経営をしていると、金銭面、人間関係面、精神面のあらゆる意味で追い詰められるときってあると思います。



僕の場合もそいういう場面がたくさんありました。



特に、  ビジネス的に苦しい状態がずっと続く時期  よりは、  いいときの後に訪れる厳しい時期   の方が、より精神的に追い詰められることが多かった気がします。



それは、たとえば、


○ 事業がようやく成長ベースに乗り始めたあたりで、天狗になってしまい、いけいけ、どんどんで、従業員やパートナーに対して、ぞんざいな態度をとっていた後に、嫌気がさした信頼していた部下数名が競合先に移り、彼らに重要な顧客ベースをほとんど根こそぎ奪われたときであったり。


○ 勢いにのって大型の案件を次々とトップセールスで決めていたが、その実、身の丈にあっていない案件が複数紛れ込んでいて、それらのプロジェクトが火を噴いて ( しかも同時期に )、それをなんとかするために、どんどん人を投入するが、その手のプロジェクトが火を噴くときは、土台から間違っていることが多くて、いくら上から塗り固めようとしても根本的な問題解決にはならず、会社の社運にかかわるような大きな赤字を計上したときであったり。



そんなときって、経営者の意思決定の間違い、または、おごり高ぶっていた態度・心もちに原因があったことは明白で、社員やパートナーとの信頼も崩れ去り、何年もかけて築き上げて来た、顧客も、資金も失い、すべてを失って、なお、その原因が自分自身にあったという事実に呆然としている。




元来、一般のひとよりは、相当ポジティブな考え方を持っている 企業家も、 そうした事態を迎えたあとは、しばらく何をしていていも、何を見ても、つらく、哀しい 気持ちになって、それでも そうはいってられないので、仕事はこなしているけど、心は一切うつろ。いくら飲んでも、ぜんぜん酔えない。



そんなときってありませんか?


そんなとき、どうやってバランスをとっていますか?




僕の場合は....




ちょっと長くなりましたので、その具体的な内容は次回に。(しばしお待ちを)



ちたみに皆様はどうしてますか?

自分だけの、心のバランス回復法なんかがあれば、教えてくださいね。



春日原森



今日2008年11月5日(米国時間では11月4日)、合衆国大統領選挙において、バラクオバマ上院議員が黒人としてはじめての米国第44代大統領に当選されました。



日本にとってデメリットの多い大統領といわれていますが、個人的には、多くの問題を抱える米国をこの若きリーダーがどのように率いていくのか、期待したいと思います。




さて、若さとカリスマ性によって大衆を魅了するオバマ氏をTVで見ていて、僕が思い起こすのはケネディ大統領です。


ケネディ大統領は、いまから48年前の1960年の11月8日に合衆国大統領選挙で当選しました。


オバマ氏が弱冠47歳に対して、ケネディ氏は、さらに若いわずか43歳!!の若さで大統領に選ばれていますから、本当に若きカリスマリーダーだったわけです。







さて、この一枚の写真、皆さんご存知ですか?


これは、米国とソ連が全面核戦争に突入しかけた、人類が直面したもっとも大きな危機のうちのひとつとして数えられる 『 キューバー危機 』 の際の一枚です。


内にあっては、好戦派、タカ派の存在によって内部の混乱、一本化が難しい状況があり、外にあっては、ささいな誤解によっても全面核戦争に突入しかねない状況での、ギリギリの状況の中で、白熱する閣議の最中に、ホワイトハウスをふっと抜け出して、ケネディ大統領と、その弟の司法長官であるロバートケネディが、二人で相談をしている写真です。





これ、僕が好きな写真の一枚で、僕のオフィスの壁にも飾ってあります。



なぜでしょうか。




この写真を眺めながら想像してみるんです。


もし自分がケネディ大統領と同じ立場だったらって。


人類、愛する家族、国民が生命の危機にさらされているなかで、それが自らの手にゆだねられている。難しい、つらく厳しい決断を迫られているが、自分以外にそれを決めて、その責任を背負う人間がいない。

なぜなら自分が最終決定者であるからです。

本当につらい状況ですよね。


僕はこの写真を眺めると、元気になるんです。

特に悩んでいるときです。


時々経営って本当につらい ものじゃないですか?

雨七日、晴れ三日 なんていう人もいますよね。

僕も自分が世の中でもっともつらい人間だなんて感じるときもあるんです。

そんなときに、この写真を眺めると、この人(ケネディ大統領)が背負っていたものに比べれば、僕の悩みなんてまだまだ小さいって思えます。

春日原森



〝内憂外患〟


外は敵だらけ、身内を振り返ると、頑固、あきらめ、自分勝手、弱者同士の妙な連帯感、そんなものが蔓延して、ここというときに、身内であるはずの部下が思うように動かない。


このブログを読んでいただいている経営者の方々は、誰しも、そんな経験をしたことがあるのではないでしょか?


桜井さん(この後は、桜井監督といいます。)が、ホンダF1の総監督を引き受けたとき、チームはまさにそのような状況だったようです。


なにしろ、ホンダがF1に参戦した83年には、当時のホンダの社長が陣頭指揮をとっていたにもかかわらず、一勝もすることができなかったチームです。


社長まで入っても負けた。

これ以上は、負けて当然。

そんなムードに停滞するチームを、84年のシーズン途中からまかされたんです。


そのチームを、桜井監督が、オリジナリティある戦略と、強いリーダーシップによって、チームを鼓舞して、もう一度戦う集団に変えていったお話は、我々経営者にとって大変役立つ内容がいっぱいでした。


桜井監督は、チームを率いるのに、非常にシンプルでパワフルなリーダーシップの法則を持っているように思いました。


その法則とは


○ 部下とは、あらゆることを共有する。


○ 情報や課題だけでなく、夢も。文字通り全てを共有する。


○ 夢とは、なぜその仕事を部下一人一人がしているのか?その理由を与えてあげることである。


○ ほんの短い人生で、人は生きる意味を探している。宇宙から見れば、本当にちっぽけなミクロの存在である自分が、仕事を通じることで、マクロな存在である社会や人類や地球とつながるということを理解してもらう。


○ そうして、生きた証、生きた意味を仕事から与えられることを理解したとき、部下にとって、仕事は自分のものになる。つまり、仕事を超える ことになる。


そしてこれは、僕らが心がければ、誰でもできそうなことで、そして、強い言葉です。



(撮影/桜井さんオフィス近くから見える景色)



〝部下に一生の思い出を与えられれば、それが立派なマネジメントであり、リーダーシップである〟


どうですか?

ちょっと抽象的すぎますか?

それとも、心に響くものがありましたか?


春日原森


P.S. 次回は読者プレゼントですよ!桜井さんから頂いてきたものがありますので。お楽しみに。