さぼてん(カクタス)オーケストラ第2回定期演奏会 | geezenstacの森

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カクタス(さぼてん)オーケストラ

第2回定期演奏会

 

 

 

 今月は2回も春日井市に出かけていますが、今回は「カクタス・フィルハーモニー管弦楽団」の第2回目の定期演奏会に出かけてきました。昨年の演奏会は出かけることができませんでしたので、取り上げるのは今回が初めてです。タイトルのところにサボテンと書いてありますが、これはオーケストラの名前がカクタスということでサボテンを意味します。彼らは春日井の中部大学の卒業生と現役学生融資によるオーケストラで、そのゆかりの春日井市のサボテンにあやかってつけた名前です。それでサボテンの花言葉は情熱ということで、この名前をつけたようです。

 

 
 今回のステージ編成です。これは冒頭の大学祝典序曲の編成になります。今回初めて知ったのですが、ブラームスの交響曲第1番よりこの大学祝典序曲の方が編成が大きいということです。まぁそれはもっぱら打楽器群の編成と言うこともいえます。ということで、下にその大学祝典序曲の編成表を挙げておきます。
 
 
 指揮の平光氏は今回初めて接する指揮者です。愛知県立芸術大学音楽部卒業で第一回宗次ホール弦楽四重奏コンクールで第1になっています。2000年からウィーン岐阜管弦楽団のコンサートマスター、2004年から2021年までは愛知室内オーケストラのコンサートマスターを務めていました。また現在は中部フィルハーモニー交響楽団の常任客演コンサートマスターにもなっています。アマチュアのオーケストラを広く指導しているということでは、この地区では今後は中村氏の大きなライバルにはなるのではないでしょうか。
 
 今回はオールブラームスプログラムということで期待して出かけました。ただあまりPR活動がうまくいっていなかったのかお客様は少なめでした。それも影響したのでしょうか最初の「大学祝典序曲」はちょっと低調な滑り出しになりました。音があまり前に出てこず、また逆にホルンなどの管楽器類は緊張のためか音が揃わずやや不安定なスタートとなりました。まぁオーケストラとしては、予行演習的な演奏と言う捉え方なのでしょうが、ちょっとバランスも悪く、普段聞く雄大なオーケストラの流れをちょっと感じることができませんでした。ホルンは4本だったのですが、一番安定していたのは4番ホルンだけというありさまでした。
 
 2曲目の「悲劇的序曲」はそれでも調子が出てきたのか、まずまずのまとまりを見せた演奏になりました。ただ個人的には「悲劇的序曲」ということで、もう少しどっしり構えたテンポの演奏を期待したのですが、ここはインテンポでぐいぐいと前へ押していく演奏となっていました。この曲からは弦と管のバランスが取れてややスケール感の出てきた演奏でした。ただ編成自体が室内オーケストラをちょっと大きくしたという感じの編成で、あまり大きな音でホールを鳴らす事はありませんでした。
 
 後半はメインの交響曲の第1番です。こちらは冒頭やや遅めのテンポで堂々とした出だしになっていました。ただティンパニーの打ち込みが弱く、そういう意味ではちょっと物足りない音のバランスにはなっていました。この曲はかなりリハーサルを重ねたのでしょう。非常に安定したアンサンブルで、金管もバランスの良い響きで、さすがしっかりとした演奏を披露してくれました。 
 
 中でも1番目だったのは3人しかいないコントラバスでした。特に中央の女性は、体全体を使って音楽をしているという印象がステージを見ていても感じることができました。よく言えば1人だけ音楽に乗って演奏していると言うイメージで捉えることができ、一人で低音部を支えているという感じがました。オーケストラはコンマスを始めそつのない演奏ですが、ややガチガチの感じでこの音楽を楽しむと言う部分ではちょっと物足りないものがありました。コントラバスの彼女のように体全体を使って音楽を作るというところまで行けば、このオーケストラの前途は、様々としたものになると感じられました。
 
 この調子でいけば、来年の第3回の演奏会はもっと期待できるのではないかと思います。 

 

 

 

 昨年の演奏会の様子

カクタスフィルハーモニー第1回定期演奏会 | geezenstacの森 (ameblo.jp)