名古屋芸大打楽器アンサンブル演奏会『だべや』演奏会 | geezenstacの森

geezenstacの森

音楽に映画たまに美術、そして読書三昧のブログです

名古屋芸大打楽器アンサンブル演奏会

『だべや』演奏会

 

 

 3月22日には名古屋芸術大学へ出かけ、打楽器アンサンブルの演奏会を聴いてきました。今まで、名音大の「打・カーポ」の演奏会はなんども聴きに生きましたが、この名芸大の「だべや」の演奏会は出かけたことがありませんでした。仕事のスケジュールが決まってから知ったコンサートでしたから、パスしようかと思いましたが、ギリギリ開演に間に合いそうだったので駆けつけました。会場はいつもの3号館ホールでした。

 

 最近はコンサートの情報はツイッターだけの発信が多く、ツイッターをやらない小生には情報がほとんど入りません。このコンサートも先月の「打・カーポ」のコンサートでの挟み込みのチラシで初めて知りました。

 

 

 こちらが今回のコンサートのプログラムです。訂正があり、休憩後の最初の「LOS」は「LOSA」と修正となっていました。

 

オープニングのステージ配置

 

 この「だべや」のメンバーは10名といささか規模が小さいので、取り上げられた曲も最高で7名の奏者による演奏でした。

 

①ゲインズボロー / トーマス・ゴーガー 

 

 トーマス・ゴーガーが1965年に作曲した作品です。それぞれ雰囲気の違う3つの楽章から成る、特殊な楽器や奏法を使わない、極めてクラシカルな作品で、打楽器本来の持つ響きの美しさなどを表現されていました。こんな構成です。

Part 1: Allegretto 

Part 2: Slow, hesitant 

Part 3: Presto

ただ、今回は3つのパートが続けて演奏されたので終わりがいつなのかわからず。拍手もまばらでした。下の映像では楽章の日氏があってわかりやすいです。

 

 

②チェンバロ協奏曲第1番より第1楽章/ J.S.Bach 

 

 素材がバットのチェンバロ協奏曲なので聞き知ったメロディが登場します。今回はソリストのチェンバロの部分を、2台マリンバ用に編曲されていました。この演奏会主催の2人によるマリンバデュオで、この曲をきっかけにこの演奏会の開催の動きの原動力になった曲です。メインがマリンバなのでオーケストラ部分をピアノが加わって演奏していたのですが、同じような音色になってしまっていたのでもったいない演奏になっていました。さすがにネットではピアノ版の演奏は見つかりませんでした。

 

 

③Intentions / Eugene Novotney 

 

 4つの楽章から成る曲で、特殊奏法がた盛りだくさんです。打楽器会では結構著名な作品なんでしょうが、見ている(聴いている)法としては3人が同じ楽器を演奏しているパーツで組み合わされているので少々冗長なものに思えてしまいます。楽譜の解読が難しいようで色々なバージョンがありますが、基本同じ楽器を鳴らします。ひとつ違う楽器が強いると面白いのになぁと思ってしまう作品でした。今回演奏されたものに一番近いのが下の映像です。

 

 

 後半はややメロディアスな聴きやすい作品が並びました。

 

④LOSA / Emmanuel Sejourne 

 

 フラメンコ音楽から曲想を得た、華やかな曲です。本来はマリンバとビブラフォンのための曲ですが、今回はカホンを加えて演奏されていました。真ん中で座ってぽこぽこ叩いている楽器が「カホン」です。

 

 

⑤Plato’s cave/ Casey Cangelosi 

 

 この曲に必要なのは、スティックと2人の演奏者だけ。「打楽器」とは何なのか、「音楽」とは何なのか、考えさせられる作品でした。ちょいと異色だったのは、白い作務衣姿での登場でそのまま舞台に座り込みステージの床を叩くパフォーマンスに圧倒されました。映像では黒い衣装での演奏の作品が多いのですが、白ということでとても日本的なものを感じました。多分ついつい、引き込まれてしまうのではないでしょうか。

 

 

⑥White pines / Michael Burritt 

 

 ソリストは助教授が担当し、彼を囲むように配置された打楽器で演奏されました。全員初めて! ソロを務める先生の、ただ力強いだけでなく、その中にある「美しい芯の強さ」を感じさせる演奏は必聴です…! 周りの打楽器群とマリンバがどのように絡み合うのか、お楽しみに!

 

 

 そして、アンコールは「ようこそジャパリパークへ」がフルメンバーで賑やかに演奏されました。

 

 

 こちらが今回の演奏のメンバーでした。