永遠のスクリーンミュージック 120 - Vol.4
”死刑台のエレベーター”
曲目/
製作/1970
日本ビクター株式会社 / リーダーズ・ダイジェスト 19S-4
リーダーズダイジェストのレコードが結構溜まりましたので少しづつ取り上げていこうと思っています。この1枚は『永遠のスクリーンミュージック「風と共に去りぬ」』というボックスセットに含まれているものです。セット自体は10枚組なのですが、おまけアルバムが2枚も付いていて都合12枚組のセットになっていました。その辺の経緯は下記の記事で書いています。
さて、このアルバム4枚目は上記の曲目が収録されています。で、最近YouTubeにこのアルバムの音源がアップされていているのを見つけました。そのYouTubeの音源は「RainDrop5588」さんによってアップされているのですが、かなり手を加えているようなので、ここはオリジナルをちゃんと紹介したほうがいいと再び取り上げようと思った次第です。実際のレコードには次の順で収録されています。
ただし、この「RainDrop5588」のアップされたものはどうも片面づつをアップしたものではなくかなり恣意的に削除と入れ替えをおこなっています。そのアップされたファイルは「LPレコードで映画音楽 ”太陽がいっぱい” ”第三の男” ”シャレード” 他 全5曲 」
太陽がいっぱい - Plein Soleil (0:00)
第三の男 - The Third Man (3:22)
シャレード - Charade (5:39)
荒野の用心棒 - A Fistful of Dollars (7:48)
大空港 - Love Theme from "AIRPORT" (9:39)
で、もう一つが「LPレコードで映画音楽 ”シャレード” ”太陽がいっぱい” ”死刑台のエレベーター” 他 全5曲」というもので、当時のビクターはこのシルバリー・ストリングスの音源を押していましたが、薄いストリングスとピアノでカバーしたちょっと安っぽいサウンドが物足りなさを感じました。「第三の男」はチターではなくギターで演奏されていますがゲルハルトらしいミスティックな音色で曲のサスペンス性を盛り上げています。「シャレード」はヘンリー・マンシーニのオリジナルですから文句のつけようはありませんし、「荒野の用心棒」もエンリオ・モリコーネの演奏ですからいい味出しています。
シャレード - Charade (0:00)
荒野の用心棒 - A Fistful of Dollars (2:12)
さらばベルリンの灯 - Wednesday's Child (4:02)
太陽がいっぱい - Plein Soleil (6:37)
死刑台のエレベーター - Ascenseur pour L'Échafaud (9:58)
ということになっています。曲順も違いますし、採用されているジャケットは小生の所有しているレコードそのものです。まあ、今の時代になると「死刑代のエレベーター」という映画は忘れられていますし、それよりも、「太陽がいっぱい」や「シャレード」のほうが通りがいいのでしょうなぁ。
これらの演奏の中でピカイチは冒頭のファッツ・フィールド楽団の「死刑台のエレベーター」でしょうか。ジャズのマイルス・デイヴィスの即興で録音されたこのテーマを字や図のフィーリングの中でうまく料理しています。
まあ、そんなことで2014年にはアップされていなかった音源もアップされているということで、上の2つのファイルには収録されていない演奏を追加することにしました。まず最初はジョニー・ダグラスの率いるリビング・ストリングスの演奏でコスタ・ガブラス監督の1968年の映画「Z」より、「愛のテーマ」です。ここではギリシャの民族楽器のブズーキの代わりにマンドリンで演奏されています。
日本映画の中では黒澤明の「七人の侍」と「羅生門」が取り上げられています。その演奏はチャールズ・ゲルハルト指揮真シネマポップス管弦楽団というコンビの演奏ですが、実体はロンドンの臨時編成のナショナル・フィルでしょう。ゲルハルトは元々はプロデューサーで、このリーダーズ・ダイジェストのために膨大な録音を残しています。セミクラシックから晩年にはクラシック映画の映画音楽を集めたアルバムを何枚か出しています。早坂文雄の音楽はサントラだと金管をメインにしたぶんちゃか調の音楽になっていますが、ここではフル編成のオケを使っていますのでかなりシンフォニックな演奏になっています。
次の「白銀のレーサー」はあまり知られていない作品でしょう。1969年のロバート・レッドフォードの主演映画で、スキーのトップ゜レーヤーを目指す物語です。なを、この映画でちょい役ですが、シルベスター・スタローンがデビューしていました。
このレコードで一番古い音源がこの「黄金の腕を持つ男」でしょうか。1955年の映画ということで流石にこの音源はモノラルです。ただし、サントラの音源ということでは貴重でしょう。じっさい、このリチャード・マルトビー楽団が演奏していました。子供の頃はこの曲が好きで、そのシートの時代はいろいろな音源を集めたものでした。黄金の腕とはトランプ賭博での彼の腕の良さのことですが、それで彼は身を滅ぼします。