前回ブログでも書きましたが、一昨日、F1で奇跡の二年連続優勝を果たした、ホンダのF1チームの元総監督・桜井淑敏さんにお会いさせていただきました!!


F1は、欧州の自動車業界が支配しており、1980年代当時、ホンダは社運を賭け、社長が自ら陣頭指揮をとってF1に参戦したにもかかわらず、何年やっても一勝もできませんでした。


その負け癖のついたホンダF1チームに乗り込み、オリジナリティあふれる戦略と、強いリーダーシップによってチームを改革、世界最強チームを作り上げたのが、桜井さんです。


その桜井さんにいろいろとリーダーシップについてのお話を聞かせていただきました。



桜井淑敏さんオフィスにて撮影


桜井さんは、情熱、純粋さ、オリジナリティ、人間味、優しさ あらゆる魅力がぎゅっと凝縮したような、個性溢れる素敵な人でした!!


僕も、少なからず、優秀な企業のリーダーと言われる方とご一緒させていただくことがあるのですが、世界一を作り上げた人は、やはり別格である と素直に感じました。


そして、桜井さんのお話ですが、我々企業経営者が目指すべきもの、学ぶべきものが凝縮されている内容でした。


今回インタビューは、某ビジネスポータルサイトの仕事に関連しているので、詳細は、そちらのサイトのインタビュ-記事に譲るとして、僕の次回ブログでは、そのエッセンスを書きたいと思います。


まずは、皆様に感動を伝えねばと思って、この記事を書いております。


次回をお楽しみに。


春日原森


明日は、ちょっとどきどきです。


1980年代に、日本がまだ日出ずる国だった時代。


ホンダのエンジンを引っさげて、伝統が支配する欧州を中心とするモーターレス界に殴り込みをかけて、86年と87年にF1で二連覇した、桜井総監督(もちろん元総監督ですよ)に取材をしてきます。


あの、セナが信頼を寄せていた数少ない友人の一人としても有名な人ですね。


僕がお手伝いしているあるビジネスポータルサイトのために取材をさせていただくんですけど、その様子なんかを、明日(書ければですが...)報告したいと思っています。


お楽しみに。


春日原森

.さて、今日は、前回 の続きです。


---前回からの続き---


混沌とした事態は、一向に収集する気配もみせず、このまま、結局この状態が続くのかなって、思い始めた、そのときです。


一人のお父さんが、毅然として、砂場に向かい、そのぐずっていた子供のとなりで、砂の山を作り始めたんです。


大きいお兄ちゃんたちに相手にされない子供の相手を、大人がしてあげて、それで一件落着かと僕は思ったのですが、今度は、その子が


〝お兄ちゃんたちじゃなきゃ嫌だ!!〟


ってわがままを言い出したんです。


ところが、そのお父さんが、ちょっと変わっていたのは、その子にそう言われるのが予めわかっていたかのように、顔色も変えずに、砂の山を黙々と作り続けたんです。


もう一つ変わっていたところは、そのお父さんが作る砂の山の大きさ。


普通砂場で作る山って、せいぜい直径30cmとか40cmぐらいですよね。


ところが、そのお父さんの作っていた山は、はじめからかなり大きな土台を作っていて、直径が1mもあるかなり巨大な砂山だったんです。


最初は、子供たちも、黙々と作るそのお父さんの行為に、気づきもせず、もちろん、見向きもしなかったのですが、出来上がりつつある山の大きさに少しずつ気づき始め、興味を持った子供がぽつりぽつりと近づいてきて、質問をするようになるんです。


〝○○くんのお父さん、何してるの?〟


なんて感じに。


で、そのお父さんは、


〝山作ってるんだよ。〟 とだけ答えて、また、黙々と巨大な砂山を作り続ける。


そうすると、しばらくして、


〝僕も作っていい?〟


って感じで、だんだんと子供たちが砂場に集まりはじめて、砂場遊びを始める。


巨大な砂山に気づいて、その巨大さに惹かれて、砂場に参加する子供は一人、また一人と増えていき、結局、そのお父さんが砂場で山を作り始めてから、10分か15分ぐらいたったころには、公園にいた全ての子供が、砂場で砂場遊びを始める結果になったのです。


そして、出来上がりつつあるその砂山それ自体が既にかなり偉大だったせいか、それに負けじと、子供たちは、思い思いに、しかしその山との調和を図るべく、山を中心とした都市を作り始めたんです。

〝僕は道路を作る〟〝僕は橋を作る〟という具合に。


そして、40分~50分が経過したころには、誰が音頭をとったわけでもないのに、子供たちは、共同作業で、小学校2、3年生が作ったにしてはかなり立派な、そしてものすごく整然とした都市を砂場全面に作り上げたのです。


その砂場の造形は、本当に立派で、そこに居合わせた父兄が全員感嘆していたほどでした。


もちろん、ぐずっていた一番年下の一年生が大満足したのは、言うまでもありません。


肝心のお父さんですが、砂場の都市が完成するころには、砂場を抜け出し、何食わぬ顔で、公園の隅でタバコをふかしていました...


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いかがですか? 皆さん、このエピソードから何を学びますか?


僕はこの光景から、それまで信じていたリーダーシップについての一つの信念を再確認することができました。


その信念とは


○ 人間は〝偉大なものが作り上げられる瞬間〟に立ち会いたいという原始的な衝動・欲求を持っているということ。


○ 人間は、もし、目の前で〝偉大なものが作り上げられるよう〟としていれば、それに参加したいと強く願う生き物である ということ。


リーダーシップには、様々な形態がありますが、究極のリーダーシップといわれているのは、ビジョンによるリーダーシップです。


ビジョンによるリーダーシップとは、すなわち、命令や、メリット、デメリット、情などに訴えるのではなくて、偉大なものが築き上げられる瞬間に参加したいと思う人間の原始的衝動に訴えるリーダーシップのことなのです。


このお父さんの行動には、そのビジョンによるリーダーシップ発揮のためのヒントがいくつも入っています。


① 人をひきつけて、束ねていくには、これから築き上げられようとしていると人々が感じられる何か偉大なものを用意する必要があるということ。


② その偉大なものは、十分に魅力的であるために、十分に大きくなければならないということ。


③ その偉大なものは、それが出来上がるかもしれない と人々に確信させるために、リーダーの行動とその行動の結果によって出来上がりつつあるもので表現されなければならないとうこと。

*〝ねぇみんなぁー、これから大きい山を作るよー〟って誘うこともできたと思うが、既に他のお父さん、お母さんが、〝砂場で遊んであげなさい!〟なんて、言っていた後にそれをやると、どこか嘘くささがあって、反発を生んだと思います。経営の現場もこんな状況に似ていると思いませんか?


④ 誘われたのでなく、命令されたのでもなく、自分が参加したいからという理由で参加したという理由を与えると、本当の意味での熱心さを引き出すことができるということ。

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今回は、6人もの方に回答のコメントいただきました。ありがとうございます。


それぞれの方の回答は、ある意味で、みな近いですし、また、今回は考えていただくことが重要であって、実際には、リーダーシップの発揮の仕方には、正解はありませんので、全員が正解といってもいいと思います。


ですが、中で、あえて最も近い回答をあげるとすると、かあちゃんさんの回答です。 かあちゃんさんには、何かプレゼントを用意させていただきますね。


リーダーシップは僕が外資系のIT企業(最大で120人ぐらい社員がいました)の社長をやっていた時代にもっとも悩み、考えたテーマです。

これからも、リーダーシップについて書いていきたいと思います。

春日原森

皆様もリーダーシップについて、困っていることなどあれば、どしどし、書き込みください。

ブログテーマとして取り上げさせていただきますので。