荒んでゆくそれぞれの心。

それでも彼らは、あらたに人間関係を築き直そうと努力していた。

 

しかし、過酷な運命が3人に牙をむく。

 

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ピーター「バカな  だまって聞いてろ」

 

突然入った無線通信に答えようというフランを、たしなめるピーター。

略奪者の集団が、避難民を装って今まさにこのショッピングモールを襲撃しようとしている。

日本ヘラルド映画版(以下、H版)の翻訳字幕において、一番シビレる場面。

これらは、ブルーレイの字幕よりも情報量が多い。

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ピーター「トラックを動かして入って来るぞ」

 

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スティーブン「下には亡者が何百人もいる」

 

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ピーター「あいつらはプロだぜ」

 

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ピーター「奴らは戦い抜いて来やがったんだ」

 

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スティーブン「20人はいる  門を閉める」

 

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スティーブン「門を閉めるんだ  我々に気づかん」

 

夜の闇を、爆音が引き裂く。

生き残った暴走族の集団が、ショッピングセンターを襲撃したのだ。

ゾンビの群れが建物を守る形になるが、邪悪な者たちは笑いながら殺戮を繰り広げる。

ロジャーが命をかけた防壁も突破され、店内は阿鼻叫喚の修羅場と化す。

乱入した族を、ライフルで迎撃するピーター。

族の銃弾に狙われ、追い詰められるスティーブン。

最上階の部屋で、じっと2人を待つフラン。

 

最後の夜が、明けようとしていた。

 

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「何百人いるか知らんが心配はねえ」

暴走族のセリフは現場で大幅に増やされているので、シナリオにないものが多い。

 

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上は、H版の字幕なし部分。トラックに乗り込んだ族が大喜びしている。

Shit, It's still taped up. It's all ready for us.

 

後のバンダイビジュアル版では、ここに初めて字幕が入る。

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実は、トラックに乗り込んだ族が喜んでいる理由がある。

錯乱し、ゾンビに噛まれたロジャーはトラック停車後に後処理をする余裕がなかった。

運転席の電源配線は、切断されずにテープで巻いたままだったのだ。

だから、トラックはすぐにも動く。

「配線を繋いだままだ!まるで俺たちを待っていたみたいじゃないか!」

これが、正しい翻訳だ。

 

怪物相手の防御策は、より邪悪な相手の前では何の役にも立たなかった。

あまりに簡単に突破できるので、族も呆れているのが表情でも見て取れる。

 

最初の誤字幕が受け継がれ、ブルーレイでは以下のような内容に。

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次は、H版とDVDでは正しかった字幕。

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ブルーレイでは、誤字幕となる。

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翻訳は、すべてを直訳すれば良いというものではない。

誰もが分かりやすいよう、映像に合わせた意訳も必要だ。

しかしこの場面に関しては、作品の深みに通じる部分でもあると考える。

いつの日か、正しい翻訳に戻されるのを願う。

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「勝手なマネをするなよ  行け!」

リーダー格の族の威圧感を強調する、H版の字幕。

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ピーター「よし畜生め  これは戦争だぞ!」

ブチ切れた彼は、略奪者を血祭りに上げる。

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さて、ここが全ての翻訳に対する僕の疑問点。

天井に登ったピーターに向かって、「見たぞ!」と叫ぶ族。

H版の字幕はこれだけだが、次に男は「チョコレートマン」という侮蔑言葉を発する。

しかしよく聞くと、大声でなく小さく吐き捨てているようではないか?

「クソッたれ」とつぶやくように。

 

僕には、もう一人の声が被っているように聞こえるのだ。

ピーターの、おどけた声のように。

状況的に、ピーターはまだこの上にいる。

彼は族の威嚇に、黙って息を潜めているような男だろうか?

 

実際、ソフトによってはこの部分の台詞を[SPEAKS  INDISTINCTLY](不明瞭な言葉)と表示しているものもある。

「I see you」(見えてるぞ!)の後に、ピーターが返すとしたならどんな言葉だろう?

何にしても、族が口を動かしている映像なので「チョコレートマン」という字幕でも間違いではない。

 

実際、ピーターは何かを言い返しているのか?

 

ちなみに、ある映画で車のナンバープレート「I.C.U」に(訴えるぞ)と翻訳字幕を被せていた事例もある。

僕の長年の疑問、誰かにトドメをさしてもらいたいw。

 

 

ショッピングセンターの最上階に籠城した4人は、店内のゾンビを一掃する作戦を計画する。

大型トラックで店の出入り口4か所を封鎖後、中に残った怪物たちを処理するのだ。

ヘリで地上に降り、トラックの電源配線を繋ぐロジャー。

彼の度が過ぎる興奮状態を、同行したピーターは冷徹な目で見つめる。

2台目の作業中にゾンビに襲われ、錯乱したロジャーはついに噛まれてしまった。

作戦を中止して引き返そうというピーターに、全ての仕事をやり抜くとロジャーは言った。

 

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上の字幕は、ブルーレイでのロジャーのセリフ。

この部分で、日本ヘラルド映画版(以下、H版)ではピーターの「まだ3か所残ってるんだぞ」という翻訳字幕が入らない。

ロジャーの所だけ、「こいつは凄い  こいつは凄いぞ」と字幕が入る。

 

彼はトラックの電源配線の接続作業に、異常に興奮している。

ここでのロジャーの本当のセリフは、「すごい美人を FU●Kしてるみたいだぜ」なのだ。

Like a fu●king charm!

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ロジャー「することが山とあるんだ!」

ゾンビに噛まれたロジャーが、歩けるうちに仕事を片付けると叫ぶ場面。

これまで何度も翻訳されているが、どれも大して変わらない。

だがこの字幕は、最も重要な訳を切り捨てている。

 

彼のセリフに、loose me という部分がある。

これは、「私を失います」という意味だ。

ピーターが後で言うように、ゾンビに噛まれた人間は3日以上生きられないのだ。

同じSWAT隊員であるロジャーも、その事実を知らぬはずがない。

だから彼は、この時点で自分の死を悟っている。

ここでのロジャーのセリフは、「死ぬ前にやり抜かないと!」とすべきだ。

でなければ、彼の決意が伝わらない。

 

後にピーターがロジャーに見せた優しさは、死にゆく者への同情や哀れみでない。

死を覚悟してなお、仲間の為に尽くそうとする男への尊敬の念なのだ。

現時点で唯一この意味を汲み取っているのは、ブルーレイの新規収録吹き替え音声だ。

 

ちなみに初公開当時にヘラルド出版から翻訳された原作本では、ここの部分は正確に訳されている。

ところが後年、ABC出版から出された2度目の翻訳本では真逆の誤訳に変えられてしまった。

お持ちの方は、是非読み直してみてほしい。

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店内のゾンビを一掃した4人は、楽園を謳歌する。

巨大なショッピングセンターの商品は、全て自分たちだけの物だ。

そんな幸福な時間も束の間、ロジャーの容態は悪化。

生き返らぬよう頑張ると言い残し、ピーターに見守られながらこの世を去る。

やがて、ロジャーにかけられた毛布が動き出す。

ピーターの握りしめた銃口が、亡き友の額に向けられた。

 

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ロジャーの容態悪化を心配するフランに、無表情で答えるピーター。

「6人とも3日以上は生きてなかった」

 

I'VE SEEN HALF A DOZEN GUYS GET BITTEN BY THOSE THINGS…

原語の半ダースを、正確に6人と訳したH版の字幕。

 

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店内で好きなものを手にする4人の姿。

H版では上映時間短縮の為カットされた場面だが、この部分の翻訳にも少々難点がある。

ピーターが銀行で札束を見つける場面。

You never known

 

上の画像は、光山昌男氏の監修字幕だ。

大抵が「こんな大金見た事ないだろ」といった意味に訳される。

しかしピーターの皮肉めいたキャラクターを考えると、そんな単純なセリフはそぐわない。

 

彼はこの世界で、もはや貨幣価値などない事に薄々気付いている。

それでも札束を手に、おどけて見せる。

 

「先の事は 誰にも分からんからな」

これが最もふさわしい訳だろう。

 

字数制限を考えて意訳するなら、「明日の為に」くらいが適当か。

 

 

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余談だが、これはトラック場面のシナリオだ。

現場で細かく書き込まれている。

本作のメイキング作品「ドキュメント・オブ・ザ・デッド」の中でも解説されているが、ロメロ監督の編集者としての才能も優れていると実感する。

 

 

SWAT隊員のロジャーは同僚のピーターと共に部隊を離脱、彼の友人であるスティーブン、その恋人フランと合流。

4人はヘリコプターで大都市からの逃亡を図る。

上空からの光景は、人間の持つ残忍さ・醜悪さをまざまざと見せつけていた。

やがて眼下に巨大なショッピングセンターが現れる。

彼らは休息の為、その屋上に着陸した。

 

 

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ヘリコプターの中で、4人はそれぞれ残してきた者について語る。

 

フランが「前の主人を」と言い、離婚経験者であることが分かる。

 

続くロジャーのセリフが、日本ヘラルド映画版(以下、H版)では「別れたのか」と誤訳される。

正しくは「別れた妻を」だ。

 

ロジャーもバツイチだった。

 

 

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ロジャー「ショッピング・センターだ  屋内商店街の」

ショッピングセンターを見下ろしてのロジャーのセリフは、アルジェント監修版とロメロ監督版とでは異なる。

H版では、具体的に翻訳している。

 

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ショッピングセンター内部に侵入した4人は、非常用物資を見つける。

缶詰を手にするフラン。

H版での、以降の翻訳。

 

フラン「牛肉があるわ」

ロジャー「缶切りはあるかい?」

フラン「持っていないわ」

ロジャー「大丈夫  鍵がついてる」

フラン「ステキね」

 

この缶詰は、底に開けるためのキーが付属しているのだ。

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光山昌男氏の監修字幕では、上のように訳される。

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最近のブルーレイでも、ロジャーのセリフは違う意味に訳される。

この場面は、最初に翻訳されたH版が正しいにもかかわらず他では全て意訳される。

とはいえ、場面としては意味のないやり取りだ。

缶を開けられないならまだしも、簡単に開けられるならば会話としての必要性が低い。

スポンサー絡みの商品宣伝でもあるまいにw。

 

 

スティーブンが眠っている間に、フランに留守を任せてSWAT隊員の2人は店内を探索。

内部をうろつくゾンビをかく乱するため、音楽を流す提案をするロジャー。

ピーターの指示ですべてのスイッチを入れたところ、エスカレーターまで作動して2階フロアーにゾンビの大群が押し寄せる。

それを見て、一瞬狼狽える2人。

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ロジャー「どうしよう?」

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ピーター「何をだ?」

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ロジャー「ライターの油だ」

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ピーター「あるさ」

 H版において、かなり正確に訳された部分。

後の他の翻訳では「やめるか?」と意訳されたり、ライター油を訳さないものもある。

 

 

店内に無事侵入し、物資を調達する2人。

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ロジャー「わかった  奴らのそばを右だ」

 

この部分のH版字幕の翻訳は、明らかに誤訳。

「wheel right by 'em」は、舵を取るという意味。

「カートに載せて荷物を運ぶ」のを、「右」と訳している。

 

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ピーター「試してみよう」

 

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ピーター「練習じゃなく本気でやるんだ」

 

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ロジャー「とてもムリだぜ」

 

こういった些細な場面も、翻訳がやり直される度に変わってくる。

 

 

助けに来たスティーブンと合流し、必要な物品を持ってフランの待つ最上階へ戻る男たち。

絆の深まる彼らとは対照的に、フランの孤独は深まる。

彼女とスティーブンはカナダの奥地へ逃げる計画だったが、もはやその希望は通らない。

ラジオから流れる情報は、各地の惨状を伝えていた。

男たちは、ショッピングセンターに立てこもる計画を立てるのだった。

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ピーター「もし奥さんが殺されたとして・・・」

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ピーター「彼女の首が切れるか?」

アルジェント監修版の予告編にも使われながら、ロメロ監督版の本編からはカットされた部分。

 

余談だが、映画マニアでも知られたクレージーキャッツの谷 啓氏が、ロメロ監修版を見てこう言ったと伝え聞く。

「SWATの場面は、ダダダダッ!が流れなきゃなぁ…」

 

僕も、そう思いますw。

 

 

1979年に日本で初公開された、映画「ゾンビ」。

緊急輸入という宣伝通り、イタリア経由での翻訳のため資料が不足していたと思われる。

今回から日本ヘラルド映画のフィルムを中心に、これまでに映像ソフトで日本語字幕に翻訳された内容を解析する。

 

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悪夢にうなされるTV局員のフランが、同僚に声をかけられる。

生放送中のスタジオは、死者が甦ったという衝撃の話題で大騒ぎだ。

偽善的な態度で学者の話をたしなめる司会者だが、事態の重大さは人々の正気を失わせてゆく。

 

日本ヘラルド映画版(以下、H版)の翻訳は、「ファンが騒いでる」

ここの原語は、THE  SHIT'S REALLY HITTING THE FANだ。

FANには感情を掻き立てる・煽るといった意味があり、HIT THE FANは、大変な事態と訳される。

よって、この部分の真の翻訳は、

「大混乱だよ」

 

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フランの同僚が紙コップを手に現れる。

H版では字幕の出ない部分。

言っている内容は、「私のコートを返して」だ。

フランが眠っている間、彼女のコートを羽織っていたわけだ。

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しかし、後のバンダイビジュアル版(以下、B版)では映像に合わせたのか、飲み物の表記に誤訳された。

意訳するならば、せめて「もう交代して」だろう。

 

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H版の最大の誤訳は、レスキューステーションを「穴うめ局」とした事だ。

フランたちが揉めているのは、ゾンビ災害の為の「緊急避難所が次々と壊滅しているにもかかわらず上司の指示でテロップを流し続けているのが理由だ。

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視聴率のために、古い情報でも構わないという非人道的な上司に歯向かうフラン。

「閉鎖した局に援護を送って殺したいの?」では意味が通じない。

「閉鎖された避難所を表示して、人々を殺す気?」

現在は、ほぼこの訳で統一されている。

 

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避難所のリストを叩きつけ、大声で叫んで出て行く女性オペレーター。

H版で字幕のない部分だが、テレビ放送の吹き替えでは「ダン!」と叫んでいる。

女性が席を離れた後、交代する局員の名を呼んだように処理したようだ。

が、シナリオでの交代する男性の名前はdustyだ。

彼女はDamn(クソが!)と叫んだと思われる。

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このセリフはシナリオに記載されていないが、B版の上記の意訳が正解ではなかろうか。

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少なくとも、上のブルーレイ翻訳の「デイヴ!」でない事は確かだ。

 

 

プエルトリコ人の住む低所得者住宅を取り囲むSWAT部隊。

この数週間で亡くなった家族や友人の遺体を、政府の指示に逆らい引き渡さないマルチネス達。

隊員のロジャーは、複雑な思いで突入する。

すでにゾンビと化した住民が襲い掛かる中、彼は同僚の黒人隊員・ピーターと運命を共にする事となる。

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ウーリー「出て来い プエルト・リコのバカめが」

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ウーリー「プエルト・リコ人と黒助はぶっ●してやるぞ」

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ウーリー「なぜあんな貧乏な奴らがこんなホテルにいる」

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ウーリー「なぜ呼び出さん  奴らをぶっ●してやるんだ」

狂ったSWAT隊員・ウーリーの暴言は、H版が最も過激に翻訳されている。

 

 

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この一連は、H版では翻訳字幕の出ない部分が多い。

ウーリーの暴走を止めるロジャーに「離れろ!」というピーターのセリフも訳されないし、上の最初の被害者場面も一切字幕がない。

甦った夫に抱きつく女性がその名を呼ぶのだが、光山昌男氏が字幕監修したLDではビルと誤訳している。

正しくは、ミゲル

 

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住民たちは政府に逆らってまで、何故遺体を地下に隠していたのだろうかというロジャーの疑問に静かに答えるピーター。

cause they still believe there's respect in dying

H版の翻訳は、「死の尊厳を信じてるからだろ」

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上のブルーレイ字幕では、より具体的に意訳された。

が、死者に敬意を払うとは家族や友人を物のように政府が処理するのを許せなかったという気持ちではなかろうか。

あえて僕なりに意訳するなら、こうしたい。

 

「たとえ死んだ後でも 守りたかったのさ」