レコード芸術1972年12月号 その1 | geezenstacの森

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レコード芸術1972年12月号 

その1

 

 

 しばらく間が空いてしまいました。今回取り上げるのは1972年12月号です。前回1972年9月号を取り上げてから半年が経ってしまいました。

 

 表紙にもにも記載されていますが、この号はショルティ、バーンスタイン、アシュケナージを大きく取り上げています。

 

 

 ショルティは1969年秋、シカゴ響を率いてヨーロッパに演奏旅行に出かけています。は籠響にとっては初めてのヨーロッパ楽旅でした。その時、エジンバラ国際音楽祭に先立ってねゾフィエンザールで録音されたのがマーラーの交響曲第8番「千人の交響曲」でした。その時のスナップがこの号で特集されていました。

 

 

 ソリスト陣は左からマルティラ・タルヴェラ(Bs)、ヘレン・ワッツ(A)、ジョン・シャーリー・カーク(Br)、アーリーン・オージュ(S)、ルネ・コロ(T)、イヴォンヌ・ミントン(A)、ヒーザー・ハーパー(S)、そしてルチア・ポップ(S)の面々

 

 

 アシュケナージは1965、68、70年に次いで4度目の来日で10月30日の東京文化会館を皮切りに全国12カ所のツァーを行なっています。この時はベートーヴェンの「悲愴」、諸般のノクターン、ピアノソナタ第2番、モーツァルトのソナタ第11番などがプログラムに組まれていました。

 

 

 奥さんと宿泊先の「ホテル・オークラ」の日本庭園でくつろぐスナップ

 

 

 バーンスタインは、1966年、カラヤンの退いたウィーンでヴェルディの「ファルスタッフ」を録音しています。レコ芸のこの号では、その時をふりかえってウィーンフィルのオットー・シュトラッサーの回想録が掲載されていました。

 

 

 この当時はバーンスタインはまだCBSの専属だったのですが、録音はデッカの拠点ゾフィエンザールでエリック・スミス率いるデッカのスタッフで収録しています。

 

レコーディング風景

 

 

右からウィリー・ボスコフスキー、オットー・シュトラッサー、バーンスタイン、エリック・スミス、この時バーンスタインはタバコぷかぷか、コーヒーがぶ飲みだったようです。

 

 

 

プレイバックに聞き入るオーケストラとソリストの面々

 

 

 この年、レオニード・コーガンが来日しています。この歳は5回目の来日で、隣は18歳の大学生の娘、ニーナです。リサイタルでは当然この娘がピアノ伴奏を務めていました。この来日時の頃はカール・リヒターと組んだバッハの「ヴァイオリン・ソナタ全集」が発売され話題になっていました。このレコードはのちに廉価版で再発され、それを今でも所有しています。

 

 

 コーガンはNHK交響楽団のソリストとしても登場し、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を演奏しました。

 

 

 こちらは奥さんとバーベーキューを楽しむスナップ。この奥さんのエリザベータはギレリスの妹で、ヴァイオリニストです。

 

 

 ピアニストではウィルヘルム・ケンプが7回目の来日を果たしました。すでに77歳でしたが、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ショパンの作品を演奏しました。