東海学生オーケストラ連盟
第42回合同演奏会
曲目/
バーンスタイン / 「キャンディード」より序曲
ラヴェル / ラ・ヴァルス
ショスタコーヴィチ / 交響曲第7番「レニングラード
アンール
ショスタコーヴィチ /「ジャズ組曲」より ワルツ 第2番
指揮:中村暢宏
演奏:東海学生オーケストラ連盟
台風一過でしたが、天候のすっきりしない日が続いています。終戦記念日も台風に振り回されてあっという間に過ぎてしまいました。そんな中、東海学生オーケストラ連盟の演奏会が開催されました。ただ、この演奏会告知があまりできていないのかお客さんの入りはイマイチでした。なにしろ、チケットが発売されたのが8月1日という慌ただしいスケジュールで、上のチラシなぞついに店頭で見かけることはありませんでした。
しかし、演奏会のプログラムはなかなかのものが出来上がっていました。
これまでの演奏会記録を眺めていると、第1回から錚々たる指揮者が登場しているのにびっくりしました。大町陽一郎氏など3回も登場していますし、外山雄三、小林研一郎、山田一男、十束尚宏、松尾葉子、北原幸男、角田綱亮氏などが登壇しています。曲目は大編成の曲目が多くリストアップされています。
上は1曲目の「キャンディード」序曲のステージ配置図です。バーンスタインの曲の中ではウェストサイド組曲に注いで人気のある曲です。まずは腕試しといったところの選曲でしょう。ただ、指揮の中村氏はきっちりと振っていますが、演奏はちょっと上ずっていたようでリズムが硬く一本調子だったのが残念です。まあ、バーンスタインのようにリラックスして指揮をすれば楽しかったろうになぁというのが感想です。
リズムと色彩感ということで2曲目にはラヴェルの「ラ・ヴァルス」が選ばれていました。リズムが重くなると曲が死んでしまいますから、この日のテンポはよく考えられていました。この曲ではハープが活躍しますが、曲に華やかさを添えていました。
休憩を挟んで後半はこの日のメインプログラム、ショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」です。この日はオルガン席前に番だが陣取っていました。ホルン4、トランペット5、トロンボーン4という布陣でクライマックスに花を添えます。さすが合同オケならではの編成です。
こちらがステージ編成ですが、最終的には左端のハープとピアノの位置が入れ替えになっていました。それにしても、弦と菅の比率が一緒ぐらいという途轍もない編成です。コントラバスもみの曲では8挺に増強されています。この陣容で「レニングラード」を演奏するわけですからホールがオーケストラの響きで満たされないわけがありません。第一楽章から分厚い響きがホールを満たします。
個人的にこの曲が好きですから、コンサートに出かけたわけですが、この曲はこの季節に取り上げるのが一番ふさわしいような気がします。第一楽章から気迫のこもった演奏が繰り広げられます。ただ、力が入り過ぎてピッコロの音が不安定になったり、ファゴットの音が怪しかったりとソロの部分が多いこの曲、なかなか難しいのですが、演奏は盛り上がりました。
これだけのメンバーを集めての演奏、コロナか5類へ移行されたといえどもさぞかし大変だったでしょう。バンダの活躍もたのしいものがあり、第一楽章の戦争の行進曲の終わるあたりからの入り込みは、大編成の左右の音の広がりに加えて上下の音の広がりも体験することができ得難いショスタコの体験となりました。
この曲は第2次世界大戦のリアルタイムに演奏されたトスカニーニの演奏が今でも聴くことができます。そういう稀有の記録を聴いてみますか。多分全体の演奏のまとまり具合はこの日の学生オーケストラの方が上のような気がします。
こんなプログラムでも最後にアンコールが演奏され、ショスタコーヴィチのアンコールピースにはおなじみのジャズ組曲からワルツ第2番が演奏されました。これもバンダまで加わった第迫力の演奏で、II度と体験できないものでした。ただね連日の暑さで空調が効き過ぎていて、最後はやや寒いぐらいでした。多分満員のお客さんならこれでちようど良かったのかもしれませんが....
過去に取り上げた演奏会