「仕事できないオジサン」が量産されるわけ | アラフィフ親父の戯言

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妻と高校生の娘の3人家族。20代と中高年で複数回転職。国立大学文系学部卒。仕事の人間関係と子どもの成績に頭を悩ませる、どこにでもいるアラフィフ親父です

例えば、

  • 「LANケーブルとHDMIケーブルを管理しているだけで、一日の大半は何もせずにネットサーフィンしているだけのオジサン」に、年間1000万円の給料を払うのはおかしい

等というSNS投稿を時々見かけます。

 

それはその通りだと思います。


のみならず、商社や金融等の給与水準の高い業界には、「ウィンドウズ2000」と呼ばれる、仕事をしない窓際族の年収2000万円のオジサンがゴロゴロいると言われています。


しかし、JTC(の全てではないでしょうけど)という会社の性質上、そういう人が出てきてしまうのは仕方のないことなのかな、とも思います。

そして、会社でどんどんリストラが進んでいるのに、そういう真っ先にリストラされそうな人がなぜか居座り続けている、なんてことも多々あります。

 


「仕事できないオジサン」が量産されるのは、仕事をやってもやらなくても人事評価は同じだからです。

 人事評価制度が「出来レース」になっている、つまり社内に派閥や職場カーストが存在し、実績に関係なく、誰にA、誰にBやCがつくかがほぼ決まっている状態です。


最初からBやCがつくことになっている人たちが真面目に仕事をするはずがありません。

仕事を真面目にやって相応の評価を求める人たちは、会社から離れていきます。

 

会社を辞めないのは「評価は低くても構わないから給料だけがほしい」人たちです。

例えば冒頭のケースだと、社内から白い目で見られることを気にさえしなければ、超ラクな仕事で年間1000万円が確実にもらえます。

そう考える人が一定の割合で現れます。


ましてや管理職でなくても年収2000万円もらえるのであれば、仕事がよほど激務でない限り、出世できなくても辞めることを考える人はまずいないのでないでしょうか。

 

大手JTCの場合、労働組合がそれなりの力を持っているので、組合員を簡単にクビにすることはできません。

例えば上記の条件が確保できるのあれば、昇進して管理職になって非組合員になる(リストラされるリスクが高くなる)よりも、昇進せずに組合員のままでいた方が得、という選択をする人も現れます。

 

「(パフォーマンスはともかく)低評価でも文句を言わずに働き続ける人」の存在は、自分のお気に入りの部下に良い評価をつけたい主要派閥側にとっても、実は都合がいい存在なのです。

A、B、Cの割合は相対評価で決まっているからです。

 

また、「仕事ができないオジサン」の中には、管理職であるにも関わらず、そして社内でリストラがどんどん進んでいるにも関わらず、なぜかリストラされない人もいます。

 

そういう人は、主要派閥ボスから「汚れ役」を任されていることが多いです。

  • 主要派閥に属していない人を引き取り、低評価をつけ続ける
  • 社内でリストラの話があった際に、リストラ対象を決めてクビにする

 

つまり、古い体質のJTCでは「仕事ができないオジサン」は必要悪として存在しているので、彼らを非難してクビにしろと言っても無駄、ということになります。


もちろん、そんなことを続けていたら会社は確実に衰退しますけどね。
高成績をもらい続けている人も、それは実力があるからではなく、上司に気に入られているからに過ぎないからです。
そういう人は、入社以来、「上澄みの美味しい仕事」しかやったことがないため、困難な仕事の解決能力を持ち合わせていません。

なので、そういう人が会社の中枢にいても、結局は何もできない、ということになります。
会社の業績が好調で、「上澄みの美味しい仕事」だけを淡々とこなしているフリをしているだけでいい時は、そういう人が上層部にいても会社は回りますが、一旦逆境に陥ると何もできない、ということになります。

経営危機が囁かれている某自動車メーカーや電機メーカーも、そのような状態になってしまったのだと推察されます。