「サイコパス上司」との闘い | アラフィフ親父の戯言

アラフィフ親父の戯言

妻と高校生の娘の3人家族。20代と中高年で複数回転職。国立大学文系学部卒。仕事の人間関係と子どもの成績に頭を悩ませる、どこにでもいるアラフィフ親父です

深く付き合わないのであれば、第一印象で彼のことを悪く言う人はまずいないと思います。

物腰は柔らか、清潔感がある紳士と言った感じで、むしろ90%以上の人は、彼にいい印象を抱くと思います。

 

彼の評判も決して悪くなく、むし良い評判の方が多い。

彼を悪く言った方こそが非難されてしまいそうです。

 

でも、どこか変なんです。

彼の笑顔に素直に共感できない。

どう考えても、何かしら裏がある。

 

そもそも、彼の周りにはなぜいつも「取り巻き」がいるのか?

そして、この集団が集まっているところには、なぜいつも黒いオーラが漂っているのか?

たまにしか会わないのであれば気にもならないのでしょうが、毎日会うとなれば話は別です。

 

ここで出世するためには、この集団に入るしかない。

頭では分かっていても、心も体もそれについていかないのです。

しかも、この異様な感覚は、日を追うごとに強くなっていきます。

それを感じてしまう私の感覚こそがおかしいのだろうか?

 

そもそも、彼の周りでは、あまりにもトラブルが多すぎます。

どうして彼の周りでは、いつも特定の誰かがターゲットとしていじめられているのか?

物腰柔らかな彼も、なぜかターゲットへの当たりは非常にきつく、いつも怒ってばかりいます。

その言動を、彼の取り巻き達が察して、エスカレートさせている印象です。

会議という会議は全て、特定のターゲットをいじめる吊し上げ会議になってしまっています。

 

そうこうするうちに、ターゲットにされた人は心身を病み、会社に来なくなってしまいます。

そして別の誰かがターゲットになる。

そんなことが数か月おきに繰り返されていました。

 

彼に対する違和感は、どんどん強くなっていきました。

そのうち、彼の近くにいると、単にどす黒い雰囲気を感じるだけではなく、廃墟になった会社の映像がイメージとして感じられるようになってきました。


そんな違和感(こんなことを誰かに話したら、こっちが頭がおかしいと思われてしまうし、話す相手なんていないけど)を毎日抱き、距離を置いているうちに、彼と彼の取り巻きからも距離を置かれてしまった、という感じです。

 

こんな人を出世させてしまったら、会社はとんでもないことになります。

でもここは、日本人なら誰でも名前を知っているような大手企業。

そんな大手企業で、たった一人の社員が暴走するなんてことはあり得ない。

世の中に正義というものが存在するのであれば、きっと何か見えない力が彼を止めてくれるはず。

私は必死で自分にそう言い聞かせていました。

 

でも、私の期待に反し、彼はどんどん出世し、ついには役員になってしまいました。

悪魔的な力で多くの人を引き付け、それを同心円状に配置して権力を拡大し、その距離に応じて彼らを相対評価しているように見受けられました。

世の中に正義が存在しないのではなく、もうこの会社は終焉に向かっていて、彼はその終焉の役割を負っている人間なのだと思うことにしました。

その予定調和に巻き込まれないようにするには、もう会社を辞めるしかないと思いました。

 

そして、会社の業績が悪化し始めると、彼は今度は同心円状で遠くに配置されている人から順番に切っていくことで、自己保身に走るようになりました。

そうこうするうちに、彼が率いていた組織は崩壊してしまったわけなのですが、彼自身は、今でも関係会社の社長として留まり続けています。

もっとも、この会社とてそれほど先は長くないでしょうから、何とか自分が65歳になるまで持ちこたえさせて稼ぐだけ稼ぎ、その後は逃げて余生を送るつもりと思われます。

そんな上手くいくかどうかは分かりませんけど