大手塾に行かせなかった理由 | アラフィフ親父の戯言

アラフィフ親父の戯言

文系学部出身ですが仕事は理系寄りです。アラフィフで中高年転職しました。妻と中高一貫校に在学中の娘の3人家族です。

我が子を中学から私立に入れた方がいいのかな、とは何となく思っていたのですが、現在の首都圏の中学受験が、私の経験した中学受験とは比較にならないくらい過酷であることが分かりました。

まず感じたのは、大手塾は拘束時間が長すぎ、テキストが難しすぎる、ということです。「テキストが難しすぎる」は、サピックスに限った話ではありません。大手塾のカリキュラムが、いずれもオーバースペックな気がして仕方がなかったのです。


中学受験大手塾のカリキュラムは、私が経験した大学受験の勉強量すら超えています。東大受験に必要な勉強量より多くを全ての中学受験生に強要するシステムが私にはどうしても理解ができませんでした。

しかも、「組分けテスト」が毎月実施されます。

3年間もの間ずっと勉強漬けで、毎月テストがあってクラス昇降、、、入試までの3年間、毎月のように成績に一喜一憂することが子どもの発育にいい影響を与えるとはとても思えません。

私が経験した中高一貫校での地獄を彷彿とさせるこのシステムに、我が子を放り込む気持ちにはどうしてもなれませんでした。


また、中学受験においては、あまりにも算数の重要性ばかりが強調されすぎのように思います。確かに算数は、4教科の中では一番標準偏差が大きい科目ではありますが、皆に一律に難しい問題を解かせても意味がありません。算数が得意だというだけでチヤホヤしたりされたり、マウント取ったり、苦手だというだけで即ダメ扱いする態度には怒りすら覚えます。


私自身がこういう経験をしていたので、尚更そう感じます。



また、費用も高すぎます。無駄な勉強をさせて余計な費用を課しているような気すらします。


これでは、小学校生活のメインが受験勉強になってしまい、小学校生活をエンジョイすることができません。娘の場合は結局小6までバレエとバイオリンを続けていましたが、大手塾に通塾するとそれも難しくなります。


・拘束時間が長すぎ

・授業が難しすぎ

・組分けテストによる容赦なきクラス落ちの恐怖

・算数の重要視がいびつすぎ

・費用が高すぎ

・勉強以外のことができなくなり、日々の生活が受験勉強一辺倒になってしまう。


妻も、別の理由で娘を大手塾に行かせることに反対していました。難関校からドロップアウトしてしまった子の実例を複数知っていて、子どもの能力以上の勉強をやらせすぎるのは中長期的に危険だと分かっていたからです。


  • 中学に合格するまでの辛抱だから
  • 大学に合格するまでの辛抱だから
  • 就職するまで、あるいは資格試験に合格するまでの辛抱だから
  • 昇進するまでの辛抱だから・・・

こんな生き方をし続けた人間が、名門中高 → 名門大 → 一流企業のレールに乗って、ある程度の社会的経済的地位を獲得できたところで、幸せを感じることなんてできるのでしょうか。
 
中学授業を、そういう人生のスタートラインにしてほしくありませんでした。

第一志望の学校に受かったとしても、その後も長きに亘り何かしらの脅迫感と喪失感につきまとわれる人生を送らせたくはありません。


子どもには、今の人生を楽しんでほしい。

自分の子どもをどうしても大手塾に行かせる気になれず、6年生までバレエを継続しながらの「ゆる受験」を選択することになりました。






中学受験の勉強が、それ自体が生活の主役となるようなハードなものではなく、日々の生活も充実させつつ、その延長上でできるようなメソッドが求められているような気がします。