イギリス「グラモフォン」のレコードカタログ | geezenstacの森

geezenstacの森

音楽に映画たまに美術、そして読書三昧のブログです

グラモフォンのカタログ

 

 

 1974年12月発行のイギリスの「Grammophon」誌のレコードカタログです。インデックスは別として本体だけで268ページあります。これで50Pでした。今手元に残っているのはこれ一冊だけです。当時はこういうカタログを利用して外国からレコードを個人輸入していました。

 

 

 上はレコード店の広告ですが、この一番上の「MAILDISC $ CO」と取引をしていました。「Valance of Cledit」として、幾らかの金を預け信用取引を行なっていました。5-6年は続けていたと思います。学生の身で一人では心細いので友人と組んで少々浜詰まった取引をしていた思い出があります。その辺りのことは以前こちらの記事で書いています。取引をしていた頃のインボイスカードも残っていたのでこちらにその記事はアップしています。

 

 

 こちらはこの号に掲載されたDECCAの広告記事です。この年末にはクリスマス需要を当て込んでボックスセットがまとめて発売されています。写真は拡大できますので確認してみてください。一番上はケルテス、ウィーンフィルの「シューベルト交響曲全集」、2つめがロンドン・シンフォニエッタの「シェーンベルク室内楽作品集」、3つめがドラティ/フィルハーモニア・フンガリカの「コダーイ管弦楽全集」、一番下はエオリアん四重奏団の「ハイドン弦楽四重奏曲全集」の第3集です。で、バーゲンセールと謳った広告だけあって、上の2つが£12.75→£8.95、コダーイは£7.65→5.95、ハイドンは£6.48→4.95と翌年の2月28日までのセール告知です。この当時1£は700円ほどでした。

 

 さて、この左側のページはちょっとみにくいのですが、各メーカーのレコード企画ごとの価格が細かく表示されています。ちなみに、左のパイレーベルは「GSGC」規格と「GSGL」企画は1枚£0.99でした。それぞれパイ・コレクター、パイ・ゴールデンギニアシリーズになっていました。

 

 

 こちらのページはフォノグラムの番号ごとに価格です。6499308は£0.97、6641シリーズなんて価格はバラバラで2枚組で£1.72から£5.10まであります。この価格リストがないとどれが幾らかなんて全くわからないという水戸になります。こういう番号体系をとっていたポリドール系のグラモフォンも価格はバラバラでした。ですから、グラモフォンやフィリップスは全く手を出しませんでした。

 

 

 さて、こちらは作曲家別のインデックスです。分類は作曲家、アーティスト、オペラ、その他、さして特別盤という分け方です。その作曲家の分類はオーケストラ、室内楽、器楽曲、声楽、オペラに分かれています。ただ日本のカタログと違うのはABC順に配列されているところです。ですからベートーヴェンは協奏曲(concerto)から始まります。右側に交響曲全集が記載されていますが、純粋な全集は3組、イッセルシュテットにカラヤン、そして、モノラルのワルター/ニューヨークフィルのみです。そして序曲も含まれているのは、クレンペラー/フィルハーモニアとベーム/ウィーンフィル、そしてケンペ/ミュンヘンフィルの3点のみです。番号からけんペバンは4チャンネル収録されて発売されていたことが確認できます。頭の●は廃盤予定を表しています。また、❇︎は神父を表しています。このページの拡大が下です。

 

 

 このページはヴァイオリン協奏曲から始まっています。この時代、ピアノ協奏曲への編曲版はブルメンタール、ピーター・ゼルキン、バレンボイムの演奏しかありませんでした。

 

 

 アーティストカタログ情報のページです。上はロンドン交響楽団のページになります一部を拡大すると下のようになっています。

 

 

 ロンドン交響楽団にはこういう録音がありますよ、という情報です。それが演奏者順に掲載されています。ここではレッパード、レヴァイン、マーク、マゼール、マッケラス、マルコム、マルケヴィッチ、マルティノンと続きます。そして、コンサートと書かれているのはオムニバス版のことで、収録曲と演奏者が違うものはその情報も書かれています。SPA231にマークがついていますが、これは実際に購入したもので、マルティノンの指揮でボロディンの交響曲第2番とダッタン人の踊り、アンセルメの指揮で中央アジアの草原にて、さらにはボロディン四重奏団の演奏で第二楽章のノクターンが収録されていることを表しています。

 

 もう変色しボロボロですが、二度と発行されることはないと思いますので、手放すことはないでしょうなぁ。