2010年 | geezenstacの森

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音楽に映画たまに美術、そして読書三昧のブログです

2 0 1 0年

 

曲目/

1,2010年「ツァラトゥストラはかく語りき」    5:25

2,地球/宇宙    3:22

3,プローブ    4:21

4,ボーマンの変貌    1:51

5,ディスカバリー号の再発進    2:31

6,スペース・リンクアップ/アース・フォールアウト    4:01

7,ヴィジテイション/カウントダウン    5:53

8,ノバ/ニューワールズ/ツァラトゥストラはかく語りき    6:27

9,「2010年」ニュー・ワールズのテーマ    2:33

 

作曲/デヴィッド・シャイア

P:クレイグ・ヒュークレイ、デヴィッド・シャイア

E:クレイグ・ヒュークレイ

 

A&M AMP-28114

 

 

 こんな映画があったこと話覚えている人は余程のSFファンでしょう。そして、このサントラ盤を所有している人は余程のコレクターでしょう。映画としては1985年に製作されていますが、舞台はもうとっくに過去の時代となった2010年です。作品は原作があり、「2001年宇宙の旅」を書いたアーサー・C・クラークでした。要するにその続編でもあったわけですが、スタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」が名作であったため、この作品はスケール感にしろ、作品の規模にしろ色々比較されてしまい工業的には成功したとは言えません。そして、これはオリジナル・サウンドトラックとは謳っていますが、冒頭の「ツァラトゥストラはかく語りき」は実際には映画では使われなかった音源が収録されています。これは、ポリスのアンディ・サマーズがデオダートの「ツァラ等ストラはかく語りき」に触発されて書いたもので、実際、ブロモーションビデオまで製作されていましたが最終段階でボツとなりました。まあ、こんな曲です。

 

 

 乗りのある演奏ですが、小生的にはやはりデオダートの演奏が好きです。

 

 まあ、このコンセプトを受けヴィッド・シャイアはシンセサイザーを駆使したサウンドによるスコアを書いています。個人的にはこの作品は1985年ですが、その2年前に書かれたジョン・バダムの「ブルー・サンダー」の影響を受けいてるなぁと感じたものです。まあ、どちらも主演がロイ・シャイダーということもあるのでしょうが、同じシンセを駆使したサウンドがそう思わせるのかもしれません。下はアルバムの「地球/宇宙」「プローブ」 、「ボーマンの変貌」を並べています。

 

 

 

 

 シンセサウンドが好きな人はこのアルバムは気にいるでしょう。でも、フルオーケストラのサウンドが好きな人には少々物足りない作品でもあります。それでも、映画の後半に向かっては徐々にオーケストラサウンドを取り入れて下の「ノバ/ニューワールズ/ツァラトゥストラはかく語りき」では徐々にオーケストラサウンドに置き換えて行っています。そして、曲の最後にはこの作品のために作曲者自らが「ツァラトゥストラはかく語りき」の冒頭のフレーズを演奏して、前作の「2001年宇宙の旅」のオマージュとしています。

 


 そして、作品的にも謎だらけで終わったSF映画の金字塔「2001年宇宙の旅」を、「カプリコン1」のピーター・ハイアムズ監督が、監督・脚本・撮影・製作の4役をこなして作り上げ、前作で謎のまま終わった「モノリスの正体」や「ディスカバリー号の行方」等、消化不良だった部分の解明を含めて描かれます。

 

 その割に、音楽は当時の時流に沿わないシンセサウンドが採用されたのは意外でした。ジョン・ウィリアムズの重厚なサウンドを追ってSF映画は猫も杓子もシンフォニックな音楽を投入していましたが、

その路線を嫌ったのが裏目に出たのかもしれません。そう言えば、1982年の「トロン」はシンセサウンドで大コケしていましたなぁ。

 

 まあ、こんな作品ですが小生は気に入ってます。映画としては下記で取り上げています。