イギリス中部の港町リヴァプールの、青年店長が経営するレコード店にフラリと現れた若者が、お目当てのレコードが見つからないまま店を出ていたのであれば、
「ビートルズはいまのような形では世の中に存在しなかっただろう」
と云われている1961年10月28日のサタデーナイト。
レコード店長の名前は、ブライアン・エプスタイン。
若者の名前は、レイモンド・ジョーンズ。
レイモンドくんが探していたレコードは、西ドイツだけで発売されていた「マイ・ボニー」(上のスライド動画)。
先のデジタルリマスタリング盤14タイトルを即日で補完し、モノ・ボックスまで購入された方々であれば誰でも知っているビートルズ神話ですね。
しかし、やはり、神話の類いというだけあって、僕がビートルズを聴き始めた頃にもすでに、1961年10月28日のグーゼンをマユツバ扱いする声は世界各地にあった。
実際には、「マイ・ボニー」のビートルズはバックバンドにしかすぎないので、レイモンドくんが、
「ビートルズの「マイ・ボニー」ありますか?」
と指名買いをこころみたとはとうてい考えられない。
没後もなおジョン・レノンにモーホー呼ばわりされていたエプスタインとビートルズの邂逅を劇的に語るための、わかりやすいツクリ話だと思いますが、こういう虚実いりみだれての「イフ」が多いのもビートルズの面白さだと思います。
ローリング・ストーンズの場合も、「もしビル・ワイマンがアンプを持っていなかったら...」を筆頭に、たくさんのタラレバがありますが。
ちなみに、「マイ・ボニー」はEMI契約前の録音曲なので、「PPM」~「LIB」には収録されていませんが、「アンソロジー1」で視聴することができます。






