先日、ふと近所の公園で出くわした光景の中に、リーダーシップの究極の姿を見ました。


ビジョンによるリーダーシップがいかなるものかを物語るとってもいいエピソードだと思ったので、ちょっと書かせていただきます。




...それは、僕が子供の小学校の父兄参加の学校行事で、学校に行った週末のある日のこと。


行事が終わった放課後も、『せっかく週末に会ったんだから』 という理由で、子供たちが遊びたがり、結局 小学校から5分ぐらいの公園で子供たちを遊ばせることになりました。


人数は、子供が12~13人、父兄が7~8人。


子供たちは、小学校に上がったばかりと思われる小さな男の子一人と、あとはもう少し大きい2年生、3年生が半々ぐらい。



公園に着くなり、大きいお兄ちゃんたちは、ジャングルジム遊び、追いかけっこ、戦いごっこなど思い思いに数人ずつのグループに分かれて、遊びはじめたんですが、いつの間にか、一番年下の男の子がぽつんと一人取り残されてしまったんです。


男の子は、最初は気丈に一人で砂場で遊んでいたんですけど、しばらくすると、やはり寂しくなって、お兄ちゃんたちに向かって、ぐずり始めたんです。


〝遊ぼうよー〟〝砂場で遊ぼうよー〟


って。


そしたら、それを見かねた何人かの父兄が、自分の子供にむかって、


〝ほら、かわいそうでしょ、遊んであげなさい〟


〝みんないっしょに砂場遊び、したらどうだ?〟


なんて、言い始めて。


でも、年頃のお兄ちゃんたちは当然聞き分けがいいわけもなく、まったく知らん振りで、めいめいの遊びを続けていたんです。


ついに一人のお父さんなんかは、


〝こら○○、遊んでやれ!〟なんて怒り始めたりして、


混沌とした事態は、一向に収集する気配もみせず、このまま、結局この状態が続くのかなって、思い始めた、そのときです。



一人のお父さんが、毅然として、ある事をしたんです。

そうしたら、事態はいっぺん、あっという間に、問題が解決してしまったんです。



さて、皆さん、その、お父さんは一体何をしたと思いますか?

そして、どのように事態は収束したのでしょうか?



この答え=話の続きは、明日書きたいと思います。


春日原森


最近のヒット商品といえば、〝 アップル iPhone 〟と〝 任天堂 Wii 〟が2強であることは言うまでもありませんね。


この2つのヒット商品には、われわれベンチャー企業経営者にとって、いまの市場で売れる製品を作るために必要な重大な要素が隠されているのをご存知ですか?

もう一方で、最近あまり元気がない企業の代表を〝Sony〟さんとしますけど(Sonyさんごめんなさい)、iPhoneとWiiにあって、Sony製品にないものは、なんでしょうか?


もっと言うと、Sonyの大ヒット商品である〝ウォークマン〟には、それがあって、〝プレステ3〟にはそれがないんです。

Wii、iPhone、ウォークマンが提供していて、プレステ3が提供していないもの...賢い貴方は、もうお分かりだと思います。




プレステ3が提供できず、前3者だけが提供できているもの、それは

〝 目的達成の機能でなく、過程そのものを楽しませること 〟です。



ハイテクの進化と、経済の発展による大量生産と価格競争によるコストダウンによって、我々は驚くほ

ど、安い価格で、
あらゆる便利な機能を、製品やサービスを購買することで、簡単に手に入れることができるよ

うになりました。

その結果、我々の心・購買欲求は、安いこと、便利であることを 当たり前と受け取るようになりつつあり、それらだけでは、満足できないようになりつつあるんです。

これまでの製品やサービスは、多くの場合 〝 目的を達成する手段 〟を提供していたわけです。

その手段を 〝より安く〟〝より高機能に〟〝より高品質で〟提供することの競争をしていたのが、これまでの市場環境でした。


そこで、必要になってきたのが、〝目的達成のための機能〟ではなく、〝過程を楽しませる〟ことを価値として提供する製品化です。



すごいリアルな画像とか、ドルビーの立体的な音とか、家庭用ゲーム機もとことん進化していって、ゲームをする為の機能は、これ以上ないほど発展していきました。携帯だって、同じ。音楽も聴けるし、写真も撮れるし、しかもどちらも数万円で手に入ります。


しかしながら、相変わらず残っている退屈な作業が、操作のために〝ボタンを押すこと〟だったんですね。目的を達成するための手段である、操作を楽しくしよう! という方向性が、WiiとiPhoneのヒットを生んだんですね。



ウォークマンはどうでしょう?


ウォークマンって、もともと、通勤電車に揺られるサラリーマンが満員電車でやることがなくて可哀想に思った、ソニーの盛田さんだか、井深さんだかが、〝通勤〟という〝会社に行く〟という目的達成の手段/過程そのものを、楽しくしてあげようとして発明されたものだって聞いたことがあります。


Wii、iPhoneと発想が似ていますよね。過程を楽しませる製品であるという点で。


一方、プレステ3はどうでしょうか? そう考えてみると、音とか、3Dとか、画像のすごさとか、処理速度とか、目的達成の機能のみを追及している感がありますね。



〝過程を楽しませること〟による差別化/製品化というコンセプトは、自社の製品/サービスの方向性に悩まれている経営者にとって、役立つものかもしれません。

一度、この角度から、自社の製品/サービスが提供できないか 考えてみてもいいかもしれません。


春日原森








僕のもう一つの仕事に、ベンチャー企業の成長支援コンサルティング(昨年までは、その関連で上場企業の非常勤役員をしていたりしました...)というのがあるのですが、その中で、ベンチャー経営者のリーダーシップはどうあるべきか というテーマによくぶつかります。


部下/従業員との関係がうまくいっていない 〝ベンチャー経営者〟さん は、ご自分の中で、あるべき〝リーダーシップ〟の姿/イメージを持っていないことが多い気がします。


過去に僕が書いた記事が少しそれに役立つかなと思ったので、以下を読んでみてください。




     『 イメージの重要性 』



イメージって重要です。

例えば、あなたがサッカーをやるときに、ジダンをイメージしながらプレイするか、ロナウドをイメージするか、はたまたとなりの近所のオジサンをイメージしながらプレイするかによって、あなたのプレイぶりは変りますよね。

ベンチャー企業の経営でもそうしたイメージの持ち方はとても重要です。

ジェネサス(僕の経営する会社です)は、上場企業のM&Aのお手伝いと、起業家やベンチャー企業の立上げ支援の2つを業としていて仕事のほとんどを経営者の方々と直接の接点を持ってやっていますが、そこで時々感じるのが、マネジメントがうまくいっていない会社の場合、経営者の方が頭に抱く経営者のイメージやリーダーシップの発揮の仕方が間違っているんじゃないかなということ。

例えば、人も金も経営基盤は何にもないベンチャー企業なのに、書店に並んでいるビジネス書をかじり読みして、ビルゲイツや、ジャックウェルチや、ゴーンさんのようなイメージを頂いて、戦略だけを語り、自分は社長だからといって社長室にふんぞり返っている、これ社員数人の会社でやっちゃうとつらいことになりますよね。

それでは、ベンチャー経営に合致したリーダーシップイメージってどんなものでしょうか?

僕が思いつくのは...アメリカズカップに出場するヨットチームのキャプテンのイメージですかね。

〝 キャプテンは船の運命を決して誰かにあずけたりしない。刻々と変化する状況は予断をゆるさない。部下にはあらゆるささいな状況の変化も逐一報告するように指示し、自らも天候、気温、海面の状態に全神経を集中し、集まってきた情報を自ら把握・分析し、今後の変化を占う。そうして、どの方向に、どの程度のスピードで、船を進めるべきか、方針を自らはっきりと決定し部下に指示する。
キャプテンは、自ら帆を張る作業も行い、自ら舵をとり、自ら賄い飯も作り、必要であれば全ての作業をクルーとともに行う。ただし、そうしたことを行っても自らのミッションが果たされたとは決して考えない。船を守るためにキャプテンが果たすべき重要な役割があることがそうした雑務にあるとは考えていないからである
。 〟




僕のベンチャー経営者のイメージはこういう感じですね。

よい経営者は部下に仕事を任せます。
しかしながら、部下にまかせっきりにはしません。
常に自らの五感をフル動員し、顧客や、取引先や、社員や、競合の状況を把握しようと努めます。
ベンチャー経営者は自ら動くのもいといません。


    ---- イメージの重要性 おわり ----



何か感じるものありましたでしょうか?


リーダーシップにお悩みの方がいたら、どしどし、このブログにコメント下さい。

お答えできる範囲で、お答えしますので。


春日原森