geezenstacの森 -25ページ目

geezenstacの森

音楽に映画たまに美術、そして読書三昧のブログです

生誕100年の芥川也寸志

 

 このところNHKの「らじるらじる」を聴いていると芥川也寸志が頻繁に登場しています。まあ、NHKの「らじるらじる」はリアルタイムで聴くことはなく、いつも聴き逃ししか聞きません。ただ、この聴き逃し週によって配信されるか配信されないか番組みをクリックしないと分かりません。今週はたまたま音楽評論家の片山杜秀氏が、パーソナリティを務めている「クラシックの迷宮」が聴き逃し配信されているではありませんか。普段はリアルタイムで聴くしか方法がないのですが、ラッキーということで聞き入ってしまいました。今年はラヴェルやショスタコーヴィチの記念イヤーですが、この芥川也寸志も生誕100年なんですなぁ。管弦楽曲から合唱曲、映画音楽、さらには学校や団体の効果まで後半な分野に多大なる足跡を残した芥川康ですが、既に亡くなってから36年が経過して忘れられている側面もあるのではないでしょうか。

 

 

 

 そんなことで、先週と今週の2週にわたり「クラシックの迷宮」ではこの芥川也寸志が特集されていました。第1集は彼の作曲したオーケストラ作品が取り上げられていましたが、第2集では映画音楽作家としての芥川也寸志にスポットを当てての放送となっていました。この第2回分は7月19日の午後9時まで配信されています。

第1集のプログラムは以下のようになっていました。

トリプティーク」から第3楽章モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団(管弦楽) 、キリル・コンドラシン(指揮) 作曲: 芥川也寸志(2分53秒) <Altus ALT-020> 

交響三章」から第3楽章東京交響楽団(管弦楽) 、芥川也寸志(指揮) 作曲: 芥川也寸志(6分4秒) <東芝EMI CZ30-9008> 

交響管弦楽のための音楽」から第2楽章東京交響楽団(管弦楽) 、森正(指揮) 作曲: 芥川也寸志(4分41秒) <東芝EMI TOCE-9426> 

エルベ河渡辺一利(独唱) 、中央合唱団(合唱) 、センターオーケストラ(演奏) 、井上頼豊(指揮) 作曲: ショスタコーヴィチ(2分48秒) <音楽センター UCD-404> 

心さわぐ青春の歌高橋修一(独唱) 、中央合唱団(合唱) 、センターオーケストラ(演奏) 、井上頼豊(指揮) 作詞: オシャーニン作曲: パフムートワ(3分42秒) <音楽センター UCD-404> 

カチューシャ中央合唱団(合唱) 、センターオーケストラ(演奏) 、井上頼豊(指揮) 作詞: イサコフスキー作曲: ブランテル(2分10秒) <音楽センター UCD-402> 

中央合唱団(合唱) 、センターオーケストラ(演奏) 、井上頼豊(指揮) 作詞: イサコフスキー作曲: ロシア民謡(3分58秒) <音楽センター UCD-402>

国民大行進曲「祖国の山河に」中央合唱団(合唱) 、30周年記念レコーディングオーケストラ(演奏) 、守屋博之(指揮) 作詞: 紺谷邦子作曲: 芥川也寸志編曲: 助川敏弥(3分30秒) <音楽センター UCD-402> 

交響曲第1番 から 第4楽章東京交響楽団(管弦楽) 、芥川也寸志(指揮) 作曲: 芥川也寸志(8分15秒) <東芝EMI CZ30-9008> 

交響曲第1番 から 第2楽章東京交響楽団(管弦楽) 、芥川也寸志(指揮) 作曲: 芥川也寸志(2分58秒) <東芝EMI CZ30-9008> 

合唱組曲「砂川」グルーポ・ヴォーカル・デ・トキオ(合唱) 、斎木ユリ(ピアノ) 、栗山文昭(指揮) 作詞: 坂本万里作曲: 芥川也寸志(16分14秒) <「日本の作曲・21世紀へのあゆみ」実行委員会 ECJC-009>

剣の舞今井登茂子(語り手) 、東京交響楽団(管弦楽) 、芥川也寸志(指揮) 作曲: ハチャトゥリヤン(2分50秒) <東京こどもクラブ TKCB-3-1> 

歌劇「ヒロシマのオルフェ」から最後の部分黒田博(青年) 、腰越満美(若い娘、のちに看護師) 、吉田伸昭(死の国の運転手、のちに医師) 、オルフェ合唱団(合唱) 、オーケストラ・ニッポニカ(管弦楽) 、本名徹次(指揮) 作曲: 芥川也寸志(5分37秒) <EXTON OVCL-00444>

いゃあ、内容が濃いですねぇ。

 

 そして、この第2回では、

芥川也寸志と映画音楽 〜芥川也寸志生誕100年(2)〜

楽曲一覧 

えり子の歌二葉あき子(歌) 、東京放送合唱団(歌) 、シャンブル・ノネット(演奏) 作詞: 野上彰作曲: 芥川也寸志(3分13秒) <コロムビア COCA-13731> 

初恋の歌二葉あき子(歌) 、東京放送合唱団(歌) 、シャンブル・ノネット(演奏) 作詞: 野上彰作曲: 芥川也寸志(2分53秒) <コロムビア COCA-13731> 

映画音楽「煙突の見える場所」テーマ曲オリジナル・サウンドトラック 作曲: 芥川也寸志(1分53秒) <SLC SLCS5085> 

挽歌越路吹雪(歌) 作詞: 藤浦洸作曲: 芥川也寸志(3分31秒) <コロムビア COCA-14207> 

みみずく座の唄若山彰(歌) 、コロムビア合唱団(歌) 作詞: 藤浦洸作曲: 芥川也寸志(3分19秒) <コロムビア COCA-14207> 

映画音楽「野火」テーマ曲オリジナル・サウンドトラック 作曲: 芥川也寸志(1分50秒) <SLC SLCS5085> 

映画音楽「ゼロの焦点」からオリジナル・サウンドトラック 作曲: 芥川也寸志(3分34秒) <SLC SLCS5085> 

映画音楽「五瓣の椿」テーマ曲と予告編用音楽オリジナル・サウンドトラック 作曲: 芥川也寸志(4分53秒) <SLC SLCS5085> 

映画音楽「地獄変」東京交響楽団(管弦楽) 、芥川也寸志(指揮) 作曲: 芥川也寸志(11分13秒) <SLC SLCS5085> 

映画音楽「影の車」オリジナル・サウンドトラック 作曲: 芥川也寸志(5分59秒) <SLC SLCS5085> 

春には花の下で五堂新太郎(歌) 作詞: 山川啓介作曲: 芥川也寸志編曲: 若草恵(3分50秒) <CINEMA-KAN CINK-78-79> 

大いなる旅五堂新太郎(歌) 作詞: 山川啓介作曲: 芥川也寸志編曲: 若草恵(1分40秒) <CINEMA-KAN CINK-78-79> 

映画音楽「八甲田山」テーマ曲とエンディング東京交響楽団(管弦楽) 、芥川也寸志(指揮) 作曲: 芥川也寸志(5分26秒) <CINEMA-KAN CINK-78-79> 

映画音楽「八つ墓村」から「メイン・タイトル」「惨劇・32人殺し」「道行のテーマ」「落武者のテーマ」新室内楽協会(管弦楽) 、芥川也寸志(指揮) 作曲: 芥川也寸志(13分) <松竹レコード SOST3017> 

映画音楽「鬼畜」メイン・タイトルオリジナル・サウンドトラック 作曲: 芥川也寸志(2分13秒) <松竹レコード SOST3022>

 

 今回は映画音楽ということでの括りでしたが、小生が芥川也寸志を初めて意識したのはNHKの大河ドラマ「赤穂浪士」のテーマでした。その頃は全く意識しませんでしたがミニマル音楽としてのこのテーマは非常に斬新に聴こえました。

 

 

 それにしても今回の放送で「ゼロの焦点」や「五辯の椿」、さらに「八甲田山」や「八つ墓村」(渥美清主演)の音楽までもが芥川也寸志とは知りませんでした。特に「ゼロの焦点」などはのちのサスペンスドラマの原点となる海辺の崖っぷちで大団円を迎えるという演出の走りとなった作品ということで、アコーディオンを使った斬新なサウンドは中々です。

 

 

 さてNHKでは時を同じくして、奥田佳道氏が解説を務める「音楽の泉」でも芥川也寸志の「交響三章」が取り上げられています。こちらはNHKラジオ第1とFMで放送されていて、FM放送が一周遅れている関係で聴き逃しは19日の午前5時50分までの配信となっています。取り上げられた演奏は、

交響三章(トリニタ・シンフォニカ)ニュージーランド交響楽団(管弦楽) 、湯浅卓雄(指揮) 作曲: 芥川也寸志(21分26秒) <ナクソス 8.555975J> 

交響管弦楽のための音楽東京都交響楽団(管弦楽) 、沼尻竜典(指揮) 作曲: 芥川也寸志(9分36秒) <ナクソス 8.555071J> 

ノールショピング交響楽団のためのプレリュードノールショピング交響楽団(管弦楽) 、広上淳一(指揮) 作曲: 外山雄三(9分11秒) <ファンハウス FHCE2020>

 

ということで、ナクソスの音源が使われています。このナクソスの音源は愛知県図書館の貸し出しカードを登録するともれなく「ナクソス・ミュージックライブラリー」の配信が付いてきます。これはおすすめです。ただし、下に貼り付けたのは芥川自身の指揮する東京交響楽団の演奏です。芥川也寸志の生涯の師となるのは伊福部昭である事はよく知られていますが、この作品でも主題を必要に繰り返す伊福部のミニマム音楽の特徴を聴き取ることができます。

 

 

 ついでに、この芥川也寸志の生誕100年を記念したコンサートが8月30日にサントリーホールで開かれます。ここでは芥川の「公共管弦楽のための音楽」が演奏されることになってますが、コンサートのタイトルは「第35回芥川也寸志サントリー作曲賞選考演奏会」となっていて、サントリーホールと芥川也寸志の結びつきの強さを感じさせます。なんとなれば、1986年に開業した時には彼の「オルガンとオーケストラのための響」という作品が初演されています。

 

 芥川也寸志の名言として、よく「音楽はみんなのもの」と言う言葉が挙げられます。これは、

「音楽と言うものは、生活の中に取り入れるものではなく、生活の中から引き出すものであると考えております」(芥川康志「私の音楽、談義」(ちくま文庫)よに記されています。

 

 團伊玖磨、黛敏郎とともに三人の会を結成し、精力的にマスコミにも登場していました。N饗コンサートホールという番組でも、分かりやすい解説をしていたのは懐かしい記憶です。

小林清親 東京名所図

謎解き浮世絵叢書

 

監修:町田市立国際版画美術館

解説:桑山童奈 河野結美 湯川説子

出版:二玄社

 

 

 小林清親の名前を初めて知ったのは2013年に「UFJ貨幣資料館」で開催された「広重 名所江戸百景ー広重画業の集大成~四季折々、浮世絵の楽しみ」という企画展でした。そこではこう紹介されていました。

“小林 清親(こばやし きよちか、弘化4年8月1日〈1847年9月10日〉 - 大正4年〈1915年〉11月28日)とは、版画家、浮世絵師。月岡芳年、豊原国周と共に明治浮世絵の三傑の一人に数えられ、しばしば「最後の浮世絵師」、「明治の広重」と評される。”

「光線画」の作者としても知られています。

 

 そして、この本は町田市立国際版画美術館監修に依る、小林清親そのものの《東京名所図》の作品集です。本書はこうした清親の世界を余す事無く堪能出来ると同時に、明治時代の東京の姿を垣間見る事が出来る著書として非常に優れた仕上がりとなっています。

 

目次

『東京名所図』の世界――懐かしき東京への誘い

『東京名所図』散策ルート・マップ

1 不忍池畔雨中図           水面の三色の点々は何?

2 上野公園画家写生図         絵を描いているのは、誰?

3 第二回内国勧業博覧会内美術館噴水  なぜ絵の中に文章がある?

4 浅草寺年乃市            洋風建築の向こうにあるものは?

5 今戸橋茶亭の月夜          水の動きがわかるのはなぜ?

6 今戸夏月              夜空に見える「く」の字は何?

7 梅若神社              輪郭線がないのはなぜ?

8 東京橋場渡黄昏景          大切なのは、何色の面?

9 向島桜               桜の下の男は何をしている?

10 東京小梅曳船夜図          清親がこころみた挑戦とは?

コラム 『東京名所図』制作の舞台裏――版元と署名

11 柳嶋日没              光の色は、どんな色?

12 御厩橋之図             橋の上に見える奇妙な光は何?

13 千ほんくい両国橋          誰かの浮世絵に似ている?

14 五本松雨月             空に浮かぶ雲はどう描く?

15 東京新大橋雨中図          水平線はどこにある?

16 大川岸一之橋遠景          そんなに急いでどこへ行く?

17 両国雪中 元両国広小路       広小路を描いた狙いとは?

18 浜町より写両国大火         清親は火事を写生した?

19 両国焼跡              署名があらわすのは清親の心情?

20 柳原夜雨              車夫と犬に目を奪われるのはなぜ?

 

    コラム 闇と光――清親の挑戦

 

21 御茶水蛍              奥行きのある風景を描くには?

22 九段坂五月夜            清親の雨にないものは?

23 本町通夜雪             小さな犬の大切な役割とは?

24 海運橋(第一銀行雪中)       この建物を設計したのは誰?

25 二重橋前乗馬兵           遠くのものはどう描く?

26 虎乃門夕景             不思議な光景に見えるのはなぜ?

27 東京銀座日報社           モダンな風景の中の江戸情緒とは?

28 新橋ステンション          駅は何のためにある?

29 高輪牛町朧月景           清親は高輪でスケッチした?

30 大森朝乃海             江戸と東京の大森の違いとは?

 

作品目録

美術館紹介

 

 本書では全部で30の作品を収蔵しており、その一つ一つについて全図と拡大図、また今現在の写真、更には当時の古地図と現在の地図を紹介しており、どの角度から描いた作品かという視点も示しており、実に丁寧な編集をしているのが際立っています。特に、現在の地図については「恐らく清親がここからの景色を描いたであろう」という推定の基に丸印を付ける等、中々面白い工夫も見られるし、文章も丁寧で解り易く、然もカラー図版が極めて良質に装丁されています。



 尚、小林清親と言えばこうした名所図と同時に風刺画でも才能を発揮した画家です。さすがに人物の捉え方、その表情の豊かさ等は描かれた人々が単に名所のエキストラでは無いという事も実感出来、非常に興味深く感じられたと同時にこういう作品も描いていたのかということを知れたことも大きな収穫でした。

 


 

 下は光線画を標榜したサヒンです。月明かりを雲の切れ間から描きその光越しに川越の人物をシルエットで描きとる手法は独特のものです。そこには夜の静寂感と共に切り取った景色の中に寂莫感をも演出しており、独特の印象を残します。




 広重もいいのですが、この小林清親を取り上げた展覧会がどこかで開かれるのを待つことにします。

 

 

 

 

Yellow Magic Orchestra 

 X∞Multiplies

曲目/
A1 Nice Age*   3:44
A2 Behind The Mask   3:36
A3 Rydeen   4:26
A4 Day Tripper   2:41
B1 Technopolis  4:11
B2 Multiplies*   2:56
B3 Citizens Of Science*   4:35
B4 Solid State Survivor   3:54   
 
SP4813(A&M)1980年
 
 
 Y,M.Oの存在は先にNHKのFMで放送されたアメリカと東京のライブの放送音源をカセットに録音していましたから知っていました。面白い音楽を演奏するグループだなぁ、とは思っていましたがレコードを買おうとはその時は思っていませんでした。ただ頭の片隅には残っていましたからバーゲンセールでこのレコードを見つけた時は即抱え込みました。で、驚きました。何しろ「A&M」が発売していたからです。当時は知りませんでしたが、この1980年にはA&Mはキングレコードとの契約が切れていて発売権はアルファレコードにあったのです。そんなことで、このLPは欧米では「A&M」から発売されました。ただ、この発売一筋縄ではいきませんでした。
 
 
 Y.M.Oのファーストアルバムは「A&M」翼下の「ホライゾン」というレーベルから発売されていたのですが、発売後ほど無くしてレーベルがなくなってしまいます。そんな状況下で80年に入って日本では「増殖」オリコン1位の大ヒットとなりYMOの人気が大盛り上がりしてオリコンチャート1位になります。一方アメリカでは2度目のワールド・ツアーが決まっているというのにセカンド・アルバム「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」のリリースが棚上げになっていました。理由はレーベル(A&Mとホライゾン)のお家事情とリリースのタイミングの難しかったからです。ファースト・アルバムが中途半端になっている段階で、「ソリッド~」をアメリカで売るために日本盤とはちがうジャケット・イラストを採用しようとしたらYMO本人からダメ出しをくらいまたペンディング。苦肉の策として、日本でリリース済の「増殖」のジャケット写真を使うことを思いつき、「ソリッド~」と差別化するためにアメリカ側で「ソリッド~」と「増殖」収録曲からチョイスして編集したものをリリースすることになりました。この編集にあたってはミキシングがかなり変更されています。アメリカ人好みのサウンド嗜好と曲目が選定されています。のちにこの編集盤が逆輸入で発売された日本ではベスト・アルバム扱いとなります。
 
バックジャケット
 
 ところでこのアルバムはヨーロッパではまた別バージョンで発売されています。イギリス盤は

1.「テクノポリス」

2.「アブソリュート・エゴ・ダンス」

3.「ビハインド・ザ・マスク」

4.「コンピューター・ゲーム “サーカスのテーマ”」

5.「ファイアークラッカー」

6.「コンピューター・ゲーム 

7.「スネークマン・ショー」

8.「ナイス・エイジ」

9.「マルティプライズ」

10.「スネークマン・ショー」

11.    シチズンズ・オブ・サイエンス」

12.「タイトゥン・アップ」

という曲目です。
 
 このアルバムはアメリカ向けということでヴォーカル曲が多めですが、2曲目に「ビハインド・ザ・マスク」を持ってきたというのは、後にマイケル・ジャクソンやエリック・クラプトンがカヴァーすることになるこの曲の魅力を、この時点でアメリカ人はわかっていたということなのでしょうか。1曲目の「ナイス・エイジ」は曲中でニュース速報を読んでいるのは元サディスティック・ミカ・バンドのボーカリスト福井ミカです。このレコーディング時、イエロー・マジック・オーケストラはポール・マッカートニーとのセッションを予定していたのですが、来日したポールが大麻不法所持によって逮捕勾留されたため、セッションが不可能となってしまいました。その時のポールの妻リンダのメッセージが曲中のニュース速報になっています。速報中で読み上げられる「22番」とはポールの拘置所内での番号であり、同じく「Coming Up Like A Flower」は同じ年の4月に発売されるポールのシングル「カミング・アップ」で歌われるフレーズです。
 

 

 Y.M.0のCDも所有していますが、音質的にもレコードの方が上です。下はVDの記事です。

 

 

 取り上げるにあたって色々調べていたら珍しい映像を見つけましたので貼り付けておきます。

 

 
 

パイヤール

日本の調べ

 

曲目/

1. 浜辺の歌 4:30

2. 小諸馬子唄   3:28

3. 赤とんぼ   3:22

4. 通りゃんせ  2:45

5. 荒城の月   5:55

6. 七つの子   3:30

7. 椰子の実   3:28

8. こきりこ   2:25

9. おぼろ月夜   3:05

10. 松島音頭   2:05

11. ちんちん千鳥   3]15

12. 夕やけ小やけ   3:05

 

ハープ/リリー・ラスキーヌ
オーボエ/ジャック・シャンボン

指揮/ジャン=フランソワ・パイヤール
演奏/パイヤール室内管弦楽団
編曲/矢代秋雄

 

録音:1971/09/27-28 マロニット寺院、パリ

P:ミシェル・ガルサン

 

 

 つらつらとレコード棚を眺めていたら、ふと目に止まった1枚がありました。それがこのレコードです。多分かなり以前に捕獲した中古版だと思われます。面白いものでジャンフランスはパイヤールは同じようなレコードを日本コロンビアとRCAに残しています。こちらは1971年ということでまだ日本コロンビアに発売券があった頃のエラートとの共同制作盤になります。日本語だとどちらのタイトルも日本の調べと言うことになりますが、RCA版は日本のメロディーでこちらは日本の調べと言うタイトルが使われています。面白いことにこちらの編曲者は矢代秋雄、RCA盤は池辺信一郎が編曲を担当しています。まぁどちらも日本を代表する作曲家ですが、この矢代秋雄の編曲は後にフルートとハープのための編曲も行っていますから、多分それの元になる編曲といってもいいでしょう。

 

 PRは日本に幾度となく来日して演奏会を行っていました。そのため、かなり日本のメロディーにも親しみを持っていたことでしょう。ここでは冒頭に浜辺の歌が収録されていますが、バイオリンによるフレーズの演奏に続いて、リリーラスキーのハープを伴奏に、チェロが旋律戦を奏で、次々と楽器を変えていくと言う趣向で演奏されています。

 

 

 2曲目の小諸馬子唄は、信州の小諸地方の馬小唄です。一時期長野県に住んでいましたので、こういうメロディーが流れる雰囲気には親しみがありますが、ジャックシャンボンのオーボエが雪雪とうまく歌の旋律を演奏しています。

 

 まぁ日本の原風景とも言うべき山田耕作の作曲した「赤とんぼ」「です。大正10年に作曲された作品ですが、今でも日本の原風景を捉えている秋の風物詩とも言える赤とんぼが、夕陽の中で鈴木の穂先に待っている風景が目に浮かびます。

 

 

 この後「通りゃんせ」、「荒城の月」、「七つの子」と言うように、次々と日本のメロディーが演奏されていきます。日本のオーケストラでも、そうそう、これだけ叙情に満ちた演奏を繰り広げているものはありませんが、アールはそういう点を切なくこなして演奏しています。

 

 

 B面の「椰子の実」は昭和11年に日本放送協会の国民歌謡として発表された作品です。遠い外国から流れ着いたと思われる椰子の実を望郷の念とともにしっとりと歌い上げています「コキリコ」は富山県に伝わる越中五箇山の神楽踊りだそうです。切り事は竹で作った。3センチ足らずの冬のことを郵送で、社昭夫の返却は、素朴草とは、麻薬のダイナミックな旋律で、日本の伝統音楽に新しい表現をもたらしています。これらの演奏、今ではどういうわけか、RCA版の方がメインで流通しているところがありますが、こちらの返却による演奏もなかなか味があるものにななっています。

 

 

 

 

 

 

 

 手持ちのレコードは1978年頃に再発売されたもので、番号が新しくなっています。多分新しい原盤を作成したのでしょうが、マトリックス番号は1971年に発売されたものと同じものが使われています。いっ体どういうことなんでしょう?不思議です。.

 

こちらはレコードです。

 

CDはこちらです。

 

 

 

音楽を楽しむ会

アナログレコードと蓄音機の世界・ピアノ編

 

 

プログラム

 

 毎月第2土曜日は豊明年予感に出かけて「音楽を楽しむ会」のコンサートに参加です。今月は久々に蓄音機とレコードを使ったコンサートでした。そんなことで、今回は講師席のすぐ横でテクニクスのSL 1200マークツーと言うレコードプレイヤーにオルトフォンのコンコルド型のカートリッジが装置されていました。この豊明図書館は昨年大幅なリニューアルをして、この視聴覚ホールもレコード再生ができるようになったようです。今回はその豊明図書館の装置を使ってのレコードコンサートとなりました。

 

 

 

 

 蓄音機はいつものコロンビア製が持ち込まれていました

 

 オルトフォンのカートリッジ


  今回のコンサートは、前回と前々回のコンサートで、リスナーからアンケート取ったものが集計されて、そのリクエストに基づいた曲目が選定されていました。多分時代を反映しているのでしょう。モーツァルトは1曲もなく、ショパンが4曲ベートーベンが3曲と言う編成になっていました。


 最初はバッハの平均律グラビア曲集第1巻から第1番の前奏曲がチョイスされました。ピアノ編ということでチェンバロの曲が入るとは思いませんでした。まぁGoogleあたりは全部ピアノで弾いていますからこれもアリなんでしょう。今回は立ち、アナニコライフの演奏が取り上げられていました。


 

  2曲目は、ベートーベンのピアノソナタ第14番「月光」の第1楽章がかかりました。小生も手持ちで持っているマリア・ジョアン・ピリスの演奏によるものです。貼り付けてあるのはグラモフォンにおける再録音ですが、旧録音のエラートも捨てたものではありません。


 

 

  3曲目は、ベートーベンのピアノ協奏曲、第5番の皇帝から第二楽章でした。多分実際チョイスされたのは、やはり第一楽章だと思われますが、演奏時間の関係でこの第二楽章になったような気がします。そして使われた録音はブレンデル/ハイティンク/ロンドン、フィルのブレンデルとしては、2回目の録音による演奏でした。意外でしたが、多分この頃がブレンデルが1番輝いていた時代だったのではないでしょうか。今となってはほとんど忘れ去られているピアニストのような気がします。


  

 レコード時代のピアニストと言えば、やはりマウリッツをポリーニでしょう。特にショパンはお箱だったような気がします。個人的には、彼の演奏するストラヴィンスキーのペトルーシュカからの3楽章と言うので、カルチャーショックを覚えたものでした。



 このコンサートでは、5曲目の蘭夏の花の歌は江戸京子の演奏が使われていました。ただ、彼女の音源間YouTubeではドビュッシー以外ほとんどありません。我々の年代だと彼女が小澤征爾の最初の奥さんだったと言う事は知っています。小澤征爾がフランスに渡り無山村で優勝した背景には、この江戸香子の父親のバックアップがあった事は間違いのない事実でしょう。そういう人脈も運の内につけていたと言うのは、やはり小沢の才能だったような気がします。

 


 最初の蓄音機による曲目は、アルフレッドコルトのショパンの幻想即興曲でした。これはこれで味のある演奏でしたが、今回はレコードと言う部分に重点があったような気がして、やはりレコードで聴くコンサートは味があっていいなぁというのがその印象です。確かにそういう意味では今回の来場者はかなり多く、こういうものに興味があるお客さんなのだろうなぁと言う気がしました。


 


 フィリップアントルモンは好きなピアニストの1人です。主にアメリカで活躍はしましたが、彼の演奏するフランス語は好きです。このブログでも彼の演奏するサンサーンスのピアノ協奏曲を取り上げています。

 


 8局目のドビュッシーの月の光がこれまたウィーンのサンバガラスとして活躍したイエルク・デムスと演奏であったのにはちょっとびっくりしました。1960年代からウィーンのサンバガラスとして活躍し、筆頭はフレードリッシュグルだ、そしてちょっと地味だった。パウルパドスコだ、その中にあっては、よく日本にも来日した。イエルク・デムスは地味でしたが、好きなピアニストでした。彼の残したシューマンのボックスセットは今でも愛情版になっています。ここでもしっとりとした月の光を演奏しています。 

 

 

 「エナジー・フロウ」は1993年にテレビコマーシャルとして作曲されたわずか30秒余りの曲が元になっています。センチで注目されたこともあり、作品として新たに肉付けされたのがこのエナジーフローです。そして今や彼の代表曲と言う位置づけになっています。コンサートでは清塚信也の演奏で配信音源が使われましたが、これは彼の演奏がレコードでは発売されていないからで、小生も手持ちのCDがありますが、初期にはシングルCDとして発売されていました。



 ショパンの演奏では、ホロビッツを外すわけにはいかないでしょう。ここでは1970年代に録音されたショパンの英雄ポロネーズがかけられました。現在のピアニストが演奏すると、かなり脚色された演奏になっていますが、ホロビッツのこの演奏は何も出さない何もひかないと言う。そういう骨格ががっしりした演奏になっているような気がします。

 


 日本以外ではほとんど知られていないと言うパダルジェフスカの乙女の祈りです。それも今回はSPレコードで紹介されました。1950年の録音ということで、音源としてはそれほど古くありませんが、この加藤瑠璃子と言うピアニスト、最近ではネットで高齢ピアニストとしてかなり注目されているのだそうです。まだご存命で活躍していると言うことが脅威です。

 

 

 ラフマニノフがピアノの名詞と言う事はよく知っていて、手持ちにも彼の演奏したレコードがあります。この前奏曲「鐘」と言う曲も収録されています。彼のピアノにおける代表曲の1つなのでしょう。

 

 

 テストのラカンパネラもSPレコードで紹介されました。演奏はレオニード・クロイツアーです。彼の事は小日の丸の著書でよく知っていました。ユダヤ人を救出したと言う部分では、杉浦千畝が最も知られていますが、このこの絵秀丸も忘れてはなりません。第二次大戦中はヨーロッパにあって、あまり目立った形ではありませんでしたが、ユダヤ人救出のために骨を折っていた指揮者であり、音楽家でした。この黒いツーは、彼に壊れて日本に渡り、この地で亡くなっているピアニストです。

 

 

 1960年代から70年代にかけては、ドイツグラモフォンを代表するピアニストの1人でした。ベートーベンの悲愴も人気のある曲で、ポップスの世界ではビリー・ジョエルが歌った曲としてもよく知られています。

 


 コンサートの最後は、やはりショパンの曲で閉められました。ただ使用された演奏は、ガブリエルちょドスと言うあまり聞き慣れないピアニストの演奏でした。ただ個人的にはよく知っていて、彼のレコードも所有しています。何しろ録音が通常はスートラサンパチと言うスピードでマスターが録音されるのですが、このレコードはその倍の76センチ毎秒と言う速さでマスターが録音されています。そのため非常に音が良いと言うのがこのドスの演奏の売りになっていました。確かに音はいいです。演奏はと言うとこれは好き嫌いがあるのではないでしょうか。ただ音源としてはYouTubeにはなかったので、ここで最近のショパン弾きとして、引く手あまたの反町恭兵の演奏が貼り付けてあります。

 


 小生たちの世代にとって、やはりレコードコンサートと言うのは1つのステータスでした。もう今やCDも売れない時代になっていますが、デジタルの音源と言うのはやはり配信と言うものにとって変わられているような気がします。しかし、レコードと言うのはアナログの世界であり、そのアナログの音を通してオーディオ機器も成り立っています。そういう意味では聞いて、心が和されるのはやはりレコードなのではないでしょうか。今回は素晴らしく充実した2時間を過ごすことができました。