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音楽に映画たまに美術、そして読書三昧のブログです

愛知県美術館の常設展

 

 昨日の竹内栖鳳の展覧会のついでに、愛知県美術館の常設展も見てきました。この常設展、もれなくついてくるものですが、なかなか見ごたえがあります。前にも取り上げましたが、「千と千尋の神隠し」の巨大なタペストリーが現在もまだ展示されています。これだけでも結構見ごたえがあります。そしてこの常設展です。

 

 

 今回は今までと違って大家の作品ではなく最近の収集コレクションも含めて新しめの作品が並んでいました。

 

水野里奈 Peacock Garden 2021

 

染谷亜里可 Decolor-Level3 2001

 

塩田千春 Endless Line 2017
 

 

竹村京 There and Now, kimi shini tamou koto nakare 2  2006
これなんか三層構造の作品で風で棗椰子が描かれたオーガンジーが揺れ動き幻想的です。
 

 

 泰山木 藤井篶 1959
 
刺繍で描かれた泰山木です。からふるですねぇ。

 

モディリアーニ カリアティード 1911-13
 
さりげなく大家のモディリアーニの作品も組み込まれています。

 

レオノーラ・キャリントン ウルでの狩り
 
 古代メソポタミアのシュメール人の都市国家の一つです。ウルとウルクがよく知られています。このウルはアブラハムの故郷としても知られています。

 

マックス・エルンスト ポーランドの騎士 1954
 
 レンブラントの「ポーランドの騎手」に触発された作品です。元絵の面影はタイトル以外ほとんどありません。
 
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マルケ ノートルダムの後陣 1902

 

 限られた色を使って描いたパリの風景で。奥にノートルダム寺院が描かれていますが、これはマルケが自室から描いたものだそうで、前景が暗いので奥が際立って見えます。

 

中原悌二郎 憩える女 1919
 
小さな作品ですがはっと目を惹きます。

 

加藤昭雄 ツタンカーメンのえんどう豆 1996
 
美術館の借景に溶け込んだ作品です。ツタンカーメンの服装品のえんどう豆をモチーフにした作品で、緑の中に映えています。
 

 

 

木村定三コレクション 岡本柳南の作品

 

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岡本流南 菊花報喜、老松長壽 20世紀初頭

 

上村松園 襖のかげ 明治末

 

 さりげなく上村松園の作品も木村定三のコレクションの中には含まれていたようです。地味な作品の展示の中では一つだけ輝いて見えました。

 

木島桜谷 灰燼 1927

 

これもコレクションの中の作品ですが炎の朱が見るものに畏敬を感じさせます。

 

これらの作品はおまけで見ることができます。

 

 

近代日本画のトップランナー

竹 内 栖 鳳

 

 

 18日はコンサートの前に時間があったので10回で開催知友の「近代日本画のトップランナー 竹内栖鳳」の展覧会も鑑賞しました。ポスターもそうですが、入口のボードも美人が誌か紹介していませんがこれはほとんどインチキでこれでは作者の本質は全然伝わっていないのではないでしょうか。

 

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 謳い文句にはこうあります。 

 「西の栖鳳・東の大観」──近代京都画壇の筆頭格として東京の横山大観と並び称された竹内栖鳳は、元治元年(1864)、幕末の京都に生まれました。画家たちが時代に即した新しい絵画を模索していた明治初期、円山応挙や呉春の流れをくむ円山・四条派から出発した栖鳳もまた、伝統の継承だけにとどまらない新しい日本画を描こうと試行錯誤しました。従来の日本絵画の枠組みにおさまらない栖鳳の挑戦は、ときに批判の対象となりました。京都の料理屋の家に生まれる。本名恒吉つねきち。円山・四条派の幸野楳嶺こうのばいれいに入門、早くから頭角をあらわした。初号は棲鳳。1900年にパリ万国博覧会視察のため渡欧、西欧の芸術の見聞を経て、写生に基礎を置く軽妙な画風を確立していった。西洋絵画を含め諸派の技法を幅広く研究して日本画の近代化を牽引し、横山大観とともに「西の栖鳳・東の大観」と並び称された。文部省美術展覧会(文展)開設当初から活躍、帝室技芸員、帝国芸術院会員、第1回文化勲章受章者となる。京都市立絵画専門学校、画塾・竹杖会ちくじょうかい上村松園うえむらしょうえん土田麦僊つちだばくせん、橋本関雪、福田平八郎ら多数の個性豊かな次世代を育てた。しかし栖鳳は絶え間ない修練に裏打ちされた抜群の筆技を下地とし、次々と新機軸を打ち出して、伝承と革新の双方を体現していったのです。さらに栖鳳は上村松園(うえむら・しょうえん)や土田麦僊(つちだ・ばくせん)をはじめ多くの優秀な次世代を育てました。
明治・大正・昭和を駆け抜け、創作者として先頭を進み、教育者として後進の範となった近代日本画のトップランナー・竹内栖鳳。本展では、《絵になる最初》(重要文化財 京都市美術館)などの代表作をはじめとする初期から晩年までの作品や資料を通して、栖鳳の画業を振り返るとともに、その表現世界の多様さが展示されています。

 

 今回の展覧会は下記のように構成されています。

  1. 序章

    栖鳳の文脈

  2. 第一章

    鵺の棲鳳 四条派を越えて

  3. 特集

    髙島屋と栖鳳

  4. 第二章

    西洋の衝撃 栖鳳へ

  5. 特集

    名古屋と栖鳳

  6. 第三章

    伝統と革新のはざまで

  7. 特集

    人物画への挑戦

  8. 第四章

    華麗にして枯淡 栖鳳の真骨頂

  9. 特集

    越前和紙と栖鳳

 

 竹内栖鳳の名前は今回の展覧会で初めて知りました。いや、以前「上村松園」の展覧会へ出かけていますからその時目にはしているのでしょうが、作品としては初めてです。そして、パンフレットもそうですが、上村松園の師匠なのでてっきり美人画の大家だと思い込んでいましたが、実際は大違いです。

美人画なんて2点しかありません。そして大半は掛け軸や屏風絵です。まあ下の写真がそれを物語っているでしょう。

 



 

 

池塘浪静 明治20年代 京都市美術館

 

狐狸図 明治41年 愛知県美術館

 

遅日、山村秋色 大正7年 京都国立美術館、ひろしま美術館

 

重要文化財《絵になる最初》
1913年 絹本着色 京都市美術館

 

《アレ夕立に》
1909年 絹本着色 髙島屋史料館

 

《小春》
1927年 絹本着色

 

《雪舟〈山水長巻〉模写》(部分)1890年 紙本墨画 京都市美術館

 

《虎・獅子図》1901年 紙本金地墨画淡彩 三重県立美術館

 

《熱帯風光》1902年頃 紙本銀地墨画 二階堂美術館

 

《ベニスの月》1904年 絹本墨画 高島屋史料館

 

《日稼》1917年 
絹本着色 東京国立近代美術館

 

《風濤》1918年頃 絹本着色 海の見える杜美術館

 

《柳郷清暑》1922年 紙本墨画 福井県立美術館

 

 

スペシャル・クワトロⅠ

愛知県立芸術大学+名フィル 

ジョイント・コンサート

 

川瀬賢太郎(指揮/名フィル音楽監督)

愛知県立芸術大学管弦楽団(共演)

山本友重(コンサートマスター/名フィル 特別客演コンサートマスター)

 

プログラム

【県芸大単独演奏】 ▊ プロコフィエフ:交響曲第1番ニ長調 作品25『古典交響曲』

ショスタコーヴィチ没後50年記念⓵

【合同演奏】 ▊ ショスタコーヴィチ:交響曲第7番ハ長調 作品60『レニングラード』

 

 

 

 名古屋フィルハーモニー交響楽団と愛知県立芸術大学のジョイント・コンサートが、3年ぶりに待望の開催となりました。指揮を務めるのは、名古屋フィル第6代音楽監督・川瀬賢太郎です。取り上げるのは、ショスタコーヴィチ没後50年という節目にふさわしい交響曲第7番「レニングラード」。第二次世界大戦さなかの1941年、ドイツ軍が包囲したレニングラードで作曲されたショスタコーヴィチ渾身の作品に、大編成の合同オーケストラで挑みました。川瀬は2016年、当時常任指揮者を務めていた神奈川フィルと、指揮者のポストを務めていた名古屋フィルとで、同曲の合同演奏を行なっている。今の時代に特別な意味を持つこの作品において、若き学生たちのフレッシュな感性と、名古屋フィルの円熟した響きが川瀬のタクトのもとで交差するとき、どのような化学反応が生まれたのでしょうか。

 

 

 今回は会場が愛知県芸術劇場コンサートホールということで、やや狭いのがネックになっていました。名古屋市民会館はステージの奥域も広くまた座席数も多いので、このジョイントコンサートは満員御礼でした。ただし今回は愛知芸術大学の学生と言うこともあり、やや客の入りは悪かったように感じます。8割の入りでしょうかまたステージに乗ることができず、客席をつぶしての演奏となりました。また通常はステージの後ろの席も今回はパンダが入ると言うことで潰されてしまい、その分の客席も減っていました。

 

 開演前の様子

 

 コンサートの前半には、愛知県立芸術大学管弦楽団がプロコフィエフの「古典交響曲」を単独で演奏しました。元々は室内オーケストラでも演奏できる規模の2管弦楽団編成の曲です。キレの良い演奏を期待したのですが、本来はアレグロのテンポなんですが学生相手ということでテンポは遅くやや慎重な演奏になっていました。一つ一つの音は揃っているのですがテンポが遅いので音楽が流れていきません。本来は15分程度の曲なんですが、今回は楽章感の休息を含めて20分ほどかかっていました。

 

 大学のオーケストラの中では芸術大学の学生たちですから、もともとアンサンブルには定評がありますから音は綺麗です。川瀬健太郎も的確な指示で音楽としては纏まっていました。ただ。全体としてはちょと古典すぎたかなぁというのが印象です。

 

 後半は20分の休憩後スタートです。第1楽章だけで27分強と古典派の交響曲なら1曲分のボリュームの曲です。今回の編成です。で、今回はバンダの陣取るステージサイドのすぐ横で鑑賞しました。バンダはホルン4、トランペット3、トロンボーン3名というバンダが陣取っています。

 

 

 こちらではすでに実績がありますから川瀬賢太郎はじっくりと腰を据えて曲を描いていきます。戦争の主題の小太鼓のリズムは最弱音から開始されました。小太鼓のリズムにのって楽器を変えながら12回繰り返される変奏も見事にオーケストラをコントロールしています。この曲は好きで、レコード時代から頻繁に聴いていますし、名古屋市民会館のフォレストホール2200席以上がありますが、そのホールが大音響に包まれました。ただでさえ編成が多い上に、数々の楽器が使われています。ここではその小太鼓も3台使われていました。先のピアノ協奏曲で使われたピアノも舞台上に残され、第2ヴァイオリンの後ろで演奏に参加しています。実演での楽器の積み重ねはそれこそ色彩感に溢れていて、オーケストラに指揮者の一挙手一動作に見入ってしまいます。そして、最後にオーケストラの全合奏による暴力的な侵攻が描き出されますが、2つのオーケストラの響きが相乗効果以上の迫力で聴く者を圧倒していました。とくにバンダを使った立体感のある金管の響きは真横で聞くと第迫力です。普段聴きなれている曲ですが、ホルンの4重曹はそれだけでも迫力がありました。

 

 この楽章はこれだけでなく、この後再現部に入り、もの悲しげなファゴットの響きで奔走の悲惨さを描写していきます。まさにこの楽章だけで一つの音楽が完結してしまうような巨大さですが、川瀬賢太郎は微妙にテンポを揺らしながら大きなストーリーを描き出していて聴く者を飽きさせませんでした。この曲ではティンパニは窪田健志氏が叩いていましたが、そのアクロバティックなパフォーマンスにもしばしば見入ってしまいました。この席からは地の底を這うようなティンパニの響きは初めての体験で、こういう所が楽しめるのも演奏会ならではです。

 

 第2楽章も陰影の濃い表現で、戦争の狂気さと民衆の苦しみを対比的に描いていきます。この曲では、2台のハープが実に効果的に使用されていることが分ります。ショスタコーヴィチの交響曲は有名な交響曲第5番でもそうですが、第2楽章がスケルツォという古典派とは違う構成で、聴く者を飽きさせません。

 

 そして、第3楽章がアダージョとなり、通常はここで心地よくなって寝てしまうのですが、今回の演奏会、回りの人は誰も船をこぐ人はいませんでした。この楽章はショスタコーヴィチ特有のコラールの楽章で、雄大なコラールが奏されました。この楽章でもバンダが活躍して、普段聴くコンサートとは一味違う響きが楽しめました。所で、この交響曲は4楽章形式で書かれていますが、実際には第3楽章と第4楽章はアタッカで繋がっています。レコード時代はきっちり切れている演奏も多かったのですが、実演ではそういうところも楽しむことができます。今回は実演でそれを確認することが出来ましたし、指揮者をその表情で指示を確認できる様を手にとるように鑑賞できるのも面白いところでした。このクアトロシリーズはこののち高関健、小林研一郎、小泉和裕と続きますからその式と指示の出し方の違いをじっくり味わいたいと思います。

 

オーケストラを讃える川瀬健太郎

 

バンダのメンバー

 

こんな感じでステージ後ろの席は潰れていました。

 

 ただ、一つ残念だったのはこのコンサートホールは携帯電波抑止装置がついているのですが、どうも完璧ではないようで、近くの席でアイフォンのピコンピコンという音がずっと響き渡りせっかくのコンサートが台無しでした。こういうマナーを守らない観客はつまみ出して欲しいものです。これはアイフォンのバグのようでショウセイノアイフォンもこういう症状があります。もちろんコンサート中は電源をオフにしていますから大丈夫なのですがネットで検索してもメーカーはまともに対応していないようです。

 

第31回ポン・デ・ザール展

 

 

 昨年は、30回の記念展として回顧展的な内容だったのてすが、今年は通常の規模で開催されました。会場は、愛知芸術文化センター8階愛知県美術館8階ギャラリーです。芸術家集団 ポン・デ・ザールの会員をメインにして、「浮世の風ー未の刻」「記憶の残像」「調べの位相」など日本画・洋画・水彩画の見ごたえのある絵画が展示されています。

 



 ポン・デ・ザール(芸術橋)は、パリで最初の鉄橋「ポンデザール」にちなんだもので、東海地方の作家同士の架橋になることを目指しているそうです。この展覧会は毎年出かけています。昨年の様子はこちらです。

 

 

 

 

 殿作家の作品も昨年の作品の延長上にあるように思われますし、作風も同じという事で背霊長の後カーを追う事が出来ます。

 

 

時の記憶 坂本冴子

 

in  dream 丹羽直子

 

作品2025 山口繁雄

 

 

 

SORABAKO 31-P 野村郁夫

 

「調べの位相」太田昌文

 

𠮷川サキ子 刻

 

作品2025   山口繁雄

 

シンデレラドリーム 外山順子

 

陽の当たる場所から 山田徹

 

「浮世の風ー未の刻」 田中敏夫

 

「記憶の残像」 松永知久

 

Green Aple Wall   奥野穂

 

山門 田内公望

 

晴和 奥村曨

美濃の山村 加藤哲男

 

何処へ 浦野和穂

 

風神 加藤眞惠

 

重なる記憶 早瀬玲

 

冬の光景 今井加代子

 

 

 

 

 

 

 

生誕100年の芥川也寸志

 

 このところNHKの「らじるらじる」を聴いていると芥川也寸志が頻繁に登場しています。まあ、NHKの「らじるらじる」はリアルタイムで聴くことはなく、いつも聴き逃ししか聞きません。ただ、この聴き逃し週によって配信されるか配信されないか番組みをクリックしないと分かりません。今週はたまたま音楽評論家の片山杜秀氏が、パーソナリティを務めている「クラシックの迷宮」が聴き逃し配信されているではありませんか。普段はリアルタイムで聴くしか方法がないのですが、ラッキーということで聞き入ってしまいました。今年はラヴェルやショスタコーヴィチの記念イヤーですが、この芥川也寸志も生誕100年なんですなぁ。管弦楽曲から合唱曲、映画音楽、さらには学校や団体の効果まで後半な分野に多大なる足跡を残した芥川康ですが、既に亡くなってから36年が経過して忘れられている側面もあるのではないでしょうか。

 

 

 

 そんなことで、先週と今週の2週にわたり「クラシックの迷宮」ではこの芥川也寸志が特集されていました。第1集は彼の作曲したオーケストラ作品が取り上げられていましたが、第2集では映画音楽作家としての芥川也寸志にスポットを当てての放送となっていました。この第2回分は7月19日の午後9時まで配信されています。

第1集のプログラムは以下のようになっていました。

トリプティーク」から第3楽章モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団(管弦楽) 、キリル・コンドラシン(指揮) 作曲: 芥川也寸志(2分53秒) <Altus ALT-020> 

交響三章」から第3楽章東京交響楽団(管弦楽) 、芥川也寸志(指揮) 作曲: 芥川也寸志(6分4秒) <東芝EMI CZ30-9008> 

交響管弦楽のための音楽」から第2楽章東京交響楽団(管弦楽) 、森正(指揮) 作曲: 芥川也寸志(4分41秒) <東芝EMI TOCE-9426> 

エルベ河渡辺一利(独唱) 、中央合唱団(合唱) 、センターオーケストラ(演奏) 、井上頼豊(指揮) 作曲: ショスタコーヴィチ(2分48秒) <音楽センター UCD-404> 

心さわぐ青春の歌高橋修一(独唱) 、中央合唱団(合唱) 、センターオーケストラ(演奏) 、井上頼豊(指揮) 作詞: オシャーニン作曲: パフムートワ(3分42秒) <音楽センター UCD-404> 

カチューシャ中央合唱団(合唱) 、センターオーケストラ(演奏) 、井上頼豊(指揮) 作詞: イサコフスキー作曲: ブランテル(2分10秒) <音楽センター UCD-402> 

中央合唱団(合唱) 、センターオーケストラ(演奏) 、井上頼豊(指揮) 作詞: イサコフスキー作曲: ロシア民謡(3分58秒) <音楽センター UCD-402>

国民大行進曲「祖国の山河に」中央合唱団(合唱) 、30周年記念レコーディングオーケストラ(演奏) 、守屋博之(指揮) 作詞: 紺谷邦子作曲: 芥川也寸志編曲: 助川敏弥(3分30秒) <音楽センター UCD-402> 

交響曲第1番 から 第4楽章東京交響楽団(管弦楽) 、芥川也寸志(指揮) 作曲: 芥川也寸志(8分15秒) <東芝EMI CZ30-9008> 

交響曲第1番 から 第2楽章東京交響楽団(管弦楽) 、芥川也寸志(指揮) 作曲: 芥川也寸志(2分58秒) <東芝EMI CZ30-9008> 

合唱組曲「砂川」グルーポ・ヴォーカル・デ・トキオ(合唱) 、斎木ユリ(ピアノ) 、栗山文昭(指揮) 作詞: 坂本万里作曲: 芥川也寸志(16分14秒) <「日本の作曲・21世紀へのあゆみ」実行委員会 ECJC-009>

剣の舞今井登茂子(語り手) 、東京交響楽団(管弦楽) 、芥川也寸志(指揮) 作曲: ハチャトゥリヤン(2分50秒) <東京こどもクラブ TKCB-3-1> 

歌劇「ヒロシマのオルフェ」から最後の部分黒田博(青年) 、腰越満美(若い娘、のちに看護師) 、吉田伸昭(死の国の運転手、のちに医師) 、オルフェ合唱団(合唱) 、オーケストラ・ニッポニカ(管弦楽) 、本名徹次(指揮) 作曲: 芥川也寸志(5分37秒) <EXTON OVCL-00444>

いゃあ、内容が濃いですねぇ。

 

 そして、この第2回では、

芥川也寸志と映画音楽 〜芥川也寸志生誕100年(2)〜

楽曲一覧 

えり子の歌二葉あき子(歌) 、東京放送合唱団(歌) 、シャンブル・ノネット(演奏) 作詞: 野上彰作曲: 芥川也寸志(3分13秒) <コロムビア COCA-13731> 

初恋の歌二葉あき子(歌) 、東京放送合唱団(歌) 、シャンブル・ノネット(演奏) 作詞: 野上彰作曲: 芥川也寸志(2分53秒) <コロムビア COCA-13731> 

映画音楽「煙突の見える場所」テーマ曲オリジナル・サウンドトラック 作曲: 芥川也寸志(1分53秒) <SLC SLCS5085> 

挽歌越路吹雪(歌) 作詞: 藤浦洸作曲: 芥川也寸志(3分31秒) <コロムビア COCA-14207> 

みみずく座の唄若山彰(歌) 、コロムビア合唱団(歌) 作詞: 藤浦洸作曲: 芥川也寸志(3分19秒) <コロムビア COCA-14207> 

映画音楽「野火」テーマ曲オリジナル・サウンドトラック 作曲: 芥川也寸志(1分50秒) <SLC SLCS5085> 

映画音楽「ゼロの焦点」からオリジナル・サウンドトラック 作曲: 芥川也寸志(3分34秒) <SLC SLCS5085> 

映画音楽「五瓣の椿」テーマ曲と予告編用音楽オリジナル・サウンドトラック 作曲: 芥川也寸志(4分53秒) <SLC SLCS5085> 

映画音楽「地獄変」東京交響楽団(管弦楽) 、芥川也寸志(指揮) 作曲: 芥川也寸志(11分13秒) <SLC SLCS5085> 

映画音楽「影の車」オリジナル・サウンドトラック 作曲: 芥川也寸志(5分59秒) <SLC SLCS5085> 

春には花の下で五堂新太郎(歌) 作詞: 山川啓介作曲: 芥川也寸志編曲: 若草恵(3分50秒) <CINEMA-KAN CINK-78-79> 

大いなる旅五堂新太郎(歌) 作詞: 山川啓介作曲: 芥川也寸志編曲: 若草恵(1分40秒) <CINEMA-KAN CINK-78-79> 

映画音楽「八甲田山」テーマ曲とエンディング東京交響楽団(管弦楽) 、芥川也寸志(指揮) 作曲: 芥川也寸志(5分26秒) <CINEMA-KAN CINK-78-79> 

映画音楽「八つ墓村」から「メイン・タイトル」「惨劇・32人殺し」「道行のテーマ」「落武者のテーマ」新室内楽協会(管弦楽) 、芥川也寸志(指揮) 作曲: 芥川也寸志(13分) <松竹レコード SOST3017> 

映画音楽「鬼畜」メイン・タイトルオリジナル・サウンドトラック 作曲: 芥川也寸志(2分13秒) <松竹レコード SOST3022>

 

 今回は映画音楽ということでの括りでしたが、小生が芥川也寸志を初めて意識したのはNHKの大河ドラマ「赤穂浪士」のテーマでした。その頃は全く意識しませんでしたがミニマル音楽としてのこのテーマは非常に斬新に聴こえました。

 

 

 それにしても今回の放送で「ゼロの焦点」や「五辯の椿」、さらに「八甲田山」や「八つ墓村」(渥美清主演)の音楽までもが芥川也寸志とは知りませんでした。特に「ゼロの焦点」などはのちのサスペンスドラマの原点となる海辺の崖っぷちで大団円を迎えるという演出の走りとなった作品ということで、アコーディオンを使った斬新なサウンドは中々です。

 

 

 さてNHKでは時を同じくして、奥田佳道氏が解説を務める「音楽の泉」でも芥川也寸志の「交響三章」が取り上げられています。こちらはNHKラジオ第1とFMで放送されていて、FM放送が一周遅れている関係で聴き逃しは19日の午前5時50分までの配信となっています。取り上げられた演奏は、

交響三章(トリニタ・シンフォニカ)ニュージーランド交響楽団(管弦楽) 、湯浅卓雄(指揮) 作曲: 芥川也寸志(21分26秒) <ナクソス 8.555975J> 

交響管弦楽のための音楽東京都交響楽団(管弦楽) 、沼尻竜典(指揮) 作曲: 芥川也寸志(9分36秒) <ナクソス 8.555071J> 

ノールショピング交響楽団のためのプレリュードノールショピング交響楽団(管弦楽) 、広上淳一(指揮) 作曲: 外山雄三(9分11秒) <ファンハウス FHCE2020>

 

ということで、ナクソスの音源が使われています。このナクソスの音源は愛知県図書館の貸し出しカードを登録するともれなく「ナクソス・ミュージックライブラリー」の配信が付いてきます。これはおすすめです。ただし、下に貼り付けたのは芥川自身の指揮する東京交響楽団の演奏です。芥川也寸志の生涯の師となるのは伊福部昭である事はよく知られていますが、この作品でも主題を必要に繰り返す伊福部のミニマム音楽の特徴を聴き取ることができます。

 

 

 ついでに、この芥川也寸志の生誕100年を記念したコンサートが8月30日にサントリーホールで開かれます。ここでは芥川の「公共管弦楽のための音楽」が演奏されることになってますが、コンサートのタイトルは「第35回芥川也寸志サントリー作曲賞選考演奏会」となっていて、サントリーホールと芥川也寸志の結びつきの強さを感じさせます。なんとなれば、1986年に開業した時には彼の「オルガンとオーケストラのための響」という作品が初演されています。

 

 芥川也寸志の名言として、よく「音楽はみんなのもの」と言う言葉が挙げられます。これは、

「音楽と言うものは、生活の中に取り入れるものではなく、生活の中から引き出すものであると考えております」(芥川康志「私の音楽、談義」(ちくま文庫)よに記されています。

 

 團伊玖磨、黛敏郎とともに三人の会を結成し、精力的にマスコミにも登場していました。N饗コンサートホールという番組でも、分かりやすい解説をしていたのは懐かしい記憶です。