カール・リヒターのバッハオルガンリサイタル第1集 | geezenstacの森

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カール・リヒター

バッハオルガンリサイタル第1集

 

曲目/

トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565 8:45

トリオ・ソナタ 第2番 ハ短調 BWV.526 11:07

プレリュードとフーガ ニ長調 BWV.532 9:40

幻想曲とフーガ ト短調 BWV.542 12:26

 

オルガン/カール・リヒター

 

録音/1964 1964年1月2622~26日

P:マンフレート・リヒター

E:ハインツ・ヴィルトハーゲン  イエスボー教会オルガン デンマーク・コペンハーゲン

ポリドール ドイツグラモフォン MG2117(138907)

 

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 先日「カール・リヒター/サンプラー」を取り上げたところですが、ひょんなことで彼のオルガン演奏のレコードを捕獲してしまいました。これも何かの縁なんでしょうかねぇ。久しぶりにリヒターの演奏を聴いてこれはいい演奏だと感心したところでところで、そのオリジナルのレコードが手に入るのですからねぇ。

 

 この時代のレコードで2,400円もしますから装丁は豪華な見開きジャケットです。リヒターのオルガンアルバムは都合4枚発売されました。先のカタログには面白いことに第3集だけが2,000円で発売されていたことになっています。不思議ですなぁ。


 さて、このレコード さしずめ、リヒターのバッハはメンデルスゾーン以来の伝統をレコードに刻印した最初の指揮者と言えるのではないでしょうか、という事を前に書きましたが、指揮を通じてミサ曲を始め、カンタータやオルガン曲までバッハの姿の普及の第一人者として活動しました。1曲目は「トッカータとフーガト短調です。代表的名盤と言われていますが、小生にはちょっと模範的な演奏に聞こえないでもありません。あまりにも楽譜に忠実でもう少し遊びがあってもいいのになぁと時々思います。ひょっとするとヴァルヒャに忖度したのかなと勘繰りたくもなります。しかし、揺るぎない構成で演奏されたこの「トッカータとフーガニ短調」はやはり他の演奏者に比較しても抜きん出ているんでしょうなぁ。ところで、このリヒターの演奏は最初からDGGレーベルで発売されています。傍系のアルヒーフにはすでにヘルムート・ヴァルヒャの録音があったためにリヒターの演奏はDGGに回されたのでしょう。原盤番号は138907ですが、この番号はアルヒーフでは198***で表示されていました。原盤がそのままレコード番号になっていたんですな。で、この場号は世界共通の]DGGのオリジナルの番号になっています。日本だけMG0000という番号がつけられました。さらにこのレコードには記載されていませんが、再発の時プロデューサーとエンジニアが明記されました。それが上のリストには記載された名前ですが、アルヒーフを担当していた人物です。

 

 

 そうそう、このリヒターの「トッカータとフーガニ短調」はもう一つステレオ録音が残されています。デッカが1954年にスイス・ロマンド管弦楽団のヴィクトリアホールのオルガンで録音したものですが、これも歴としたステレオでなんですなぁ。デッカは進んでいたんですなぁ。こちらの方が演奏時間が長いです。録音のマイクセッティングとホール特性の違いでリヒターはテンポを変えたのでしょうかねぇ。高音の伸びはDGGの方がありますが、全体の響きはデッカのほうがまとまりがいいような気がします。

 

 

 ニ短調が動の曲ならハ短調のトリオ・ソナタは静の曲です。このレコードはこういう曲の配列が見事です。興奮した気持ちを沈めてくれて穏やかな心持ちに戻してくれます。あまりにも気持ちが良くて睡魔に襲われそうになります、

 

 

 B面も同じような構成で組み立てられています。これはヒットするわけです。

 

 

   最後に「ファンタジーとフーガ」で締めるという何とも考えられた選曲です。バッハのオルガン曲の奥の深さを知らしめるという意味でも最高の組み合わせです。