ブラームス/ハンガリー舞曲
ピアノ連弾版
曲目/ブラームス ハンガリー舞曲集 (1869)
No.1 ト短調. Allegro molto 2:57
No.2 ニ短調. Allegro non assai 3:09
No.3 ヘ長調. ALlegretto 2:15
No.4 ヘ短調. Poco sostenuto 4:03
No.5 嬰ヘ短調. Allegro 2:21
No.6 変ニ長調. Vivace 3:20
No.7 イ長調. Allegretto 1:36
No.8 イ短調. Presto 2:41
No.9 ホ短調. Allegro ma non troppo 2:03
No.10 ホ長調. Presto 1:48
No.11. ニ短調. Poco andante 3:21
No.12 ニ短調. Presto 2:16
No.13 ニ長調. Andante grazioso 1:28
No.14 ニ短調. Un poco andante 1:53
No.15 変ロ長調. Allegretto grazioso 2:24
No.16 ヘ短調. Con moto - Presto 2:25
No.17 嬰ヘ短調. Andantino 2:56
No.18 ニ長調. Molto vivace 1:20
No.19 ロ短調. Allegretto 1:48
No.20 ホ短調. Poco allegretto 2:06
No.21 ho調. Vivace - Piu presto 1:45
ピアノ/ヤアラ・タール&アンドレアス・グロートホイゼン
録音:1992/11/15 Reitschule Schloss Grafenegg, Austria
P:ヴォルフ・エリクソン
Sony 88875872-3
ハンガリー舞曲には、管弦楽版、ピアノ独奏版、ピアノ連弾版の3種類があります。ブラームスは最初に連弾版を作曲して、後に第1~第10番までをピアノ独奏用に編曲していますが、管弦楽版は第1曲、第3曲、第10曲のみ編曲しただけです。というわけで、有名な第5番はブラームス自身の編曲ではないんですよね。
でも、一番聴く機会が多いのは管弦楽版でしょう。何しろカラヤンがステレオ初期の1959年に録音したものがベストセラーになって一般に認知されたのではないでしょうか。全曲ではありませんが、小生も過去にイッセルシュテットの録音を取り上げています。
そんな中、オリジナルのピアノ連弾のハンガリー舞曲はあまり聴く機会がないのではないでしょうか。何しろピアニストが二人入りますから、そうそうコンサートでも取り上げられる機会はないでしょう。今回取り上げるヤアラ・タール&アンドレアス・グロートホイゼンのデュオは1985年に結成されたピアノ・デュオで、タールはテル・アヴィヴの音楽院を経てドイツに留学し、ともにペーター・ホイフトヴァンガーやルートヴィヒ・ホフマンに学んでいます。このデュオは、高い芸術性を持つピアノ連弾曲、あるいはピアノ二重奏曲の発掘と紹介に務め、均質な音色と完璧にタイミングの一致した演奏は高く評価されています。2人は、人生のよき伴侶でもあるんですなぁ。
小生の手持ちのブラームスのハンガリー舞曲は2016年に発売された「The Art of Tal & Groethuysen (10CD」というボックスセットに含まれている一枚です。このCDには実際はハンガリー舞曲の他に16の悪とOp.39も含まれているのですが、そちらは取り上げません。
まずはよく知られている第1番と第5番を聴いて見ましょうか。
オーケストラ版ですと結構ゆっくり貯めた演奏が多いようですが、ピアノ版は舞曲本来の躍動感のあるテンポで演奏されていきます。そんな中1番は連弾を楽しむための仕掛けが色々してあり、なかなか楽しめます。これに対して第5番はかなりアップテンポで弾ききっています。でも、これが連弾での演奏の醍醐味でしょう。
この録音は、ヴォルフ・エリクソンが担当しています。バロック作品で名録音を数多く残しているエリクソンですから室内楽の器楽作品でも悪うはずがありません。ここでもステレオ感重視というよりは二人のピアニズムの違いの機微をきっちり捉えています。
視聴した限りでは低音部をタールが高い音域をグロートホ以前が弾いているように聴こえます。この曲集は平均が2分半ほどで、一番長い4番の演奏でも4分ちょいですから聴いているとあっという間に終わってしまいます。下は全曲の演奏になります。
ブラームスのピアノ編曲版の作品についてはこちらで交響曲第3、4番を取り上げています。