音楽を聴くだけいっぽうの僕が自分の目線だけで、クリエーターであった故人の決断をとやかく言ってはならないのですが、加藤和彦氏の遺言はやたらと重すぎてしかたがない。
ローリング・ストーンズを知りかけたばかりのコウルサイ中学生の質問に、閉店時間まぎわだというのにイヤな顔ひとつせず「洋楽」についてアレやコ レやとおしえてくれたお兄さんが経営していた、町でいちばん大きかったレコードショップは、僕が日本を出る時にはすでに店じまいしていた。
バンコクでもタワーレコード撤退から久しく、スーパーやデパートと抱き合わせのCDショップが一種のあからさまな消耗品、廃棄物 としてCDを販売している時代に、
・店なんてなくたっていいだろ。今はもう自由自在に音楽をダウンロードする時代。カネを払うほうが間違ってる。
ではどうしても割り切れない僕にとっては、若旦那 のお店はやはり貴重な存在としか言いようがない。
別にナニも頼んじゃいないのに、
「おにいさん、マーク・ノップラーの新しいヤツ、入りましたよ。すごいブルース・アルバムですよ」
のヒトコトだけの電話がたまらない。
若旦那は僕よりも年少なのですが、田舎のレコード店のお兄さんの面影を重ね合わせながら、加藤和彦氏の冥福を祈りたい気分です。










